飯豊縦走(丸森〜ダイグラ)
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- GPS
- 24:27
- 距離
- 33.6km
- 登り
- 2,910m
- 下り
- 2,911m
コースタイム
- 山行
- 5:24
- 休憩
- 0:35
- 合計
- 5:59
- 山行
- 6:21
- 休憩
- 0:51
- 合計
- 7:12
天候 | 8/12晴れ 8/13晴れ/ガス 8/14曇り/雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2018年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
■ダイグラ尾根は岩場もあって、登り返しや急斜面をヘツる様に行く箇所も多く、とにかく長い。ひたすら長い。飯豊本山から降りて30分ほどすると登山道が黄色いテープでふさがれている箇所あり、そこから草付きの急斜面に誘導される。ガスと雨で黄色テープを越えた先がどうなっているのか不明だが、この草付きの急斜面を下って上がって元の場所に戻る感じだった。 |
その他周辺情報 | ■飯豊山荘で汗を流して帰りました。山荘は下山後の登山者で混雑してました。 |
写真
感想
今年のお盆はテント担いで北アルプスの予定でした。昨年計画倒れした折立〜黒部五郎〜雲の平の周回か扇沢〜針ノ木山荘〜種池山荘〜鹿島槍の周回か・・・ところが台風の影響で北アルプスの天気は全然駄目っぽい。一方東北の山の天気は良さそうだ。ということで、今回は飯豊を縦走することにした。山形からのアプローチを考えると入山は長者原口(飯豊山荘)。頼母木小屋でテントを張ってみたかったので登りは丸森尾根。縦走して御西小屋で幕営。翌日、飯豊本山に登頂して下山するとなると、ダイグラ尾根か・・・。疲れの溜まった3日目に重いテント泊装備でダイグラ尾根は厳しそうだが、下りメインだし何とかなるだろうと出発した。
1日目、丸森で地神北峰に上がると杁差岳へと続く稜線が一望。中間点にポツンと赤い屋根の頼母木小屋、緑濃い山肌と青い空に白い雲。素晴らしい景色だ。マツムシソウが秋の気配を感じさせる稜線を辿り頼母木小屋へ。テントを設営後、時間も早いし杁指をピストンしようかと思ったものの、登山地図を見るとアップダウンがあって結構時間がかかる。で、杁指はまたの機会にして、この日は夏休みらしくノンビリ過ごすことに。小屋は水が豊富で、冷たくおいしい水がかけ流し状態。そこでビールが冷やされていて、これを目にしたら飲まないわけにはいかず、渇いた喉に超美味かった。快晴で日向は陽射しが暑かったが、日陰はそよ風と相まって快適そのもの。幸せな時間を過ごしました。日本海に陽が沈むと夕焼けに染まり、やがて頭上には満天の星空。いくつもの星が流れた。
2日目、テントを畳んで地神北峰に登り返し。地神山〜扇ノ地紙〜門内岳〜北股岳と越えて梅花皮小屋へ。前回石転び雪渓を登ってテントを張った思い出の場所。ここで水を補給して休憩。ここまで本当に人が少なくお盆休み中なのかと疑ってしまうくらいだ。梅花皮岳〜烏帽子岳と踏んで、御手洗の池までの間はお花畑が凄かった。オンタデとかトラノオとか派手な花ではないのだけれど無数に咲いていた。この辺りになるとすれ違う登山者も多くなったが、やはり福島県側から入山する人が多いであろう。天狗岳を過ぎたところで、この時期としては珍しいコバイケイソウやニッコウキスゲが見られた。見えてからが遠かった御西小屋にようやく到着する頃、遠くで雷鳴が聞こえ出し、大日岳はガスに包まれてきた。テントを設営する頃にはポツポツ落ちてきたが、本降りにはならずすぐに止んだ。ここの水場は小屋から距離にして400mくらいで50mほど下ったところだった。その後も雨は降ったり止んだりで、テント内で時間を過ごす。夕暮れ時に外を見るとガスで真っ白だった。
3日目、ガスの中を撤収。水を含んで重くなったテントを担いで飯豊本山に向かう。晴れていれば素晴らしい稜線漫歩なのであろうお花畑の中を黙々と進み、風と雨が激しくなる中、駒形山を越え一登りすると飯豊本山に着いた。写真だけ撮ってすぐにダイグラ尾根の下りに入る。ガスで視界が悪いが、時折ガスが切れると実に雄大な景色の中に自分がいることを感じさせてくれる。ガスの切れ間に行く先を確認しながらガレ場を下って行く。黄色いテープが張られた場所を過ぎると草付きの急斜面になり、道を間違えたかと不安になるが、踏み跡を追って下って登り返すと尾根上に復帰した。この後は道は明瞭でガスでも間違えることはないが、岩場や急斜面で傾斜したトラバースなどは、雨で濡れて足元が滑り易く不用意に足を乗せるとズルっとくるので、1歩1歩細心の注意が必要だった。大分下ったと思うと、ガスの中から巨大な尖峰が現れ「マジか!」と思うこと数回。疲れが溜まった脚にこの登りは本当にキツかった。宝珠山、千本峰、休場ノ峰と越えて行くが一時陽射しが射して猛烈な蒸し暑さ。汗が常に額から滴り落ちる。休場ノ峰を過ぎると大きな登りはなく、ひたすら下り。下っても下っても着かない嫌になるほど長い下りが終わる頃、雷鳴が鳴り響き、ザーッと雨が落ちてきた。吊橋を渡って、左岸の登山道に固定ロープを使って上がり、平坦な道を歩きフラフラになりながら林道に下り立った。
今回の山行は初日天国、3日目地獄。初日の頼母木小屋でのこれぞ夏休みと言った風の時間、そして3日目のダイグラ尾根の下りはこれまでの山行で1,2を争う厳しさ。年齢的な要素や持ってる装備の重さもあるが、自分の体力の限界を感じた。前回の石転び雪渓の登りもキツかったがその比ではない。涼しい時期、山行の初日に小屋泊装備でならば登ることができるとは思うが、今年はやることはないだろう。こりあえず、今回登り残した杁差と大日岳はいずれ踏みたいところだが、日程を考えると来シーズンかな。(TONO)
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