本気の八ヶ岳 一日に二度美味しいを体験 !
- GPS
- 33:14
- 距離
- 19.7km
- 登り
- 2,126m
- 下り
- 2,125m
コースタイム
赤岳山荘P 06:34 〜 08:16 赤岳鉱泉 10:34 〜 行者小屋 11:04 〜 12:03 文三郎・赤岳主稜取付き分岐 12:32 〜
13:39 赤岳(南峰)13:42 〜 赤岳(北峰)14:03 〜 撤退(北峰山頂直下)14:05 〜 文三郎尾根ピストン 〜 15:32 赤岳鉱泉(テント泊)
2日目:
赤岳鉱泉 06:12 〜 06:41 行者小屋 06:53 〜 阿弥陀北陵第一岩峰取付き部 07:42 〜 10:05 阿弥陀岳山頂 10:22 〜
11:23 文三郎・中岳分岐 11:25 〜 赤岳南峰リッジ 〜 12:18 赤岳(南峰)12:25 〜 13:14 行者小屋 13:25 〜
13:57 赤岳鉱泉(テント撤収)14:40 〜 15:48 赤岳山荘P
天候 | 1日目 : 朝の内は雪、昼頃より晴れ、風強し。 2日目 : 午前中は文句なしの快晴、昼頃より風強まり雲が沸く。 |
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過去天気図(気象庁) | 2012年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
復路 : 美濃戸〜美濃戸口〜都内 往復432km 美濃戸口〜美濃戸間、四駆+スタッドレスで特に問題なかった。 (2週間前の方が完全な凍結状態で今回より厳しかった) 降雪後の当日、2番手で美濃戸口より入りましたが、先行した軽四が途中何度も動けなくなり、こちらの同乗者が何度も手を貸す始末。 但し、あれ以上の降雪になれば四駆+スタッドレスでもチエーンが必要になります。 凍った轍を走る場合、微妙なアクセル・ワークが必要となります。 必要以上のハンドル操作、エンジン回転で轍から外れるとコースアウトの可能性大です。 美濃戸口〜美濃戸間、雪道の運転にかなり慣れた方以外はちょっと厳しいかも。 雪・氷での運転に不安を覚える場合、車は美濃戸口に置いて歩きましょう、運良ければ誰か乗せてくれるかもしれません。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・中央道小淵沢IC 〜 諏訪南IC 小淵沢ICより先はチエーン規制が入ったいた為、タイヤチェック等の作業で出口1km手前よりノロノロ運転となったが、 幸いに、早朝の時間帯だった為、予定より10分ほどかかった程度で済んだ。 ・美濃戸口〜美濃戸 2週間前のガリガリの氷状態よりはマシだが、降雪があった分、また違ったハンドル、アクセル・ワークが必要となる。 先行した軽四が途中から上手く走れずこちらの同乗者が手を貸す事になったが、 何度か停車を余儀なくされ、発進の都度タイヤが空転するので冷や汗をかくことになった。 後についたフォレスターの方も同じだったと思われる。 ・登山ポスト、美濃戸口八ヶ岳山荘前にあるポストを利用した。 ・赤岳山荘P 〜 赤岳鉱泉 当日の先行者約10名程は、南沢経由行者小屋に向かった為、北沢はノートレース。 途中、下山してきた自衛隊(?)の方達6〜7名とすれ違うまでは地味に疲れた。 凍結箇所は全て雪の下に隠れた為、自衛隊の方達とすれ違った後は快適に歩けた。 ・赤岳鉱泉〜行者小屋〜文三郎・中岳分岐 行者小屋までの間、1-2名歩いたトレースがあり、行者小屋より先はしっかりしたトレースに代わった。 しかし、これらのトレースは阿弥陀北陵に向かった先行者達と赤岳主稜に向かった先行者達のもので、 文三郎尾根を登って赤岳に向かった数名の先行者達は文三郎・中岳分岐より撤退している。 ・赤岳主稜 取付き手前の赤岳沢が、10分毎位に上部の新雪が滝の如く流れていて先行の3パーティーが待機していたが、 先頭パーティーがロープを出して2名トラバースし、主稜取付き部の約20m程上部まで偵察したが、 状況が極めて悪いと判断し撤退、様子を見守っていた他の2パーティーと我々も続いて撤退した。 ・文三郎・中岳分岐〜赤岳山頂(南峰) 当日は全くの no trace で、赤岳西面のトラバースでは脛程度、クサリ場がある南面の岩場になってくると吹き溜まりが多く、 膝から腿、深いところは腰までのラッセルを強いられ、山頂まで思ったより時間がかかった。 夏道通りに進むと雪が深いので自然と岩場に沿って歩くようなトレースになった。 ・赤岳山頂(南峰)〜赤岳展望荘方面 南峰と北峰の間の僅かな区間に雪庇が出来、ナイフリッジも見事に尖がり、崩れない事を祈りながらラッセルで極慎重に進み15分を要した。 北峰より下りに入った直後、先行した相棒の足元より約20m程に渡って表層雪崩が起きた。 今日まで営業している展望荘より先にはトレースが視認出来たが、 一つ下のピークまで吹き溜まり状態となっていて、展望荘まで下りるのが時間かかりそうなので撤退、文三郎尾根をピストンすることにした。 ・行者小屋〜阿弥陀岳北陵〜中岳〜文三郎道 前日の1パーテー、今朝先行している数パーティーによるトレースが付いていたのでワカンを使わずに済んだ。 中岳沢もそれほど危険には感じなかったが、状況は刻々と変わって行くので都度確認が必要。 第1岩峰取付き手前の急登、フロントポイントをしっかり効かせて登る。 ナイフリッジまで先行パーティー多く渋滞していて待ち時間がかなりあった。 第一岩峰取付き部よりナイフリッジ先までロープ使用。 中岳のコルへ先行パーテーが先に下りたが、途中はロープを使ってクライムダウンしていた。 ・文三郎・中岳分岐〜赤岳南峰リッジ〜赤岳山頂 雪の落ち着いた残雪期はルンゼを詰めるようだが、降雪後の今回は岩伝いに登り、最後の急斜面は両手・両足を使って赤岳山頂にある祠のうしろ側に出た。 取付き部は雪崩れの危険性が高く相当な注意が必要。 ・赤岳山頂〜地蔵尾根 地蔵尾根にはトレースがついていたが、地蔵の頭の直下にあるナイフリッジの通過に要注意。 今回は降雪後でナイフリッジのてっぺんを歩くようにトレースがついていたが、 幅が僅か50冂度しかなく、7-8mの距離を歩かなければならず、ロープなしで歩く際、 両側が切り立っているのでバランスを崩しやすい。 凍結箇所が降雪で隠れてしまっていたので他は歩き易かった。 一度の降雪で状況が大きく変わる事を想定しておいた方がベター。 |
写真
感想
念願だった阿弥陀北陵、天候等で中止が続いてましたが、三度目の正直でようやく落とす事が出来ました。
今回、初日に赤岳主稜取付き手前まで行きましたが、数日続いた降雪の影響で赤岳沢のトラバースが非常に悪く、
先行パーティー3組と同様撤退を余儀なくされました。
我々の後、カップルの1パーティーも暫く待機したようですが、結局は諦めました。
赤岳鉱泉まで下りて、ドライの練習をしようと云う事に一旦はなったのですが、
ここまで来てピークを踏まずに下りる事に抵抗があったのと、
午後からは晴れるとの天気予報通り、空が明るくなってきた事も後押しで、
文三郎道をソロで赤岳に向う事にした。
結果は山ちゃんが追いかけてきて二人で楽しくラッセルしながらピークを踏む事が出来ました。
当日、赤岳に登頂しようとした数名は文三郎・中岳の分岐で撤退していて、その先は全くのノートレース状態でした。
文三郎のトラバースは雪が風で飛ばされるので大したことなかったラッセルが
南面の岩場になった途端に猛烈なラッセル・・・
山ちゃんと交代で腰までの雪を漕いで岩伝いに登りました。
赤岳主稜に行くつもりだったのでワカンをテントに置いてきたのが失敗・・・
後から4人のパーティーが続いてますが、こちらが一休みすれば後続隊も小休止、距離を保ったまま一向に近ずいてくる様子がありません。
ラッセルを後退してもらえる可能性はないようです。
前夜寝てない山ちゃん、ラッセルの途中で居眠りをしてたのは驚いた!
山頂に着いた途端に雪の上に座り込んで速攻で居眠り、いや英気を養っていた。
普段なら1〜2分で渡れる南峰より北峰へのスノーブリッジ、見事な雪庇と尖がったナイフリッジとなって行く手を阻みます。
僅かな距離を雪を崩さないようにゆっくりと進み、なんと15分もかかりました。
北峰の直下、トップで歩いていた山ちゃんより短い悲鳴が・・・
足元から約20mほど流れました、びっくり。
展望荘まで行けば先にトレースがあるのが視認出来ているのですが、この先もかなり時間がかかりそう。
時間の事もあるので自分たちがラッセルしてきた道をピストンで戻ることにしました。
この後、後続の4人パーティーとすれ違う事になるのですが、「あれ、戻るのかよ!」の一言。
ラッセルどうもの一言もなく・・・、なんだぁ〜と思いながら下りてきました。
諸トラブルで遅れて到着した ricalojpさん & ricalonさんご夫妻よりビールの差し入れを受け、ありがたく頂戴しました。
その後、お二方のテント、あの blue の三角テントにお邪魔してプチ宴会、楽しいひと時を過ごさせていただきました。
lon様のワインまで飲んでしまったようです(汗)・・・
天気予報では翌日は曇りから雪になるとの事だったので、
翌朝起きて前の山が霞んでいるようなら阿弥陀北陵は中止することに獅子丸さんと決めてました。
深夜12過ぎの時点では雲っていた空も、朝起きた時には星空となっていて期待できそうな様子に獅子丸さんの ''GO''がかかりテンション一気にアップ。
行者小屋に着いた時点で阿弥陀北陵上部には既に先行パーティーが見えていましたが
一体何時に出発したのでしょうか。
既にトレースがしっかりついていたので難なく第一岩峰取付きに到着、そこで驚く渋滞にはまり、随分と待ち時間が長かった。
天気が良く暖かかったので苦にならなかったが、あれで冷たい風がビュービューならたまらないところでした。
3ピッチほどロープを使い、ナイフリッジを越えて山頂まで一息。
1月に南陵を登って来た時と山頂の雪の量が桁違いに増えていたのは驚いた。
中岳経由で文三郎道を下山する予定だったが、文三郎道分岐に着いたのが午前11時30分、
これは行くっきゃないと云うことで即座に赤岳南峰リッジ取付きに向かう。
行ってみて分かったが、ルンゼを詰めることは降雪直後の今はとても無理で岩伝いに登ることになった。
最初にルンゼをトラバースするのがとても厭らしい・・・
トップがトラバースしている最中、私には聞こえなかったが、雪面よりブツッっと音がしたらしい瞬間、
雪がサーッっと流れたと同時にトップの足元も崩れ、まるでスローモーションの映画を見ているかのようにトップが流された。
長い距離ではなかったが、トップの体がゆっくりと回転しているように見えたが確実に滑落停止動作に入っていた。
南峰リッジ、フリーで登っていたので大事にならずに済んだのは幸いであった。
この後、日陰の冷たい岩伝いを慎重に登っている時、遠くでヘリの音が聞こえた。
決してヘリを呼ぶような事態になってはならないと気持ちを引き締め、足元が崩れても流されないよう、
ピックを岩にかけながら最後のトラバース・・・
上が開けて最後の急登、クラストした斜面を息が切れそうになりながら4本の手足を動かし続ける。
傾斜が緩くなり、立ち上がった眼前に山頂の祠がこちらを見ていた、身震いを覚えた瞬間だった。
既に風が強くなっており地吹雪状態、登頂の感激もよそにさっさと下山することになり、地蔵尾根に向かって歩き出すが、
それにしても獅子丸さん、山ちゃん、早すぎだよ!
テントを撤収しながら、つい先ほど登った阿弥陀北陵・赤岳南峰リッジを思いながら一人顔が緩んでいた。
一日で二度美味しい、どこかで聞いたような台詞だが妙にマッチしてる気がしてならなかった。
ricalojpさん & ricalonさんは先に下山されたようだ、風が強くなる前、無事に赤岳登頂を済まされた事だろう。
下山後に携帯の電源を入れたところ、
お二人より美濃戸〜美濃戸口間の道路情報が入っていました、スタッドレスでもタイヤチエーン装着して下りて来てって。
またお二人の暖かさに触れた瞬間でした、jpさん、lon様、ありがとうございました!
今回のアルパインクライミング、行きたいながらも、どうしても独りでは行けなかったところ、
冷静沈着な獅子丸さん、タフな山ちゃんのお二人に助けられながら、何とか、本気の八ヶ岳イ鮟える事が出来ました。
今月末の西穂西尾根、また宜しくお願いします。
レコのアップ、もっと早くしたかったのですが、出張に出ていた為、一杯一杯でした。
今シーズンの「本気の八ヶ岳」を締めくくる素晴らしい山行でしたね。
おめでとうございます。
また、天候、積雪状況により冬山はこんなにも難易度が変わるのだ
ということが実感できました。
ありがとうございました。
おお、すばらしい!
赤岳主稜は残念でしたが、阿弥陀北稜-赤岳南峰リッジは天候に恵まれ良かったですね。
景色もまたすばらしい!
お疲れさまでした〜
次は赤岳主稜ですかね?
まあ、noborundaさん普通に登れるでしょう。
僕も今年目標にしてたルートがいくつかあるんですが、自分の行きたいところに行けるのは、もうあと1回くらいしかチャンスがないかなぁ…
ではでは
kanemaru
アップされてたの見逃しておりました!
「本気」で臨むべき厳しい場所に間違いないんですけど、
なんかもう、サラサラサラーテキパキテキーと流れるように行動が進んで行く印象を受けました。
スマート!
赤岳山頂から頂上小屋までのわずかな距離、ナイフっぷりがすごい。ナイフ通り越してメスだあれは!
時期は同じでも雪の付き方で見事に別人の赤岳です。
noborundaさん、こんばんわ!
ほんとに本気の八ヶ岳ですね!
こんなルートから見る景色はまた格別だろうと勝手にわくわくしてます
赤岳ラッセル&山頂で寝るって信じられないような話ですが、私も先日硫黄山頂で待機中うとうとしかけました。笑
気持ちは分かります
次回は西穂西尾根ですか~、素晴らしいレコを楽しみにしてます
ricalojpさん、こんにちは。
レコのアップも遅くコメントに対するレスも遅く、申し訳ありません。
八ヶ岳のメインルート、天気が良ければ銀座並みに沢山の登山者が訪れますが、
一旦天気が崩れ、たっぷりの降雪後はいきなり上級者向けの山になるってちょっと信じ難いですが事実ですね。
本気の八ヶ岳、これが締めくくりではなく、もう一度、完結編があります!
阿弥陀北陵、とうとう行ってきました。
本当は kanemaruさんに連れて行っていただく予定でしたが、
一足先に行ってしまいました!
初日の赤岳主稜は残念でしたが、あの状況、「お前にはまだ早いよ」と云われた気がします。
今季は多分もう日程上からしてチャンスがないと思いますが、来期目指してトレーニングしようかな。
アイスを含めてまた色々と教えて下さい。
yokoさんのレコと同じように一週間遅れでアップしましたので
最近の山行には載らないんですね。
だからほとんど人目に付かず埋もれてしまうでしょう。
でも、赤岳山頂のナイフリッジ、見事でした。
あれを崩して進むのがもったいないくらいでした!
山は状況によって大きく変わるものですね・・・
阿弥陀も赤岳も何度も訪れてますが、ルートが違うと全く違う山に見えてしまうものですね。
昨年秋、北穂池付近より見上げた南岳もカッコ良かったですよね?
あんな南岳って中々想像することもありませんでしたが、とっても驚いたことを思い出しました。
でも、まさか文三郎道上部であれ程のラッセルを強いられるとは予想しませんでした。
勿論、山ちゃんのラッセル中の居眠も信じ難いですし、
地吹雪みたいな風が来る方向に顔を向けて寝こけてしまうのも驚きましたが・・・
西穂西尾根の前に本気の赤岳・完結編が控えております!
tamaoさんと怒涛のラッセルやってみたいものですね。
noborundaさん
こんばんは。
いつもレポは拝見しておりますが、今回は感無量です。
素晴らしにつきます。
20年の歳月で体が錆付いており、今季の北稜は断念どころか、阿弥陀すら断念いたしました。
流石につきます。
これからもガンガン素敵なレポを楽しみにしております。
お立ち寄りいただきましてありがとうございます。
私のレコを読んでいただいているとの事、誠に嬉しい限りです。
ついつい内容がエスカレート気味になるのですが、
ヤマレコの為の山行ではなく、自分の為の山行にヤマレコがついてくる程度にしておきたいと思っています。
本気の八ヶ岳シリーズは次回のΔ悩5┐禄了予定です(もう終わってしまいましたが)。
また何か自分に対しても課題を持って取り組める先を探してみようと思っています。
これからの残雪期、厳冬期には行けなかった場所にもチャンスが巡ってきます、
出来る範囲で楽しんでみたいと思っております。
今後とも宜しくお願い致します。
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