白馬縦走(猿倉から栂池)
- GPS
- 31:03
- 距離
- 25.7km
- 登り
- 2,622m
- 下り
- 2,036m
コースタイム
- 山行
- 5:35
- 休憩
- 0:25
- 合計
- 6:00
- 山行
- 7:18
- 休憩
- 1:24
- 合計
- 8:42
6:29猿倉-9:42白馬鑓温泉小屋-12:29天狗山荘テント場
9/15(日)
4:44天狗山荘テント場-5:33白馬鑓ヶ岳-6:39杓子岳-8:36白馬岳-9:57小蓮華山-11:17白馬大池-12:31天狗原-13:23栂池
天候 | 9/14(土):快晴後曇り、無風・微風 9/15(日):快晴後曇り、無風・微風 |
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過去天気図(気象庁) | 2019年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
・バスは八方バスターミナルから猿倉と、栂池スキー場から八方バスターミナルを利用。 ・栂池ロープウェイとゴンドラ利用 |
コース状況/ 危険箇所等 |
全般的に登山者多く登山道は明瞭。その他気付いた点。 ・鑓温泉からの登りは鎖場が何箇所かあり。それほど難しくはない。 ・杓子岳は登りも下りも落石注意 ・白馬大池から白馬乗鞍岳と、白馬乗鞍岳から天狗原は、岩の上を歩く時間が長く、雨などで滑る時は慎重に通過する必要がある。また登山道が狭いので、追い越しすれ違いは要注意。 <天狗山荘について> 今年は売店とテント場の営業のみ。小屋泊まりはできない。水場は雪渓がまだ残っているので利用可能。携帯はドコモはテント場で問題なく使用可能だった。 |
写真
感想
猿倉から栂池まで、白馬の山々を1泊のテント泊で縦走してきた。7年前の2012年8月にも同じコースを同じ方向で歩いたが、その時と比べ今回は旭岳を省略した。2日間とも朝のうちは好天に恵まれ気温も上がったが、両日ともガスが湧いてしまい、終日好天とはいかなかった。詳細は以下に。
9月14日(土)
八方バスターミナル近くの駐車場には5時頃に到着。BTに最寄りの第2は既に満車。頭を抱えて周囲をグルグル回り、第5を発見して無事駐車。敗退せずに済む。取りあえず荷物を持ってBTに向かい、BTのベンチで朝食。じきにターミナルが開いてチケットを購入。すごい人の数。始発のバスは定刻で発車。増発が数台出ていた模様。例によって深夜自宅発の夜通しドライブのため、バスの座席に座ると眠くて仕方ない。しばしウトウトし、あっと言う間に猿倉着。猿倉はここ数年毎年5月の連休前後にスキーで来ているが、猿倉荘は素通りのため、建屋を見るのは久し振り。トイレを済ませて6:29に出発。バスの台数から見ても大量の登山者がいることは容易に想像できたし、実際に歩き始めても人の列が途切れない。しかし鑓温泉分岐に至り、鑓温泉側へ行く人はやはりわずか。好天予報の三連休のため、なるべくでも人の少ないところを狙った我々としてはしてやったり。大雪渓方面と比較したら、8:2か、それよりももっと少ないかも知れない。天気良く蒸し暑い樹林帯の登りが本格的に始まる。下ってくる人は少ないが、追い抜きや追い越しは比較的頻繁。割合としては少ないとは言え、母数が多いので全体の登山者はやはり多い。小日向山をかすめたあたりで少し下り、その後はあまり標高が上がらないままに白馬鑓温泉に到着。既に10張り以上のテントがあった。同行のZさんのペースが良くなさそうだったので、ここでテント泊にするか尋ねるが、上まで行けるという。ちょっときつそうだけど、明日もし栂池まで縦走するなら、今日稜線まで上がっておくのは必須なので、休憩と給水のみで出発。ここでZさんが持っていた今日の食事入りバッグを自分のザックに詰める。が、このバッグとても重い。2人分の食料をお任せしてきたのだが、相当色々詰めたらしくてかなり重い。少しでも楽に登ってもらおうと思って食料を持ったが、今度はこっちがフラフラしながら登ことに。暑さは今年はさんざん様々なところで鍛えたので、それほどでもなかったが、鑓温泉からしばらく先は鎖場などもある急傾斜なので、一歩一歩ぜいぜい言いながらの登りとなった。Zさんに何度も食料を半分ずつにしようと促されるが、一度背負ってしまうと下ろすのも面倒なので、お断りする。ちょっと雰囲気が険悪になる。大手原に出ると先に稜線が見え景色も良いので気分も良くなるが、ザックは重かった。猿倉から鑓温泉までの標高差約800メートルを、よくぞこの重さに耐えて登ってきたと思う。それでも鑓温泉から標高差にして400メートルほどをどうにか稼いだところで、食料歩荷当番を交代。稜線までの300メートル強は再びZさんに託す。食料を預けると羽が生えたように軽くなったが、それでも稜線に至る最後の10分程度、標高差にして約100メートルのところは、足が上がらなくてつらかった。天狗山荘への分岐まで上がると白馬鑓ヶ岳が聳え、遠くには剱岳も見えた。天気は相変わらず快晴で、少し風も吹いていて心地よい。天気も景色も良いので、当然気分も良い。天狗山荘のテント場の混雑状況をきにしつつ先に進む。稜線歩きをしばし楽しむと天狗山荘の建物が見える。今シーズンは雪害のため建て替え工事をしていて、売店とテント場の営業のみと事前に調べて知っていた。小屋がなければ小屋をあてにする人がいなくて、連休でも空いているだろうと邪推したが、果たしてそのとおりだった。出発からぴったり6時間後の12:29に到着したが、テントはこの時間でわずか数張り。眺めの良いテント場がまだ無数に空いていて張り放題だった。大汗かいて、重い思いして登ってきた甲斐があった。トイレからもそれほど離れず、景色も良いところで休憩しつつテント設営。その後朝猿倉を出て登ってきたとみられる登山者が次々に到着し、テント場はどんどん埋まっていく。我々は既にテントを設営し、水くみやら食事やらを済ませ、体のメンテナンスをしていた。重荷で6時間みっちり歩いたので、相応に体は酷使した。きちんとストレッチやマッサージなどしておかないと、翌日の行動に影響が出かねない。16時頃になるとガスが下から上がってきて、あっと言う間にテント場と小屋を飲み込んでしまう。ガスは一時的かと思ったが、その後取れることはなく、外は日差しがなくなったため寒くなる。テントの外で荷揚げした食料を盛大に消費したかったが、このガスとこの寒さの中でする気にはなれず、テントの中で換気をよくして夕食とした。重い主因だったおでんは、やはり美味しかった。夕食を食べてしまうと、夕日などのお楽しみもガスのためあるわけでもなく、もう寝るくらいしかすることがないので、18時前から寝袋に包まってしまう。本格的に寝る前にトイレに行くが、テントは昼よりは増えたものの、超満員ではなく、20張り程度だったか。ここは混雑が多少は回避できると踏んだ予想は概ね当たったと言って良かろう。翌朝はガスが取れて晴れることを望みつつ就寝。とはいえ小屋の発電機が20時過ぎ頃まで動いていて、その時間を過ぎるまでは寝付けなかった。
9月15日(日)
3時に設定したスマホのアラームで起きる。テント内の床に転がしておいた腕時計の温度計は15℃を示していた。昨日の夕方から今朝にかけては、自分の持ち込んだ防寒着がどの程度寒さに耐えられるかテストしていた。今回はシュラフを夏専用の軽くて薄いものにした。その代わり、シュラフカバーは当然として、ダウンパンツとパタゴニアの軽い化繊ジャケットを防寒着として持ち込み、全部使うと寒いのか暑いのか試した。結果、朝まで全く寒さは感じなかった。夜間ガスが出たことで気温が大きく下がらなかったことが要因の1つかもしれない。もうちょっと下がっても十分この装備でいけそうだ。また機会があれば色々試してみよう。起きてから撤収の準備をぼちぼち始める。Zさんが昨日の重荷のためか、腰と肩が痛いという。あれだけ重かったら当然でしょう。湿布を貼って様子を見る。起き抜けに一度テントを開けて外を見たが、相変わらずにガスで山も星も見えない。満月のはずだったが、月も全く見えない。しかもフライシートは結露でびっちょり濡れている。今日の重荷確定。ちょっとがっかりして朝食の準備に取り掛かる。しかしZさんがトイレから帰ってきてひとこと、ガスが取れて、山も星も月も見えているという。さきほど、ほんの10分程度前の時は何も見えなかったのだが、実際にテントから顔だけ出すと山も星も見える。短時間でガスが取れたようだ。ようやく気分が高まる。朝食を済ませ、荷物を外に出してテント撤収にかかる。外のテントも多くに既に灯りが点いていた。パッキングとトイレを済ませて、4:44にテント場発。4:30発を目指したが、色々あって遅れた。日の出時刻が5:30くらいなのでまだ暗い。ヘッドライトの灯りを頼りに進む。今日は満月なので、稜線はとても明るい。テント場からしばし登ると月光に照らされた剱岳が見える。素晴らしい。もうこれで帰ってもいいくらい。しかしもちろん帰らずに先に進む。4:30にテント場を出ればゆっくり歩いても山頂でご来光になるはずだったが、図らずも15分ほど遅れたので少し急いで上を目指すことに。それでも徐々に周囲は明るくなり始め、剱立山方面は、空のグラデーションがとてもきれいだった。5:20頃から本格的に周囲が明るく、そして赤く染まり始める。先週は穂高で見た景色を、今週は白馬で見ている。我ながらなんと贅沢だろうか。5:33に白馬鑓ヶ岳到着。快晴無風。先客数名だが我々到着後すぐに下山。山頂付近が明るくなり始めた剱岳や、何よりもこれから目指す白馬の縦走路などの写真撮る。赤く染まった白馬岳はやはり美しく、来た甲斐があった。2人してしばしモルゲンロートに見とれる。これを見ないで先に進む訳にはいかないでしょう。それでも今日は先が長いので、適当なところで切り上げる。白馬鑓ヶ岳からは一旦大きく下る。そして、山頂ではほぼ貸し切りだったが、これ以降は杓子岳方向から歩いてきた大量の登山者とすれ違うことに。白馬三山縦走の際、オーソドックスなのは大雪渓を上がり、白馬岳のピークを踏み、残りの二山を縦走するルートだと思うが、我々は混雑回避のため、それとは逆方向を歩くので、以降白馬岳付近まではすれ違いが頻回となった。もっとも、同じ方向で歩いたとしても、多くの登山者と抜きつ抜かれつになっただろうことは想像に難くない。杓子岳に近付くと足場の悪いガレ場の連続。落石注意が続く。今日最初のピークだった白馬鑓ヶ岳はほぼ貸し切りだったが、6:39に到着した時は、既に大勢の登山者で賑わっていた。山頂で写真数枚を撮ったら脇に退いて休憩をする。狭い山頂なので、山頂標の周辺に居続けると迷惑になる。休みつつ山頂直下の崖を見たりする。身のすくむような高度感。歯磨きした後に出発。杓子岳の下りもやはり落石注意。登りの登山者は引きも切らず、泊まってやり過ごす時間が長い。下り切ると前方の白馬岳と、縦走路からは少し離れる旭岳が間近に。後ろを見ると、杓子岳山頂の多くの登山者が、蟻の行列のように見えた。前も後ろも写真を撮りつつ進む。窪地にあるテント場がどのような状態か、気にしつつ上から見つつ進んだが、既に多くのテントは撤収済みのようで、難民キャンプのようなテント村は既になかった。時間が既に8時前なので、この時間残っている人はテントを完全乾燥させてから移動するのだろう。テント場を過ぎると山スキーで通い慣れたルートが目に入る。積雪は登山道上には当然ないが、スキーの時はこの辺をシールで登る、などとZさんに説明しながら進む。縦走路から離れた旭岳は、今回はここまで天気が良くて写真のため足止めの時間が長かったためか、予定より遅かったため省略することに。それでも間近で見る旭岳は、特に東面は岩がごつごつしていて格好良かった。白馬山荘まで上がり、積雪期ならここでシールやスキーをデポだな、と思いつつ、今日はザックに全ての物を詰め込んだまま山頂へ向かう。時間が中途半端なので山頂は空いているかと思ったが、やはりそれは甘い考えで、大混雑していた。8:36に白馬岳山頂着。スキーで来るのは6年ぶりだった。あまりに人が多過ぎて写真を撮る気も失せる。それでも証拠写真程度は撮って休憩に入る。ここまで猿倉から運んできたフルーツゼリーを賞味する。冷たくて甘くて美味。ここから来た道を一部戻り、大雪渓を下ってしまえばクルマの回収も含めて楽だが、今日はこの先も縦走のつもりできたので、大雪渓下降は却下。三国境に向かえば多少は人が減るかと思ったが、全くそんなことはなく、追い抜きすれ違いは相変わらず多発だった。すれ違う人は、昨夜は大池泊だろうか。天気抜群の縦走路を進み、三国境に至る。ここから雪倉岳方面の縦走路も素晴らしいが、今回は小蓮華へ向かう。雪倉朝日方面はまた別の機会に。小蓮華山に向かう稜線を歩いていると、徐々にガスが増えてくる。まだ午前中で10時に満たないが、雰囲気としては夏のよう。とはいえ怪しい雲ではないのが救い。細かいアップダウンを繰り返しつつ小蓮華山を目指す。右手を振り返ると白馬岳など、後立山の山々が雲海の上に頭を出している。風が東から吹き時折冷たさも感じるが、歩いている限りは寒さは感じない。遠目に見ても大混雑と分かった小蓮華山だが、近付くとやはり大勢の人で賑わっていた。9:57小蓮華山着。驚いたのは人の多さだけではなく、多くの人がロープを越えてめいめい自由に休憩していたことだった。自分の知らないうちに、ロープを越えて休憩しても良い世の中になったようだ。このピークは人が多過ぎてくつろげないので、最低限の休憩で先に進む。しかしこの先はガスが濃くなり展望が得られない。10時でガスに巻かれるなんて、まさに夏山と同じだった。下ればじきに白馬大池も見られる筈だったが、今日は中々姿を見せてくれない。だいぶ近付いたところでようやく大池、小屋、テント場が視界に入る。テント場は、まだ午前中だというのに既に大賑わいだった。予想はしていたが、栂池から比較的短時間で上がってこれるので、混雑も致し方ないだろう。大池に11:17到着。食料を消費し、Zさんは給水。ここまで暑さは厳しくなく水の消費も抑えられたので、自分は栄養補給のみ。この先は山スキーでもお馴染みのコースだが、登山者が続々上がってくるので、すれ違い待ちも発生。大池から白馬乗鞍岳への登りは、岩がちな斜面のため、階段登降を延々続けるようで楽ではなかった。振り返れば大池が見えるはずだったが、ガスが濃くて叶わず。岩の登山道を登って11:50にハクノリ山頂到着。ガスで展望は良くなかった。先を急ぎたいのでここでは休憩せずに進む。岩の斜面を登ってきたが、今度は天狗原に向けて岩の斜面を降る。スキーの時期なら、この斜面は滑れば大変快適なのだが、今日は岩の上を滑らず転ばずに降りねばならず、登って来る登山者とも安全にすれ違わなければならず、楽をさせてもらえなかった。慎重に下るのみ。12:31に天狗原のベンチに到着。ハクノリの斜面を見上げるが、ガスがかかっていていまいち。水と栄養は取るが、写真は数枚のみ。秋の紅葉はきれいだろう。ここまで降りてしまえばあとは消化試合。転ばないように下るだけだが、Zさんは一度刈り払いした笹の根に躓いて転倒してしまう。大事に至らず安堵。連休なので栂池ロープウェイとゴンドラの混雑を予想しつつ下山。13:23に栂池の山頂駅に到着。一応これで行動終了。
連休の大混雑を予想した栂池ロープウェイは全くその反対で、ガラガラに空いていた。予想が反対にはずれたが、長時間待たずに降りられそうなので助かった。チケットを買いしばらくしてロープウェイ発車。次いでゴンドラも乗車。事前に調べたバス時刻が迫っていて、車内では気を揉んだが、過去何度か利用していてバスも使ったことのある栂池だったので、ゴンドラを下りてからも特に迷うことなくバス停まで到達する。バスのチケットも買いバスで昨日の朝利用した八方のBTに戻る。これでようやく元に戻れた。
白馬周辺で2日間の汗を流すべく温泉へ行くも、駐車場が既に大混雑。施設の前に行列ができている。さすがにこれはないと思い白馬での入浴を諦めて、美麻まで進みようやく汗を流すことができた。白馬の2日間は天候に恵まれたこともあり、多くの登山者が入山したようで、下界の温泉の混雑も凄まじかった。本来はやはり連休などは避けたいが、天気が良ければやはり混んでいても空いているところを探して行ってしまう。来週も連休だが、そろそろ骨休めかもしれない。
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