残雪の北アルプス、燕岳から常念まで縦走
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- GPS
- 74:00
- 距離
- 19.7km
- 登り
- 2,015m
- 下り
- 2,148m
コースタイム
(4/30は燕山荘で停滞)
5/1 8:00燕山荘発-10:30切通岩-11:40-12:00大天井岳-13:20-50東天上岳-14:40横通岳-15:40常念小屋(泊)
5/2 7:00常念小屋発-10:00一の沢登山口着
天候 | 4/29 晴れ 4/30 雨(停滞) 5/1 霧(ときどき小雨)、のち晴れ 5/2 晴れ |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
帰り;一の沢登山口ー(タクシー)-JR穂高駅ー(JR)-松本経由、四国(新居浜) |
コース状況/ 危険箇所等 |
・中房温泉から燕山荘までは、雪のルートだが、トレースがはっきりしており、特に問題はない。赤布の標識も多い。 ・燕山荘から大天井岳をとおり常念小屋までのルートは、トレースが割と少ない。 赤布標識も少ない。 燕山荘から大天井岳手前までは夏道がかなり露出している。 大天井岳は、夏道は通らず、頂上まで直登する。薄いトレースあり。 大天井岳から東天上岳あたりは雪の平らな部分が多く、迷いやすいので要注意。 所々夏道が出ている。 ・常念小屋から一の沢への下山ルートは、トレースがはっきりついていて迷うことはない。 最初の急斜面は、滑らないように要注意。アイゼン必須。 |
写真
感想
【山行No 299】
※ここ数年、本格的な春の雪山には行っていないので、長いGWの休みを利用し、久しぶりに北アルプスの春山を歩いてみることにした。
4月28日(日)
・今日は移動日。
四国(新居浜)を朝出発し、名古屋経由、松本には16時過ぎに到着。
駅近くのホテルに泊まる。
4月29日(月)
・朝からよく晴れている。松本市内も、ピリッとした朝の空気。
6:33 松本駅発
・大糸線にのる。車窓から常念から燕岳の白い山なみが美しい。
しかし、結構な高さだ。本当に縦走できるのか?
7:05-10 穂高駅
・バスの時間を確認すると、次は8:30になっている。
時間が惜しいので、タクシーを使う。
タクシーの車窓から、爺が岳など見える。運転手のおじさんに、
爺が岳の「種まきじいさん」の雪形を教えてもらった。
7:40-8:10 中房温泉登山口(標高=1640m)
・車はずいぶんたくさん停まっている。が、皆さん、早々と登り始めたようで、
この時間、登山者の影はなかった。
さっそくプラブーツに履き替えて登山開始。
・登り始めると、早速暑くなり、Tシャツ1枚になって登る。
9:50-10:00 第二ベンチ
・この付近より、ようやく雪が出だした。
標高=2000m付近でいよいよアイゼンを着用する。雪は固く締まっていて、歩きやすい。
しかし、荷物も今回はちょっと重いし、足取りは重く、ペースは悪い。
12:50-13:00 合戦小屋
・ここから先、雪の斜面の急登になるが、ちょっときつかった。一歩一歩、ゼイゼイ言いながら登る感じ。
しかしこの付近の、雪の斜面からにょきっとでているダケカンバの姿は絵になる風景だ。
13:30 合戦の頭
・森林限界を超え、急に展望が良くなった。目指す燕岳や、燕山荘、それに大天井岳へと向かう白い稜線もよく見えてきた。
その向こうに、小さく槍の穂先も見えだしてきた。上空は青空が広がっているが、その分、日差しが暑い。
・ここから燕山荘までは雪稜が続く。傾斜はゆるやかだが、意外と時間を食った。雪質はくさり気味。
14:40 燕山荘 着(標高=2680m、気温=+4℃)
・半日がかりでようやく小屋に到着。今日は登山初日のせいもあり、ちょっとばてたな。
・小屋に入り、小休止したのち、カメラとピッケルのみを持って燕岳に向かう。
稜線は結構雪が少なく、夏道がかなり出ていた。
16:00-20 燕岳山頂
・よく考えると16年ぶりにやってきたことになる。ひさしぶりだなぁ..
夕方の山頂には人影もなく、風がゆるやかに吹き渡るだけだった。
眺めは良好で、槍、穂高、立山連峰、後立山連峰の白い姿を周りに見ながらのんびりできた。
16:50 燕山荘帰着
・今日の泊り客は約20人と少なく、ゆったりしていてよかった。
4月30日(火)
・夜半から雨が屋根を打つ音が聞こえだした。
・朝起きると、雨もようで霧も深い。
天気予報を確認すると、前線が南下してきている。予定していたとおり今日は停滞とする。
・一日のんびりと、談話室で本を読んだり、昼寝したりして過ごす。
・昨日の泊り客の半分くらいは下って行ったが、登ってきた人も4〜5名いて、
結局、今日の泊り客は16人。
5月1日(水)
・夜中までずっと雨音が聞こえていた。これでは縦走はあきらめて下山すべきか?と思いながら、朝、天気予報を確認すると天気は回復するようだ。
外に出てみると、雨は小止みとなっていて、霧もうっすら晴れかけている。
では、予定通り常念まで縦走することにする。
8:00 燕山荘 発(気温=+5℃)
・少し遅くなったが、縦走に出発する。
一応雨具は着こんだが、最初はアイゼンを着けず。
・縦走路は全くと言っていいほど積雪がなく、ほとんど夏道がでており、夏道通しで行く。霧は深くて展望はない。
8:30-40 蛙岩
・ここは、夏道は東側を巻くようだが、雪が多くて通りにくいようなので、
岩の間を潜り抜けるペンキ印に従い、岩の間を通る。
しかし、岩の間は結構狭くて、ちょっと難しかった。
9:30 為右衛門吊岩
・この付近で、またパラパラと雨が降ってきた。
このあたりで、昨日燕山荘に同宿だった2人組みに追いつかれた。
今日は縦走者はこの3名だけのようだ。
・縦走路を少し行ったあたりでライチョウを見る。オスはまだ白い冬羽だが、メスは、夏羽がでてマダラ上になっていた。
10:30-40 切通し岩
・一休みする。この付近で、対向者4名。
・大天井岳への登りは、燕山荘で教えてもらった通り、夏道ではなく、直登するルートを取る。
雪は少ないが、道形はやや不明瞭。
11:40-12:00 大天井岳(標高=2922m、気温=+10℃)
・ひょっこりと山頂の祠の裏手に出た。
ちょうど山頂に着いたときに、周りの濃い霧が少し晴れ、槍や穂高など、
北アルプスの峰々が姿を現した。
・ここからは気持ちのいい稜線が続く。雪はあまりなく所どころに雪田になっている程度。
13:20-50 東天井岳 山頂(標高=2820m)
・夏道は山頂部を巻いてゆくが、山頂に行ったことがないので、寄り道する。
縦走路から5分ほどで山頂についた。標識もなく静かな山頂だ。
カヤクグリだけが乱舞しながら、チリリ、チリリとさえずっており、まるで天井の音楽だ。気持ちのいい山頂なので、のんびりした。
14:40-15:00 横通岳 山頂
・このピークも、夏道は巻いているが、せっかくなので寄り道する。
縦走路から10分弱で山頂についた。
午後になってだいぶ展望が良くなってきて、槍、穂高のほか、立山、鹿島槍など遠くの山々も望むことができた。
・最後は常念乗越まで標高差300mを一気に下る。
ここの樹林帯のみ雪が結構深く、ずぶずぶの雪の中を下って行った。
15:40 常念小屋 着
・ようやく燕岳からの縦走が完了して、ほっとした。
さっそくベランダに出てビールを飲む。槍ヶ岳の姿を肴にして飲むビールは美味しい!
・夕食時、同宿の人と少し話をしたが、昨日大天井の冬季小屋にとまった3人組は、
大天井からの下りの雪田で道を間違えて、結局3時間もロスして、
なんとかこの常念小屋にたどり着けたそうな。
自分は道も間違えずたどり着けたが、やはり霧で視界の悪い春山は危ないということか?
・さすがに今日は天気も悪かったせいで泊り客も少なく、わずか11名。
5月2日(木)
・夜中、トイレに起きたついでに外に出てみると、ちょうど下弦の月が東の山の端からでてくるところだった。
誰も見ていない、神秘的な夜のドラマのような感じ。
・朝起きると、今日は快晴で、浅間山の横から、すでに日が昇ってきている。
あまり朝焼けはなく、振り返る穂高連峰もあまり赤くならなかった。
・常念岳への往復も考えていたが、なんとなく気が乗らないので、登頂せず、そのまま下山することにした。
7:00 常念小屋 発(気温=+7℃)
・一の沢への下りは雪で覆われておるので、アイゼンを着用して、ピッケルを片手に下り始める。
まだ雪が固く締まっており、アイゼンをザクザク言わせながら下る。
7:40 三俣
・ここまでで急な斜面は終わり、ほっと一息。左右の谷にはデブリが結構出ている。
・天気も良いので、鳥のさえずりも多い。メボソムシクイ、ミソサザイ、ルリビタキなど、夏鳥の声も聞こえる。
・標高=1800m付近で雪も少なくなったので、アイゼンを脱ぎスッキリする。
9:00-10 王滝ベンチ
・軽く行動食をとり小休止。この付近はほとんど夏道がでており、新緑の芽吹きもまぶしい。
・ヒガラ、ウグイス、エゾムシクイ、コマドリ、キビタキ、ゴジュウカラなど
鳥の声も相変わらずにぎやかだ。
10:00-20 一の沢登山口 着
・ようやく登山終了。山小屋で予約したタクシーが少し早めにやってきた。
・時間も早いので、直接駅までいかず、途中の「常念坊」というところにより、
温泉に浸かる。
露天風呂からの新緑もさわやか。
風呂上りには、ちょっと早いが、ソバとビールで昼食。
12:50 穂高駅
・穂高駅で電車を待っているとき、ホームから燕岳や常念岳が気高く見えた。
あそこを歩いたんだな..とちょっと感慨にふける。
・松本から名古屋経由で四国に帰る。四国(新居浜)着は夜になった。
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