金峰山


- GPS
- 27:01
- 距離
- 18.9km
- 登り
- 1,799m
- 下り
- 1,796m
コースタイム
(12日)3:50起床−大日小屋6:25−小川山分岐(大日岩)7:04−千代の吹上げ8:10−金峰山9:10−9:35−大日小屋11:08−12:20−富士見平小屋12:55−13:00−瑞牆山荘上駐車場13:35
天候 | (11日)晴れ (12日)晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2007年02月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
積雪は50cmー1m程度トレースあり。 |
写真
感想
(1日目)
前々日から5歳の息子が熱を出して寝込んでいたので、行けるかどうか不安視していた山行だった。
前日の様子だとだいぶ回復したので家内のGOサインが出た。
5時30分起床。2時間程寝坊した。急いで支度をして出発するが、この出遅れは後々に影響することになる。
中央道を飛ばすが、韮崎手前で無情の事故渋滞。車3台の玉突き事故。
さらに40分近くをロスする。韮崎ICを降り、増富ラジウムラインに入る。みずがきランドから路面に積雪があり、チェーン装着。
みずがきランドから瑞牆山荘への分岐を間違え、林道に入り込んでしまう。車の下を擦るような悪路で、さすがに引き返したがここでも約20分のロス。
結局東京から瑞牆山荘の上の駐車場まで4時間を要した。
支度をして10:45出発。デジカメを忘れたことに気付く。携帯のカメラで撮るしかない。
富士見平までは緩やかな傾斜の樹林帯の道。日陰は積雪が残っていて、一部凍結しているが、下部は雪のないところのほうが多い。
ひと登りで富士見平小屋に到着。中を覗くと建物は古いが内部結構広い。竈もある。3組ほどの荷物がデポしてあった。テントサイトにもテントが数張。
樹林の中の気持ちの良さそうなサイトだった。駐車場は圏外だったが、ここは携帯がつながった。
中途半端な時間に到着したこともあり、ここまでずっと今日の行程について考えあぐねていた。
瑞牆山に登るか?登らない場合、大日小屋泊まりか金峰山小屋まで登るかどうか?
ちょうど瑞牆山から下りてきた単独の登山者に積雪状況を聞くと、瑞牆山上部は雪質はパウダー。往復3時間ほどとのこと。
昼食もまだだし、休憩も考えると4時間は必要か。瑞牆山に登るとすると今日は富士見平に泊まる事になる。
明日は早めに金峰山に登り、渋滞前に帰京したいので、それを考えると今日のうちに大日小屋までは行っておきたい。
アプローチで出鼻をくじかれたせいか、あっさり瑞牆山をあきらめ、とりあえず大日小屋まで行ってみることにする。
大日小屋への道を間違えかけたところ、さきほどの登山者に指摘される。正しくはトイレの裏手の坂道を登っていく。ルート確認はしっかりしなくては。
大日小屋までは予想していたよりも緩やかな勾配の道を行く。徐々に積雪が増えていくがトレースはしっかりしており、アイゼンなしでも問題ない。
途中、飯森山を巻くように進むようになると勾配はいっそう緩やかになり、ほとんどトラバースっぽい。鷹見岩への分岐を過ぎ、10分ほどで大日小屋へ着く。
大日小屋から先に進むべきかしばらく考える。夏の標準コースタイムで2時間40分、昼食は行動食ですませるとしても、重荷では休憩を入れて3時間はかかるだろう。
これで金峰山小屋到着は16時。積雪の状況によっては、これ以上かかることも考えられる。富士見平小屋以降すっかり怠惰モードになってしまっていたので、
今日の行動はここまでとし、大日小屋で泊まることに決定。あーあ。
大日小屋は通年無人の素泊小屋で、建物は古く、若干傾いているが、トイレも毛布もある(もっとも毛布は有料で2枚100円)。
幕営は500円、素泊まりは2500円とのことで、お金を入れる窓口が管理人室にある。
マルタイラーメンで昼食とし、コーヒーで一心地ついた後、ツェルトを張って今夜の寝床を作る。下に引く毛布も小屋のものを拝借した。
今日の行動時間は、ここまで2時間にも満たないので、さすがに自分に甘すぎる気がしてきた。
大日岩まで偵察に行こうかとも考えたが、金峰山から下山する登山者が結構多かったので、トレースは大丈夫だろうと考え、
鷹見岩までショートトレッキングに行くことにした。来た道を戻り、分岐を鷹見岩方面へ。トレースはしっかりあった。
途中、倒木の上を乗り越えたり、シャクナゲのトンネルを這って進んだりする箇所はあったが、30分ほどで鷹見岩に到着。
鷹見岩からの展望は、瑞牆山、八ヶ岳、富士山、そして明日目指す金峰山も望める素晴らしいものだった。
小屋へ戻ると、初老の男性3人が同宿となっていた。
はじめ3人組かと思ったが、しばらくして1人だけ2人から離れて自分の向かいにツェルトを張り始めた。
あとの2人は酒盛りをはじめている。ツェルトの男性は単独行のようだ。
水場は凍っていたので雪で水を作りながら、持参の焼酎とサキイカで一杯やりつつ、単独行の男性とポツリポツリと話をする。
車を持っていないので、増富から林道を歩いてきたとか、金峰山はもう30回ほど登っているとか。
この男性、装備や服装がオールドファッションで、ピッケルはウッドシャフト、ウールのニッカホース、ザックも幌布の年代物のアタックザックだ。
おまけにヘッデンもナショナルの単三4本の豆球タイプと細かいところまで渋い。当然アイゼンももちろんスノーシャットなんかついていないタイプである。
かなりベテラン風と見える。一方、二人組はメートルをどんどん上げ、下品な与太話に花を咲かせている。
定番のスキヤキセットとアルファ米で夕食として、7時半ごろには寝床に入った。水筒と靴はツェルト内に入れた。
9時か10時ごろ二人組の1人がヘッデンがないとかで騒いでいる。単独行氏は文句を言っていた。自分はうるさいので耳栓をしておいたのが効果的だった。
文句を言われて二人組はブツブツいいながらも静かになったようだ。
ダウンジャケットを着て寝たので寒くはなかったが、眠りが浅く1-2時間おきぐらいに目が覚める。
それでも新調したツェルトは、オークションで売却した以前のものより結露も格段に少なく快適で、寝心地は悪くなかった。
(2日目)
3時ごろから目が覚めていたが、寝袋から出る決心がつかず、うだうだする。3時50分、意を決して起床。
周りはまだ誰も起きていない。小屋内の気温−8℃。
コーンスープ、マルタイラーメンで朝食。外はまだ暗いので、時間つぶしに荷物の撤収をある程度進めておく。
5時ごろ、単独行氏も起きてきた。
外が明るくなってきたので、6時25分、ツェルト、行動食、テルモス、など最低限の物だけ持って小屋を出発。
ワカンとストックは小屋に置いておき、ピッケルとアイゼンでの行動とする。
雪は硬くしまっていて、かといってガチガチにクラストもしておらず、アイゼンがよく効いて歩きやすい。
特にペースを早めたわけではないが、思ったより早く小川山分岐(大日岩)を通過。言われるほどの急登ではなかった。
ここからは尾根通しにアップダウンのある樹林帯がしばらく、軽くうんざりするぐらい続く。途中、展望が開ける場所があり、南アルプスが全て見渡せた。
樹林帯を抜け森林限界を超えると、待ちに待ったアルペン的な景観となる。
雪の結晶が風で舞っているのかダイヤモンドダストなのかよくわからないが、所々できらきらと光に輝く光景が見られた。
千代の吹き上げと呼ばれる、山梨側に切り立った崖は、人が十分すれ違えるだけの道幅があり、ガイドブックに書かれているような滑落の危険はないと思われた。
念のためピッケルがあれば万全だろうが、今回の積雪と風の状況に限って言えばストックのみでも問題はなかっただろう。
O氏も誘ってあげればよかったかな。
写真を撮りつつ景観を楽しみながら稜線づたいに歩くこと1時間ほどで金峰山山頂に到着。
少々風が強いものの、天気は快晴で周囲の展望が素晴らしい。
八ヶ岳は稜線付近に雲がかかっているが、それ以外の山々は360度全て見渡せる。
数年前の夏に登ったとき以来。五丈岩もあのときのままである。
山頂の岩場で風を避けながら、テルモスのお湯でレモネードを作り、飲む。
小屋で一緒だった単独行氏も登ってきた。
展望を楽しみたいところだが、いかんせん寒い。30分足らずで山頂を後にして下山開始。
下山の時は、樹林帯に入ってすぐ暑さのため、目出帽とオーバーミトンを取ったとき以外ほとんど休憩をとらず、大日小屋まで下る。
小屋で一緒だった単独行氏は寒さのためすぐに下山したようで、途中追いつかれたり追い越したりほぼ同じようなペースで下る。
日帰りの登山者何人かとすれ違ったが、ジーンズに軽装の若い女の子2人組みが登ってきたのには驚いた。
今日ぐらいの天候ならば、寒さが我慢できればさして問題はないだろうが、それにしても怖いもの知らずである。
大日小屋まで1時間半ほどの下りの後、小屋で軽めの昼食を取り撤収。
非常食として残しておいたアルファ米があったのだが、食べるまでに時間がかかるので、腹は空いていたがやめておいた。
大日小屋からはアイゼンを外し、ストック歩行に切り替えた。
途中アイスバーンで一回尻餅をつきかけたが、後は慎重に下ったのでツボ足でも問題なかった。
富士見平小屋に戻ると、昨日設営されていたテントは全て撤収された後だった。
小休止していると、これから登る学生風の2人組に積雪の状況を尋ねられたので教えてあげた。
ここまで下ると天気が良いこともあり、かなり暖かく感じる。
やはり今年はかなりの暖冬なのだろう。
あとは気持ちのよい樹林帯の中を軽快に下り、ほどなく駐車場に着いた。
帰りに車で瑞牆山荘前に寄ってみると、大日小屋の単独行氏がいたので声をかけ、増富まで送ってあげた。
増富までの道中はアイスバーン化している部分が多く、チェーンは着けていたものの、途中2度ほど滑って車が横向きになってしまった。
単独行氏もさぞかし肝を冷やしたことだろう。申し訳なかった。
氏を増富のバス停で下ろした後、増富の湯にて入浴。日本一のラジウム鉱泉とか。源泉は25度でかなり冷たい。
15時半頃温泉を後にし帰京。中央高速はやはり談合坂から小仏まで15キロぐらいの渋滞。
途中休憩も取らず走ったおかげか、それでも19時過ぎには自宅に到着した。
息子も元気になったようで安心した。
今回は、自作アルコールバーナーを持ってきたが、フィールドで実際に使ってみて、
今回のように水温が低く、沸騰までに時間がかかる場合や雪から水を作るような場合は燃料の消費が激しく、1泊2日で約400cc消費した。
このぐらいの消費量だと、ガスと比較して重量面でのメリットが少なくなることは否めない。
ガスを使った場合250カートリッジ1本で済めば重量的にはほぼ同じなので、
総合的に考えるとアルコールバーナーの使用は、無雪期がベストであると思う。
積雪期は予備のガスカートリッジ一本の代わりとして予備的に持っていくのが良いかもしれない。
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