秋空の下の霞沢岳と、紅葉の島々谷
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- GPS
- 48:10
- 距離
- 34.4km
- 登り
- 1,734m
- 下り
- 2,536m
コースタイム
10/18;7:00徳本峠-8:00ジャンクションピーク-10:40-11:00 K1ピーク-11:30-12:10霞沢岳-12:40 K1ピーク-16:00徳本峠(泊)
10/19;6:30徳本峠-8:40岩魚留小屋-11:00二俣-12:40島々集落―13:40新島々駅
天候 | 10/17 晴れ 10/18 曇りのち晴れ 10/19 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2003年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
船
帰り;新島々駅-(電車)-松本ー(JR)-新居浜 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・明神から徳本峠までの道は、よく整備されていて問題なし。 峠手前の沢に水場あり(峠の小屋周辺は水場がない) ・霞沢岳への道は、踏み跡もはっきりしているが、K1ピークの手前、泥壁状の急登があり、特に下りは要注意。 ・徳本峠から島々谷を行く道は、この2003年当時は、よく整備された道だった。 (ただし、2004年の台風で一度荒れて、その後は長く通行止めとなっていた) ※ 島々谷を通る道の状況は、最新の情報をご確認ください。 |
写真
感想
【山行No 316】
※ 北アルプス南部にありながら、あまり目立たない隠れた名峰 霞沢岳と、
紅葉が期待される島々谷とをセットにして、2泊3日での山行を計画してみた。
10月16日(木)
・明日中に、徳本峠まで入山する予定なので、
久しぶりに、大阪行きのフェリーで前夜出発にした。
フェリーは以外と混雑していた。
10月17日(金)
・大阪港に早朝着、新大阪より新幹線で名古屋へ、さらにJRで松本に向かう。
木曽谷はまだ紅葉には早いが、今日は天気が良く、車窓から御嶽などの姿も見えた。
・松本には11時に到着。ここから上高地に入る。
・途中のバスの車窓からは、思いのほか素晴らしい紅葉の山やまが見れた。
燃えるような、赤、黄色の色の洪水といった感じ。
13:20-30 上高地
・さすが紅葉シーズンの真っ盛りだけに、平日だというのに、恐ろしいほどの
観光客の人並、まるでラッシュアワーの東京のようだ。びっくりした。
穂高の写真を数枚撮っただけで、逃げるようにして明神へと向かう。
14-20-30 明神
・ここから、梓川ごしの明神岳の姿が、なかなかかっこいい。
・明神分岐より、徳本峠への道へに入る。
さすがに、こちらに向かうと、途端に人影が少なくなった。
下るハイキングの人たちが数名いただけで、日差しも山影に隠れてしまい、少し淋しい山道。
・周辺の樹相は、針葉樹中心で、紅葉はあまり見かけることがなかった。
・道は、標高=1650m付近より、本格的な登りとなる。
今回は、食糧、コンロなどを入れ、13kgの荷物だが、ちょっと重く感じる。
しかし振り返ると、木々の間より、明神岳が素晴らしく高くそびえており、
なんとも絵になるかっこいい姿だ。
・標高=1900m付近に、水場(枝沢)あり。
ガイドブックでは、徳本峠には水場がない、とのことなので、ここで水を補給する。
その先、標高=2000m付近にも「最後の水場」と標識のある水場あり。
・だんだんと日が暮れてきて、最後の急登は、日没と競争している感あり。
ちょっと焦り気味で登る。
16:30 徳本峠(小屋)到着 (標高=2150m、気温=5℃)
・峠にでて少し歩くと、木々の間に隠れるように建っている徳本峠小屋の前に、ひょっこりと着いた。
日没(約17時)前になんとか到着できて、ほっとした。
・予想通りの小さな山小屋。
しかし今日は、台所を工事中とのことで、小屋のおじさんも忙しそうだ。
予想通り食事は出ないとのことで、食糧、コンロを持ってきて正解だった。
・今日の泊り客は、合計7人。部屋は小さいが人も少ないので、割と心地よい。
コタツとストーブもあり、中は温かい。
・カップラーメンの夕食を済ませ、あとは全員コタツに入りながら山の話などして、楽しい時間を過ごせた。
小屋のおじさんからは、日本酒も出てきて、ちびちびと飲む。
・寝るのは2Fの狭苦しい寝床。ストーブのせいで2Fは温まっているが、
ちょっと頭痛がするのは、ストーブからの一酸化炭素のせいかもしれない。
10月18日(土)
・朝、6時前に起き、外に出てみる。昨日はあんなに秋空だったのに、
今日は少し冬型になっているようで、西の方から雲が流れてきている。
しかし、天気予報は、曇りのち晴れなので、予定通り霞沢岳往復とする。
7:00 徳本峠 発
・最初のジャンクションピークまでの登りは、以外と急な坂道。
モミの森が続き視界はあまりないが、木々の間より、曇天の下の薄暗い穂高連峰が、ちらちらと見えた。
8:00-10 ジャンクションピーク(標高=2430m、気温=3℃)
・ここは展望あるかと思っていたが、展望があるのは南側のみで、穂高の方は見えなかった。
パンを食べながら少し休んでいると、昨日同宿だった中年女性2人組が、後ろからやってきた。
霞沢岳まで同じコースをたどるのか、と思い聞いてみたが、今日中に下山予定なので、ここで引き返すとのこと。
・せっかく標高を稼いだのに、ここから下りとなり、200mを下る。
道はまあまあしっかりしていて、赤ペンキの印や、赤テープも多い。
8:50 小池のあるコル(標高=2260m)
・この先は、緩やかな起伏をじわじわと登る感じ。
相変わらず西の方は、灰色の雲だ。
しばらくいったところで、霞沢の源頭部に出る。すさまじくガレている。
霞沢の下部は、紅葉の木々が多く、遠目でも割ときれいだ。
・次のピーク、K1が見えてきた。
最初はダケカンバのある林を斜上し、最後は100mほどの急な坂をよじ登る。
どろと小石が混じったような坂で、足元が安定せず、登りにくかった。
・しかし、ちょうどこのころから、上空を覆っていた灰色の雲が薄れてきて、
青空がずいぶん広がってきた。対岸の穂高連峰も見えてきて、良い感じだ。
このあたりで、早くも下山にかかる対向者とすれ違う。
今日は結局、ここで出会った2名と、上高地から早足でピストンの健脚1名、
加えて山頂にいた2人組みを入れ、合計5人しか出会わなかった。
上高地のまじかにそびえているのに、何とも人影の少ない山だ。
10:40-11:00 K1ピーク(標高=2580m、気温=4℃)
・苦労して登ってきた甲斐があり、ここからの展望は素晴らしい!
穂高は正面に大きくそびえ、さらに常念岳、焼岳、笠が岳なども見え、素晴らしい展望の山頂だ。
見飽きることがなく、スケッチなどをして、ちょっとゆっくりした。
・ここから、K2ピーク越しに霞沢岳本峰も見えている。
・縦走路は、ハイマツと岩の多い道。眺めも良くて、アルペン的な道で、いい感じだ。
11:15 K2ピーク
・K2ピーク付近は、昨晩に着いたのだろうか? ハイマツなどに樹氷が少し残っていた。
11:30-12:10 霞沢岳山頂(標高=2645m、気温=9℃)
・K1からは思ったよりもスイスイとこれて、以外と早く到着。
山頂には、同宿だった男性2人組がいた。これから上高地まで下山するそうな。
・2人組が去ると、急に静かな山頂となった。風も弱く、耳鳴りがするほどの静寂。
周辺の展望は、K1ピークよりさらに良く、穂高連峰などに加え、南の方には
乗鞍岳、御嶽が近く、その先はるかに、中央アルプス、南アルプス、八ヶ岳、浅間山など、
なじみの山々が四周を囲んで出迎えてくれた。
山々に祝福されているような、うれしい気分。
秋空のもと、展望も良いし、山には自分一人きり。なんともいい感じ。
・帰りは来た道を帰る。
12:40 K1ピーク
・登りも難儀した急な坂は、下りになるとさらに手ごわくなった。
グズグズの小石混じりの泥道は、こけるとそのまま、上高地側の崖から転げ落ちそうなので、
へっぴり腰で慎重にくだる。
その先のトラバース状のところも、霜が溶けて、チョコレートを溶かして流したようになっており、冷や汗もの。
・難場を越えると楽な道にはなったが、ジャンクションピークまでの登り返しは、
足もそろそろ疲れてきたので、踏ん張りどころ。
15:20 ジャンクションピーク
・あとは峠まで下るだけだ。
島々谷が、夕暮れの日差しの中で、最後の美しい紅葉を見せてくれていた。
16:00 徳本峠(小屋)着
・以外と時間がかかり、結局、丸一日がかりの往復となった。
小屋に戻る前に、水場に降りて水を補給。
・今日は土曜日のせいか、泊り客が多く、20名ほど。狭い小屋の中は混んでいる。
今日は、小屋での夕食もできるようだったが、自分は再びカップラーメンで夕食を済まし、
夕食後は、さっさと2Fの寝床に潜り込む。
・その後、みなが寝る頃になって、布団の取り合いのようなことになって、
小屋の中がちょっと騒然となった。山の中での我の張り合いは見苦しい。
・トイレのため、外に出てみると、小屋の中のゴタゴタとは無縁のように、
頭の上には満天の夜空が広がっており、天の川もくっきり見えていた。
10月19日(日)
・今日は島々谷を下る日。
6時ころ日の出。小屋から少し行ったところから、穂高連峰の少し赤くなった姿も見えた。
6:30 徳本峠 発(気温=-2℃)
・今日は雲一つない上天気で、早朝の静かな森の中を下ってゆくのは気持ちがいい。
最初の急な下りは、モミなどの巨木が多い。
枯れ草(シモバシラか?)には面白い形の霜がついていた。
7:10-20 力水(標高=1820m)
・ちょろちょろの水が出ている水場。
しかし昨夜から少しのどが渇いていたので、ゴクゴクと飲む。加えて水 1Lを補給。
・力水の水場を過ぎたあたりから、紅葉の本番となった。
斜めからの朝日を浴びて、どの葉も輝くように美しい。
また、紅葉の森独特の、甘いような香りも秋らしい。
・道は谷沿いの道にかわる。谷沿いの道には木の桟橋が多い。
露出している岩は、美濃帯の堆積岩で、黒くて堅そうだ。
8:40-50 岩魚留小屋(標高=1260m、気温=+10℃)
・小休止とする。小屋は、山小屋というより古い民家のような感じで、無人のようだ。
小屋の手前には、でっかい桂の木がそびえている。
・ここから先も谷沿いの道、紅葉がなかなかきれい。谷の中にも日が差してきて、まばゆい光のパレット。
この付近、やたらと木の桟橋が多く、濡れているので滑りそうでヒヤヒヤする。
島々谷の道は、遊歩道のようなものかとばかり思っていたが、
以外と整備されてなく、結構本格的な山道だった。
9:30 離れ岩
・だんだんと季節が逆戻りして、このあたりより紅葉も少なくなってきた。
落ち葉を踏みしめて先に進む。
11:00-10 二股分岐(標高=930m)
・ようやく、島々谷の行程も半分を過ぎた。
ここからは、砂利道の林道歩きとなる。
最初は周辺の山々の紅葉の風景を眺めながらのんびり行くが、
途中よりなんだかトイレに行きたくなり、ちょっと焦る。
12:40-50 島々集落
・ようやく、島々谷の長い道のりが終わった。
おあつらえ向きに、水洗のトイレがあったので使用し、スッキリ。
・足もだいぶ疲れたので、ここから新島々までタクシーで行こうかと思い、
ケータイで呼ぶも、タクシーが出払っているとのことで来てくれない。
ガックリ、しょうがない、歩くか...
・車の多い道を排気ガスを浴びながらの最後の4kmはさすがにちょっと疲れた。
13:40 新島々駅着
・ようやく長い道のりも終わり。さすがに22kmも歩くと、足が棒になった。
期待していたのに、残念ながら、駅にはビールがなかった。
・あとは、松本電鉄で松本に出て、それからJRにて四国に帰る。
四国(新居浜)には、夜10時過ぎに到着。
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