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Yamareco

記録ID: 164078
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
甲斐駒・北岳

南アルプス白峰三山縦走

2004年08月10日(火) ~ 2004年08月13日(金)
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samoa synusium その他1人
GPS
80:00
距離
25.3km
登り
2,467m
下り
3,177m

コースタイム

1日目:広河原[12:05]〜二俣[14:35]〜白根御池[15:10](泊)
2日目:白根御池[05:00]〜二俣[05:30]〜八本歯のコル[08:10]〜北岳[09:30]〜北岳山荘テン場[11:30](泊)
3日目:北岳山荘[04:40]〜中白根[05:12]〜間ノ岳[06:05]〜農鳥岳[09:15]〜下降点[11:00]〜大門沢小屋[13:20](泊)
4日目:大門沢小屋[06:00]〜奈良田[08:45]
天候 8月10日:曇り
8月11日:晴れ
8月12日:晴れのち曇り
8月13日:曇りのち晴れ
過去天気図(気象庁) 2004年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
甲府駅からバスで広河原
奈良田からバスで身延
大樺沢を登る 雪渓はない
大樺沢を登る 雪渓はない
二股から御池への道
二股から御池への道
白根御池のテンバ
白根御池のテンバ
ミヤマホタルブクロやタカネナデシコ
ミヤマホタルブクロやタカネナデシコ
八本歯のコルからの登り
八本歯のコルからの登り
北岳山頂付近
中白根での日の出
中白根での日の出
間ノ岳からのパノラマ写真
間ノ岳からのパノラマ写真
巨大な農鳥岳
大門沢への下りの上部
大門沢への下りの上部
大門沢への下りの難所
大門沢への下りの難所
残りあと少し
すごい道路情報@下部温泉
すごい道路情報@下部温泉

感想

8月10日
八王子駅6時40分集合。
全員集まるのには少々時間がかかったものの、全員集合できた。
早速甲府行きの電車に乗り込む。
9時35分甲府着。バス停には既に10人程が並んでいた。これなら座っていけそうだ。

非常食を購入し、9時30分バス乗車、広河原へ向かう。
11時ごろバスは夜叉神到着。ここからは南アルプスの領域。ぐぐぐっと深山らしくなる。

巨大な南アルプスの山並みや観音経渓谷の眺め、または植物を見ているうちに広河原到着11時45分。
北岳の麓まで一気にやってきた。残念ながら北岳山頂はガスで見えない。
広河原山荘で準備を整えた後、12時5分ごろ北岳に向かって出発。

天候は曇、湿気が多い。今回のザックの重さは27.5キロ。
だが意外に辛く感じない。ゆっくりめペースで二俣を目指した。
12時25分〜30分白根御池との道を分けるところで小休止。
今年は花が少なめでミヤマハナシノブの花は殆ど終わっていた。

12時50分〜55分、13時26分〜30分にも小休止を挟みつつ登る。
去年は辛く感じだが、全然キツい道には感じられない。
途中大樺沢で水を補給、しかし飲んだところで思い出した。
そういや大樺沢水質調査で大腸菌が検出されてた気が・・・。
ふと思い出したものの、忘れたことにしてゴクゴクと飲み干してしまった。

しばらく登っていると道はいつのまにかヤナギランやミヤマシシウドが混じる道にかわり、二俣まではもう少し。
しかし昨年二俣一帯を覆っていた雪渓が全然見当たらない。
S田氏にあの雪渓を登らせてやりたかったので少し残念だった。

14時4分〜10分に小休止を挟み、小雨と少しのガスの中14時35分二俣到着。
10分ほど休止。ここから白根御池まではあと30分、あと少しだ。

白根御池の道に入ると、すぐに樹林帯に入った。
だが花はミヤマシシウド、オクモミジハグマ、ホソバトリカブト、ミミコウモリ、セリバシオガマなど多い。

地形図上では白根御池ー二俣間は27メートルの登りのはずなのだが、石がゴロゴロしていて歩きにくい。
そのせいか精神的に疲れてしまったがほぼコースタイムどおり15時10分白根御池到着。今日の宿泊地だ。

昨年テントを張った場所は、小屋の増設のためか、資材が置かれていて使えない。
池から一段上がった高みにテントを貼ることにした。
晩飯はマーボー丼と味噌汁。メシをくい植物図鑑を読み、7時ごろ就寝。

8月11日
翌日2時45分起床。夜には雨が結構あったものの、今は快晴。
星空が広がっている。

朝飯の韮ショウガラーメンを喰い、5時出発。

500メートル直登の草すべりを敬遠し、前日通過した二俣へ戻る。5時20分二俣着、10分休憩。

昨日ガスっていた北岳山頂は今日はくっきり、今から登る八本歯のコルも丸見え。
後ろを振り返れば鳳凰三山の向こうに八ヶ岳。天候は快晴だ。

30分出発。雪渓が融けた近くの斜面はホタルブクロ、タカネナデシコ、ミヤママンネングサなどのお花畑になっている。
で肝心の雪渓本体は日陰斜面に一部を残すのみ。今年の異常気象で融けてしまったのだろう。

6時20分〜30分に小休止。ここで初めて我々はアブの襲撃に会う。
休息している我々はアブ達には恐らく高エネルギー反応を示す物体に過ぎないのだろう、体温を上げる為アタック&次いでに汗をなめてくる。
銀マットにも多数飛来しておちおち休んでいられない。
今後我々はこのアブ達に苦しめられることになった。 6時30分出発。

八本歯への道は近づくにつれどんどん斜面は急になってくる。
そして限界まで急になったところで道は 大樺沢の源頭部からはなれ、最後の急坂に入った。
最後の急坂はハシゴの連続する。

コースタイムよりやや遅れて7時55分八本歯のコルに到着。
間ノ岳が雲に隠れそうになりながらその巨大な山体を見せている。
さすがに疲れたので8時10分過ぎまで大休止のち出発。

未だ北岳山頂まではかなりの高度がある。ここからもハシゴと大岩の連打。
途中シロバナタカネビランジに癒されながらもやっとこさ北岳山荘へのトラバース道の分岐着。

ここを一本先の分岐と間違え、大休止をとってしまった。
ここで今後のことを協議し、「今日は北岳山荘までだな」という説が有力になる。

トラバース道分岐ー吊り尾根分岐まではキタダケトリカブト、タカネナデシコ、サンプクリンドウ、
キタダケヨモギなどの貴重&素晴らしいお花畑になっていた。

9時19分本当の吊り尾根分岐に到着した。
ここから北岳まではあと標高差100M。荷物をデポして北岳山頂へ最後のアタック。
荷物がなくなると本当に楽。
途中走ったりしながらもついに、二度目の3192メートル、日本二位の高峰北岳の無酸素登頂(大げさ) に成功した。
山頂からは富士山方面は見えないものの、180度の展望が見られた。

山頂写真を撮影した後撤収、荷物のデポした分岐まで戻る。幸い荷物は無事だった。

北岳に登ってしまったため、また北岳山荘まであと40分なので、皆気が抜けてしまい、ここで雑談を始める。
アブを殺傷したり、道標の穴めがけて石を投げたり結局ここで1時間近くを過ごす。
10時50分やっと重い腰をあげ、今日の宿泊地北岳山荘を目指す。
途中タカネシオガマやトウヤクリンドウ、また高山蝶ベニヒカゲなどを観察しながらコースタイムどおり、
40分後の11時30分北岳山荘に到着。幕営する。

天候が良いのでテントを干し、昼飯を喰らいあとは、変に高性能なトイレ(臭い強烈、しかもしかも使用料一回500円)
脇のベンチで雑談をしてすごす。

こういう時間は登山のもう一つ面白いところだ。願わくばもう少しヒトがいれば楽しいのだが。

4時ごろ晩飯造り開始。今日の晩飯はカレー&味噌汁。散歩をして7時就寝。

8月12日
2時30分起床。今日は大門沢小屋まで行かねばならない、今計画中、もっとも長い行程だ。
今日の朝飯はリゾット、氏が体調を崩したこともあり、出発は遅れた。

12日はペルセウス座流星群の日、たこさんだけなぜか流れ星を見れたようだ。
4時40分、出発。今日も快晴だ。

日の出は間ノ岳の手前、中白根で見ることにした。中白根まではなだらかな登りで、
日の出もまだなのでアブの活動も少なく、富士を左手に最高の稜線漫歩となった。

5時05分中白根着。中白根で寝てみて空を眺めてみた。空はなんともいえない紫色というか群青色というか。
この時見た空は今まで見たことのないくらい綺麗な空だった。あれは本当に綺麗だった。

5時12分出発。しかし、氏に続き、自分も朝のリゾットで体調を崩す。
しかしそれを堪え、心地よい程度の登りを登ることしばらく6時05分、日本第四の高峰間ノ岳山頂に到着。
山頂からは陳腐な表現ながら360度の展望。奥秩父、八ヶ岳、北アルプス、中央アルプス、南アルプス、
富士山など中央山岳全てが見えて双眼鏡で覗くと北アルプスの槍の穂先まで見えた。

これから登る農鳥岳方面も見えた。恐るべき急坂がありそうだ。いまから気が滅入る。気を取り直して6時20分間ノ岳出発。

間ノ岳を過ぎると、やや景色は荒涼とした感じになり、さきほどまで多かったトウヤクリンドウなどは見られなくなる。

急な斜面を下ること一時間弱、7時13分農鳥山荘着。30分まで休止。
農鳥山荘から先を見やると恐ろしげな急坂が待っている。
その急坂に備え今までザックに装着していたストックを装備し、いざ西農鳥岳への急坂へスタート。

氏は相変わらず死んでいるものの、自分自身急坂に圧倒されて精神的に参り、ペースはなかなか上がらない。

結局コースタイムより20分ほど遅れて西農鳥岳山頂着。8時40分から小休止。相変わらず展望は素晴らしい。

南の方を見やると塩見岳の向こうに更に赤石や荒川三山など巨峰が見える。南アルプスはデカイなあと思う。

西農鳥から先は稜線の少し下を巻くような感じで登山道がついている。
稜線は岩稜になっていて危険だからだろう。
少し危険な岩場などを通過し、鞍部まで下って登り返すこと少し、9時15分農鳥岳着。

遂に積年の恨み、白根三山全てを陥落させることに成功した。
気が抜けて大休止をとることにした。
前述したが、休止するとアブやハエが大量に集まってくる。
しかも農鳥岳のはレベルが高く、なかなか殺害できない。彼らは命がけで向かってくる。激しい戦闘が繰り広げられた。

しかもハエアブをちぎっては投げちぎっては投げしていたらバランスを崩して膝を打撲してしまった。
まあそうこうしているうちに10時。これ以上休むわけには行かず、大門沢下降点への道を急いだ。
農鳥岳から登山道はやはり稜線には出ず、稜線直下の凹地に沿ってついている。
ガスの時に道がわからなくなりそうだ。現に近くに遭難碑もあった。

40分ほど下ると大門沢下降点着。
ここから地形図を見るとかなりの急坂が大門沢小屋まで3時間続くようだ。
下りが苦手な私としては聊か不安。時間がないので今回上河内岳は却下することにした。

11時00分下降点出発。しかし思っていたほどの下りではない。
恐らく高校時代差最後になるであろうアルプスの稜線を名残惜しく思いつつ下った。
ハイマツの中をしばらく下っていくと大門沢の源頭部辺りについた。
このあたりは下降点ー大門沢小屋で最も花が多かったところだった。
タカネコウリンカ、ミヤマシシウド、コウメバチソウ、モミジカラマツ、ハクサンフウロ、ホソバトリカブトなど
がお花畑を形成している。
そしてその中をクジャクチョウやベニヒカゲが飛び交っていて素晴らしい眺めだ。

そこを抜けるとまるで植生の教科書のようにダケカンバ林に入り、そして亜高山帯の針葉樹林に入った。

針葉樹林内はいい林相をしていてキソチドリやカイタカラコウ、オクモミジハグマ、カニコウモリなどが見られた。

12時00分〜03分休止。後から来た登山者に追い立てられるように下山する。
やがて大門沢の沢音が近くなってくると、また見られる花が変わってくるのがわかる。
トモエシオガマ、ホタルサイコ、ホタルブクロなどの花々の面々だ。

河原に出たところで休止。12時30分。キベリタテハが舞っている。 12時35分出発。

出発してみると大分道は緩やかになった。大門沢と登山道が平行するようになるあたりで急坂は終わったのだ。

あとは大門沢小屋を目指して歩きつづけるのみ。しかし意外に長かった。

足が棒になりそうになった頃、13時20分ようやく赤い屋根の大門沢小屋着。まずはジュースを飲んで一息。

その後幕営料を払いテント設営。

16時00分までは雑談などをして過ごし、その後晩飯作り。しりとりをして就寝。19時00分過ぎ。

8月10日
夜はネズミの声がもの凄く、ゴミ袋が漁られるかと心配して中々眠れなかったが、大丈夫だったようだ。
また流れ星を見るため1時30分に起床したが、よく見えなかった。

4時起床。久々に4時おきだ。4時起床は今回の中では最も遅い起床だった。
山での最後のメシはスパゲティ。
ゆっくりメシを喰い、ゆっくりテントを撤収し、ゆっくり荷物整理をし、6時出発。

今日も快晴で、富士山が綺麗だ。やはり昨日の下りの疲れが足に残っていたものの、残り3時間のコースタイム。
踏ん張りどころ。
一度道をロストしたものの、ゼフィルスなどを観察しつつ、前のグループを抜き去りつつ、早いペースで下った。

7時20分小休止。
ここでアクシデントがあり眼鏡が重傷を負ってしまう。眼鏡なしで残りの登山道を下ることにした。
メガネがない下山というものはなぜか不安で、落ち着いていられない。メガネの重要さを感じた。

平坦な道を歩きつづけ、吊り橋を三つ渉ると車道に出た。
ふりかえると農鳥岳の稜線ははるか遠く。今更ながら白根三山を落とした喜びが沸いてきた。

やたら綺麗すぎる車道を下り、コースタイムより一時間近く早く8時45分最終目的地奈良田バス停着。
温泉に入ろうか検討されたが、身延線沿いにある下部温泉に入ることにして、9時40分のバスに乗車。

身延からは下部温泉駅に移動、徒歩で町営温泉会館に向かった。
途中凄い道路情報を見つけつつ、500メートルくらいで温泉会館についた。

3泊4日山を歩きつづけた我らは単なる異臭を放つ肉塊と化している。
温泉につかりようやく通常の人間に近づいた我々は近くにあった飲食店で、ざるそばを喰らい帰途についた。

今回は特にミスもなく、バランスのとれた充実した山行になった。今回は本当に素晴らしい山行だった。

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