花脊の鉄塔〜大見尾根〜大見湿原〜尾越湿原〜チセロ山〜ちしょろ山
- GPS
- 07:40
- 距離
- 18.3km
- 登り
- 1,002m
- 下り
- 1,166m
コースタイム
- 山行
- 6:48
- 休憩
- 0:52
- 合計
- 7:40
天候 | 晴れ/曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
京都バス - 出町柳駅前〜百井別れ 590円 京都バス - 花背交流の森前〜北大路駅前 830円 京都市営地下鉄 - 北大路〜四条 260円 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■百井別れバス停〜花脊の鉄塔〜杉峠 百井別れバス停からは舗装路を歩き、南にあるP723へ続く尾根との出合から入山しています。 以前に歩いた際には、もう少し東にある登り口から取り付いていますが、こちらからの方が登りやすいですね。 植林帯の尾根を歩き、東側からの尾根と出合う小ピークの辺りは藪となっていて歩きにくいけど、うまく回避できるのかも? P835を経て、そのまま尾根を辿ると、杉峠から花脊の鉄塔への道の下に行き着きます。 右へ進み、最後は急な斜面を少し登れば、目の前に鉄塔があります。 鉄塔から杉峠までは林道という感じでしょうか。 杉峠側からの進入に関しては、以前は『関係者以外は立ち入り禁止』との趣旨の札があったけど、なくなっているようで、通行は可能でしょうか。 ただし、近いうちに解体工事が始まると思われ、その後は山道からも含めて接近は避けましょう。 ■杉峠〜大見尾根〜小野谷峠 杉峠からは林道歩きとなり、北上します。 倒木が電線に引っかかっており、下を通過する際には気になります。 近い位置にある滝谷山へ寄るのも良いでしょう。 P845の少し南辺り、左側にネットが見える地点ぐらいから尾根に取り付き、山道へ。 踏み跡は基本的に薄めで、所々で分かりにくくなります。 尾根芯がアセビなどで通行しにくい所では、トラバース道区間になっていたりします。 迷い込みそうな支尾根はあり、小ピークでは進行方向に注意が必要。 所々に倒木があり、それなりの対処が必要な場合もありますが、ここを歩こうとする人なら、問題ないでしょう。 アップダウンのあるルートを辿り、小野谷峠へ至ります。 ■小野谷峠〜大見湿原〜尾越湿原〜チセロ峠 小野谷峠から南東へ進んで行くと、湿原地帯が広がっています。 左岸の道を進み、写真49の辺りで右岸へ。 林道に出合い、大見の集落内へ入り、分岐で左へ。 舗装路歩きとなり、前坂峠を経て少し歩き、尾越湿原へ進んでいます。 湿原付近の詳述は避けておきます。 良く分からないままに進入するのは止めておく方が良さそう。 尾根に乗り、P746を経て、南からの尾根と合流し、チセロ峠に至ります。 ■チセロ峠〜チセロ山〜ちしょろ山〜花背交流の森前バス停 引き続き尾根を辿って標高が上がって来ると、倒木が目立つようになり、それなりの対処が必要になる所もありました。 チセロ山山頂の一帯は倒木で荒れ気味だけど、この後は山村都市交流の森の管理区域内となり、標識もきちんとあり、歩きやすい道となります。 ちしょろ山への道は問題なし。 ちしょろ山からの下りの前半はやや変則的なジグザグ道で、道幅が少し狭めのトラバース道となっています。 下り切ると登り口に着き、林道歩きを経て、最後はやや高度感のあるトラバース道となり、山村都市交流の森のセンターエリアへ続く道に合流し、桂川に架かる橋の先に花背交流の森前バス停があります。 上記の通り、一般のルートであっても踏み跡は薄めの区間が多くなっています。 今回は一般のルート以外も歩いており、特に危険な箇所はないものの、それなりに歩き慣れている人向きかも知れません。 誘い込まれてしまいそうな支尾根が少なくなく、所々で倒木などで進みにくくなっていたり、半ば藪漕ぎになったり、進路を見通しにくくなっていたり、他にもあるかと思われますが、ある程度の対処力を要するかと思われます。 山の歩き方を教えてくれる山域だと思っています。 |
その他周辺情報 | 山村都市交流の森 - 詳細はネットでチェック? |
写真
感想
世界的な観光都市の京都。
内外からの観光客で人がいっぱいで、秋の紅葉の時期は特にすごい。
そんな京都は盆地として知られ、周囲を山で取り囲まれています。
いくつかの山は地元の人を中心に人気のハイキングルートになっているよう。
そんな中、山域として個人的に魅力を感じるのが、市街地の北に位置する京都北山。
市街地の喧騒とは全くの別世界で、多くの山は歩く人も少なく、自分が山と向き合っているのを強く実感できるのです。
そんな京都北山のランドマーク的な存在なのが、花脊に立っている電波塔。
『花脊の鉄塔』などと呼ばれ、一部の人には親しまれているはず。
その鉄塔が取り壊されると知り、その前に近くまで行ってみる事にしました。
以前にも行っており、ルート的には把握しているのだけど、9月初旬の台風で近隣には大きな被害が出ており、多少の不安を抱きつつ。
その後は京都北山の秋の風景を味わうべく、ルートを組み立てました。
出町柳駅前バス停に着くと、朽木方面へのバス便には長い列が形成されているけど、広河原方面への便には誰も並んでいない。
共通回数券を購入後に戻ってみると、2人が並んでおられ、まだバス便の復活が周知されていないのかなとの印象。
しかし、時間の経過と共に後方は人の気配が増しているよう。
朽木方面は臨時便が出たのに、立ち客も多そうで、あちらは大変そう。
しかし、本当に大変だったのはこちらで、途中からの乗客も加わり、ギュウギュウ詰め。
京都産業大学にて大量に下車し、こんなに乗っていたのかという感じ。
山間部の自由乗降区間に入り、最初の離脱者となり、百井別れバス停に到着です。
実際に歩き始めるまでに長々と書いてしまいましたが、この日も山行をスタートです。
ここまでのバスの車内からは大量の倒木を目にしていたけど、百井への道には倒木はほとんど見られないぐらいで、地形による影響が大きかったのかなという感じ。
ここかなと目を付けていた箇所から問題なく取り付く事ができそうなので、初めての時よりも西側から入山します。
少し登るとゆったりした傾斜となり、植林帯の尾根を進みます。
前回は驚かされた巨木を久しぶりに目にしますが、その時ほどは大きく感じず。
その後に巨木をいくつとなく見てきた経験が影響しているんでしょうね。
次第に雑木が中心となり、藪漕ぎとなる所もあり。
P835の手前で遮る物なく目の前に鉄塔が見えるようになり、改めて大きく感じます。
P835を経て進むと、杉峠からの道の下に着き、右に回り込んで行くと最後は急斜面となり、もつれる足で頑張って登ると、鉄塔の直下に到着です。
相変わらず大きく、空は青い。
鉄塔を間近に見るのは最後になるはずなので、ゆっくりと休憩します。
しんみりとした気分になるかと思っていたけど、鉄塔は何も語りかけて来ず、青空なせいもあってか、またここに来られた事自体の気分の良さが先行する感じ。
パンなどで小腹を満たしつつ、展望と鉄塔を交互に見やります。
いつまでも居座る訳には行かず、ケルンの近くのベルを鳴らし、寂しさを感じながらも先へ進みます。
杉峠からは北上する林道を歩きます。
琵琶湖展望所から鉄塔のチェックをし忘れてしまい、何をやっているんだか状態。
所々の紅葉に目を奪われながら進み、取り付き地点から大見尾根へ。
相変わらず踏み跡は薄めで、きっちりと進もうとすると気疲れしそうなので、ある程度は自分の感覚で歩きやすい辺りを進んだりしつつ。
所々で尾根芯はアセビなどで覆われており、トラバース道区間も意外とあったりする。
倒木は程々ぐらいで、これぐらいなら特に問題なし。
木々の葉っぱはそれなりに飛ばされている感じだけど、所々に鮮やかに色付いた木があり、目を楽しませてくれます。
アップダウンのある京都北山らしさを感じる尾根を歩き、小野谷峠に到着です。
倒木があり、そのあおりでピークハンターさんのプレートが付けられていた木も倒されています。
ややこしい状態になっていて、探してもプレートは見当たらない。
諦めるしかないかなと思った頃合で、木の陰になって見えていなかった辺りで発見。
何とか枝を引っ張り出し、良さそうな位置へ置き、いつもの撮影を。
大見湿原はいつもと変わらない部分と、そうでない部分とがある感じ。
それなりに台風の被害はあったようで、道をふさぐ倒木がいくつかあり、湿原内の木々の葉っぱは寂しげな状態のように見える。
離れた位置からなのがもどかしいけど、時間が気になりつつあり、先を急ぎます。
積雪期に湿原内を歩いてみて、湿原の広さを体感したいとの思いが強いですね。
林道に合流し、静かな大見の集落内を歩き、分岐に佇むお地蔵さんに手を合わせ、北へ。
前坂峠を経て、曲がりくねった道を歩くと、左に尾越湿原が見えて来ます。
クリンソウの群生していた辺りには、昨年よりも痕跡は残っています。
前回と同じようにして進み始めると、シカのフンが大量にあり、そのタイミングでシカが警戒音を発して逃げて行くのが目に入ります。
まあ、エサとなる草が多そうだし、シカには生息しやすい環境のはず。
大見湿原も尾越湿原も草花の植生は単調かなという印象で、八丁平が物々しいぐらいの保護をするのも仕方がないのかなと実感。
前回よりも余分に湿原付近を歩き、それなりに苦労をした後、尾根へ取り付きます。
京都北山の一般ルートでない尾根らしさを感じつつ進み、所々で紅葉を堪能し、気になっていたチセロ峠に到着です。
少し登ると、イワウチワに混じってイワカガミらしきのを発見。
これまでの経験上、京都の山ではイワカガミはあまり見かけないんですよね。
咲いている頃に確認しに来たいけど、どうなりますか。
さらに標高が上がって来ると、倒木が目立ち始め、この日の山行では最も進みにくく感じた所だったかも。
とは言え、先日のポンポン山などに比べると難易度は低く、普通に通過。
ふと開けた展望を眺めつつ息を整え、すぐにチセロ山山頂に到着です。
山頂はそれなりに荒れていて、ピークハンターさんのプレート探しは難しそう。
一帯は広くて、歩くのは問題なし。
散策路のような道を進み、展望所になっている東屋で遅めの昼食にします。
花脊の鉄塔も見えています。
その後も歩きやすい道が続き、ちしょろ山山頂に到着です。
知世路谷山とも呼ばれているよう。
途中からは時間を心配しつつの山行だったけど、明るいうちに下山できそうなので、あまり急がずに確実に下って行きます。
沢沿いの林道に出合い、標識に従って進むと、山村都市交流の森のセンターエリア内に到着し、先にバス停まで進んでゴールし、ログを停止。
戻って来て、センターエリア内を歩いてみます。
休憩所を併設しているらしき案内所はすでに閉じられているっぽい?
『北山分水嶺トレッキングマップ』を入手したいので、管理事務所へ。
ここで販売されており、無事に入手。
バスの到着まで時間があるので、パンを食しつつマップに見入ります。
何だかそわそわし始めたので、センターエリア内を少し歩いて回り、バス停へ。
無駄に早く着いてしまったけど、無事に最初の乗客となり、帰路に就きました。
当たり前に存在すると思っている物でも、いつかは失われてしまう。
分かっているつもりでも、やはり簡単には受け入れられない。
あるはずの場所にその姿がなくなれば、さらに喪失感を味わうのかも知れません。
心の中の情景として記憶に留め、今後も山歩きを続けられれば良いかな。
そんな思いを抱きながら、秋の京都北山を歩いた一日になりました。
コメント
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このコースなら、花背の鉄塔、ずーっと目印になりますね。
チセロ山の東屋からも見えていて、
あんなところから歩いて来たのかと思うと
感慨もひとしお…。
vgさんらしいコース選択、相変わらずの長距離、
お疲れ様でした。
鉄塔自体は、無粋な鉄の塊だけど、
紅白の特徴ある姿に、あそこが花背峠だと
何度山の中で、また町からも思った事か…。
無くなる事は寂しけれど、
何時か、ない事に慣れる時が来るのでしょうね…。
だけど、あの稜線を見たら、あそこに鉄塔が有ったんだよねーと
きっと思う事でしょう。
ところで、分水嶺地図!
一時、たくさん持っていたのですが、
いろんな方に配りまくり、とうとう在庫はなくなりました。
vgさんにこそ、差し上げたら良かったなぁ…と思いました。
花脊の鉄塔の解体との報には本当に驚きました。
京都タワーの解体の方がすんなりと受け入れられそうなぐらい?
まだ存在しているせいか、間近で見上げても実感は湧かず。
撤去されて、実際にあった場所に姿がなくなれば、実感するしかなくなるんでしょうね。
願わくば、撤去後にはあの場所をハイカーに開放してもらいたいですね。
あの東屋から見えるのは分かっていたので、何とかあそこでゆっくり休憩をと思っていました。
日が暮れるのが早くなり、途中までは時間が心配だったけど、ほぼ想定通りぐらいで到着できたはず。
山道では誰とも出会わず、京都北山らしさをじんわりと感じる山行になりました。
北山分水嶺のマップはずっと気になっていたんだけど、入手に至らないままでした。
僕は京都北山に強く惹かれているので、やはり自分で購入すべきかと。
まだ歩いた事がない人や、あまり知らない人に届けるのが正解だと思います。
受け取った方には是非とも歩きに来てもらって、もう少し踏み跡をはっきりさせるのに貢献してもらいたいですね。
尾根芯がアセビに浸食されつつある所が多く、このままだと歩きづらくなりそう。
人が少ないのは魅力ではあるけど、もう少し歩かれるべき山域のはず。
踏み跡を増やすべく、マップを参考にして色々とルートを考えてみます。
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