夫婦で山デビュー!那須岳から三斗小屋温泉【泊】そして奇跡が!
- GPS
- 27:55
- 距離
- 23.2km
- 登り
- 893m
- 下り
- 1,722m
コースタイム
【9月23日】三斗小屋温泉(大黒屋)8:50ー9:10沼原分岐9:10ー9:50那須岳避難小屋沼原10:00ー10:10峰の茶屋跡避難小屋10:20ー11:10峠の茶屋11:10ー11:20那須ロープウェイ山麓駅P
※ルート記録のロープウェイ山麓駅から鹿の湯まではルート記録終了ボタン押し忘れによる記録です。初めて使ったためうっかり止めるのを忘れていました。すいません!
天候 | 9月22日 早朝まで小雨、ロープウェイ始発時刻に雨は上がる、午前中晴れ間も見える。午後13時過ぎから小雨降り始める。iphone weathernews(黒磯地方)ほぼ正確な予報 9月23日 朝から断続的に雨、峰の茶屋では雨と強風 |
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過去天気図(気象庁) | 2012年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
峠の茶屋P視察に行く、6時半で車20台近く、前日の雨の影響か予想に反して少なかった。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
特に危険と思われる箇所はありませんでした。朝日岳周辺の鎖場のチェーンは最近新しいものに張り替えたのかキラキラと輝いていました。隠居倉から三斗小屋温泉に下る道は道幅も狭く落差もあり、最後の木の踏み板の箇所など雨のときは特にスリップに注意しながら下りる必要があります。 |
写真
感想
去年から山登りを始めようと思いながらなかなか重い腰が上がらずようやく念願かない夫婦で山デビューとなりました。行き先は山好きの同僚からのおすすめで、那須岳から秘湯三斗小屋温泉一泊山行に決定しました。宿は2軒のうち少し高めですが部屋食と温泉の雰囲気から大黒屋さんに決定、予約を済ませバタバタと約一ヶ月、道具やら情報やらを掻き集めようやく当日を迎えました。紅葉前とはいえ人気の山ということで駐車場の心配から夜行で行き駐車場で車中泊という選択をして出かけました。
東京を11時半すぎに出発、渋滞もなく(当たりまえか(笑)順調に高速を走り那須ロープウェイの駐車場に着いたのがなんやかやで3時前、山に近づくにつれ雨が降ってきました。一週間ほど前から天気予報をiPhoneのweathernewsでチェックしていたのですが、黒磯の予報は22日朝方まで雨その後、午前中晴れ、午後からくもりそして雨と当日の我々の行動に合わせたような予報、その通りならやはり今は雨なんだと思いながら、相方は既に東京を出る時から荷台の簡易ベッド(ただ後ろシートを折りたたんでフラットにしてマットをしいただけ)でぐっすり、横に自分も入るが寒さと気持ちの高ぶりから寝つけず、結局1時間目をつぶっただけ(笑)空が明け始めると同時に雨も上がり、周りが見渡せるようになりました。本当は当初の予定では峠の茶屋から登り朝日岳から三本槍岳というルートで2日目に茶臼岳という計画を、2日目の天候が思わしくないのと寝不足を考慮してロープウェイで上がり、茶臼岳から朝日岳から隠居倉という行程に変更することにしました。これが結果的に良かったと思っています。着替えをして顔を洗いにロープウェイの駅に、駅員の方から親切に洗面所やトイレを案内していただき、このところ天候不良の日が続き今日はいいほう大丈夫!とお墨付きをもらい少し安心しました。駐車場で初めて使うバーナーで湯を沸かしコーヒーを入れて一服、軽めの朝食を食べて、始発から2番目7時48分のロープウェイに乗って5分程で山頂駅に到着。駅を出たところで記念撮影をして、iPhoneの山と高原地図アプリのルート記録を開始、8時に山頂に向けてスタートしました。晴れ間が広がりさっきの雨が嘘のような天気、下界まではっきりと見通せます。素晴らしい景色です。来て良かったとあらためて思いました。ただ、茶臼岳山頂はまだかなり上、慣れないポールを使いながら一歩一歩前進します。この時点では相方の方がスイスイと上がっていきます。十分寝たので体調も良さそうです。やっとの思いで山頂に到着!神社の祠の前で手を合わせ、それぞれ願い事をして、持ってきたおにぎりを食べながらあらためて360度の展望を眺める!やっぱ来て良かったと日常では味わえない景色に感動しつつ、次の目的地、朝日岳に向け出発。お釜の周りを一周して峰の茶屋跡に向けて歩を進めます。茶臼岳は登り始めは砂礫で足を取られ歩きづらく、頂上付近は完全に岩場となっており、しっかりした登山靴が必要と感じました。降りていくあいだ登ってくる人と挨拶を交わしながら、峰の茶屋跡避難小屋に到着、すでにたくさんの人が休憩中です。遠足の小学生の子供達もたくさんいて大変賑やかです。天気も良くいま降りてきた茶臼岳やこれから登る朝日岳も良く視界に捉えられます。下からみるとあんなとこに登れるかな?というくらいの厳しそうなイメージを受けます。そして、つかの間の休憩をとり朝日岳に向けて出発しました。空も晴れ間が広がり心地よい汗をかきながらぐんぐん登っていきます。鋭い岩山の剣が峰は砂礫と岩場の連続です。左側は断崖のトラバースも鎖の手すりが付いていて、慎重に行けばそんなに難しくはありませんでした。最後に急な岩場を越えると朝日岳の肩に到着します。ここで時間は11時、荷物をベンチにデポして、朝日岳の山頂に向かいました。細い山道を登っていくこと5分程で山頂に到着、残念ながら山頂は視界がなく標識の前で記念撮影をしてすぐさまデポした場所に戻りました。ここで福島から来られた山歴50年のベテランのお二人とベンチで談笑、今から行く三斗小屋温泉や那須岳の裏話などおもしろおかしく聞きながらカップラーメンで昼食をとり1時間ばかり休憩したあと、隠居倉に向けて出発、熊見曽根からの稜線の下りは今までの岩山の連続とは打って変わってなだらかな緑の庭園の中を進んでいくイメージです。ハイマツを始めいろんな種類の低木が同じ高さで、あたかも庭師が刈り込んで手入れをした枯山水の庭園を歩いていくような何とも不思議な感覚の場所でした。あと2週間もすれば紅葉でまた違った景観を見せることでしょう。なだらかな緑の稜線をあとにし、樹林帯の細い上りを登り詰めると隠居倉に到着です。ここで時計を見ると13時15分、予定ではここからの下り50分で本日の目的地、三斗小屋温泉に到着する見込み。予約時に16時までに入ってくださいと言われていたので、まだ少し余裕があるとみてコーヒータイムにすることにしました。もう誰ともすれ違うこともなくただただ静かな世界です。お湯を沸かす間にみるみるうちにガスが広がってきて、風も出始めました。コーヒーをドリップする間もどんどんガスが広がってきます。少し焦ってきました。ようやくコーヒーが入り飲み始めると同時にぽつぽつと雨が落ちてきました。せっかくのコーヒータイムも早々に切り上げ、撤収。三斗小屋温泉に向けて出発しました。先程のベテラン山屋さんに、ここからの下りは少々辛いと聞いていました。その予想通りこれまでの茶臼岳と朝日岳の上り下りで脚にかなり疲労が蓄積していたせいもあり、膝がいうことを聞きません。相方も膝と脚の靴擦れに悲鳴を上げ始めました。そうこうするうちに雨も少し強くなってきたので止まって雨具を着込み、格納していたポールを再度組み立て、一歩一歩慎重に降りていきます。この下りが長い長い!なかなか到着しません。膝をかばいながら歩くのでそれも手伝って1時間以上かかってようやく煙が上がる源泉が見えてきました。この辺りの道は丸太や木で踏み板を作ってあるのですが、雨でぬれるとかなり滑りやすくなり、実際に滑って一回こけました。幸い無事だったのですが要注意です。最後に神社の社があり、そこから階段を下りたところが三斗小屋温泉です。雨は結局到着まで止むことはありませんでした。
大黒屋さんに到着、挨拶して宿帳に名前を記入、新館の2階の角部屋に案内されました。建物もそうですが、随所に木の無垢材が使われており趣があります。また温泉は木造の大風呂と小さめの岩風呂があり一時間交代で男女が入れ替わるシステムです。岩風呂はともかくこの木の大風呂は窓を開ければほぼ露天風呂のように開放的で小川のせせらぎと風に揺れる木々を眺めながら入れるじつに良い温泉でした。到着してしばらくすると雨も止みまた日が射してきました。1度目の温泉から上がり、17時半から食事ということで部屋で荷物を整理し雨にぬれた衣類を干そうと廊下に出たところ、信じられない事がおきました。なんと!見たことがある顔が目の前に、そうなんです、仕事で2日前に打ち合わせをしたKさんが目の前にいるのです。彼女も一緒です。思わず「えっ!なんで!?」これまでメーカーの営業さんとして何度も事務所で顔を見ていましたが、仕事を頼んだのはこれまで1度だけ、それが最近たまたま新作発表会に誘われ、仕事を依頼し2日前にその仕事のプレゼンを受けて事務所で打ち合わせをしました。その2日前も山の話など全くなく(というか山とか無縁と思っていました。)それが聞くところによると、彼らも今日が山デビューということなんです。2ヶ月前に予約したらしく、僕らと全く同じ行動をとり、同じ旅館を予約し偶然となり同士の部屋になり階段から上がってきたところで鉢合わせになるという偶然、どう思いますか?なんか怖くないですか?鉢合わせにならなければ、もし別館と新館で離れてれば気づくことなく会うこともなかったと思うのです。その後、風呂に一緒に行き、朝食は一緒に食べましょうと約束してその日は分かれました。本当に不思議なことってあるもんです。
翌朝は朝から断続的に雨が降っています。昨日約束したとおり朝食を我々の部屋で食べながら、本日の行程を話し合いました。彼らは昨日、東京から電車を乗り継ぎ10時過ぎに到着茶臼岳登って近道で三斗小屋温泉に入ったということで今日は朝日岳に登るというのです。とてもこの天気じゃ無理だし危ないのでやめて一緒に下山するように勧めました。彼等もそれに同意してくれて4人で下山することにしました。朝食後荷造りと勘定を済ませ、山小屋前で記念撮影、全員雨具着用で出発です。時刻は8時50分、他の宿泊客はほぼ出発して我々が最後のようです。ルートは前日に彼等が通ったルートを峰の茶屋まで登り返し、峰の茶屋からは茶臼岳を経由せずに自力で峠の茶屋経由でロープウェイ駐車場に下るルートをとることにしました。雨で溜まった水たまりを避けながらも途中沼原分岐までは登り下りはあるものの割と平坦な樹林帯の山道で、昨日の隠居倉からの下りを考えれば雲泥の差です。延命水で湧き水を飲みさらに先に歩を進めます。出発から約1時間で那須岳避難小屋に到着、ここで小休止、中は同じく休憩する人で結構混み合っています。ゴアテックスの雨具とはいえやはり汗の蒸れは補いようがなく、身体から湯気が立っています。着替えと軽食を口にして10分休憩後再び出発します。ここから峰の茶屋までは結構ガレ場を登ります。約10分で峰の茶屋跡避難小屋に到着しました。ここは昨日とは全く違い強風とガスで別世界です。事前情報から風の通り道であるとは聞いていたもののこんなに違うのかと思うほどでした。気温も相当下がっているようで、手袋をしていない手がかじかむくらいです。避難所のなかで10分ほど休憩した後、峠の茶屋までの最後の下りに向かいます。昨日は晴れ間から見えた茶臼岳も朝日岳も全く見えません。この中で山頂に向かっている人はいるんだろうか?と不安になります。恐らく雨で岩場が滑るので相当困難が予想されます。Kさん達に下山を勧めて良かったと思いました。1日目に登ってくる予定の道を今下っているわけですが、昨日からの行動で膝の負担は限界に近づいているようで皆相当苦しんでいます。相方も昨日から膝の裏側に痛みを感じておりポールで身体を預けるように降りています。かくいう私も右膝の外側に違和感を感じており、下りの膝への負担は相当なようです。痛みと戦いながらゆっくりと降りて行きます。Kさんの彼女も膝の調子が思わしくないようです。道もガレ場から土に変わったところから雨水が川のように流れ足の踏み場をなくして行きます。相方の靴は軽登山用のため防水対策が不十分のようですでに内部にしみている様子。やはり靴は完全防水のものが必要だなと思いました。この雨の中でも上に登っていかれる人がいます。どこまで行かれるのかひょっとして三斗小屋温泉まで行かれるのかな?、まさか山に登るつもりではないよね?などと考え心配になります。でも下るまで3組ほどの登山者とすれ違いました。ようやく道が林道のようになってきて峰の茶屋から50分ほどで峠の茶屋まで降りてきました。登山口の標識をバックに最後の記念撮影、無事の帰還を4人で喜びます。そこからさらに10分ほど下って、午前11時20分にロープウェイ山麓駅の駐車場に戻ってきました。
最後に今回のまとめですが、、那須岳は初心者に最高の山だということが分かりました。砂礫と岩場の茶臼岳、ガレ場と岩場の険しい朝日岳や剣が峰、熊見曽根からの緑の稜線と隠居倉からの厳しい下り、それぞれまるでゲームのステージのように登山者を待ち受けます。それをクリアして行く感覚。北アルプスほどの高度はありませんが、そう言った意味で山登りの楽しさをちょうどいい塩梅で教えてくれる山ではないかと思いました。
それと、今回の偶然の出会いです。本当にこんなことあるんですね!びっくりしました。
しかも下山後行きたかった黒磯の雑貨屋さんとカフェも申し合わせたように同じで、もう車で一緒に行きましょう!と、4人分の荷物を積み込み取り敢えず濡れた体を温めるため途中にある鹿の湯へ、ここも最高の温泉でした。建物の風情と歴史を感じて、じっくり体を温めました。天候が悪いにもかかわらず大勢の観光客や湯治客で賑わっていました。
そこからさらに黒磯のアンティーク雑貨「タミゼkuroiso」へ、こちらは山登り以前にも行こうと計画していたお店、ちょうど日曜と月曜しか開いていないためいいタイミングで行けました。店主の方に近くの美味しいラーメン屋さんまで教えてもらいました。その後「SHOZO
CAFE」でまったりとおいしいコーヒーとケーキを食べて、なぜか行きは2人で来たのに、帰りは4人で一緒におしゃべりしながら東京に帰りました。ちょうど帰り道だったのでKさんたちを自宅近くまで送って、近々また山に行きましょう!と約束して別れました。なんか偶然のいい出会いとともに夫婦山デビューが無事達成できて本当に良かった!
まとめ方がわからず長文になりましたが以上が感想です。そしてこれがヤマレコ山行記録デビューにもなります。ここまでおつきあい頂き感謝です。
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