記録ID: 219426
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍
奥又白池→5.6のコル→涸沢→北穂東稜
2012年08月25日(土) ~
2012年08月26日(日)
![情報量の目安: S](https://yamareco.info/themes/bootstrap3/img/detail_level_S2.png)
- GPS
- 32:00
- 距離
- 27.9km
- 登り
- 2,331m
- 下り
- 2,050m
コースタイム
【1日目】駐車場04:00〜04:51上高地04:51〜05:45新村橋05:45〜06:41中畠新道分岐06:41〜08:59奥又白池09:16〜09:33 5.6のコル分岐と思った場所09:35〜09:47正しい5.6のコル分岐09:47〜11:54 5.6のコル11:56〜13:02涸沢
【2日目】涸沢04:17〜05:10東稜・南稜分岐05:10〜05:52東稜のコル(下)05:52〜06:34東稜のコル(上)06:34〜07:11北穂高岳07:36〜09:26涸沢10:42〜12:52横尾〜15:10駐車場
【2日目】涸沢04:17〜05:10東稜・南稜分岐05:10〜05:52東稜のコル(下)05:52〜06:34東稜のコル(上)06:34〜07:11北穂高岳07:36〜09:26涸沢10:42〜12:52横尾〜15:10駐車場
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
【奥又白池】 中畠新道分岐〜奥又白池までは、踏み跡がなんとかわかる程度の道。 5.6のコルへの分岐から5.6コルまでも最初はなんとか踏み跡があり、途中から黄色い○印が所々出てくる(しかしその道が歩き易いとは限らない)。 5.6のコルへは途中から右尾根に上がった方が良い。 【北穂東稜】 東稜へ出る登りも5.6のコルへの遡上同様に悪い。ザレていやらしく、石もまず動くので厄介。 東稜の核心部分はゴジラの背と思いますが、ポイントはやはり最後のクライムダウンでしょうか。 確認していませんが、巻き道がずっと横尾谷側にあるような気がしますので、無理なら巻き道で行った方がいいかも (けどそんなことしたら何のために東稜に来たのかってことになりますが)。 |
写真
金曜日の夜に自宅を出発し、道の駅で仮眠後、自転車で4時ごろ釜トンネルに突入。
真っ暗な道をひたすら走り、バスやタクシーが動き出す前に上高地から奥地へ。
あれ? 思いの他、雲が多い・・・
真っ暗な道をひたすら走り、バスやタクシーが動き出す前に上高地から奥地へ。
あれ? 思いの他、雲が多い・・・
大きな岩に赤ペンキで方向が書かれた開けた中畠新道分岐に着いたのは6時40分ごろでした。
ここからパノラマコースを外れ、地図上では破線になっている奥又白池へのマイナールートに向かいます。
ここからパノラマコースを外れ、地図上では破線になっている奥又白池へのマイナールートに向かいます。
少し道を戻って5.6のコルへの分岐に戻ります。
登りの際は気が付かなかった踏み跡らしき道がいくつかありましたが、下降中に登り始めてから初めて人に出会いました。
「5.6のコルの分岐に行く」と言うと「この上から行けますよ」とのこと。
登りの際は気が付かなかった踏み跡らしき道がいくつかありましたが、下降中に登り始めてから初めて人に出会いました。
「5.6のコルの分岐に行く」と言うと「この上から行けますよ」とのこと。
5.6のコルには色々なアプローチルートがあるんだなぐらいにしかその時には思いませんでした。
が、私が分岐点だと思った赤布がたくさんあった場所まで戻って5.6のコル方面へ行く踏み跡を探しますが、そんなものは見当たりません。
が、私が分岐点だと思った赤布がたくさんあった場所まで戻って5.6のコル方面へ行く踏み跡を探しますが、そんなものは見当たりません。
最初にココに来た時は赤布がたくさんあったことしか確認しなかったのですけど、どうやら5.6のコルへ向かう分岐点ではなさそうです。
と言うことはさっき会った人が教えてくれた場所、そう、上にはいくつか分岐する踏み跡があったので、そのうちの1つがその道なんでしょう。
と言うことはさっき会った人が教えてくれた場所、そう、上にはいくつか分岐する踏み跡があったので、そのうちの1つがその道なんでしょう。
慌てて再度登り返します。しばらく行くと何も目印はないですが、5.6のコルへ向かっている踏み跡があり(1つ前の写真)、これを辿ります。
けどこの写真のように、この道は藪こき同様です。
またこの先涸沢までは一応「山と高原地図」では実線にも破線にもなっていないバリエーションルートです。
けどこの写真のように、この道は藪こき同様です。
またこの先涸沢までは一応「山と高原地図」では実線にも破線にもなっていないバリエーションルートです。
藪をストックで払いのけなければ路面状況がわからないような道ですが、方向的には合っているので進みます。
するとやがてガレ場っぽくなってきて、岩に黄色い○印がいくつか散見でき、ルート的には合っていることが確認できました。
するとやがてガレ場っぽくなってきて、岩に黄色い○印がいくつか散見でき、ルート的には合っていることが確認できました。
5.6のコル直下の沢まで来ると、事前学習通り右側の尾根に取り付こうとしますが、登れるような道がありませんでしたので、そのまま沢を遡上するとまた○印があります。
右尾根に少し取り付いて遡上する形になりますが、ココがまた「悪い」。ホールドやスタンスに小石などがたくさんあって踏ん張れません。
何度か「ここで滑るとヤバイ・・・」というシチュエーションを経験し、一旦○印を無視して沢へ降りました。
右尾根に少し取り付いて遡上する形になりますが、ココがまた「悪い」。ホールドやスタンスに小石などがたくさんあって踏ん張れません。
何度か「ここで滑るとヤバイ・・・」というシチュエーションを経験し、一旦○印を無視して沢へ降りました。
するとまた黄色い○印が出てきて、再度右尾根へ誘います。しかし今度は少しだけ登って沢沿いに行くというよりは完全に右尾根に登るような感じです。
またこの○印を信用してとんでもないハメに陥る懸念もありましたが、再度信じて行ってみることにしました。
またこの○印を信用してとんでもないハメに陥る懸念もありましたが、再度信じて行ってみることにしました。
足場の悪いトラバース箇所をクリアすると、やがて5.6のコル到着。12時前でしたので、奥又白池から道に迷った分も入れて約3時間かかりました。
迷わずまっすぐ来れれば2時間強という感じでしょうか。
写真は私の技量では踏み入れられない前穂北尾根の取り付きです。
迷わずまっすぐ来れれば2時間強という感じでしょうか。
写真は私の技量では踏み入れられない前穂北尾根の取り付きです。
大きな岩だらけのガレ場を、義経の八艘飛びじゃないですがピョンピョン跳ねるのも疲れるので、4本の軽アイゼンを持参していることもありとっとと雪渓に移り、ガンガン下って1時間ほどで涸沢到着。
ココから東稜の稜線上を目指しますが、左右に沢が分かれていて気持ち的には少しでも頂上に近い左手の沢を詰めたくなるのですが、事前学習では右手に詰めないと左手はかなり悪いと聞いたので右手の沢を詰めます。
この時、先行者を2人認めました。
この時、先行者を2人認めました。
しかしこの登りも昨日の5.6のコルへの登り同様、事前情報を持ってなかったこともあってザレザレ・ガレガレのルートには閉口しました。
少しでも滑ると結構な勢いで下へ持っていかれそうです。慎重に一歩一歩進めて、なんとか6時前には稜線に出られました。
稜線に出るといきなり槍とご対面。
少しでも滑ると結構な勢いで下へ持っていかれそうです。慎重に一歩一歩進めて、なんとか6時前には稜線に出られました。
稜線に出るといきなり槍とご対面。
しかし10分か15分ほど進んでも池らしきものは見えず、同時に北穂高小屋が尾根陰から見え初めてきたので、「ヤバイ、このままではゴジラの背を巻いてしまう」と慌てて稜線上に出ました。
東稜上へ上がる際に見えたこの先行者は女性2人でした。1人がガイドさんか先輩で、もう1人がお客さんか後輩っぽかったですが、このお客さんか後輩の方もシッカリとロープワークを理解されてて、ロープを持っていない・使えない私から見ると眩しかったです。
ちなみにビレイしている後輩さんは写真のちょい下です。
ちなみにビレイしている後輩さんは写真のちょい下です。
お客さんor後輩のお姉さんが挑みます。
もっと引いたアングルで写真を撮ればよかったのですが、ココの左下は数十メートルほどスッパリ切れ落ちており、落ちたらまず助かりません。
しかし取り付いてみると小さいながらもホールドもスタンスもあるので慎重にクリアすればロープなしでもなんとかなります。
もっと引いたアングルで写真を撮ればよかったのですが、ココの左下は数十メートルほどスッパリ切れ落ちており、落ちたらまず助かりません。
しかし取り付いてみると小さいながらもホールドもスタンスもあるので慎重にクリアすればロープなしでもなんとかなります。
少しトラバース気味に進むと、いよいよ東稜上の最大の核心部分とも言えるゴジラの背からの下降です(赤シャツのお姉さんのいる場所)。
その赤シャツのガイドさんらしき女性から「ロープを持ってきてない? ココはバリエーションルートと言って、ロープなしでは行く許可が出ませんよ」とやんわりお叱りを受けました。まあそれが正論ですね。
写真はゴジラの背をバックに写真を撮る女性2人。
その赤シャツのガイドさんらしき女性から「ロープを持ってきてない? ココはバリエーションルートと言って、ロープなしでは行く許可が出ませんよ」とやんわりお叱りを受けました。まあそれが正論ですね。
写真はゴジラの背をバックに写真を撮る女性2人。
お2人がロープ回収をしている間に先にゴジラの背から下降します。
当然ロープを持っていない私はフリーで下らねばなりませんが、よく見るとさっきの岩場より簡単に足を置くスタンスが目で追えましたので、足の長さが相応にあればなんとか下れます。
下から見上げるとこんな感じです。
当然ロープを持っていない私はフリーで下らねばなりませんが、よく見るとさっきの岩場より簡単に足を置くスタンスが目で追えましたので、足の長さが相応にあればなんとか下れます。
下から見上げるとこんな感じです。
とりあえず東稜のコルまで降りました。最大の核心部分をクリアしてココまでくれば一安心です。あとは一気に北穂高小屋目指して登ります。
なんとなくこっちかな的なルート取りをしていくと、小屋直下で大キレットからのルートと合流し、そのまま小屋へ。
なんとなくこっちかな的なルート取りをしていくと、小屋直下で大キレットからのルートと合流し、そのまま小屋へ。
テントサイトに戻ると隣にテントを張っていたお姉さんがどこへ行ってきたのかと尋ねられましたが、驚いたことにこのお姉さん、昨日から山に入ってこの後は奥穂から北穂、槍、双六、三俣、雲の平、読売新道、扇沢と2週間ほどかけて縦走するそうです。
感想
北穂東稜の核心部はかなり高度感もありますし、ゴジラの背はそれなりに手ごわいです。
が、核心部分はかなり短く、最初から稜線を歩いていてもクライムダウンの場所まで1時間程度かと思います。
天気が良ければルートファインディングなどはほとんど必要ありませんので、バリエーションルートの中では割合いお手軽に?挑めるのではないでしょうか。
ただ一般登山道の剱岳、西穂〜奥穂、大キレット等のようにペンキマークやクサリ・ボルトの類があるわけではなく、それゆえに要所でのアドレナリン噴出量はそれらのルートの比ではありません。
一般登山道の難所に飽きた人がステップアップを目指すのにはいいルートと思いますが、ゴジラの背の終わり近くにある岩場や最後のクライムダウンの場所は慎重に・・・!
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BIMOTAさん、こんばんは。
奥又白池に行こうと思っていたのでタイムリーでした。しかし自分は単純なピストンしか思いつかなかったのですが、バリルートで涸沢〜さらに北穂東稜とは
流石はBIMOTAさんというレコですね
やっぱり沢渡側に車は止めたのですね。次回は自分もそちらにするつもりです。ちなみに道の駅から釜トンネルまでどの位かかりました?チェーンに装着所がもっと近いですよね。あそこは結構、車を停められそうですが、やっぱり車を悪戯されそうで恐いですかね。。。
こんばんはです。
お盆休みの”宿題”を2週間遅れで実行しました。
奥又白池に行かれるのですか?
単純なピストンではもったいないですよ。
それにあのルートを下るなんて、ちょっと想像したくないです・・・(笑)
涸沢へ抜けちゃいましょう!
ひょうたん池とか北穂池とかにも行かれるのでしょうか?
車を止めた場所は、駐車違反はしていませんが不特定多数の方が見るコメント欄では少々書きづらいので、興味あればメッセージにて・・・
行きたいなぁと思っていたところをズバリと行かれてるのでビックリしました。
日程の都合がつけば今季中に行きたいと思っているのですが、どうなることやら。
前穂北尾根への道やゴジラの背をサクッっと歩かれてて流石ですね。
とっても参考になりました、ありがとうございます。
こ、これは以前から「この人はきっとすごい人なんだろうなぁ・・・」と密かに思っていたnoborundaさんじゃないですか・・・!
コメントをいただき大変恐縮です。
同じようなルートをお考えでしたか?
やはりnoborundaさんもありきたりのルートには飽きられたのでしょうか?(笑)
こんな稚拙なレコを参考にしていただき有難うございます。
また遊びにいらして下さい!
こんばんは。
実は、前々から穂高近辺のヴァリエーションルートを
複数組み合わせた山行計画がありまして、
その中に涸沢拠点で北穂東稜と前穂北尾根を連続してやる(もちろん間に涸沢で1泊します)、
というのがあるのですが、このレコを拝読して、
奥又から前穂北尾根というルートにも魅力を感じました。
実施の際には、是非参考にさせていただきます!
素晴らしいレコをありがとうございました。
これはご近所のmotchさん!
一般ルートに飽きた人向けのレコにようこそ!(笑)
前穂北尾根に行かれるんですか・・・!
スゴイです! 憧れます!
奥又白池からのアプローチもいいと思いますよ。
その際にはぜひレコをアップして下さいね。
フリーで東稜ですか。そこはアルパインの世界ですよね。ちょっと恐いのでロープ持って挑戦したいと思います。レコ参考にさせていただきます。
しかし、今だ北鎌も北方稜線も行けてません。東稜なんてずーと先かな。
これは師匠、まいどです(笑)。
確かに今思うと、ロープを持ってなかったので、最後のクライムダウンの場所で「こんなとこ、下れない・・・」と感じたら、どうしたらよかったのか・・・
撤退するのにも直前によじ登った岩場なんて下れないし、東稜のザレた登りを下るのも避けたい・・・
やはりキチンとロープの使い方を習得した方がいいですね。
今度ぜひロープの使い方をぜひ教えて下さい!
けど私も人のこと言えませんけど、順番&難易度としては北鎌や北方稜線より東稜の方が先では?(笑)
BIMOTAさん、こんばんは。
勝手な思いで申し訳ありませんが、やはりBIMOTAさんはこうでなくっちゃと。。。
もちろん登山は安全が優先ですが、アドレナリン吹き出るシーン、キライじゃありません。
お盆にダメ出し喰らって仕事も忙しくなり悶々としています。
お陰様で久しぶりに高揚した気分になれました。
これからも良い山行を。
しかし最近の女性は凄いですね…
こんにちは。
また山へ遊びに行ってて返信が遅れました。
確かにアドレナリンが吹き出る山は刺激的でいいし、そういう他人さんのレコを見ると心ときめきますが、私の場合、いつかしっぺ返しを受けそうな気がしてて・・・
やはりキチンとロープワークなどを習得した上で、こういうルートは行くべきかなぁと感じている次第です。
けどロープが必要=人が行ってはいけない所というイメージもあり・・・
で、北方稜線、今季中に行けそうなのでしょうか??
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