ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 212268
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
甲斐駒・北岳

北岳から念願の白峰三山

2012年07月27日(金) ~ 2012年07月29日(日)
 - 拍手
GPS
56:00
距離
24.3km
登り
2,415m
下り
3,129m

コースタイム

一日目:7:00広河原-09:30二俣-12:15小太郎尾根-13:00肩の小屋
二日目:5:30肩の小屋-6:15北岳山頂-7:10北岳山荘-8:20中白根岳山頂-9:30間ノ岳山頂-10:40農鳥小屋-11:55西農鳥岳山頂-12:45農鳥岳山頂-13:35大門沢分岐-16:20大門沢小屋
三日目:7:00大門沢小屋-10:00奈良田駐車場
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2012年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
バス 自家用車
バス(奈良田⇔広河原)
http://www.minamialps-net.jp/ACCESS/bustime_6.htm
コース状況/
危険箇所等
•岩尾根が多いが注意して歩けば問題なし。
•肩ノ小屋の水場(往復30分)は風雨時は行かないように。特に水場付近の岩場は危険。
•北岳山荘より先は水場が限られているので十分な準備が必要。
•大門沢は危険な箇所はないが疲労がピークの状態での歩きなので要注意。
奈良田の第一駐車場
奈良田の第一駐車場
広河原から北岳を見る
1
広河原から北岳を見る
吊り橋を渡っていよいよ
吊り橋を渡っていよいよ
雪融け水が涼しい
雪融け水が涼しい
大樺沢の雪渓
甲斐駒くん
肩ノ小屋
水場はチョロチョロ
水場はチョロチョロ
水場への急な岩壁
水場への急な岩壁
2012年07月27日 15:09撮影
7/27 15:09
いよいよ山頂アタック
いよいよ山頂アタック
肩ノ小屋を振り返る
肩ノ小屋を振り返る
もう少し
北岳の巨大な影
北岳山頂(3193m)
5
北岳山頂(3193m)
浮かぶ富士
夢の稜線
3千メートルのお花畑
3千メートルのお花畑
北岳山荘
ビールが飲みたい
ビールが飲みたい
この天気!
中白根山(3055m)
2
中白根山(3055m)
間ノ岳への稜線
仙丈ケ岳、甲斐駒、北岳のスリーショット
仙丈ケ岳、甲斐駒、北岳のスリーショット
しっかり咲いています。ガンバレ!
1
しっかり咲いています。ガンバレ!
こっちもガンバレ!
こっちもガンバレ!
登山者はほとんどいない
登山者はほとんどいない
来たぞ!間ノ岳
間ノ岳山頂(3189)
2
間ノ岳山頂(3189)
農鳥小屋まで急降下
農鳥小屋まで急降下
西農鳥への登り、キツイ!
西農鳥への登り、キツイ!
間ノ岳と農取小屋
間ノ岳と農取小屋
最後の尾根へ
農鳥岳へ続く素晴らしい稜線!
1
農鳥岳へ続く素晴らしい稜線!
こんなところが続きます
こんなところが続きます
こりゃたまりませんな!
こりゃたまりませんな!
農鳥岳山頂(3025m)
農鳥岳山頂(3025m)
大門沢へ向かいます
大門沢へ向かいます
下降分岐点の鐘には悲しい話が・・・
下降分岐点の鐘には悲しい話が・・・
ヘロヘロで到着
最後の夜

感想

3年前の夏、rikutoと一緒に鳳凰三山を縦走した。
あの時に夜叉神峠から見た北岳から農取岳まで続く雄大な尾根を見ていつかあの稜線を歩きたいとずっと思っていた。

■広河原まで
混雑が予想される芦安を避け奈良田からバスで広河原まで行くことにする。
このルートのメリットは出発バスに座れる可能性が高い事と大門沢から下山した足でそのまま駐車場まで歩けること。

22時に自宅を出て奈良田の駐車場に着いたのが2時過ぎ。
運良く第一駐車場に空きを見つける。
停留所もトイレもすぐ近くにある絶好のポイント。幸先がいい。
始発が5時半なのでしばし仮眠。

今回の予定ルート。
初日は肩ノ小屋泊、翌日は北岳の山頂を踏んで農鳥小屋まで。最終日は大門沢を経て奈良田に戻るルート。
距離もさることながらテント+全自炊という重量的にもヘビーな山行である。
可能な限り軽量化したがそれでもザックは15kg超。
50近いオッサンには堪える重さだ。
そのため今回は対策アイテムを購入した。

※1「サポートタイツ」
筋肉の動きをしっかりサポートしてくれる効果はネットでも書かれているようになかなかのものらしい。
その名のとおり力強いサポーターになるか。
※2「ストック」
普段使うことはないが重量分散とバランス取りということで。
ちょうど一本千円!という破格品を見つけたので即購入。
棒切れと思えば高いお金を出す必要はないのだ。
※3「塩羊羮」
甘いもの好きモチベーションアップのためには欠かせない重要アイテム。
近所の「しまむらストア」で購入。
最大のピンチが訪れた時に助けてくれるだろう!?

話を戻そう。

「バタン、バタン」
車のドアを明け閉めする音で目が覚める。
同じように車中仮眠していた人達が動き出したようだ。
私もトイレを済ませ荷物を再チェックする。

「ガラガラガラ」
午前5時、エンジンを響かせながら広河原行きのバスがやって来た。
ここから乗車するのは10名ほどだったため余裕で座ることが出来た。
しかし第二駐車場はバス待ちの長蛇の列。
あっという間に車内は超満員のスシ詰め状態だ。
数年前に芦安からrikutoと一緒に乗った時も酷かったな。
詰め込めるだけ詰め込まれて乗車中ほぼつま先立ちだった。
バスは盛り沢山の登山者を乗せて走り出す。

広河原へ到着すると予想以上に登山客はいない。
渋滞登山を避けるため平日スタートにしたのは正解だったようだ。

ストレッチしているとそばにいた若い登山者に写真を頼まれる。
「いいですよ」
カメラを受け取ってシャッターを押すがウンともスンとも反応しない。
すると急に頭を抱えて悔しがりはじめる若き登山者。
どうやら充電して来なかったらしい…
「ウーン、分かるよその気持ち」
心の中でつぶやく。
ガンバレ、若き登山者。

視線を上げると朝日を浴びた北岳が輝いてそびえている。
「よーし」
靴紐を結び直し歩き始める。

■大樺沢
広河原の吊り橋を渡って30分ほど歩くと白根御池分岐点に到着。
右は白根御池、左は大樺沢。
右へ進路を取り急峻な山肌を登り始める。
「うーん、何だか普通だなぁ」
御池までの2時間半ずっとこんな感じなのかな。
大樺沢は雪融けの影響で落石の注意が必要だというので
このルートを選択したがそっちに向かう登山者も多くみられた。
迷った末に今登って来たところを戻ることにする。

大樺沢へはしばらく沢沿いの道を進む。
「ドドドッー」
雪解け水が豪快な音を立てて岩肌を流れ落ちる。
マイナスイオン出しまくりだ。
周りの木々もそれに呼応するように葉っぱを揺らしている。
山が生きているのを実感出来る瞬間。
「そうそうこれこれ、こんなのを期待してたんだ」

しかし気を緩めてはいけない。
樹林帯から大きく開けた場所で一度ルートを見失ってしまう。
左手の橋を見落として数十メートル直進してしまい大きな流れと
巨大な岩に行く手を阻まれてしまった。
幸いに戻ることが出来たが同じような失敗は許されない。
単独行者は誰にも知られずに遭難するものである。

渡河を繰り返すと突然現れた大きな雪渓。
「おおっ、これが有名な大樺沢の雪渓か」
軽アイゼンをつけている人がいるがこちとらそんな物は用意していない。
見たところ凍結しているわけでもなさそうなのでそのままズカズカ雪渓へ踏み込んで行く。
多少滑るが問題なし。
はるか上まで続いている雪渓、そこを数珠つなぎになっている歩く登山者の姿が小さく見える。


■団十郎
しばらく雪上歩行を楽しんでいるとまもなく二俣へ到着。
小太郎尾根へ向かうため雪渓とはここでさよならだ。
この先約2時間半、右へ左へ折れながらグイグイと高度を稼いでいく。
いつの間にか雪渓がはるか下に見えている。
草花に覆われた山肌の斜面にはミヤマキンポウゲや様々な花が色とりどりに咲いてる。

この頃になるとザックの重さにカラダが悲鳴をあげるようになってきた。
強い日差しを受けて流れる落ちる汗。水分補給しながらひたすら上へ上へ。
一歩々々がとにかくシンドイ。
これからが山行本番なのに情けないな。
やむにやまれず、とっておきの「塩羊羹」を取り出す。
最大のピンチ(ではないはずだが)は早くも訪れてきてしまった。
効果があったのかなかったのかよく分からないが、
とにかく小太郎尾根へ出ることが出来た。

休憩しているオバちゃん達の会話が耳に入ってくる。
「あの山何ていうの?」
「甲斐駒ヶ岳よ」
「へぇー。カッコいいわね」
ザックを下ろしてそちらに目を向ける。
「おおっ、甲斐駒くん、久しぶり!」
白い花崗岩に覆われたその雄姿。
北岳側から見るその姿も相変わらずイカしてるぜ。
オバサマに人気があるのもよく分かる。
「山の団十郎」
さすがである。

■肩ノ小屋
いくつかの小ピークを越え13時、ようやく肩ノ小屋に到着する。
ベンチはすでにワイワイガヤガヤあちこちで宴会が始まっていてとても賑やかだ。
受付で手続きを済ませ鳳凰三山が見える場所にテントを設営。

水汲みはいつもrikutoの役目だが今回は自ら行く。
往復30分と書いてあったのでチョチョイのつもりでだったがこれが結構な急斜面。
雨でも降っていようものなら滑ってあっという間に数十メートル落下は必至!
単独行なので誰にも発見されず無人のテントだけが・・・なんてことになりかねない。
そういえば一人で水汲みに行って遭難する人って多いみたい。

昼食は鳳凰三山を眺めながらラーメン。
地蔵岳のトンガリがここからもよく見える。
人心地ついたところで携帯の電波状況を確認してみるとなんとアンテナ3本立ち。
早速家にメール。
「チチブジトウチャク」
小屋の周りを散策したりラジオを聴いたりしながらマッタリ過ごす。
至福のひとときである。
夕食はレトルトカレー。
キレイな夕焼けをシャッターにおさめて本日の活動は終了。

■北岳山頂
朝4時起床。
この日の行程をどうするかまだ迷っている。
計画では農鳥小屋に泊まり最終日に奈良田まで下りる予定。
ただこれだと最終日がちょっとばかりキツイ。
今日頑張るか、明日頑張るかの違いだけなのだが。
「ひとくちあんドーナツ」を食べながらアレコレ考える。
とりあえず時間を見ながら決めることにして出発。

北岳山頂へは肩ノ小屋裏手の急登からはじまる。
小屋から山頂をピストンする人はカメラだけ持ってサクサク登って行く。
ザックは重いけれど足の疲労も残っていないので快調なペース。
サポートタイツの効果が早くも現れているようだ。
露出した腕が日差しにジリジリ焼かれて痛い。

岩稜の斜面に咲くお花畑が見事である。
3000mの越える過酷なこの地に相応しくないか弱そうな花ばかりだ。
6時過ぎに北岳(3193m)に登頂する。
富士山、鳳凰三山、甲斐駒、仙丈ケ岳、間ノ岳、農鳥岳、塩見岳、。。。
グルリと南アルプスの豪華ラインナップが見渡せる。
一番見たかったのは北岳から間ノ岳へ続く長い長い稜線とその奥に重なり合うように見える農鳥岳。
あらためて素晴らしい天候に恵まれたことに感謝する。

大門沢小屋まで行くにはあまりゆっくりとしていられない。
休憩もそこそこに北岳山荘に向けて下りを開始する。
ここから先は登山者の数もグッと少なくなる。
さっきまでの喧騒とはうって変わった静かな歩きである。

7時過ぎに北岳山荘到着。
登山者の多くは出払ってしまったようでテントも数張残っているだけ。
小屋で水を購入(1リットル100円)して朝食用にお湯を沸かす。

近くのベンチで休憩している年輩の男女3人組。
なぜか山のグループは男性2人に女性1人の組合せが多い。
ほどよいバランスなのだろう。

■間ノ岳へ
山荘を後にして中白根山(3055m)へ続く稜線を歩き出す。
気持ちのいい稜線歩きに思わずスキップしたくなる。(しないけど)
いやいや思った以上に楽しい。
rikutoを連れて来れなかったのがホントに残念だ。

途中夫婦らしき二人組を追い越すとその先に単独行の男性の後姿が小さく見える。
頭が隠れるくらい大きなザックは私のそれよりもはるかに重いだろう。
中白根山の山頂にたどり着くと大きなザックの男性が休憩している。
挨拶をすると、
「写真撮っていただけますか?」
にこやかな笑顔を向けてくる。
お互いの写真を取り合いしばらく話をする。
聞くと明日以降も仙丈ヶ岳、甲斐駒を歩くらしい。
重いザックを背負っての連日歩きはかなりの健脚なのだろう。
この日のために鍛えてきたと言う。

「間ノ岳でまた会いましょう。」
休憩している男性に声を掛けて間ノ岳へ出発。
いよいよ次は間ノ岳(3189m)。
地味であるが日本第四の立派な高峰である。
ここから山頂付近の雪渓がよく見えている。

肩ノ小屋を出発してすでに4時間近く経ったが足取りは快調。
体力、気力とも十分な状態。
この調子なら大門沢小屋までたどり着けるだろう。

間ノ岳へ続く長い岩尾根も問題なくクリアして無事に間ノ岳の山頂へ。
広い山頂の一部には雪渓が残っている。
休憩しているのは十数人といったところか。
腰を下ろしてしばし休憩する。
ここまで順調だったがこのあたりから多少ヘバリ気味になっているのは感じる。

北岳を中心に左手に甲斐駒と仙丈ヶ岳、右手に鳳凰三山。
ずっと見ていても飽きない眺めだ。
「ああ、来て良かった」
心底そう思ってしまう。

■農鳥小屋
さぁここから後半戦。
大門沢小屋まではコースタイムで6時間ほど。
バテ始めたカラダで歩ききれるだろうか。
出発しようと腰を上げるとちょうど中白根で会った男性が到着したところのようだ。
彼はここから仙塩尾根方面に向かうのでここでお別れ。
「気を付けて!」
お互い言葉を掛け合って別れる。

間ノ岳から農鳥岳までの稜線も素晴らしい。
鞍部の農鳥小屋へ続くそれと西農鳥岳に突き上げるように延びる稜線。
尾根を挟んで左手から気流に乗った雲が稜線を隠そうとする。
そうはさせまいと右手から吹く風がそれを押し戻している。
かろうじて稜線の視界は守られている格好だ。
遥か昔から今までこの場所で雲と風のせめぎ合い続いてきたのであろう。
自然の織りなすこの情景にしばし魅入ってしまう。

間ノ岳からのザレた下りは長くツラい。
ザックの重みが肩とヒザにボディブローのように効いて来る。
加えて少し前から軽い吐気をもよおしている。疲労だけでなく高度の影響かもしれない。
さほど酷くはないがこれから農鳥岳への登り返しが待っていると思うとやっかいだ。

前方を下っているのは若い男子三人組、そしてその前を行くのは二人組。
それぞれかなり離れてはいるが遮るものがない荒涼とした斜面からその姿が小さく見える。
学生君達の早さに連られるようにこちらもトップギアの状態で小屋を目指す。

10時40分、農鳥小屋到着。
小屋に着いた途端、吐き気とともに気分が悪くなる。
理由はトイレ臭。
どの山小屋もつきものだがどうやらここは私が知る限り最強レベルである。(笑)
あわてて小屋から離れたところへ避難する。
先行で到着していた二人組も学生グループも小屋から離れたところで休憩している。
いやぁ強烈であります。

ザックを下ろしたそばに真っ黒に日焼けした小柄な老人が座って双眼鏡を覗いている。
双眼鏡の先は今下ってきた間ノ岳を向いているらしい。
「なるほど、この人があの小屋番さんか」
ネットでこの小屋の情報を仕入れた時に
歯に衣着きせない物言いをする小屋のオヤジさんがいると書いてあった。
遅く到着したり、登山道を外れるとこっぴどく叱られるとのこと。
登山者の安全を考えてのことらしいのだが何かと評判は良くないらしい。
何か言われるとイヤだなぁとオヤジさんから距離をおいたところに座りなおす。

シャリバテにならないよう炭水化物をしっかり摂りたいところだが食欲がわいてこない。
とりあえず「ひとくちあんドーナツ」を口に押し込んで水で飲み下す。
「塩羊羹」は昨日食べてしまったのでもうない。。。

農鳥岳方面からやってきた若いカップルにオヤジさんが声を掛けている。
「ここまでどれくらいで来た」
「ああそうか、まぁまぁのペースだな」
「クマは見たか? あいつらは見えないところでこっちを伺っているからな」
「台風が発生してるから明日から影響が出るかもしれんぞ」
「テント持っているからといっても小屋に遅く着くのはいかん」
何てことはない会話だが、登山者の安全を考えてアドバイスしているのは分かる。
来る日も来る日も小屋にやって来る登山者に同じことを繰り返して言っているのだろう。
オヤジさんと会話することはなかったがトイレ臭とともに強烈な印象の小屋であった。
ガンバレ、農鳥小屋!

※受付に書いてあったアドバイス?
・せっかちな人は12時出発
・普通の人は11時出発
・遅い人は9時出発


■農鳥岳
西農鳥岳へはつづら折りのガレた急登が続く。
ギラギラした強い日差しの下でのキツイ登りだ。
振り返ると農鳥小屋の赤屋根がすでに小さくなっている。
オヤジさんは今も双眼鏡で来訪者をチェックしているのだろうか?

山頂付近を見上げると雲が地上で見るより何倍も早く流れている。
いくつもの岩稜ピークを越えて11時55分、西農鳥岳(3051m)に到着。
「ああ、シンドイ」
ザックを下ろして座り込みながらこの先の稜線を目で追う。
小さく上下左右にうねりながら農鳥岳まで尾根が続いている。
ここからの眺めも晴らしい。
「よーし」
自分に言い聞かせて再び歩き出す。
この辺りまでくると歩いている登山者はほぼ皆無である。
疲れてはいるけれど楽しい稜線歩きも終わりに近づきつつあることを感じる。

12時45分、農鳥岳登頂(3026m)
山頂には10数名の登山者が休憩している。
塩見岳が大きく鎮座しているのが目に入る。
南アの山はどれもこれもスケールがデカいな。
これで念願の白峰三山を縦走したことになる。
今回の山行であらためて南アルプスの雄大さを身をもって感じることが出来た。
そしてもうひとつ、こんなにも花が豊かな山であることも。

喜びを分かち合える相手がいないのはちょっとさみしいが頑張った自分を褒めてやろう。
そして今回縦走してきた北岳方面に向き直り一礼。
「有り難う、南アルプス。また来るよ。」


■おまけ(大門沢編)
長い長い下りを経てようやく大門沢小屋へ到着。
心身共にヘロヘロである。
小屋前ではすでに宴会が始まっている。
受付を済ませテントに潜り込んで横になり目をつむる。
目の奥のもうひとりの自分はフラフラになりながらまだ登山道を歩いている。
しばらくの間この惰性に身を任せる。
小屋は川沿いに建てられているため水音がうるさいくらいに大きく響いている。
だが今の自分にとってはとても心地よく感じる
30分ほどそうしているとようやく落ち着く。
食欲はないが喉が渇く。
「こんな時はとりあえずアレだな」
ということでよく冷えたスーパードライを購入。
「プシュー、ゴクゴク、アー、ウマイ」
しかしこれが良くなかった。
ロクに食べていない弱ったカラダにアルコールを入れたもんだから一気に具合が悪くなる。
ああバカな自分。
深夜過ぎまでテントの中で気持悪さと格闘するハメになる。
明日は無事に下山出来るのか?
もしかしてもう一泊ここで過ごすことになるのか?
そんなことを考えていたらいつの間にか眠りについたようだ。
気がついたらテントの中が少し明るくなっている。
時間は4時過ぎ。
相変わらず食欲はないがかなり回復。
「これなら大丈夫」
山でビールを飲むのはやめようと固くココロに誓いながら下山するのであった。

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:1122人

コメント

お疲れ様でした。
こんにちは。

北岳から白峰三山へ行かれたんですね。
テント泊でかなりの荷重だったと思います。
お疲れ様でした。

天気が良くて本当に良かったですね。

私も数年前にテント泊で北岳・間ノ岳に行きました。
すっごくすっごく登りが大変で、どこをどう歩いたのか
あまり覚えていないくらい辛かった記憶しかありません。
汗ってこんなにかけるの?と自分でも びっくりした事を
思い出しました。

もう、二度と登りたくないと思っていましたが
hiratsukaさんのレコを見ていたら、もう一度
行ってもいいかなと思ってしまいました。

山にはほとんど車で行くので縦走がなかなか出来なく
いつもピストンか同じ場所に降りてこられる
違うルートになってしまいます。

北岳での嫌な記憶が薄れた時にまた挑戦してみようかな?
と思いました。

途中、調子が良くなったようですが無事に下山され
良かったです。

(山でお酒を飲むのが大好きなので、私も気を付けたいと思います。
喉が渇くとすぐビールに手が伸びちゃうので…)

本当にお疲れ様でした。

また、楽しいレコを楽しみにしています。
2012/8/5 17:30
有り難うございます。
読んでいただき有り難うございます。

私も汗かきまくりでした。
ザックはもちろん中身までぐっしょりでした。
テントは重くて大変だけど自由さを考えるとやめられませんね。
1人もいいけどやっぱり相棒がいないと寂しいかも。
8月は息子と久しぶりに登る予定です。

chibikoさんはこの夏どこを登りますか?
お互い気を付けて楽しみましょう!
2012/8/5 19:58
私も北岳登ってきましたッ。
北岳から見る富士山かっこいいですよね!
もちろん山頂から見る南アの稜線もスゴイ!!
私はテントで北岳山荘に一泊しました
テント張ったとたん、中でまったりダラダラしちゃったんですが、間ノ岳行けばよかったー!って今になって後悔してます・・・。
200回北岳に登った方と偶然出会って、いろんな話を聞いたりしてとても楽しかったです
来年も登りますっ!
2012/10/13 22:08
有り難うございます。
ashinuさん

テント張っちゃうとマッタリしたくなる気持ち分かります。
ビールを飲みながらボーっと景色をみているだけで幸せな気分になります。
せっかくきたのだから満喫しないとね。

次回は是非間ノ岳まで足を延ばして下さい。
2012/10/14 1:05
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

無雪期ピークハント/縦走 甲斐駒・北岳 [7日]
南アルプス名峰のほとんどを一筆書きで巡るルート!
利用交通機関: 車・バイク、 電車・バス
技術レベル
4/5
体力レベル
5/5
無雪期ピークハント/縦走 甲信越 [日帰り]
北岳 間ノ岳
利用交通機関: 車・バイク
技術レベル
3/5
体力レベル
4/5

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら