【北アルプス】鑓温泉~白馬三山~蓮華温泉【のんびり】
- GPS
- 32:00
- 距離
- 26.4km
- 登り
- 3,199m
- 下り
- 2,971m
コースタイム
- 山行
- 2:40
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 2:40
- 山行
- 3:20
- 休憩
- 0:20
- 合計
- 3:40
- 山行
- 3:50
- 休憩
- 0:10
- 合計
- 4:00
天候 | 8/15 くもりのち雨 8/16 暴風雨 8/17 くもりのちはれ 8/18 はれ |
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過去天気図(気象庁) | 2018年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
風速15mオーバーはガチで命の危険を感じる!!! |
その他周辺情報 | 鑓温泉はめっちゃ熱い! 蓮華温泉はちょっと熱い! |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
着替え
靴
予備靴ひも
サンダル
ザック
ザックカバー
サブザック
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
飲料
ハイドレーション
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
調理器具
地図(地形図)
コンパス
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
テント
テントマット
シェラフ
|
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感想
★★★まとめ★★★
今回の山行は予定通りに行かなかったが、そのおかげで、多くの貴重な経験、出会いがあった。
自然の厳しさ、人の儚さ、温かさ、優しさ。
単に山に登るよりも、大切なモノを得ることができた。
この忘れられない山行を胸に刻む。
★★★8/14(木)★★★
話は前日から始まる。
この日は松本でお城見たり好日山荘寄ったりしたあと、大糸線で神城まで行き、ペンションのオーナーさんと待ち合わせ。駅や登山口まで送迎してくれるサービスがありがたい。話を聞くと、自家用車がトラブルで動かなくなってしまったが、それでも何とかクルマを手配してくれたようだ。感謝。
宿に着いて、フロアでまったりしながら甲子園観戦。いやー落ち着くわあ。何というか、雰囲気がいい。ソファとか棚とか、いい味出してるんだよなあ。気が付くとオーナーさんも一緒に甲子園観戦して、一緒に一喜一憂。こういう感じも好き。
この日のお客さんは自分含めて3人。静かな夕食だったが、他のお客さんと登山の話で少し盛り上がる。聞くと、不帰の嶮に行こうとしたが、風雨が止まず断念して下りてきたとのこと。この時は天気良くなかったんだなあくらいにしか思わなかった。
★★★8/15(水)★★★
朝食食べて、オーナーさんに猿倉まで送ってもらった。本当にありがたい。また泊まりたいと思う。
朝7時の猿倉は4,5人しかいなかった。お盆でピーク過ぎたのと、翌日の天気が良くないからだろう。登山届書いて、出発。
今日は鑓温泉までなので、全然急ぐ必要はない。と言いつつも、いつものペースでスタスタ歩く。後半は沢や橋があったりしたが、それほど大変でもない。
10時に鑓温泉到着。早く着き過ぎたが、これでいい。受付済ませて、早速温泉にドボン!熱い!やたら熱い!何かの間違いかと思うくらい熱い!でもどうやらこういうもののようだ。慣れるしかない。しばらく温泉の縁で湯遊びして、足入れて、体入れて、やっぱり熱いから体戻して、みたいなことを繰り返す。
自然の中にある露天風呂は開放感があって気持ちいい。テント場から丸見えなのはどうかと思うけど(笑)そのテント場に向かって仁王立ちしてるおじさんもどうかと思うけど(笑)
温泉上がってビール飲んで、また温泉入って、夕食食べた。この日はハヤシライス。明日に備えてすぐ寝た。
★★★8/16(木)★★★
この日は暴風雨。でも鑓温泉はそんなに風吹いていないので、大丈夫だと思い出発。
途中、すれ違ったご夫婦に「稜線は爆風だから本当に気を付けて」とアドバイス頂いたが、実感わかず進む。
で、稜線出た途端に爆風ドーン!!!白馬岳方面に少し進むも、風圧がすごくてまっすぐには歩けず、風に体を預けて何とか歩けるかどうかというレベル。しかもザックカバーが吹き飛んで焦る。風で命の危険を感じたのは初めてだ。尋常ではない状況に遅かれながら気付き、ひとまず天狗山荘に避難するも、白馬山荘まで行くのはムリだと判断し、下山。
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ここで、あとから読み返した時のことを考えて、当時の状況を詳細に記録しておく。
稜線に出るまでは少し風が吹いている程度だったが、稜線出た途端に飛騨側から信じられない風圧を受ける。正面から風を受けると耐えきれないので、背を向けるが、それでも風に押されて倒れそうになる。まともに歩くことはできず、風が吹いてくる方に体を傾けてなんとか歩けるような状況。白馬岳方面に30mくらい進んだところでザックカバーが吹き飛ぶ。幸いにもザックのボトムで引っかかって紛失には至らなかったが、たまらずその場にザックを置いてカバーを付け直す。しかしザックを置くと今度はその分体が軽くなり、余計に飛ばされそうになる。まじでやばい。こんな状態で白馬山荘まで3時間風に耐えながら進むことなんてできそうにない。低体温症からの行動不能になってしまう。天狗山荘まではCTで20分、実際には15分くらいだろうから一旦避難する。暴風雨の中、なんとか天狗山荘にたどり着き、少し安心する。天狗山荘のオーナーさんに今後の天候を聞くと、午後になるほど悪くなるらしい。朝8時の段階で立ち向かえない風が吹いているのに、これ以上悪くなるとは。想像するだけで恐ろしい。冷静になって進退を考える。やはり白馬山荘を目指すのは無謀だ。おそらく遭難する。かと言って、天狗山荘は改築中で小屋泊はやっていない。じゃあテント泊か?こんな暴風雨の中、テント立てて吹っ飛ばない保証はない。自信もない。白馬岳までの稜線上に他に小屋もない。引き返す決断をする。天狗山荘で少し休ませてもらって、相変わらずの風に押されながら分岐までたどり着く。分岐から少し下るとうそのように風の勢いが弱まる。ひとまず助かったと安心し、しかし気は抜かずに鑓温泉まで戻る。
まず、最も正しい判断は「とどまる」だった。暴風雨という危険な情報が出ているのだから、ムリせずおとなしくしているのが正解。テント泊のお姉さんと長老ご夫婦は最初からその判断ができていたが、自分はできていない。このあたりに差を感じた。
次に、稜線まで出て爆風受けたあとの対応も、「すぐに引き返す」が正しかったと考える。「せっかく登ったのに引き返すのはもったいない」という理由で欲が出てしまい、一旦天狗山荘まで避難するという行動に至った。無事に戻ってくれたから良かったものの、その間にも風雨は威力を増し、行動できないレベルになっていたらどうしただろうか?少ない時間であっても、稜線を移動するという危険に身をさらすことに対して、真剣にリスク分析していただろうか?そもそも3000m級の山々の天候変化に耐えられるだけの装備を持っていただろうか?反省点は多い。
ちなみに、後から聞いたところによると、あの爆風で風速15mオーバーらしい。
風速20mの世界は想像するだけで恐ろしい。
////////////
鑓温泉まで戻って、アドバイス頂いたご夫婦とソロテント泊のお姉さんと爆風の一部始終を共有。猿倉まで下りようかとも思ったが、バスも動いていないかもしれないとのことで、だったら鑓温泉に泊まることに決定。
その後は、長老ご夫婦、温泉巡りの親子、小屋の人も交えて、みんなでワイワイガヤガヤ、山の話、テントの種類、山行軽量化の工夫、山小屋のご飯、温泉巡り、白馬や大町のおいしいお店、甲子園の審判とビジネス、どん兵衛からの夕食注文、とかとか、いろいろお話できて楽しかった。山々を縦走する山行も楽しいが、停滞がきっかけでできる人との出会いはかけがえのないモノだ。ムリせず引き返して良かった。
★★★8/17(金)★★★
今日こそは白馬山荘を目指す。天気は回復傾向にあるものの、依然として稜線の風はヤバいだろうから、出発時間は遅くしよう。と思っていたが、みんな早々に出てしまったので、自分も朝7時過ぎに出発。
やはり稜線は風があるが、歩けるレベル。昨日に比べたら全然マシ。停滞して良かった。
まずは白馬鑓ヶ岳に登り、杓子岳の長野県側が切れ落ちてる様相を眺める。何度見ても怖いわあ。せっかくだから杓子岳も巻かずに登る。ふりかえると白馬鑓ヶ岳が見える。白馬岳はくもの中。そのまま白馬岳を目指してお昼前に白馬山荘に到着。まだガスってたので、白馬岳登頂は明日の朝に回した。
夕食を終えて外に出ると、杓子岳と白馬鑓ヶ岳がはっきりと見えてキレイ。少し遠くには剱岳、立山連峰が雲海に佇んでいてかっこいい。しばし眺める。癒やされるわあ。
夕暮れ時にもう一度外に出て、同じ景色を眺める。日が沈む時のノスタルジックな雰囲気が出ていて幻想的。
明日は晴れ予報。朝イチから楽しみだ。
★★★8/18(土)★★★
朝ごはん食べて、明け方の剱岳と立山連峰を眺める。今日はド快晴で気持ちいい、最高の一日になりそうだ。
と思っていたら、隣の人に「キレイですね」と声をかけられ、振り向くとテント泊のお姉さんだった!ばったり再会!!びっくりしたー!!!
お姉さんは蓮華温泉から出発するお友達を迎えに行くところで、オレは今日は蓮華温泉まで下るだけ。お互い時間に余裕はあるので、スカイプラザでコーヒー&ケーキしながらおしゃべりタイム。山と高原地図広げて、北アルプス中心に、今まで登った山、想い入れのある山、登ってみたい山+ルート、登山とカメラ、擬態の話、危ない登山道、夜明け前からの登山と恐怖、見直した方がいい北アルプス三大急登、見直した方がいい百名山、栂海新道からきたコンデンスミルクおじさん、TJARとトレラン、プロアドベンチャーレーサーという謎の職業、遭対協の人たちの話、過去の事故事例、スイスの話、海外のバカンス、などなど、色々お話した。当たり前だけど、お互い山が趣味なので、話は合うし尽きない。こういうのって、いいなと思う。結局3時間くらい話しちゃった(笑)
お話できてすごく楽しかった!ありがとう!餓鬼岳でもクリヤ谷でも、どこでも行くぜ!
朝9時くらいになって、お姉さんとぼちぼち登山開始。この日は本当に晴れ渡っていて、白馬三山の後ろに控える唐松、五竜、鹿島槍まで、後立山連峰がすべて見えていた。間から剱岳と立山連峰、白山も見えるし、奥には槍穂高連峰、裏銀座の山々まで一望できる。さらに近くには妙高、火打、高妻、雨飾、富山湾、遠くには南アルプスから八ヶ岳、富士山まで。本当によく見えた。
いつもは山頂目指してトップスピードでガシガシ登っているが、景色を楽しみながらのんびり登るのもまたいい。というか、本当は後者の方がいいんだけど、ついつい速いペースで登ってしまう。まだまだ修行が足りないな。精進せねば。
11時くらいに小蓮華山に到着。ちょうどお友達っぽい人が上がってくるとのことで、サプライズ的に「おつかれさまでしたー!!!」とエール。こちらはこちらで感動の再会。4人で記念撮影してもらって、お姉さんたちとはここでお別れ。
いつもとは違った気分で、まったりと白馬大池まで下る。ふりかえると後立山連峰がすべて見える。実に素晴らしい。
白馬大池でパン食べて少し休憩して、いよいよゴールの蓮華温泉へ。ってか、分岐からすぐの蓮華温泉方面の道が天国過ぎる。こういう道好き。空のくももフェニックス!みたいな感じになってるし。なんて気持ちいい日なんだ。最高だ。
天狗の庭で少し遊んで、14時前に蓮華温泉に到着。内湯入って頭と体洗ってめっちゃ気持ちいい!縦走日数が長くなると日に日に不快感が少しづつ上がってくるが、最後の温泉で帳消し以上のモノがある。
そして湯上り後に長老ご夫婦と再会!遅めのお昼ごはん食べながら、やっぱり山の話で盛り上がる。長老奥さんは若い頃はテント泊装備で百名山制覇したそう。すごいなあ。そして長老はMarmotのTシャツにFineTrackのパンツ。めっちゃ最先端!若い!
今日は自分といい、人といい、再会が多い。
こういう日もあっていいよね。
★★★さいごに★★★
こんな長文駄文を最後まで読んで頂き、どうもありがとうございました!
レポ楽しかった!
あの4日間は本当に宝物のような山行でした
白馬鑓温泉に向けてのろのろ歩いていたら後ろからめちゃ高速な男の子きたーと思ったのが一番最初の印象
まさかこんなにたのしく過ごして思い出いっぱいになるだなんて思いもしなかったなー
たくさんお話ししてたくさん笑ったね!
また一緒に山にいこうね!
追伸:おひかえなすって、あたりだよー!
最初にうつしてたこだよ!!
みつけてもらえてうれしかった!
ヤマレコ読んでくれてありがとう!
ひっちゃんの第一印象はねー、
「むむっ...前方に見えるあのでかいザック...熟練者だ...!!」
って感じだった。
お話しして、やっぱり熟練者だったけど、いろいろ教えてくれたし、経験に対する奢りがないところが好感だったよ。(望月さんの話に通ずるね)
ねー!ほんとにたくさん笑った!楽しかったな!
山行きたいね!計画立てよう!
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