白馬岳【真夜中の大雪渓と露天風呂・猿倉周回】
- GPS
- 16:24
- 距離
- 21.7km
- 登り
- 2,349m
- 下り
- 2,438m
コースタイム
【10月6日】
-------- 猿倉荘駐車場 23:53
01:02 白馬尻小屋 01:08 1:09 1:00
03:41 岩室跡 04:02 2:33 2:30
06:08 白馬頂上宿舎 06:12 2:06 2:00
06:38 白馬山荘 06:57 0:26 0:20
07:10 白馬岳山頂 07:14 0:13 0:15
07:26 白馬山荘 08:01 0:12 0:10
09:04 杓子岳分岐 09:04 1:03 1:00
10:33 鑓ヶ岳山頂 10:37 1:29 1:00
10:55 鑓温泉分岐 10:55 0:18 0:20
≪コーヒーブレイク 0:20≫
12:52 白馬鑓温泉 1:37 1:30
【10月7日】
-------- 白馬鑓温泉 07:29
09:04 小日向ノコル 09:05 1:35 1:50
10:55 猿倉荘駐車場 1:50 1:50
≪計画≫
【10月6日】
猿倉 0:00 −1:00白馬尻 −3:30岩室跡 −5:30頂上宿舎 −6:00白馬山荘
−6:20白馬岳山頂 7:20 −7:35白馬山荘 −7:55頂上宿舎 −8:55杓子岳分岐
−9:55鑓ヶ岳 −10:20分岐 −12:50白馬鑓温泉 <テント泊>入浴
【10月7日】
白馬鑓温泉 8:00 −10:00小日向のコル −12:00猿倉
天候 | |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
東京板橋(18:00)−環八−目白通り−関越道(練馬IC)−上信越道(須坂IC)−XEBIOでガス購入・夕食−R19−大町街道−さんさんパーク白馬-猿倉荘(23:00) 復路: 猿倉荘(11:15)−みみずくの湯−昼食−大町街道−上信越道(長野IC)−関越道−圏央道(狭山IC)−R299−自宅(17:30) ◆駐車場 ・登山者用臨時駐車場(猿倉荘の手前に右折で進入。広い!) その手前にも広い駐車場あり。 ・駐車場までの山中の道は、舗装道路。駐車場は未舗装。 ◆猿倉荘 ・登山ポストは見当たらず。 (予め、メールで提出しました。) ・トイレは、猿倉荘下のバスのUターン場所奥にあります。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆道の状況 ・猿倉荘 〜 白馬尻荘 特に危険な場所なし ・白馬尻荘 〜 岩室跡 大雪渓は秋道になっていて、雪上は短区間。 雪渓に下りるまでは、右側の岩道を登る。所々に旗や、マークがある。 雪渓は、スプーンエッジ。表面はカチカチに凍っている。 また、小さいながらもクレバスあり。下りは要注意。 軽アイゼンがあったほうが良い。 ・岩室跡 〜 白馬岳頂上宿舎 小雪渓はない。ずっと岩場。 お花畑避難小屋まで岩道が続く。 ・白馬頂上宿舎 〜 白馬岳 特に危険な箇所なし 5〜10cm大の石場続く。 ・白馬山荘 〜 杓子岳 気持ちいい稜線が続く。 杓子岳直下の巻き道分岐から杓子岳は急登。 足許は5cm大の石場。 場所によっては、崖っぷちがあり。下りには不向きかも。 ・杓子岳 〜 鑓ヶ岳 下り、登り返しがきつい。 特に危険な箇所はなし。 ・鑓ヶ岳 〜 鑓温泉分岐 特に危険な箇所なし。 ・鑓温泉分岐 〜 白馬鑓温泉 大出原を過ぎ、樹林帯に入ってから鎖場あり。 青みのある岩が滑りやすい。要注意。 ・白馬鑓温泉 〜 小日向ノコル ガレ場、樹林帯の繰り返し。 特に危険箇所なし。 ・小日向ノコル 〜 猿倉荘 樹林帯がほとんど。 特に危険箇所なし。 ◆登山ポスト ・捜したけど分からなかった。 予めメール等で提出したほうが良いかも。 ◆下山後の温泉 ・猿倉に最も近いのは「おびなたの湯」 以前、利用したが狭く露天風呂しかなかったイメージ。 ・今回は、「みみずくの湯」を利用 狭いが、内風呂、外風呂がある。 洗い場は、約10ヶ所。 シャンプー、ボディーソープ完備。 入浴料 大人500円 ◆下山後の飲食 ・今回はそばをターゲット R148沿いにある「そば神」がたまたま目についた。 店の前に7台ほど置ける狭い駐車場 天ざるそば美味し!てんぷらのボリュームもあり美味しい ただし、1700円はちと高いか… |
写真
感想
2005年秋、大雨で大雪渓途中で断念した記憶がある白馬。
もちろんそのリベンジもあるが、
テント泊で露天風呂に入るという新たな野望を抱いての挑戦。
しかしながら、大雪渓-白馬岳-鑓温泉のコースタイムは12時間50分。
まだ馴染みきっていない靴
今年初のテント担ぎ
長丁場
体力にも不安がよぎる
到着時間から逆算し、0時出発を計画
毎日、当たり前のように残業するが
この日ばかりは定時17:30にあがった。
どうしたと言う声を背に、高速道路で長野へ。
バーナーの燃料が心許無いので、
長野のスポーツショップで燃料を購入。
夕食をラーメンで済ませ、白馬へ。
白馬さんさんぱーくで、車中にてスーツから着替える
町内放送のスピーカーから熊目撃による注意喚起の放送
そういえば今朝、長野駅にも熊出没したってニュースで言ってた。
新たな一抹の不安を抱え、猿倉に向かう。
11時。
真っ暗な駐車場には十数台の車が停まっていた。
身支度を済ませ、ヘッドランプの灯りを頼りに歩き始める。
暗闇は怖くて嫌いだ。
でも今から出ないと鑓温泉テン泊はできない。
一時間ほどで白馬尻到着。
小屋の営業は終了している。
以前来た時は確かここでアイゼンを着けた。
更に先へ進もうとした時、看板が目に入った
「午後二時以降は入山禁止」
雪渓上では、落石の音がせずに目視でしか回避できないからだ。
そうだ!前回もすぐそばを大きな落石が転がって行ったのを見ていた。
躊躇はしたが、「登山は自己責任です」の一言でふっきれた。
昼間でも当たる時は当たる。
白馬尻小屋から夏道を30分ほど歩くと
雪渓が近くに見えてきた。
おぼろ月の照らす頼り無い明りに、
うっすらとモノクロに浮かび上がっている。
沢を流れ落ちて行く水の音が化け物の鳴き声のように聞こえる。
時々、爆発音の後にガラガラと落石の音が混ざる。
夏は雪渓であろう場所は、荒れ果てた岩場になっていた。
向かう先に視線を上げると、白い雪渓が上まであり
急峻な山肌に吸い込まれている。
最上部のほうでは、霧が生き物のようにうごめいている。
怖い…
全てのものに色が無く
不気味な音だけが支配している
逃げ出したくなる気持ちが足を速めるが
すぐに息があがってしまう。
どうにか岩場、ザレ場を過ぎ赤い旗が向かい合わせに立つ
雪渓への降り口まで来た。
軽アイゼンを装着し、雪上に踏み出すもスプーンエッジの雪面は
非常に硬く、やもするとアイゼンさえ滑ってしまう。
歩幅を小さくとり、荷重をかけながら一歩づつ進む。
雪渓上はマークがさっぱり分からない。
方向を見定め上に向かう
途中、小さなクレバスを飛び越えた。
中之島のようになった岩場に登り、アイゼンを外す。
岩にマークがあった。
マークと踏み跡を頼りに再び進む。
どうにか岩室跡に着いた。
ここで休憩。
相変わらず、真っ暗闇だ。
水と落石の不気味な音は遠ざかった。
あとは小雪渓だ。
さらに岩場を進むも雪渓は現れない。
上にあるのかと見上げると、黒い稜線と黒い空の間に灯りが見えた。
頂上宿舎か?
いや違う。動いている。
どうやら下山者らしい。
みるみる間に灯りは近づいた。
おはようございますと声を掛け合う。
年配の男性らしい。
アイゼンを忘れたとのこと。
小雪渓はないこと、
大雪渓の状況、進み方、クレバスなどのアドバイスをして別れた。
花の見えない暗闇のまま、お花畑小屋を通過し
頂上宿舎が見え始めた頃、空が明るみ始めた。
頂上宿舎からは二、三人の人が出て、下りに向かったり
山頂を目指して歩き始めていた。
頂上宿舎から間近に見える白馬山荘。
ちょっとした急登を過ぎ、だらだらとした坂を登っていく
白馬山荘はまるでホテルのようないで立ちをしていた。
山荘前のベンチにザックをデポし、ついでに朝飯の準備
α米にお湯を注ぎ、サブザックで山頂を目指す。
念願の山頂には、強力伝の小見山正が運び上げたとされる方位盤があった。
風がやや強く、とても冷たい。
その風を避ける場所もなく数分で引き返した。
山荘前で、出来あがったα米にカレーをかけて、コーヒーを一杯。
一服して再び歩き始めた。
これから向かう杓子岳、その先の鑓ヶ岳がよく見える。
そこに描かれたような一本のジグザグとした登山道も。
あそこを越えなければ!
西に目を向ければ、剱岳と立山連峰が。
東には、南アルプスと富士山まで見えている。
目の前の遠くには、槍・穂高。
高曇りだが、展望はまずまず。
それよりも、冷たい風がこたえる…
杓子岳の分岐から山頂まではガレ場の急登が続く
ゆっくりと確実に足を置いていく
崖っぷちをすぐ脇に見ながらの歩きは高所恐怖症にはツライ
山頂はより風が強く山頂の標をカメラに収めすぐに稜線を進む。
目の前には一度下がってから登るこれもまた急登のような鑓ヶ岳の
ジグザグな道が見える。
コルの手前で腰をおろし、水分補給。
遠くまで見通せる道の先には単独者が一名、ゆっくりと登っている。
後ろには誰もいない
ジグザグとした急登を一気に登りきる
鑓ヶ岳の山頂は、三山の中で一番風が強く吹いていた。
ここからは、天狗山荘の黒い建物が間近に見える。
白馬三山を登りきり、気持ち良く下る。
鑓温泉分岐手前で軽く登り返し、そこからは一気に下り道となる
山稜の東側は幾分か風が弱まった。
途中、秋色に染まり始めた景色のいい場所でコーヒーブレイク。
すると上から下りてくる人影。
あっと言う間に自分の前まで来た。
挨拶を交わすと、「これからですか?」とイケメン風の若いお兄さん
「いえ、下ります。どちらから登ったんですか?」
「猿倉を朝出て、白馬からここへ」
「ええっ!同じコースじゃないですか?何時に出発したの?」
「6時です」
なんてこったい!
俺よりも6時間遅く出て、ここで抜かれるとは…
「今日は鑓温泉で?」
「いえ、一気に猿倉まで行きます」
うへ〜っ!
さすがだなぁ…
でも、ゆっくり歩いたほうがいっぱい山を満喫できるんだもんね
そこから暫く下ると真っ赤に色付いた草が群生していたり
燃えるようなナナカマドがあったり、秋を実感させてくれた
闇の中のモノクロームの世界を目の当たりにした後だけに
とても美しく感じられた。
急な下り坂を過ぎると樹林帯に入る
細い白樺は黄色くなった葉を付けていて、本当に秋らしい色合いだ
鎖場を過ぎると、遠くで人の声がした
沢に、アーチ状に残った雪が見えた直後、白馬鑓温泉が見えた!
白馬鑓温泉は建物をすっかり畳んでいたが、既にテントが十数張り
唯一の露天風呂には、数名の女性が水着で浸かっている。
水着なんか持ってきてないよ…
入れないじゃん…
とりあえず、手頃な場所を見つけてマイホーム建設。
既に13時。
昼食にする。
レトルトのトマトパスタでお腹を満たす。
露天風呂はテントの上。
見上げると、女性は風呂にはおらず風呂の周りのテントにいる。
風呂はというと、素っ裸のおじさまが数名、腰にタオルを巻いている。
おっと!チャンスだぜぃ
露天風呂に入っているおじさんに「熱くないですか」と声をかけると
「熱いよ。入ってみなよ」待ってました!その一言。
風呂の反対側にいる女性陣に背中を向け、素っ裸になり風呂へ。
熱いっ!けど、気持ちいい〜〜
硫黄の匂いが周りにはたちこめ、
コンクリートの広い湯船には湯の華が真っ白にこべりついている。
この湯の華がぬるぬると滑る。
徹夜&13時間に及ぶ行程を歩いて疲れ切った体には最高のご褒美。
数度、入ったり出たりを繰り返し、すっかり温まった。
無理して担ぎあげてきたプレミアムモルツを一気飲み。
まだ15時前だけど、テントに潜り込む。
そのまま翌朝5時まで爆睡した。
5時。
まだうっすらと明るい程度。
テントを出ると、誰も風呂にはいない。
もうもうと湯気が立ち上っている。
朝風呂をきめこんだ。
なんて贅沢なんだ…
ゆっくりと一人で浸かって体を温めた。
朝食は、甘めのドリップコーヒーとサラミソーセージ一本丸かじり。
7時半前、下山開始。
のんびりと下っていく。
硫黄の匂いもいつしか遠のき、樹林帯とガレ場を繰り返し進む
すっかり秋色の山
小日向ノコルを過ぎ、ひらけた場所で一服。
もう少しで白馬岳との分岐という辺りで雨がぽつぽつと降り出した。
ザックカバーだけかけて、上着一枚でそのまま下る。
樹林帯がほとんどだったから、猿倉荘まではたいして濡れずに下りられた。
猿倉荘の玄関で小屋のお兄さんと一服しながら立ち話
今、白馬岳山頂では雪が降っているとのこと
昨夜も降ってうっすらと積もっているらしい
麓じゃまだ夏の残り香があるのに、山頂はもう冬なんだなぁ
麓の白馬村で、みみずくの湯に浸かりサッパリしたあと
天ざるそばを堪能した。
高速はたいして渋滞しなかったものの、
自宅近くのアウトレットパーク渋滞に巻き込まれ、帰宅時間は18時近かった。
今年のテント泊はこれが最初で最後かなぁ
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