劔岳2999m−馬場島荘750m=標高差2249m早月尾根 3度目に感極まる
- GPS
- 17:37
- 距離
- 16.0km
- 登り
- 2,399m
- 下り
- 2,402m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登山ポストは馬場島荘入り口にあり。 劔岳の早月尾根はヤマケイアルペンガイドによると、コースグレードは上級、技術度5/5、体力度4/5となっている。ヤマケイアルペンガイドのプランは馬場島〜早月小屋(泊)〜劔岳〜剱沢(泊)〜室堂2泊3日である。 【馬場島〜1400m】夏道で危険箇所はなし。 【1400m〜】徐々に雪が出てくる。危険箇所なし。 【1600m〜】雪がつながってくる。暗いうちの行動はリボンなど見つけにくい箇所もあるので、高輝度のヘッデンがあると良い。 【早月小屋〜劔岳頂上】雪と岩のミックス。稜線上はほとんど雪がない。東斜面は雪がある。急登、雪壁のトラバース、ナイフリッジなどいろいろな要素を含んでいる。滑落注意。 ピッケル、アイゼン、ロープ使用しました。 |
その他周辺情報 | 馬場島荘は去年圏外(au)だったが、電波が入るようになっていました。 大岩不動の湯 420円(石鹸やシャンプーなどはない) |
写真
感想
また劔岳に挑戦する時期がやってきた。去年は6月の頭、一昨年は7月の頭に挑戦したものの、悪天候を懸念したり、雪質の悪さに命のリスクを感じ何も敗退に終わった。昨年6月に途中で登頂を断念した時から今年も再挑戦することは決めていた。休みを確保して、天気やレコを見ていた。5/18に登頂した方のレコは去年よりもはるかに雪が多い印象を受けた。その後、雪がどう変化したか知る術はなかった。5/25の天気予報は晴れ、富山市の予想最高気温は30度オーバー。ヤマテンでは上空3000m付近で8度の暖気が入ると予想していた。つまり劔岳の頂上でその気温。暑くなる。そうするとルート上の雪の状態が気になり不安が募ったため、装備や行動予定も良く考える必要があった。去年の反省を踏まえて自宅で支度はしたが、行きの道中でも色々考えていた。馬場島に着いてからも、装備を見直し、プランに抜かりはないか確認をした。こういった作業を行うことで、不安が薄れていく感じがした。行動予定は雪が締まる気温が低めの時間を狙って行動することにした。楽になるテン泊プランも考えたが、自身を納得させることができなかった。この時期の早月尾根は日をまたいでも日帰りしたい自分がどこかにいた。
登る前に少し寝ようと思い目を閉じるが、全く眠ることができなかった。そんなことをしているうちに行動開始の時間になる。歩き始めはいいがまだまだ暗い。熊に対してビビリな私はiPhoneで音楽をかけ、時折笛を吹きクマにここにいるので来ないで下さいアピールを行う。眠れなかったことできっとペースが上がらないだろうと予想していた。案の定ペースは上がらず歩き続けることになった。1600メートルぐらいから雪がつながっていたため少し早い気はしたがアイゼンを装着することとした。その後は順調にハイクアップし、早月小屋に着いた時点で不要な荷物をデポジットし装備を整えた。ここから上部は急な斜面が常に付きまとうような状態で、滑落も十分にあり得るので緊張が強いられる区間。滑落すれば岩にぶつかって止まるか、木に引っかかるか、谷まで滑っていくかというような所で、その斜度もなかなか。去年撤退を決めた所では、全く同じ場所を踏み抜いてしまった。踏み抜きスポットなのだろう。深さは胸位までだったが急な斜面であるため脱出は慎重になった。脱出する前に穴の中を見回したところ、空洞がそこだけだったので、少し遠巻きに登れば大丈夫なのではないかと思った。脱出しハイクアップを続けた。近いようで遠い劔岳はなかなか近づくことができず高度の上がり方は緩徐だった。登っている最中もやはり調子が上がらなかった。頭痛・咳嗽・嘔気・呼吸困難感があった。空腹でお腹が鳴っても食べたくない。でも食べなきゃバテるし…と思いパンを口運ぶがひと口食べたらもう食べたくなくなったが、幸い水分だけはどうにか摂れるような状況だった。そして時々変な咳が出る。2800メートルのところであと0.7キロとなっていたが、相変わらず歩みは重く数歩歩くと息が上がり、胸の鼓動が激しくなった。トラバースですら息が上がってしまい、あまり良い体調ではないと思った。ペースは上がらずむしろ落ちているような状況だった。乗鞍に行った時は今回よりも荷物が重く、スキーブーツだったから今日は楽なはず、あと少しと言い聞かせ行ってしまった。頂上間際のビクトリーロードを歩き、頂を踏んだ時は感極まった。こんな感情は今までなかった。劔岳の頂上からの景色は見た目にも気持ち的にも今までとは全く違っていた。そのほとんどが雪をまとっており、私の知っている劔岳の頂上とは違った。約10分頂上を満喫しそこを後にした。別山尾根との分枝のところで一休みをしながら、下山用のロープの準備をした。この時も食欲はなかった。日が高くなり雪が緩んでいたため、心配なところはロープを使うことにした。最終的に3ピッチロープを使用し、3か所クライムダウンした。日が当たってきて温度も上がり日陰がないところを歩いていたせいか少し熱中症っぽい症状も出てきたようにも感じた。早月小屋に着いた時もいろいろな症状は継続していた。デポジットした荷物を回収し装備を整え、降る前に日陰で休んだ。雪の上の日陰は比較的早く身体を冷やしてくれた。そうしたことで多少気だるさは解消された。その後も日陰を見つけては少し休みながら降った。いくらか降ったところでだいぶ体調も良くなったためいずれの症状も高山病で説明できるので、そうであった可能性は高かったと思われた。
今回の冒頭にも記したが早月尾根からの劔岳の山行は3回目ではあった。1回目も2回目も何故登れなかったのか考察に考察を重ねた。導き出した答えは①雪の状態が良い早い時間に行動すること、②心配なときはロープを使うという2つだった。結果、無事登頂・下山できて出した答えは正解だったと私は思っている。結果的に降りればいいが、安全に降ることがやはり大事だと思うので今回は積極的にロープを使用した。面倒ではあるが家族や知り合いを悲しませることをないためそういったことも必要だと思った。今回体調の悪さから、あまり写真を撮ることができなかった。また、撮った写真はあまりいいものではなく、カメラに申し訳ない気持ちにもなった。日帰りができ満足したので、テン泊もいい気がしてきた。
無事登頂及び下山出来良かったです(^^)
高山病は私も2500m超えると寝不足の時に手足の痺れと頭痛がきますね。。。
また何処かの山でお会い出来れば光栄です。
ありがとうございます。
お互い高山病には気を付けていきましょう。
こちらこそまたどこかでお会いできれば光栄です。
フォローもさせて頂きます。
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