焼岳と西穂高岳
- GPS
- 32:00
- 距離
- 14.5km
- 登り
- 2,297m
- 下り
- 1,491m
コースタイム
- 山行
- 8:53
- 休憩
- 1:20
- 合計
- 10:13
- 山行
- 4:32
- 休憩
- 1:19
- 合計
- 5:51
2012年以前の過去ログにおいては、GPSのトラックログはなく、記憶のままにルート作成ツールで記述してます。コースタイムは、当時の写真データの日時によるもので、適度に設ける休憩時間までは判別がつかず、けっこういい加減なはず。
過去天気図(気象庁) | 2009年08月の天気図 |
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アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
写真
感想
夏山のシーズンになれば単独の北アルプス行をと企図していたものの、長引く天候不順に阻まれ盆休みに至りやっとの山行に。
お寺さんの都合により盆の棚行は昨日のこと、故に予備日なしの一泊二日の行程が前提となり、直前までどちらへ向かおうか迷うことしきり。
8月15日
昨晩、関西から上高地に向かうバス、さわやか信州号に乗車、早朝5時頃には飛騨の地に着。一旦、沢渡の駐車場にて低公害のバスに乗り換え、釜トンネルを経て上高地に向かうべく出立。
二月前の初アルプスとなった焼岳では、ガスのため全く視界が遮られ、焼岳に登ったのだという実感に乏しい。
天候が良ければ再度の登頂をと考えていたので、上高地に向かうのをやめて釜トンネル手前、中ノ湯で降ろしてもらう。
すぐ側の中ノ湯登山口へ。
前回のツアーで辿った新中ノ湯ルートよりも少し時間を要するよう。まあ、別のルートにした方が少しは変化があり面白かろうて。
6時を過ぎた頃より登り始める。
登り始めてよりすぐ、背中にのしかかってくるザックの重さに辟易してしまう。
初の泊行で慣れぬこととはいえ、もっと軽量化すべく荷物を選別すべきであった、などと思うも後の祭り。
こんなのを担いで全行程を歩ききれるのか、との不安に早くも気が萎えてしまって・・・、どうしたものか。
登山口よりの樹林帯を抜け、視界が開けてきたここいらはおそらくりんどう平あたり。
天候はバッチリ、独特な山容がくっきりと映えている。
この時点で、再度の登頂が報われたかのよう、ちょいと気を取り直す。右手からは穂高の連なりも視界の内に、おおGood。
岩に記された「2300」の表記を眺めつつ、なるほどこのあたりはこんなだったのか。同じ道を登りなからも、晴れているだけで気分も違ってきますね。
さすがに8月ともなればここに至るまで、前回のような雪渓もありません。
しばらく往くと鞍部に到達。なるほどここらあたりはこんなだったのか。おおっ、彼の火口湖も見えてます。やっとこさめぐり逢えたといっては大げさか。嬉しくてというか、何かホッとしてしまったり。
ところどころで吹き上がる水蒸気と硫黄の臭気の中、岩場を登り焼岳山頂となる北峰頂上(2393m)へ。
頂上到達は10時頃。今回は単独でもあり、取りたてて急ぐ必要もなく、遅い朝食がてら、眺望を楽しみつつ、ゆるゆるまったりと小一時間ほどの時を過ごします。
頂上に着いた頃より、西方向からガスが流れてきて、次第に眺望が失われていきます。そういえば、上高地あたりはともかく、笠ヶ岳方面はまるっきり見えていなかったのだった。
東の方向を目をやり、焼岳小屋を確認、更に視線を先に向けて見ますと今夜の宿泊先である西穂山荘が見えてくる。
このザックを担いで・・・、果たしてあそこまでたどり着けるものであろうか、はたまた不安になってくる。
中尾峠、焼岳展望台を経て焼岳小屋へ。
ここでしばらく休憩して後、西穂山荘への道を踏み往く。
歩き始めたのは正午過ぎ。
両川沿いの道はやせていて歩きにくい上に、草木で一見見過ごしそうではあるものの一歩踏み誤ればそのまま滑落って感じでは、と見受けられる箇所が多く、気を緩めることはできず。山中の道は、長く続いた雨のせいかひどい泥濘状態、ザックの重みもプラスしてか、やたら足をとられてしまう。
また、道中、ところどころで標識らしきものに遭遇するも、錆び付いていて表示が識別できず。ここいらはどのあたりやろう?
そんな道行きに悩まされつつも、やがてちゃんと判別できる標識に遭遇、少し進んだところで見上げれば西穂山荘が。
16時過ぎであったかな。
小屋泊まりも初めてのこと。受付を済ませ、部屋に案内してもらう。
相部屋の方々にご挨拶し、しばしお話をば。
幾人かの方々は、一日二日の予備日を設定し、西穂山頂より奥穂へと縦走していくのだと。羨まし。
とはいえ、ビギナーの身であれば、まずは涸沢に泊まり、ザイテングラートから奥穂高岳へ登頂というのを済ませねばならぬか。今シーズン中に何とか果たしたいところ。
心身ともにくったくた。
ここも既にガスっていて眺望は臨めないものの、周囲を眺めやりつつ飲む生ビールの味はおそらく今年一であったろう。
夕食も美味しく頂戴しました。2000メートルを超える施設で提供される食事であれば上々ではなかろうか。
明日の水を補給し、弁当にしてもらった朝食を受け取って後、まだ19時ではあるが、明日は4時起きとしているので早々に就寝する。
明日の天候は如何に。何とも不安ではある
8月16日
深夜に目を覚ますと、屋根を叩くような音が。どうやら雨が降っとるよう。ついてない、6月の初アルプス時の焼岳といい、とかく天候には恵まれぬ。まあ、そんなものなのかな、雨やガスで眺望が望めぬようなら、西穂はあきらめて早々に帰途に着くか、などと思考をめぐらしつつ再度寝入る。
午前4時過ぎに起床。まだ薄暗い中、外に出てみると、雨どころか雲ひとつない様子、これはいい!
ザックの中身を再確認し、取り出したサブザックにデジイチと水筒、一応行動食も詰めておくことに。
弁当は途中で食べる・・・、のはよして先に済ませて西穂山荘を出立したのは、5時過ぎ頃。
大きな岩が敷き詰められた道を過ぎると丸山に。この先は普通に歩いていけそう。
西穂山頂を目指す歩きはサブザックのみで、足取りは軽い。
しばらく往くと、段々と陽が昇り明るくなってゆき、次第に周囲の風景が判然としてくる。
左を向けば笠ヶ岳が。朝焼けの陽を受け、徐々に山肌が明確になってくる・・・・・・、なんとも美しい。
右に視線を転じれば、朝靄がたなびく上高地を明るい陽光が覆っていく・・・・、
振り返ってみれば、乗鞍と焼岳が。昨日、辿ってきたルートが少しずつ明確になってくる。進む先には、昇る朝日を背にした穂高の連なりが眩しく映える。
身内に熱く湧き上がってくる不可思議な感覚を抑えつつ、目から零れる汗をぬぐい、この壮大なパノラマの中を更に進んで往く。
午前6時頃、先ずは独標に到着。
ここからは岩場が主体、登って下って。
午前7時頃、西穂高岳頂上(2909m)に到達。
更に先に進むという山荘で同室だった方々とはここでお別れ。またどこかでお会いしましょう。
なにはともあれ、私めも9月の連休は奥穂高を目指すつもり。
奥穂高の次は槍ヶ岳へといきたいところ。
頂上はさほど広いスペースでもないが、朝早く混み合うこともないようなので、360度全方位を眺めその眺望を堪能すべく、小一時間ほどゆっくりさせてもらった。
急峻で剣呑な雰囲気で容易に人を寄せ付けない山岳群ではあるけれど、何故かように美しいのか。
いずれは、目に映る別のピーク、別の尾根から、今立っている山稜を眺めて見たい。ああ、過ぎゆく夏が名残惜しい。
西穂山荘に戻る途上、振り返り仰ぎ見る。
初の単独アルプス行はこれにて終了。とても面白かった。
ふとした思いつきで、もよりの標高300mほどの甲山に登ったのが昨夏のこと。以来休みごと、六甲山系に通いつめたのだけれど・・・・、思えば遠くへ来たもんだ。
帰途は新穂高ロープウェイを利用して、新穂高温泉まで。バスでJR高山駅へ向かい、特急飛騨で大阪まで。
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上記は当時したためていたブログからの抜粋。
六甲を歩き始めて1年ほど、単独の北アルプス行はここからだった。
絶景のパノラマの中、未知の高揚感に支配されて歩を進めていた。この折に西穂高岳に向かう稜線での経験がなければ、今現在に至るほど、山に入れ込むことはなかったはず。
実は、この年の7月時点で、テント泊装備は一通り揃えていたが、このルートで初のテン泊を敢行する自身はなくて小屋泊としたのだった。まあ、小屋泊も初めてやったけど。
この頃は、盆の期間であれば、小屋も比較的混雑しない、というような西穂山荘のアナウンスがあったことも手伝ったはず。昨今はそうもいかんのでしょうなあ。
この頃は、どこへ赴くも、終始、手探りの状態での道行ながら、その分、何もかもが新鮮で面白かったなあ。
焼岳とか西穂には、セットでその後も幾度か登ったけれど、以降はテント泊が主体となりました。
2020年5月9日記
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