丹沢縦走(過去レコです)。
- GPS
- 32:00
- 距離
- 21.7km
- 登り
- 2,219m
- 下り
- 2,110m
天候 | 雨。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2007年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険個所はありません。 |
写真
感想
丹沢は神奈川県北部の山域で、以前は深々とした森林の山であったが、関東大震災で山肌が大崩壊を起こし、山容は一変し厳しいものになったそうだ。丹沢山はこの山域の一つの山であるが、最高峰は蛭ガ岳である。今回は大倉尾根(ただひたすら登るだけということで、通称バカ尾根と呼ばれている)を塔ノ岳まで登り、その日は山小屋に泊まり、翌日、丹沢山から蛭ガ岳を経て姫次、そして東野へ縦走する予定である。
天気予報は今日は曇り、明日は曇り時々雨と云う予報であるが、山の天気は分からない。名神高速道路を大井松田インターでおり、県道708号線で登山口の大倉にいたる。身支度を整え、12時45分、「丹沢大山国定公園」の看板の横から林道に入る。春一番に咲くセントウソウ、葉が特徴的なエイザンスミレ、マルバスミレ、タチツボスミレ、ルリソウなど小さな花々が迎えてくれる。緩やかな道はいつしか山道となり、整然と植林された杉林は雑木林となり、30分程で観音茶屋に至る。さらに15分程尾根を登ると「雑事場」という分岐があり、「塔ノ岳2時間30分」と書かれた道標が立てられている。要所要所に「大蔵尾根、○○(数字)、緊急時には上の番号を通報して下さい」と書かれた札が立てられている。これで遭難者の居場所がわかるというものだ。尾根を登り見晴茶屋を過ぎると、丸太で土留めした階段登りとなる。木々の間から湘南の町、その向こうに太平洋が見渡せる。階段を登りきるとモミジが並んだ道となり、野生のシカが草を食んでいる。緩やかな道は雪の混じったジグザグの急登となり、登りきると駒止茶屋の前に出る。バカ尾根とは云え少し下りもあり、鞍部を上って堀山の家が建つ小草平に出る。ここから急登が続き、登りきると茅場平に出て、ここからは広い尾根を登って花立山荘の前に出る。林の中を下り、「金冷シ」という鞍部に降り立つ。再び丸太で土留めされたきつい階段を登り、登山口からから4時間10分、塔ノ岳山頂に到着。標高差1200m、大変しんどい登りであった。頂上はガスでおおわれ、展望は全く無い。頂上の一角に本日の山小屋「尊仏山荘」がある。ここから見た夜景は、湘南、横浜の光が、ダイヤモンドを散りばめたように広がっているそうだが、今晩は激しい風にガスが舞い上がり、夜景の素晴らしさは想像すら出来ない。小屋の主人は花立さんといい、NHKの日本百名山の丹沢山の項で案内役を勤めた人である。ビデオでは真っ黒な髭であったが、今はその髭に白いものが混じっている。夕食時、カレーを食いながら聞くと、もう15年以上も前の話しで、今日が51歳の誕生日だと云う。その夜は、2階の2段ベッドの上、ジメジメした3枚の布団に5人が寝るという混雑ぶりであった。右隣は枚方から来たおじさん、左隣は四日市から来たおじさん。枚方は睡眠時無呼吸症候群、四日市は寝言で、わたしはもんもんと夜を明かした。
翌朝4時半に朝食を摂り、5時半、猛烈な風が吹きまくる中、雨合羽を着込んで小屋を発った。雪の積もった登山道を、アップダウンを繰り返しす。時々木道があり、いくつものピークを越え、1時間で丹沢山に到着。広い山頂で一服。山頂から下り始めると急な階段となり、鞍部から笹原の中、シカの糞が所かまわず撒き散らされ、これを踏まないように道を登ると笹原は林にかわり、丹沢山から1時間20分で、お不動さんが祀られた不動ノ峰に到着。急な階段を下って登り返し、棚沢の頭に出る。棚沢の頭から稜線づたいに進み、鬼ガ岩の頭に登る。挨拶がわりに記念写真を撮る。岩場を気をつけながら下り、鞍部からブナの倒木がごろごろしている道を登り返して蛭ガ岳頂上に到着。相変わらずガスが立ち込め、展望は全く得られない。木道の階段を下り、平らとなるが、すぐに急な下りとなって地蔵平に至る。10時半、少々早めであるが、倒木に腰を下ろして小屋の作ってくれた弁当を広げる。猛烈な風にあおられ、落っこちないように力を入れて稜線を少し行くと、広い原小屋平に出る。ズボンの裾を泥だらけにし、何度もアップダウンを繰り返した後、最後に林の中を登って姫次に到着。相変わらず展望はきかないが、ベンチでひと休み。ここから先は東海道自然歩道で、カラマツ林の緩やかな尾根道を下る。八丁坂の頭を越え、急な植林帯をジグザグに下り、やがて緩やかな尾根を下って登山口に至る。そこから舗装された林道を足早に下ること1時間で東野のバス停に到着。今朝、小屋を出てから九時間が経過していた。下界は晴れ、振り返ると遠くに丹沢山塊がどんと構えているが、見えるのは裾のほうだけで、上はやはり雲の中であった。丹沢ごとき、大したことはないだろうと侮っていたが、明後日は階段を下りることが出来なくなりそうだ。
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