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Yamareco

記録ID: 213421
全員に公開
講習/トレーニング
甲信越

剱岳 本峰南壁A2(初本チャンで初剱)

2012年08月04日(土) ~ 2012年08月05日(日)
 - 拍手
mount-fine その他7人
GPS
--:--
距離
15.0km
登り
1,735m
下り
1,742m

コースタイム

■ 8/4(土)
9:05 室堂
9:39 雷鳥沢キャンプ場
11:25 別山乗越・剱御前小舎
12:02 剱沢キャンプ場(テント泊)

■ 8/5(日)
2:35 剱沢キャンプ場
3:04 剣山荘
5:02 平蔵のコル
6:00頃 本峰南壁 A2取付
  4P+コンテで源次郎尾根に出て山頂へ
8:36 剱岳
10:22 剣山荘
10:46 剱沢キャンプ場(着)
  テント撤収
11:52 剱沢キャンプ場(発)
12:27 別山乗越・剱御前小舎
13:16 雷鳥沢キャンプ場
13:55 室堂
天候 ■ 8/4(土):晴
■ 8/5(日):晴のち曇
過去天気図(気象庁) 2012年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス 自家用車 ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
■ 行き: 自宅〜(電車・車)〜扇沢〜(立山黒部アルペンルート)〜室堂
■ 帰り: 室堂〜(立山黒部アルペンルート)〜扇沢〜(車・電車)〜自宅
予約できる山小屋
扇沢。立山黒部アルペンルートでトロリーバス、ケーブルカー、ロープウェイを乗り継いで室堂へ向かう。
扇沢。立山黒部アルペンルートでトロリーバス、ケーブルカー、ロープウェイを乗り継いで室堂へ向かう。
アルペンルート途中の黒部ダム。こんな山奥によくこんなものを作ったなあと、当時の日本のエネルギーに感心する。
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アルペンルート途中の黒部ダム。こんな山奥によくこんなものを作ったなあと、当時の日本のエネルギーに感心する。
黒部平から見たロープウェイの大観峰駅。あそこから立山の横っ腹をぶち抜いて室堂へと抜ける。
黒部平から見たロープウェイの大観峰駅。あそこから立山の横っ腹をぶち抜いて室堂へと抜ける。
室堂に到着。立山へ来るのはこれが初めて。周囲の景色に目を奪われる。
室堂に到着。立山へ来るのはこれが初めて。周囲の景色に目を奪われる。
写真左側には剱岳が少し顔を出している。
写真左側には剱岳が少し顔を出している。
まずは遊歩道歩き。
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まずは遊歩道歩き。
みくりが池。
血の池。
雷鳥沢キャンプ場を見下ろす。その上の稜線の鞍部が別山乗越で、山肌にはそこへ向かうジグザグの登山道(雷鳥坂)が見える。
雷鳥沢キャンプ場を見下ろす。その上の稜線の鞍部が別山乗越で、山肌にはそこへ向かうジグザグの登山道(雷鳥坂)が見える。
雷鳥沢キャンプ場を歩く登山者の列。
雷鳥沢キャンプ場を歩く登山者の列。
沢を渡り、別山乗越へ向かう。雷鳥坂は浮き石が多くて歩きにくく、大曲を過ぎたあたりから勾配も増して結構しんどい。
沢を渡り、別山乗越へ向かう。雷鳥坂は浮き石が多くて歩きにくく、大曲を過ぎたあたりから勾配も増して結構しんどい。
雷鳥坂の途中から雷鳥平方面を振り返る。点々と残る雪がゴルフ場みたい。
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雷鳥坂の途中から雷鳥平方面を振り返る。点々と残る雪がゴルフ場みたい。
別山乗越に辿り着くと、いよいよ剱岳が全容を現す。
別山乗越に辿り着くと、いよいよ剱岳が全容を現す。
容易に人を寄せ付けぬ雰囲気がある。
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容易に人を寄せ付けぬ雰囲気がある。
カール状の地形を、別山に沿うようにして剱沢キャンプ場へ下っていく。
カール状の地形を、別山に沿うようにして剱沢キャンプ場へ下っていく。
剱岳の威容と剱沢キャンプ場。
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剱岳の威容と剱沢キャンプ場。
山頂付近を望む。頂上には祠と、そこから左へ下る登山道が見える。明日登る本峰南壁のルートはその右側。
山頂付近を望む。頂上には祠と、そこから左へ下る登山道が見える。明日登る本峰南壁のルートはその右側。
剱沢キャンプ場。今夜はここにテント泊。
剱沢キャンプ場。今夜はここにテント泊。
別山乗越から剱岳へ向かう途中の、大きな雪渓をトラバースする人たち。
別山乗越から剱岳へ向かう途中の、大きな雪渓をトラバースする人たち。
昼過ぎから雲が出てきたが、明日の天気は問題なさそうだ。15時頃に夕食を済ませ、17時前には就寝。
昼過ぎから雲が出てきたが、明日の天気は問題なさそうだ。15時頃に夕食を済ませ、17時前には就寝。
翌日は1時半起床、2時半過ぎに出発。星空の下を歩く。写真は4:19、うっすら空が白み始めてきた頃。
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翌日は1時半起床、2時半過ぎに出発。星空の下を歩く。写真は4:19、うっすら空が白み始めてきた頃。
周囲の山々が形を現し始める。
周囲の山々が形を現し始める。
一般登山道でも随所に岩場がある。
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一般登山道でも随所に岩場がある。
正面が本峰南壁。
正面が本峰南壁。
急な鎖場を下り、平蔵のコルへ。コルには避難小屋跡と思われるコンクリートの土台があった。
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急な鎖場を下り、平蔵のコルへ。コルには避難小屋跡と思われるコンクリートの土台があった。
山肌が朝日に燃える。
山肌が朝日に燃える。
平蔵のコル下部で登攀装備を整え、軽アイゼンを履いてまずは雪渓をトラバース。
平蔵のコル下部で登攀装備を整え、軽アイゼンを履いてまずは雪渓をトラバース。
滑落したら下まで滑り落ちていきそうだ。
滑落したら下まで滑り落ちていきそうだ。
ガイドさんが上部で確保し、登攀ルートの取付まで下っていく。ここで取付の位置をひとつ間違え、隣へ移動するのに少し手間取った。
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ガイドさんが上部で確保し、登攀ルートの取付まで下っていく。ここで取付の位置をひとつ間違え、隣へ移動するのに少し手間取った。
2つのグループに分かれ、自分は後続グループに。ガイドさんがリードしてロープを伸ばす。
2つのグループに分かれ、自分は後続グループに。ガイドさんがリードしてロープを伸ばす。
一般登山道(これでも!)にも続々と登山者がやってきた。
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一般登山道(これでも!)にも続々と登山者がやってきた。
これは2P目か3P目。下のほうはまだホールドがしっかりしていたが、上へ行けば行くほど浮き石が多くなり、ホールドが限定される。最後にコンテで進んだ区間は足元がぐずぐずだった。
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これは2P目か3P目。下のほうはまだホールドがしっかりしていたが、上へ行けば行くほど浮き石が多くなり、ホールドが限定される。最後にコンテで進んだ区間は足元がぐずぐずだった。
一般登山道。
背後を振り向くと立山。
背後を振り向くと立山。
4P+コンテで源次郎尾根に出て、山頂に到着。
4P+コンテで源次郎尾根に出て、山頂に到着。
山頂にいたのはほんの一瞬で、慌ただしく記念写真を撮った後すぐに下山開始。登りに時間がかかったせいもあると思うが、できればもう少し山頂で感慨にひたっていたかった。
山頂にいたのはほんの一瞬で、慌ただしく記念写真を撮った後すぐに下山開始。登りに時間がかかったせいもあると思うが、できればもう少し山頂で感慨にひたっていたかった。
よくバランスを保っているなあ、という感じの岩の重なり。
よくバランスを保っているなあ、という感じの岩の重なり。
カニのヨコバイをはじめ、ハシゴや鎖場ではちょっとした渋滞になる。それでも今回はましなほうらしい。
カニのヨコバイをはじめ、ハシゴや鎖場ではちょっとした渋滞になる。それでも今回はましなほうらしい。
下山路を振り返る。
下山路を振り返る。
下山する方向を望む。右にあるのが剣山荘、左にあるのが剱澤小屋だと思われる。
下山する方向を望む。右にあるのが剣山荘、左にあるのが剱澤小屋だと思われる。
下山のペースは速く、自分は暑さでグロッキーになりながら遅れずについていくのが大変だった。ようやく剱沢キャンプ場に到着し、テントを撤収。少し休んで、室堂へ向けて出発。
下山のペースは速く、自分は暑さでグロッキーになりながら遅れずについていくのが大変だった。ようやく剱沢キャンプ場に到着し、テントを撤収。少し休んで、室堂へ向けて出発。
昼になると剱岳の山頂付近は雲に覆われてしまった。晴れている一番いいときに登れたようだ。
昼になると剱岳の山頂付近は雲に覆われてしまった。晴れている一番いいときに登れたようだ。

感想

■ 2週間前に参加する予定だった前穂高岳北尾根の講習会が悪天候で中止になってしまったので、剱岳本峰南壁(本チャンルート入門)に急遽参加することにした。本チャンも剱岳もこれが初めて。

■ 登山を始める前から新田次郎のファンで、「劒岳<点の記>」はもちろん読んでいたし、映画も公開を心待ちにして観に行った。そのため剱岳は特別な山、という思いがあった。今回登るに当たってあらためて小説を再読し、剱岳へのモチベーションが一層高まった(でも、ついに登頂を果たすシーンは意外とあっさり書かれているんだよね)。

■ 実際に観た剱岳は、黒光りする鉄兜のような重厚さでそびえ、容易に人を寄せ付けぬ雰囲気があった。現在は立山黒部アルペンルートで簡単にアプローチでき、登山道も山小屋も整備されているので比べものにならないが、それでも柴崎芳太郎や長次郎らと同じ山を登るんだ・・・と思うと感慨深いものがあった。

■ しかし今回は個人山行ではなく講習会。のんびり感慨にひたっている余裕はなく、団体行動で迷惑をかけたり遅れを取ったりしないようにしなければならない。その点、人より行動がのろい自分はちょっと苦労した。
 それなりに自信のあった歩きのほうも、登りはまだしも下りでは先頭を行くガイドさんのペースについていくのがやっとで、「自転車に乗らなくなって体力が衰えているのかなあ・・・」とちょっと自信喪失。もっとも、口には出さないがほかの人も多少は疲れていたようで、足元がよろけたりするのを見ると「自分だけじゃないんだ」と思わずほっとしてしまったり。

 ただ、せっかくの憧れの山だったので、山頂にはもう少し長くいたかったなあ。きれいな花がたくさん咲いていたので写真も撮りたかった。自ら望んで参加した講習会だから仕方ないけど、今度行くことがあればマイペースで登りたい。

■ で、肝心の本チャンルート。元々は本峰南壁A1を登る予定だったが、現地の判断でA2に変更になった(自分にはA1もA2もよくわからんが)。ルートファインディングやリードはガイドさんがやってくれて、自分たちはフォローで登るだけなので、クライミング自体は難しくなかった。浮き石が多いのには気を使ったが。

 でも、本チャンはやっぱり難しいなあ・・・とあらためて感じた。安全を確保して、どんな状況でも何をすべきか的確に判断して、常に先を読んで行動して・・・。これまでマルチピッチ講習を何度か受けて、今回初めて本チャンも経験したけど、ガイドさんなしで自分たちだけで登れるようになるにはまだまだ道のりは遠いなあ・・・と思う。

 本気でやる気があれば山岳会にでも飛び込むのが一番なのかもしれないが、そこまでしてやりたいか? といわれると「いや、そこまでは・・・」という気もする。山との付き合い方はまだ模索中。

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コメント

ゲスト
剱、登攀おつかれさまでした
mount-fineさんのクライミング、ついにここまで来たんですね

剱から日本海みえましたでしょうか?
険しく美しい山ですね。以前登ったとき、あまりに感動して物静かになりました(笑)

「劒岳<点の記>」を見て、秋にまた行ってみようかな。と思ってます(激混みしてそうなイヤな予感もしますが・・・
2012/8/8 0:36
お疲れさまでーす。
劔岳はやはり迫力ありますね!
点の記は私も読みました。私も早く行ってみたいです。
もちろん一般登山道からですが。

コースタイムを見ると、取りつきに到着するまでにスゴく時間がかかるのですね。いや〜、たいへんそうです。

次回はもっとゆっくりできるといいですね。
うちらは渋滞もなく、いいペースで行けたので、大展望を満喫してしまいました〜。スミマセン。
2012/8/8 4:25
s3214さん、こんにちは。
いやあ、行動ばかりが先走って、実力が伴っていない感ありです。
s3214さんはいいお仲間に恵まれて、いい山行をされてますよね。

日本海は、ちょっと霞んでいましたが青い広がりが見えたので、
あれがそうだったのかな〜と思います。
途中で見ただけで、山頂では辺りを見渡す暇もありませんでしたが・・・(笑)。

秋は紅葉シーズンで、また混みそうですね〜。
剱岳は難度のわりに登山者が多すぎですね(^_^;)。
2012/8/8 7:22
geraniumさん、こんにちは。
お互い、楽しさと難しさを体験できた週末でしたね。
私はどちらかというと、自信喪失しちゃいましたけど(笑)。

行程は雷鳥坂が登りも下りも思いのほかきつかったです。
暑さでバテたのと、今回はガチャ物やロープを背負っていったので、
特に帰りはザックが肩に食い込んで辛かったっす(-o-;)。
これでナチュプロなんて持った日にゃ〜、アプローチで体力使い果たして
しまいそうです。
2012/8/8 7:32
プロフィール画像
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