白峰三山
- GPS
- 28:21
- 距離
- 79.6km
- 登り
- 7,613m
- 下り
- 7,609m
コースタイム
01:40 鳥倉林道ゲート
03:20 三伏峠
05:30 塩見岳
08:00 熊ノ平小屋
10:40 農鳥岳
12:50 間ノ岳
14:30 北岳
16:40 広河原山荘
11/3(日) 13時間20分 36km +3,350m CT0.55
02:30 広河原山荘
06:00 北岳
07:55 間ノ岳
09:00 熊ノ平小屋
12:30 塩見岳
14:30 三伏峠
15:45 鳥倉林道ゲート
天候 | 11/2 快晴 11/3 快晴-くもり |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
塩見岳は三伏峠側、熊野平側ともに頂上直下は登山道上に5cmの積雪がある。 熊野平から先(三峰岳, 農鳥、北岳方面)は完全に雪道。日陰の凍結トラバースあり。 大樺沢ルートは台風19号の被害で通行止め。 現在、広河原から北岳へ登るには草スベリからのピストンしかない。 |
その他周辺情報 | 下山後の温泉はまつかわ温泉 |
写真
感想
白峰三山は春に北岳へ登ったきりで今年はめっきりだ。仙塩尾根や熊ノ平小屋のテラスから農鳥岳の勇姿を眺めるたびに登りたい衝動に駆られていた。北岳周辺は早くも冬の様相らしい。完全に雪に閉ざされて遠くなる前に行こう、農鳥へ。山梨側から入って未踏の笹山を絡めたかったが奈良田の林道は通行止め。どこから入るか悩んだ末、三伏峠からのピストンという力技を採用。なんだかんだ言って三伏峠は伊賀から一番近い南アルプスの玄関口であることに最近気付いた。実は池口岳より早く着く。悩んだらとりあえず三伏峠行っとけ、的な。
11/2(土)
金曜夜移動車中泊。21時鳥倉ゲート着。4時間ちょい仮眠したらコーヒーを飲んで1時半に出発。さみー。さすがに11月に入ると半袖短パンは無理。日中も涼しいので途中で着替える必要が無くて楽といえば楽。星が綺麗だ。空気が冷たくて気持ち良い。ペースも上がる。塩見小屋を過ぎると雪が出てくる。塩見西峰の岩場はちょろちょろ雪が付いているが問題なし。東峰へ着くとようやく東の空が明るくなってヘッドライトから解放された。富士山がぷかぷか浮かんでいる。登山道に雪があって滑るが、ほんの少しの距離なので爪は出さず慎重に下った。北俣岳分岐まで落とせば雪は無くなり熊ノ平まで楽しい森歩き。この区間は鹿天国や北荒川岳など見所があって何度歩いても飽きない。
熊ノ平小屋に着いたら農鳥ドーン。西面はめちゃ白い。間ノ岳も真っ白だ。たっぷり水分補給しておやつを食べて士気を上げたら農鳥岳への巻き道へ。誰もいない農鳥小屋を過ぎると急な登りが始まる。西農鳥直下の日陰の斜面はカッチカチで転べばタダでは済まない。10本爪と柔らかいブーツでは心許ないので尾根の一番高い岩場を繋いで通過した。西農鳥-農鳥間は南面で雪が緩んでいるので問題なし。ここも早朝だとシビれるトラバースになるだろう。落ちれば井川まで一直線。物好きな沢屋にしか発見されない。それにしても農鳥西面は木が無くて雪の着きがよく斜度もイイ感じ。デカくて素晴らしい斜面だ。農鳥ピークから滝ノ沢に滑り込んだらめちゃくちゃ気持ち良いだろう。春の候補地の一つに。
農鳥小屋へ戻ってきたら間ノ岳へ。ここもほとんど雪道だが緩んでいるのでつぼ足で。間ノ岳から北岳への稜線はいよいよ北側になる。正午を過ぎてもカッチカチだ。西側には絶対に転べない。ここも爪は出さず尾根上のハイマツや岩を繋いだ。滑落は勘弁だが間ノ岳から野呂川右俣沢も滑りの対象としては素晴らしい。両俣小屋まで標高差1,000mをズドーンとやってみたい。北岳山荘ではテント泊の準備をしている人が数名。槍穂高や北岳のテン場を通るたびに思う。こんなに寒い3,000mの稜線でテント泊するなんてタフだなあと彼らを尊敬している。さあ白峰三山、最後の一つをやっつけよう。北岳の登りは空気が薄くていつもしんどい思いをしているが、今日は塩見、農鳥、間ノ岳と既に3,000m峰を3つ突破している。高度に慣れたのかそれほどしんどくなかった。山頂は多くの登山者で賑わっていた。時刻は15時。モタモタしていると広河原山荘の夕食に間に合わないのでダッシュで下りた。広河原山荘も今週末が最後の営業で小屋締めの準備をしていた。宿泊客は僕と4人PTの2組だけ。春に来た時も一人だったが今日も広い部屋(お部屋の名前が農鳥)に一人だった。
#大樺沢ルートは台風19号の被害で通行止めである。広河原から登ると御池小屋分岐にて大樺沢方面へロープが張ってあるので草スベリに誘導される。しかし小太郎尾根分岐から下ると右俣コースと草スベリコースの分岐に立ち入り禁止の表示やロープが無いので大樺沢右俣コースに入ってしまった。登山道はかなり荒れていてルーファイや飛び石渡渉など厄介だった。
11/3(日)
2時起床の2時半出発。今日は大樺沢から八本歯経由の最短距離で鳥倉へ帰る予定だった。しかし大樺沢が通行止めなので草スベリから北岳を経由せねばならぬ。左俣はどうなっているかわからない。暗闇の中をヘッドライトで行くのはリスクが高い。素直に北岳を踏んでいこう。御池小屋分岐から尾根に入ると尾根道のまあ快適なこと。尾根の登山道はよく整備されて台風の影響はほとんど見られなかった。御池小屋でたっぷり水分補給したら急な斜面を駆け上がって小太郎尾根分岐へ。振り返れば甲府の夜景が美しい。尾根は中々の風だ。着るものを全部着ても寒い。-5度の8m/s程度だろうか。真冬に比べたらどうってことないが、この時期は身体が寒さに慣れていなくて本当につらい。肩の小屋の冬季小屋でおやつを食べて一休みしたら爪を履いて完全武装。いざ北岳へ。凍った斜面にアイゼンの爪がキシキシと唸る。貸し切りの北岳山頂へ着くと東の空が良い色に染まっていた。今日も遠くに富士山が浮かんでいる。間ノ岳の東斜面が赤く染まって素晴らしい。ここ最近見た景色の中で一番綺麗だった。やはり山は雪が付いている方が良い。北岳経由で正解だったな。
北岳山荘まで雪はカチカチなのでアイゼンを効かせて慎重に下りてきた。日は昇ったが雲に隠れて全然暖かくない。寒いので早く熊ノ平まで下りたい。間ノ岳-三峰岳とガンガン飛ばしていく。仙塩尾根分岐で爪解除。ここで短靴に履き替えた。あとはずーっと夏道を戻るだけ。間ノ岳から塩見岳まで誰にも会わなかった。塩見岳で単独の女性に追いついた。北岳から縦走してきて三伏峠まで抜けると言う。強いなあ。昨日は広い熊ノ平小屋に独りで怖かったらしい。そりゃあ僕だってあそこに独りは心細いわ。その後は愛車の待つ鳥倉林道までダッシュ。登り返しの本谷山、三伏山が地味にキツかった。そういえば塩見岳から三伏峠へ向かって歩くことはあまり無い。本谷山の北面がこんなにヤバい斜度だとは。三伏峠を過ぎるとようやく暖かくなってきた。15時半にゲートに着いた。暗くなる前に着いてよかった。昨日は真っ暗なので気付かなかったが鳥倉林道の紅葉が綺麗だった。赤色は少ないが黄色と茶色がビッシリで見ごたえがある。最後に嬉しいご褒美だった。
10月のはじめに「まつかわ温泉は中々良いが三伏峠なんて何度も来るところじゃないので、次はいつ来るかわからんなあ」と書いたが、まさか一月も経たないうちに再訪するとは思わなかったよ。
いいねした人