武甲山〜小持山〜大持山〜鳥首峠
- GPS
- 07:55
- 距離
- 16.5km
- 登り
- 1,604m
- 下り
- 1,510m
コースタイム
- 山行
- 7:05
- 休憩
- 0:38
- 合計
- 7:43
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
・往路(電車):つつじヶ丘(6:42)→新宿(7:01|7:07)→池袋(7:13|7:30)→西武秩父(8:51|8:57)→浦山口(9:04) ・復路(バス):名郷(17:43)→飯能駅(18:38) ・復路(電車):飯能(18:46)→池袋(19:34|19:40)→新宿(19:48|20:01)→つつじヶ丘(20:27) ※飯能発は「急行」 ■コメント ・往路の「池袋〜西武秩父」間はレッドアロー号(ちちぶ5号)を利用。乗車直前に特急券を買ったが、隣に人が座ることもなく十分に空いていた。 ・帰りのバスでは、名郷発のバスだったので発車時の乗客は数人。しかし、さわらびの湯では大勢乗ってきて立っている人もいた。 ・名郷のバス停は日が沈むと灯りが無く、真っ暗になる。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■全体的によく歩かれているルートで、迷うところは無い。 ■小持山から大持山の区間は痩せ尾根が続き、注意を要する。2017年のトレラン大会(FTR100)では、小持山を下った鞍部にて滑落事故が発生している。一見広い尾根道でも要注意だ。 |
その他周辺情報 | ■名郷では、バス停から北西に少し行ったところに自動販売機が数台並んでいる商店がある。この店の中に入るとビールを購入できる。 ■浦山口駅、名郷バス停ともに、周辺にコンビニは無い。 |
写真
感想
■プロローグ
劔岳に行ってから早3カ月。この間、あまりにも暑い日が続いて登山に行こうという気も失せていた。しかし、そろそろ涼しくなってきたし、翌日(10/21)は完全無欠の大晴天ということが判明し、急遽、懸案だった武甲山から奥多摩へ連なる尾根を歩くことにした。
■忘れもの
当日は朝から予想通りの快晴。電車を待っている間に胸ポケットに手をやると、スマホが無い!どうやら靴を履くときに一旦ポケットから出して置いたのを拾い忘れたらしい。加えて、ガイド地図(山と高原地図)も枕元に忘れてきたらしい。さて、スマホとガイド地図が無くても行けるだろうか?
・現在、地図とGPSはスマホアプリのGeographicaに頼っているが、かつて使っていたハンディGPS(GARMIN eTrex)、印刷した2万5千分の1地図(GPS用の緯度・経度メッシュも印刷済)、コンパスも予備として持っていた。スマホが潰れたとき用の対策だ。これを使えばなんとか行けそうだ。
・家への連絡は、登山前に公衆電話からスマホが無い状況、および下山予定時刻等を伝えておく。
・レッドアロー号の予約番号。これは支払いを伴わない単なる予約なので、切符売り場にてキャンセル&新規購入でなんとかなる。
・暇つぶしにYahooニュースや5ちゃんねるを読めない。自宅で稼働しているミュージックサーバの音楽が聴けない。これは文庫本があるので、まあ、問題なし。
・ガイド地図はコースタイム情報が重要なのだが、これはある程度暗記してあったのでたぶん無くても大丈夫。
というわけで、なんとか忘れものがあっても大丈夫と判断して、電車に乗り込んだ。しかし、その後も新宿駅にて山手線外回りが工事遅れの影響で次の電車が浜松町にいるとのアナウンスあり。次の電車まで20分待ち。これでは池袋発の特急に間に合わない。代替案として埼京線ホームへ急ぎ、発車ベルが鳴っている際中に電車に飛び乗った。出だしからなんとも綱渡りの状況だ。
■武甲山
なんとか予定通りに浦山口駅を下車。駅前の坂を下って線路をくぐりつつ丁字路に出るので、そこを右に曲がる。ほどなくして看板「浦山 清流キャンプ場 400m」のある分岐(写真2)に出るので左(ちょっと登り坂)に行く。あとは橋立川沿いの道を登って行くが、途中、左に分岐しつつ坂を登って行く道が現れる(写真3)。これは橋立堂への入口である。橋立堂へ行っても結局元の道に合流するのでどちらに進んでもよい。
しばらく進むと林道は終わり登山道が始まる。間もなくつづら折りの急登が始まり、高度差にして200mくらい登るまで続く。標高790mくらいまで来ると傾斜は緩むが、ここから頂上までは500mくらいあるので体力を温存しつつゆっくり登る。それでも武甲山のピーク近くではへとへとになってしまった。
武甲山のピークは2度目だが、今日は快晴で秩父の街々が一望できる。さすがにこの天気なので登山者もいっぱいだ。コースタイムより早く着いたし、日没まであと5時間以上あるので予定通り小持山、大持山方面の尾根へ向かうことにする。ピーク直下の神社付近にて、昼飯のコンビニおにぎりを食べてそそくさと出発!
■小持山・大持山
シラジクボへ下る道へ入ると、登山者はグッと減る。尾根線上は広葉樹林が多くなり、見晴らしがいい。向こうに小持山のピークが見えるがかなり下って登りそうだ。と、そこで視界が開けて原っぱみたいなところに出た。道に何か転がっている。よく見ると小鹿の死骸だった。行旅死亡鹿か。まだ新しい。なぜこんなところに?でも、何もしてあげることはできず、ちょっとどきどきしながらその場を立ち去った。
シラジクボから小持山までは200m以上の登り。武甲山への登りで1000mくらい登った後なので、これはキツイ。何度か足がつってしまってビビったが精神力でカバーして小持山に到着。ここでは、先行者あり。行先を尋ねたところ、鳥首峠を経由して名郷まで下るとのこと。自分の予定ルートと同じだ。ここまで、日没までには下山しようと焦って歩いてきたが、それほど無茶な計画ではなかったのかと少し安心した。小持山ピークは視界の開けているところもある。冬枯れの時期ならもっといいかもしれない。
小持山から大持山までの尾根道は結構ヤセている。一歩踏み外したら下までさようならというようなところも散見された。ある岩場では、虎ロープに造花が二輪巻き付けられていて、ここが昨年のトレラン事故現場かと粛然とした気持ちにさせられたが、後で調べたところ別の場所だったらしく、これはこれで別の事故だったのかもしれない。
大持山から少し下ると大持山の肩に着く。ここは見晴らしもいいし、のんびりした感じのいいところだ。ここではエスケープルートとして考えていた妻坂峠への分岐がある。しっかりした道が延びているが、時間的にまだ余裕があると判断して予定通り鳥首峠へ向かう。
■ウノタワ・鳥首峠
大持山の肩からの下りは広葉樹の林で、黄色くなりかけの葉が秋っぽくて気持ちがいい。こちらのルートを選択した甲斐があった。20分ほど歩いてウノタワに到着。ここはヤマレコ書き込みでいろいろ報告されているが、他のどことも違う、たしかに独特の雰囲気だ。ここからもエスケープルートとして林道に降りる道があるのだが、わりと新しめの看板に「迷ったら水を飲んでおちつくこと」と書かれている。こんな時刻に迷ったら日没になって一発でアウトなのでここから下りることは有り得ず、予定通り鳥首峠を目指すこととする。本当はここの広場でのんびりしたいところだが、後日の楽しみに取っておいて先を急ぐ。
ここから鳥首峠までは、天神山へ連なる顕著なピークを越える。ウノタワからいきなり60mくらい登ってもうウンザリ。しかし、天神山を過ぎてほどなくして鳥首峠に到着した。ここの峠の名前は「鳥首峠」じゃなくて「取首峠」だったりしてとか、どうも引っ掛かりがあったのだが、実際の峠は静かではあるもののそんなに暗い感じのところではなかった。陽も傾いてきたので、小さな祠に道中の安全を祈願して尾根から外れていそいそと名郷へ下る。
■白岩集落(廃村)
あとは単なる下りの道で、なんとか日没までには下界に着きそうなので気持ちに余裕が出てきた。暗い杉林をどんどん降りて、沢をいくつか渡ると右側にどーんと廃屋が現れた。あたりを見回すと他にも廃屋がたくさんある。そう言えばここらあたりに廃村があったなぁというのを思い出したが、こんな逢魔が時にたった一人で通るのは若干緊張する。なるべく廃屋の中を見ないようにして足早に通り過ぎた。途中に味のある消火栓とか、村の奥に聳える白い岩の岸壁とかいい被写体もあったのだが、変なものが写るとイヤなので写真は無しだ。しかし、廃屋は不気味ではあるが、意外に明るい感じのところでもあった。
白岩集落を過ぎてさらに下ると、集落の方から急に冷たい風が吹き始めた。何だろう?単なる自然現象か?そして、いよいよ林道に近づいてきた頃、カヤトの茂みの中を何かがガサガサいいながら左後ろからついてくる。鳥首峠付近にくまが出た情報もあったし、いやだなあと思いながら足早に下り、ついに林道に着いた。さすがに「ガサガサ」は林道に降りてこれず一安心だ。
この辺りにはセメント工場があったはずだが、今は完全に撤去されていてコンクリートの土台しか残っていない。ここからは延々と林道歩きだ。もう下界なのだが、道沿いに街灯など無いので日没前に名郷のバス停に着くように急いだ。
■エピローグ
名郷バス停では、近くの商店からビールを買ってきて一人で乾杯だ。通信手段が無かったので心配だったが、無事下山出来てよかった。これで、武甲山と奥多摩をつなげる計画は、鳥首峠から橋小屋の頭を残すのみとなった。今度はウノタワを絡めて歩いてみたいものだ。今回の山行は普段無いようなことがいろいろ起こったのだが、帰ってからGPSのデータをチェックしてみると、白岩集落から林道あたりのデータがなぜか抜け落ちていた。う〜む、白岩集落おそるべし(^^;
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