四阿屋山→両見山(辺見尾根)→北東尾根下降
- GPS
- 29:01
- 距離
- 11.9km
- 登り
- 1,193m
- 下り
- 1,089m
コースタイム
時刻 場所/行動
9:13 薬師堂
↓ 0:20(支度・水汲みなど)
9:33 薬師堂
↓ 0:25
9:58 四阿屋山登山道入口(途中装備の準備など)
↓ 1:16
11:14 四阿屋山手前の直登ルート
↓ 1:14(途中ハーネス着用ロープ確保など)
12:28 四阿屋山(771.6)
↓ 0:57
13:25 P739
↓ 1:48
15:13 P986
↓ 0:30
15:43 標高970m地点
幕営
■12/28
時刻 場所/行動
13:25 標高970m地点
↓ 0:45
14:10 両見山(1115.1)
↓ 1:30
15:40 P892
↓ 0:25
16:05 P748南のコル
↓ 0:20
16:25 林道
↓ 0:30
17:15 県道279号線
天候 | 2011/12/27 快晴 2011/12/28 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
http://www.town.ogano.lg.jp/menyu/basu/top.html |
コース状況/ 危険箇所等 |
■薬師堂→四阿屋山 四阿屋山へのルートはいくつかあるが、この日は一番北の観景亭手前から入るルートを選択。 危険箇所は特に無いが、四阿屋山直下の東の直登ルートは絶対に入らない方が良い。 入っても、すぐに戻れば平気だが、少し登るとロープが無いと降りれない程、不安定な土の急斜面となり、危険。 正しくは「急坂 登山禁止」の看板を左に折れると巻き道があり、そちらから山頂を目指す。 ※ここからの先のルートは登山道がありません。 バリエーションルートを良く歩き読図が出来る方でないと大変危険です。 また、この記録を参考にこのルートに入り、遭難する事になっても責任は負えませんので、入山する方は完全自己責任でお願いいたします。 ■四阿屋山→P739 四阿屋山山頂から南面の巻き道を降らず、稜線を西に向かうと多少藪がちだが踏み跡はある。 さらに踏み跡を辿ると、急斜面に出て降りれそうに見えないが、少し南に向かうように下ると、すぐに小さなコルに出る。 そこから先は、アップダウンのあるものの割と踏跡のハッキリした植林帯と自然林の境界となる。 いくつか、小ピークから支尾根に入り込みそうになるので、都度地形図を確認し現在地を特定しながら進む方が良い。 この日は四阿屋山から1時間程でP739に到着したが、荷物が軽ければ40分もかからないだろう。 ■P739→P986 P739から緩やかな稜線を辿り、少し斜面を登ると、辺見尾根の支尾根でP835を通り南東に伸びる尾根にぶつかる。 四阿屋山の方角から来ると、こちらの尾根の方が主稜線のように感じる。 稜線に直登するには、多少斜度があるが急斜面の手前で、北西にトラバースするように踏み跡がある。 そちらの踏跡を辿ると、小尾根にぶつかるので、小尾根の手前で植林帯との境界を稜線に向かって直登する。 こちらの直登ルートはどちらかと言うと植林側に林業のものと思われる九十九折の踏跡が錯綜しているので、そちらの薄い踏み跡を辿り稜線を目指すと、稜線の合流部分に赤のテープマークがある。 稜線に合流後は、多少のアップダウンを経るが主に稜線伝いに進む方が良い。 小ピークを巻こうとするとハマりやすい。 また、この区間林業従事者が付けたと思われるピンクのルートサインが散見される。 標高860m付近の北に伸びる稜線の合流付近に鹿避けの柵が設置してあり、柵の網にピンクテープがやたらと付けてある。 鹿柵は稜線沿いに設置してあるが、鹿柵の横は倒木が多く、多少歩きにくい。 また、地形図では稜線の南が崖になっているように描かれているが、特に崖のような地形を意識する事は無かった。 鹿柵を超えたあたりの稜線は緩やかになっており「山と高原地図」では「相撲場」と書かれている場所と思われる。 相撲場から急登の斜面を直登するとP986に至る。 ■P986→両見山 P986は特に何も無いピークとなっている。 その先、尾根が北西と南西に分岐するが、南西に下る斜面が多少急坂となっており、注意を要する。 南西に下る尾根にはテープマークがある。 その先のコルは林業の伐採の形跡がある幕営適地となっている。 また、コルから西の斜面の下部には祠がある。 その先の小ピークを過ぎると、また平場があり、こちらも幕営適地となっている。 今回はこちらで幕営をした。 さらに西側はアップダウンのある稜線となっているが、ピンクテープのサインも多くあり、ルートは明瞭。 また、両見山手前は急登となっているが、危険な箇所は無い。 両見山東から北東に伸びる尾根と合流し、斜面を登るとすぐに両見山の山頂に至る。 ■両見山→P892 両見山から北東に伸びる尾根は、取付き部分は暫く緩やかな細尾根となっている。 標高1080m付近から急坂が始まるが、ロープが必要な程では無い。 ただ、地質が脆いので落石に注意が必要。 また、踏み跡は薄く付いており、赤いテープのルートサインも所々ある。 標高差にして100m程の急坂が終わると、尾根は緩やかになり、踏跡も明瞭になる。 また、尾根の東側は植林帯となっており、尾根は植生の境界伝いに伸びる。 踏み跡を辿り少し、登るとP892に至る。 ■P892→林道 P892はなだらかな広さのある地味なピーク。 ここから、稜線は北東に伸びるが、踏跡は比較的明瞭。 標高800mから700mにかけて藪が多くなる。 藪の中を西側斜面に下るような踏み跡が散見されるが、稜線上の植生の境界の踏跡を辿った方が迷わないだろう。 また、この辺りからどの辺で西にある林道に下るか様子を伺うが、今回はP748の南にあるコルから植林帯の中を通り、林道に向かった。 標高差で100m程下ったあたりで林道が見えたが、この林道にはコンクリートの法面があり、林道に出る場所を間違えると、下降に苦労する。 場所によっては、支点の全く取れない土の脆い斜面となるので、慎重に下降点を見極めたほうが良いだろう。 今回はコンクリートの法面の上部に出たが、その端の土の脆い斜面をなんとかクライムダウンした。 ■林道→県道 林道は良く整備されており、県道に出るまで崩落や落石の跡などは皆無であった。 県道に出てから、日陰まで歩くとバス停がある。 |
写真
感想
これまで両神山系はアクセスの不便さから、計画がタイトになり、なかなか行かれなかったが、そろそろ奥秩父山系のルートの候補が少なくなって来たので、思い切って行って見る事に。
とはいいつつ、普通のルートでは物足りないだろうという事で、以前より気になっていた両神山の東に伸びる辺見尾根を選択してみた。
計画に当たって以下のサイトの記録を参考にした。
◯三峰山岳会 会報:岩つばめ「両神山に続く尾根(1) (一位ガタワ〜両見山)」
http://www.mitsumine.gr.jp/kaiho/321/contribution-5.html
記録によると両神山から東に下るルートの場合、途中で懸垂下降を行ったとあるのと遭難が多いとされる両神山のイメージから、一応10mの補助ロープとハーネスとガチャ類を持参。
■12/27
始発で西武秩父に向かい、そこから小鹿野町営バスに乗る。
通常両神山に向かう場合、小鹿野町役場でバスを乗り換えるが、今回は四阿屋山の登山口にアクセスするため、乗り換えなしで小森に。
バスで、地図を見ていると、2つ手前のバス停の薬師堂で下車した方が10分ほど短いコースタイムで四阿屋山に行けるため、急遽薬師堂で下車する事に。
バスを降りると地元のご婦人が「どこに行くの?」と話しかけて来たので「四阿屋山経由して両神山に」と答えると「四阿屋山経由してそんな所に行く人は聞いたこと無い」と言われる(笑)
最近、四阿屋山でヘリの出動する遭難救助騒ぎもあったらしい。
その後、水を汲みたいので水場が無いか聞いた所、その場に居合わせた飲食店の女将さんが店舗裏の水道を使わせてくれたので、有り難く2日分の水を汲ませて頂き、薬師堂で安全祈願をして四阿屋山に向かう。
四阿屋山の登山道は歩きやすいメジャールートで、特に難所も無かったが山頂直下の「登山禁止」と書かれた直登ルートは、崩れやすい斜面に細い木の根を掴んで登るような急坂でさすがにやばかった。
過去にはここで事故が発生している模様。
もしかしたら、地元の方の話していた遭難箇所はここだったのでは無いか?と話ながら必死に登った。
結局途中でハーネスを装着してロープを出したが、装備が無い状態で突っ込んだら進退極まった可能性もある。
この時、装備の準備に時間がかかり、寒風吹く中、防寒着も出せない状況で長時間停滞したので、yasuyoが風邪を引いてしまった。
四阿屋山の急登で想像以上に神経と体力を消耗し時間を食ってしまったので、両神山に行く気力が失われてしまったが、行ける所まで行こうと言う事で山頂から西の踏跡を進む。
コースは比較的踏み跡があり、地形図を確認しながら慎重に進めばなんとかなる程度。
テープも所々付いており、不安な所はスマートフォンのGPSでカンニングした。
この日はP986の少し手前の平場で幕営。
この位置だと翌日、両神山まで行けそうも無いのでテント内でエスケープルートを検討する。
両見山から北東の尾根を下ると林道に出れそうなので、そちらを下降する事にした。
■12/28
最近、テント泊で山に入ると、朝起きれない事が多いが、yasuyoの体調不良もありこの日も昼前まで爆睡(笑)
本日のルートは、尾根の最初の下降にかなりの急坂が予想されたので、ハーネスを着用し、すぐにロープを出せる位置に固定。
結局13時半頃出発し、両見山に向かう。
両見山は三角点があるものの、特に何も無い静かなピークだった。
山名から両神山が良く見えるだろうと予想していたが、まぁ、見えなくは無いがそれ程見晴らしがいい訳でも無く、両神山が見えるからこの山名になったのかは謎・・・
両見山から来た道を少し戻り、尾根が北東に分岐している部分にテープが付けてあり、そこから細い尾根に入る。
尾根は途中から地形図の通り、かなりの急登になるが、ロープを出すことは無かった。
尾根には所々、赤テープが付いていたので、このルートでアクセスする人も居るのだろう。
尾根は途中から植林帯との境界になり、踏跡も明瞭になる。
今回は、P748のコルから西に降り、林道に出た。
林道は出る場所を間違えると、脆い土の急斜面やコンクリートの法面の上部に出るので、割とリスキーだった。
この日は、高さ5m程のコンクリの法面の上部に出てしまい、飛び降りるには高度があり過ぎる。
かと言って、法面の脇をクライムダウンするには、土の斜面が脆いので、暫くスリングで支点が取れないか、探しまわる。
生えている植物の大半は引っ張ると抜けてしまうような不安定な状態で、立木も皆無だったので、意を決してクライムダウンする事にした。
土斜面を蹴って足場を作りながらなんとか林道に下り、yasuyoの荷物は予め渡しておいた補助ロープで降ろす。
その後空身でyasuyoが同様に降り、無事2人とも林道に降りれた。
当初、乗ろうと思っていた16時台のバスは、下降に手間取り間に合わなかったため、県道に出てから、バス道を小鹿野町役場方面に2時間程歩き、途中で終バスに乗る。
ネットで調べていた情報では、西武秩父か三峰口に向かうバスへの接続が間に合わないだろうと思っていたが、ダメ元でバスの運転手に聞くと、小鹿野町役場で西武観光バスに接続するという。
小鹿野町役場から、歩くかヒッチハイクでもしようかと諦めていたので、これは嬉しい誤算だった。
無事、終バスに接続し西武秩父に到着した。
■追加情報
帰宅してから調べた所、以下のサイトに同じルートで四阿屋山から両見山に行った記録が公開されていた。ただし、こちらはピストン。
http://www.k2.dion.ne.jp/~tnhc/azryo/azryo.html
両見山から西のルートは、刃渡りと呼ばれる両岸が切れ落ちた尾根など、中々面白そうな地形があるのでいつかリベンジしたい。
これで風邪引きました・・・w
行きの電車とバスの車内が寒くて調子が悪くなり、
更に四阿屋山の急斜面で寒風にさらされて更に状態が悪化、、、
シュラフの暖かさにやられて爆睡したので発熱せずに済んだのだと思いますが
起きて歩き出して暫くの間はなかなかフラフラで辛かったです。
頭も痛かったし。
歩いている内に体温も上がってどうにかなりましたけども!
両神山系の無線ルートは岩がちでヤバいんじゃないかと思いましたが
今回通った場所は想像した程でもなくてよかったです。
ただ、この辺りの本当に危険な場所は、他の山域の危険度の比じゃない気がするので
ちょっと怖いですね。
とりあえず、このルートからいつか両神まで行ってみたいと思います!
春以降かなぁ。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
deep--blueさん、yasuyo さん
はじめまして
近いうちに四阿屋山から両見山に行こうと思っていましたのでとても参考になりました。
やはり一番大変そうなのは林道に降りる箇所みたいですね?
koizさんこんばんは
これまで何度もkoizさんのヤマレコの記録を拝見し足取りを追う事も多かったので、ご本人様からコメントを頂けるなんて光栄です!
ご質問の件ですが、四阿屋山⇔両見山間 は特に危険箇所はありません。
強いて言えば、尾根の分岐が見分けにくいので、地形図の確認は頻繁にした方が良いのと、GPSがあればなお良いくらいでしょうか。
我々は、両見山から四阿屋山をピストンするのが嫌だったので、北東の尾根に抜けました。
そちらのルートで林道に降りる所は、ちょっと大変でしたよ。
どこで降りたら楽か?については、林道側から見ると、安全に降りれる場所が読みにくいだろうなと思える地形になっているので、結構運次第な所があります。
もし、両見山から先の両神山の方に行かれるようでしたら、切れ落ちたり、よじ登ったりするようなキワドイ箇所もあるようです。
はじめまして!
勝手に、何度もやり取りしている気分になっていましたが片想いだったようでw
幾度となくお伺いしていましたw
コメントいただき光栄です。
でもこーーーーんな地味なルートに「行こうと思って」いらしたなんて嬉しい限りですw
なかなか居ないですよねwww
出だし(四阿屋山山頂の直後)はかなりビビりまして
私も「両神山系の無線は甘く見ないほうがいい!」
「もう明らかに入り口からおかしい。やめよう。」
と言いまくってましたが、しょっぱなのおかしな様子さえ
越えれば後はどうにかなりますよ。
両神のあの岩がちな猛々しい雰囲気とは異なり、割と穏やかなルートです。
この山域、まだ不慣れであまり大それたことは言えないですけれども、多分この山域の他のルートのイメージとは違うんじゃないかと思います。
良いルートですよ。koizさんのレポも楽しみにしています!
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する