【太郎作戦】太郎山〜山王帽子山〜光徳温泉【乙32.6】
- GPS
- 06:07
- 距離
- 16.1km
- 登り
- 1,195m
- 下り
- 1,164m
コースタイム
- 山行
- 5:09
- 休憩
- 0:58
- 合計
- 6:07
天候 | 終始晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路:光徳温泉バス停〜東武日光駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山道のあちこちで山体の崩壊を感じることができる。 展望の良い所はほぼ崩壊地。道にも土砂が流れた跡多数。 稜線上も崩壊で尾根が痩せつつある。 太郎山手前は岩場の急登が続く。 山王帽子山から光徳温泉側は道の状態がマシだが笹薮多い。 |
写真
感想
この週末は雨の直後で風が強かった。また、空気の入れ替わりがあり、大気の状態が不安定になった地域もあるようだ。
そろそろ2000m級の山でも歩くかと考えてはいたものの、このような気象状況を踏まえると、なかなか決められない。雨の直後なら沢筋は避けた方が良いな。強風のおそれがあるなら、標高が高い所も避けるべきでは。そんなことばかり考えていると、結局どこにもいかないで家にひきこもるという最悪の結果になるので、とりあえず、袈裟丸山、御坐山、両神山、日向山、千頭星山、櫛形山、大菩薩嶺といったところで候補の絞込みを行い、各地域の天気予報を見回る。
決め手となったのは20時45分のニュースでの気象予報。各地域の3時間ごとの天気と風速予測までやる。これにより上越国境の雨雲の一部が北関東に伸びてくることと稜線の強風という二大懸念事項が解消され、晴れて久し振りの日光訪問となった。
早朝日光駅に降り立つと早くも西洋人観光グループがバス停に並んでいる。駅前からみる日光連山は雲をかぶっていたが、いずれ晴れると思われた。
他の登山しそうな人達は大体二荒山神社中宮祠で降り、三本松で降りたのは私一人。日光駅からここまでバスで1500円。
【奥男体林道を詰めて太郎山へ】
三本松から志津乗越方面へは舗装された林道が延びているので、まずはその道を歩く。道の状態は良いが車で行けるのは梵字飯場跡まで。そこから先は落石が多いということだったが、道が広いということもあり、先日の袈裟丸山のような恐怖感は無い。
林道終点の先から入山する。道は、最初、土砂が崩れた跡が道になっているような感じで、こんな道が延々続くのかと思わせたが、平坦な区間も意外とあり、適度に息抜きしながら歩くことができる。
そして、展望。早いうちから周囲の男体山、白根山といった名峰が見えてくる。しかし、その美しさは危険を孕む。斜面が崩落して木々が無くなったから展望が良いのである。しまいには大崩壊地、新薙を横断する。このような崩壊、崩落の跡は山の至る所で見ることができ、山頂に至る道は付け替えれば良いのかもしれないが、稜線上で起きている崩壊は、いずれ太郎山〜山王帽子山間の縦走を不可能なものとしかねない。
最初は緩やかだった道も山頂に近づくに連れて急になり、大岩が立ちはだかったり、巨木がぶっ倒れていたりと、なかなかスリリングな状況になってくる。さらにお花畑では風が強く、これでは稜線通過も大変なのではないかと危機感を募らせた。
ところがどっこい、太郎山の山頂は極めて穏やか。静か。そして圧巻の展望である。つくづく日光を選んで良かったと思う。冠雪の北方稜線や周囲の日光の主峰群を眺めながら珍しくゆったりと昼食をとる。(なお、太郎山頂の西側斜面も崩壊している。今後も山頂部がだんだんと削られていくことになるだろう。)
【太郎山〜山王帽子山の稜線を経て光徳温泉へ】
前述の通り、太郎山からの稜線も崩壊が進んでいる。ただ、今のところは恐怖感を爽快感が圧倒。荒れ気味の道もかえって心地良い。何も遮るものが無い小太郎山で再度360度の展望を楽しんで、その後は急降下。鞍部までかなり下るので山王帽子山への再登頂にかなりへばるのではないかと思ったが、何も考えずに歩いていたら、いつの間にか山頂に着いていた。山頂は木々に覆われているが、それでもなお周囲の山々を望むことができる。
荒れる一方の東側に対し山王帽子山の西側斜面は様相が変わって道も落ち着いている。しかし、後半においては深い笹薮が待ち構えている。登りの時はまだ良いが、下りの時は完全に足元が見えず、段差や倒木があった場合、ずっこけることになるので、小股で足元を確かめながら下る。この笹薮は、登山口に到達した後、湯元光徳線歩道にショートカットする道まで続く。この登山口からハイキングコースに至る道は、もはや廃道として放棄されているようで、刈り払いも全くされていないと思われる。
湯元光徳線歩道に出てからはもう完全ハイキングコースで人もブワーッと増える。それまで数人しかいなかった稜線と打って変わって何十人と歩いている状況に戸惑いつつ、光徳に出た。
【崩れゆく山、消えゆく道】
最近、火山活動や崩壊、予算不足等により、登れない山、通れないルートが増えつつあるように思う。最近では日向山南面がそう(それでも通行禁止後に歩いた記録が少なからず見られる。通行禁止を「知らなかった」そうだ。)だし、大無間山や穂高の稜線もいつまで歩けることか。
袈裟丸山の八反張も通行する者がいるようだが、通行禁止の看板がある(今は消滅した勢多郡東村時代の看板であることをもって無効だと主張する向きもあるようだが、東村を承継しているみどり市発行のリーフレット『袈裟丸山登山コースを楽しむために』でも通行禁止と明記されており、「通行禁止」が今も有効であることは明らかだ。)以上、一見燦然たる山行にも影が射し、良心があれば、後味の悪い思いが残ることだろう。
内心、むやみやたらに道を通行止めにするのもどうかとは思ってるが、何かあったら責任を問われるのは管理者なので自治体の気持ちもわからんでもない。ただ、通行禁止と言いつつ通れるようにしている現状では、それこそ自治体の責任逃れのための通行禁止なのではと思われても仕方がない。
自治体の姿勢が中途半端なものである限り、危険箇所の通行はやむことは無い。真の責任とは、完全に通れなくするか、きちんと道を管理、整備、補修するか、そのいずれかだ(本来ならば通行した本人に100%帰責すべき話だが、お上頼みの強い日本ではそうもいかないだろう。)。
ということで、風化、崩壊が進んでいる山は早いうちに歩いておきましょうということだ。
【総括】
本山行を以って、男体山、女峰山、白根山、太郎山と日光の主たる山は一通り歩いたことになる、と思う。今後は、これらの山をどう繋げて、面白く楽しく歩いていくかを考えていきたい。とりあえずは夏の大祭の時期を念頭に置きつつ。
〜おしまい〜
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