【合地山】釜ノ島尾根〜赤沢尾根〜合地山北東尾根 奥深き深南部...
- GPS
- 30:33
- 距離
- 53.7km
- 登り
- 6,199m
- 下り
- 6,202m
コースタイム
- 山行
- 11:57
- 休憩
- 0:20
- 合計
- 12:17
- 山行
- 9:52
- 休憩
- 0:09
- 合計
- 10:01
天候 | ・3日間快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
※個人的な評価です ・白樺荘〜大根沢山 特に危険箇所無くマーキング豊富で実線レベル。 ・大根沢山〜椹沢山 大根沢山からの下り(特に下部)は急坂なので注意。 台風24号の倒木でルートが塞がれてる箇所が何ヶ所か有るが特に問題無し。破線レベル。 マーキングは程よくあり、踏み跡は多少薄いが外せば地面が柔らかいので間違っていると思った方が良い。 ・椹沢山〜釜ノ島小屋 とにかく新旧の倒木が酷い尾根だった。 過去に2134mまで登山道だった経緯が有るので、木に赤いペンキでマーキングが薄いが確認出来た。 2134mから釜ノ島小屋まではマーキングは一切無し。釜ノ島山からの下降は間違えやすいので注意。 約1600mから下は藪・倒木が無し。この辺りからCATVのケーブルが小屋に向かって伸びているので辿れば良い。ただし小屋に向かっての急斜面のガレは登りでも下りでも難儀する。 ・赤沢尾根 確認出来ている取付きは2つ。 \崑橋を右岸に渡ったら赤沢へ戻り、赤沢をした地点から急斜面だが取り付ける。 釜ノ島小屋前の寸又川を渡渉して対岸の急斜面沢地形とザレを攀じ登る。 どちらも尾根に乗るまでは厳しい登りを強いられるが、赤沢尾根に乗ってしまえば難所は無く明るく藪無しの気持ちの良い尾根。 ・合地山北東尾根 柴沢への下降に便利なルート。1900mまで尾根が太いので下降方向に注意。 今回は赤沢橋の方に降りたが、一般的には柴沢側は降りるのでそちらの方が安全。 |
その他周辺情報 | ・水場 寸又川の沢水 |
写真
感想
有給消化という名の5連休をGETしてしまいましたが、日曜日にトレランのレースをエントリーしていたので当初は登山を予定していませんでした。
しかし!天気予報を見ると金曜日〜月曜日までオール快晴予報!
『これは登山に行くしかない!』
って事でトレランは取り止め深南部の奥地へ行く計画を立てました。
・1日目
5時前に白樺荘を出発して、とりあえず大根沢山を目指します。
久しぶりの重荷(16.6kg)で思った以上にペースが上がらず予定より時間をオーバーして山頂付近に到着。出発から鼻水ばっか出るのが少し気になった。
大根沢山の山頂は分岐より100mほど南西方向なので無視して分岐から北方向の信濃俣方面へ向かいますが、ここがバカみたいな急斜面で登り返しはウンザリなので帰路は絶対違うルートで帰って来ると誓う!
過去に歩いた事のあるルートなので、淡々と歩き椹沢山へ。この時の時間が13時過ぎであまり余裕が無い。
ここから釜ノ沢山(1963m)を経由して釜ノ島小屋へ向かいます。
このルートは少し複雑で、2134m付近で尾根が分岐し南方向、大根沢と栃沢の中間に落ちている尾根は左岸林道が現役だった頃に光岳への迂回ルートとして使われていました。
それに対し、今回向かう西方向、釜ノ島小屋方向に落ちている尾根は永野さんの本に大まかに記載されてはいますが、実際歩いてみると台風24号での倒木がハンパなく、大型ザックでの倒木の隙間を抜けるルート取りに苦労し時間ばかり浪費し高度は思うように下がらない。
更に悪い事にルートをロストし違う尾根を下ってしまい、強引にガレを2つほどトラバース!我ながら危険な事をしてしまったと反省。。。
正規の尾根に復帰し1200m付近で北方向の釜ノ島小屋方向へとザレ場を下る。これがまたバカみたいな急斜面で滑り落ちるように下りパタゴニアのウィンドブレーカーがすこし破けてしまった(泣)
何とか明るい時間に釜ノ島小屋に到着しましたが、直ぐに暗くなる時間なので左岸林道にテントを張り寸又川へ水を汲みに行き本日の行動は終了。
計画が甘く疲れ過ぎて直ぐに就寝。。。
・2日目
5時に起きると喉が痛く体調不良を感じた。昨日の鼻水は風邪の影響だったようだ。
本日の行動予定は赤沢尾根〜逆尾根視察〜合地山〜合地山北東尾根を周回してから左岸林道で栃沢方向へ行き旧登山道の1366mの尾根の取付き付近まで行く予定。
この調子だと計画通りに歩く事は不可能。
そもそもが重荷で左岸林道を歩くのはリスキーで、更に昨日の倒木を見て左岸林道も春の状態のままの可能性は低く、確実に更に悪くなっている可能性が高いと感じた。
身体の調子もあるので、逆尾根は取り止めて取り敢えず赤沢尾根〜合地山〜合地山北東尾根で釜ノ島小屋に帰ってきてから考える事にした。
赤沢尾根取付きは一昨年調査済みで赤沢橋を渡り左岸林道が初めて右岸になった地点から赤沢へと向かいますが、左岸林道の釜ノ島小屋から赤沢橋へは通行不可能の崩壊地があるので高巻きして懸垂下降しなくてはいけません。しかし、昨日水汲みに行った時に「ここから行けるじゃねぇ⁈」って事で渡渉してルンゼから取り付く事にしました。
チェーンスパイクを着けて比高100mほど攀じ登ると明るく感じの良い尾根に乗り、特に難所も無く、美しい広葉樹の尾根を700mほど登ると見覚えのある合地山への倒木と苔の薄暗い尾根、、、鹿ノ平や三方嶺の明るい部分と共に、この鬱蒼とした部分が深南部だと思う。
逆尾根は取り止め、下降点だけ下見して曲まで縦走。合地山己〜曲は未踏区間だったのでこれで赤線が繋がった。
曲からは北東尾根で左岸林道へ下りますが、下降点の柴沢に用は無く、左岸林道を歩くリスクをなるべく少なくしたいので1455m地点から真っ直ぐ東へ降ります。
下るほどに斜度が増し、まだ高度はあるのに下を見ると寸又川が流れている、、、崖か?
このまま支尾根では下れそうも無く、ルンゼに降りれば何とかなりそうな感じだったので二度懸垂してルンゼに降り、何とか左岸林道に着地。
この行程で1番恐れていたのは僅か1km程の区間で新たに道が崩壊しテントまで戻れなくなる事!
実際に左岸林道は新規のものと思われる崩れが有りましたが獣が通った形跡があるので通行可能と判断して慎重に通過し赤沢橋を渡ると通過不可能の崩壊地。
ガレた急斜面を攀じ登り支尾根乗っ越して釜ノ島小屋前のテントへ到着し今からの行程を考える。。。
たったこれだけの行程でかなり疲れてしまった。やはり体調不良だろう、、、。
こんな状態で左岸林道を歩く事も、大根沢山西尾根を登る事も無理だと感じたのでほぼピストンになってしまうけど、さっさと家に帰りたくなったので水を2日分4リットル担いで釜ノ島尾根を登り始め、この日は釜ノ島山で行動打ち切り。
釜ノ島小屋から尾根に乗るまでのザレの急斜面は水を足して約20kgとなり『クルマにワープしたい!』と初めて思うほどの地獄でした。
・3日目
とにかく寒い夜だった。
倒木だらけの尾根で暗いうちは行動出来ないので7時前に行動開始。
深南部左岸尾根はシロヤシオやイワカガミの群生地があり、自分が大好きな尾根ではありますが、体調不良時のピストンとなると本当につまらない。
ほぼ休憩無しで大根沢山に到着し、白樺荘への下山路で3日ぶりに二組の登山者に会った。 後ろから叫び声が聞こえていたらゴメンナサイ!
15時過ぎに無事に下山し白樺荘へ直行!夏季以外はここで勤めている聖平小屋の管理人さんと現在のルート状況などしばらく談笑し帰宅しました。
・感想
4日間使って計画していた未踏の4ルートのうち2ルート+αとかなり計画を縮小する結果となってしまいました。
この深い深南部の核心へはアプローチが大変なので一度に複数登りたかったですが、体調不良はどうしようも無く、誰にも迷惑を掛けず帰宅する事が何より大事と判断しました。
そして左岸林道については自分が今年歩いた事があるルートだけに怖さについても誰より知っていますので、単独で重荷・ヘルメット無しではやはりリスクが高すぎると判断しました。結局はビビりが入り行けなかったのですが、この僻地で登山を楽しむには人並み以上の体力と臆病さも必要なのだと思っています。
次のルートの下見は出来たので、また改めて計画を練り未踏のルートにチャレンジです!!!
コメント
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深南部の不動岳・六呂場山以北は行ったことがないので興味津々なのですが、登山口まで行くのが面倒なのと、なによりハードルが高そうでねぇ
今度テントと鍋持って1泊2日でまったりと行けそうなルートを組んでくださいな
inaminさん、こんばんは! ヤマレコでコメントしてもらったのって本当に久しぶりの気がします 嬉しいです
僕の場合いつからか趣味=登山というより趣味=深南部・南嶺みたいな感じなので、これが生活の中での楽しみになってます。
そんな大好きな場所で気心知れた友人と宴会なんて出来たらそれはもう...
計画に関しては僕よりinaminさんの方が遥かに上手なのでこちらこそよろしくお願いしますね〜
やっぱ明るいバラ谷や鹿ノ平辺りがいいのかな〜
kaiさん、こんばんは!
深南部の秘境探索、相変わらず精力的にやられていますね
登山道オンリーの私では、もはやミステリーゾーンであります
思い込んだら、ランの記録狙い同様に全くブレない男!
最近はハイキングばかりの自分、恥ずかしき限りです
それにしても、体調不良の中を南アの天然冷蔵庫内で2泊ですか
喉からの風邪のようですが、野生児そのもので、実にタフですね〜
ひょっとして、山から漢方薬を調達したとか
そう言えば、鹿の角の先端が無くなっていたのは、そのせいだったりして
tailwindさん、こんばんは
まずは大川入山お疲れ様でした! その山名は何度も聞いた事があり笹原が美しいとも聞いていましたが、こうして記録を拝見すると確かに素晴らしい!!!
霧氷を狙って行きたいものですが、タイミング的に運も必要ですね。
お褒めの言葉ありがとうございます!
良く言えば「ブレない」ですが、少し言い方を変えると「馬鹿の一つ覚え」とも言えますね
普段はほとんど風邪なんてひかないのですが、「何で今日なの〜!」って泣きたくなりましたよ
しかも、雪は無いけど季節的にはとっくに積もってもおかしくない時期...寒気は一級品でした。
鹿ノ角>良く見てますね! アレって何で削れちゃうんですかね?やっぱ尖った角の方が見事なのにな〜。
お疲れさまでした。
昔を思い出して楽しく読ませてもらっています。
こちらハードなルート大変になってきていますが、ぼちぼち行っています。
あと10年若ければ一緒に行きたいルートばかりです。
kaiさん赤石岳の北沢右岸稜もいってきてレコあげてください
one-hunter先生、こんばんは! 先生の歩いた記録は毎回楽しみに拝見させていただいてます 青薙山までサクッと行けるのですからまだまだ現役ですよ!!!
北沢右岸稜は白蓬ノ頭を下降した先のルートですね! もちろん先生とそのルートの話しをしてから行きたいルートの一つに入っていますよ。でも、白蓬ノ頭を下降するのも相当難しそうですね
それと、笊ヶ岳の西尾根ですね! 先生の行きたいルートはいつもハードルが高く、僕の憧れのルートに変わってしまうんですよね。
これからの季節は高山の厳しいルートは行けませんが、地元の粟ヶ岳から深南部までつなげたいので蕎麦粒山まで赤線を繋げようと思っています。
僕はあまり遠征しないので、バッタリ先生と会えるのを楽しみにしています
こんばんは。
先日はいろいろとお話聞かせていただき、ありがとうございました。
深南部を訪れる際は、まずはkaikaireiさんの記録をチェック!いたします。
また、ディープサウスのどこかでお会いできると嬉しいです。
danyamaさん、こんばんは!
3日間誰にも会わず、大根沢山からの下りでdanyamaさんご夫妻ともう一組にお会いして、「はぁ〜、無事に帰って来たな...」と安心しました。
そして、この山域ばかり登っている身からすると、関東圏から華やかなアルプスで無く、この地味〜な深南部に訪れて戴けた事が本当に嬉しかったです!
北アルプスのようなキラキラ感はありませんが、この山域には独特な良さがありますので、アプローチに懲りずにまた訪れてみてください。
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