仙丈ケ岳 〜超ドピーカンと超猛烈強風の共演〜
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- GPS
- 33:06
- 距離
- 32.4km
- 登り
- 2,938m
- 下り
- 2,922m
コースタイム
10:00戸台河原駐車場-12:15丹渓山荘(廃荘)-14:30大平山荘-15:00北沢峠-15:20北沢駒仙小屋(テント設営)
[2日目(3/21)]
5:25北沢駒仙小屋(テント)-5:30登山口-6:10二合目-6:30三合目-6:55四合目-7:35大滝頭-8:05森林限界
-8:45小仙丈ヶ岳-10:30仙丈ケ岳山頂(休憩、写真撮影)
10:55下山開始-11:35小仙丈ケ岳-12:40四合目-13:30登山口-13:50北沢駒仙小屋(昼食、テント撤収)
15:30北沢駒仙小屋-15:45北沢峠-15:55大平山荘-17:00丹渓山荘-19:00戸台河原駐車場
天候 | [1日目]快晴(夜一時雪) [2日目]快晴(一時雪、稜線〜山頂は猛烈な豪風) 気温; 戸台河原駐車場付近;昼+5℃ 北沢駒仙小屋付近;昼-5℃、早朝-10℃ 山頂付近気温;-18℃ |
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過去天気図(気象庁) | 2012年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
戸台河原駐車場〜丹渓山荘;河原沿いを上流へ向け歩きます。赤テープが乱列して逆にわかりにくいです。 丹渓山荘〜大平山荘;急斜をジグザグと登っていきます。凍結してるのでアイゼンあったほうが良いです。 太平山荘〜北沢峠;雪道登山道です。よく踏まれてるので歩きやすいです。 北沢峠〜北沢駒仙小屋;雪道若干の下りです。トレースがなく膝近くまで踏み抜きます。 登山口〜四合目〜森林限界;雪道急斜面です。トレースはうっすら。脛くらいまで沈みながらのプチラッセルです。 森林限界〜小仙丈ケ岳;普通の雪山稜線ですが、横から痛いほどの猛烈な風が吹いています。 小仙丈ケ岳〜仙丈ケ岳山頂;最初の一部細いナイフリッジがあります。立って進めないほどの猛烈な風が吹いています。風よけの場所は全くありません。 |
予約できる山小屋 |
北沢峠 こもれび山荘
|
写真
感想
最近、土日が晴れないので不完全燃焼。。
なので、自分の休みを晴れの日に合わせて行って来ました!
ターゲットは、南アルプス仙丈ヶ岳。
なにげに冬期の3000m超テン泊山行は初です。
色々情報調べても、正月の山小屋開業時に登ったグループがあるくらいで、
最近は皆無・・だからこそ、挑戦する意味があるよね〜。
とは言え、全く何があるか予測つかないし情報もないので、
アイゼンピッケルの他にも、メット、スコップ、スノーシュー、ハーネス
テントもスノーフライ。寝袋は厳冬期用、テントシューズやシュラフカバー・・
って全部してったら、68Lのザックがパンパン。重量は20kgオーバーに・・
とにかくスタート。予報通りの快晴!
夏は北沢峠までバスがあるんですが、もちろんこの時期は無し。
なので、夏よりも余計に距離片道10km、高さ1000mも登らなくちゃなんない・・
最初はいつものように順調。
しかし半分ちょっと過ぎた辺りから足が上がらなくなり、それでも無理矢理って感じ。。
さすがに20kgオーバーは辛かったです・・
やっとのことで北沢峠に来てみると、やっぱり誰もいない。。。誰にも会わない・・
だだっ広い雪原に一人テント張ります。竹ペグ活躍!
テントからは前に小仙丈ヶ岳、後ろに甲斐駒が見える超特等席です。。
さすがに一人っきりってのは初めてだったけど、、FMラジオも入るので一人快適にラーメンやコーヒータイム。
南アルプス天然水汲んだりして過ごします。。
そして、やっぱり快晴狙って来たかいのあったプラネタリウムばりの百点満点の星空!!
この冬は12月の八ヶ岳テン泊しか晴れの夜を満喫できなかったので、久々にウットリ。。
テント内の気温は寝てると-5℃くらい。起きて作業してると+5℃くらい。
なので特に寒さは感じません。トイレも近くにあるので快適。
翌朝。
この日中に仙丈ヶ岳制覇して下山しなくちゃなんないのでAM5時半発。
それでも遅いくらい。
こっからまださらに標高差1000mもあるんだけど、
不要な荷物をテントに置いて軽荷で行けるので少しは楽。
最近入ってる人はいないようで、
トレースっぽい跡はあるものの脛〜膝まで踏み抜くのでスノーシューで。
なんてことはないくらいの急斜面なんですが、足元が安定しないので結構苦労・・
2時間半も要してようやく森林限界を超えて稜線へ。
稜線直前からアイゼンピッケルと目出帽、ゴーグルのフル装備で挑みます。
・・が、今まで体験したことのないような猛烈な風。
風速30m/s〜40m/sくらいあるんではないでしょうか?
なんとか一歩一歩という感じ。
去年の富士山と違ってアイゼンは1cmくらいピッケルは5cmくらいは刺さりますが、
ときには、立って歩ける場所なのに、風に耐えるために四つん這いになって、
ピッケルさしてハイハイして進むような場面も・・
猛烈な風と闘いながらも天気は快晴。360°の絶景が迎えてくれます。
富士山と北岳の共演も少しずつ現れます。
しかしなかなか小仙丈ケ岳までも着かない・・心が折れかけます。撤退しようか・・・
登山口から3時間以上もかかってようやく小仙丈へ。
ここでようやく、目指す仙丈ケ岳のピークが見えるようになります。
まだまだ掛かりそうですが、ここで撤退すると後悔すると思い、
「10時半まで」という期限を設けてスタート。「絶対行ってやるぜ!!」
今度は細いナイフリッジが出迎えます。
両側切れてますが、先週の大山剣ヶ峰と比べるとあまり怖さは感じません。
でも猛烈な風が襲うので慎重に。。
この辺りからトレースが全くなくなります。皆この辺で撤退してるんでしょうか・・
なにせ、休憩できそうな風を避けられそうな場所は全くありません。
とにかく進むのみ。まるで竜巻のような猛烈な風です。
カメラも気温と強風でおかしくなります。勝手に初期化されたり・・
何かをポケットから出したら、それを元に戻す余裕すら無いです。
ちょっとした動作が全然できず、油断すると体が持っていかれます。
体が捩れるような感覚。
ザック深くに入れていたドリンクやソーセージも凍りついています。
唯一まともなドライマンゴーで栄養補給。
ほんの一瞬風がやむときが本当に本当に天国のよう・・
小仙丈から進むこと2時間弱。
ようやくようやく、仙丈ケ岳山頂へ着きました。。ピッケルでビレイして写真撮影。
-18℃でカメラの電池がおかしくなるため、
一枚撮っては手袋の中で電池を温め、また一枚。
苦労した甲斐あり、超ピーカンの快晴。。
富士山と北岳の共演、鳳凰三山、甲斐駒、木曽駒、八ヶ岳、塩見・・全部見えます。
・・でもあんま何も考えてる余裕無し・・手袋取ると数秒で感覚無くなります。
また手袋はめてグーパーを何回も繰り返して凍傷を防ぎます。
少し過ごしたら、とにかく下山。
稜線の下山は順調ですが、森林帯では足が埋まって怪我するのでゆっくりゆっくり・・
・・おかげでカナリの時間ロス。
疲労感いっぱいでなんとかテント撤収してあと残り10kmの道のりを急ぎ、
駐車場へ着いたのは19時。真っ暗になってしまいました。
なんとかピークハントできましたが、まだまだ普通に登れる雪山には早いようでした。
終始、誰とも会いませんでした。
またいろいろ勉強になったので、次は甲斐駒も行きたいな。。
こんばんは。
素晴らしい山行&レコ、ありがとうございます。
仙丈、がぜん行きたくなってきました。
が、Mahitoさんのように早く歩けないので、行くとしたら2泊3日ですかね。
八ケ岳と比べて、雪の感じはどんなもんでしょう?
積雪期の南アといえば、2年前のGWの聖と今年1月の上河内くらいしか経験がないので...。
ご教授よろしくお願い致します
こんばんわ。お久しぶりです!
是非ともこの時期に行ってもらいたいです。
南アルプスの独り占め雪景色は本当に素晴らしかったです。
2泊は理想でしょう。テントに帰ってきて、あと10km以上あると思うとウンザリしました。。。
雪質ですが、八ヶ岳とは多分全く違うと思います。
氷の上に粉雪が薄く乗ってる感じで、今の時期の富士山に似ています。
富士山よりは短いですが、風を避ける場所がないのでひたすら耐えるのみになりますね。。
ricalonさんなら絶対に行けると思いますよ!
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