竜ヶ岳(過去レコです)。
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- GPS
- --:--
- 距離
- 9.5km
- 登り
- 914m
- 下り
- 916m
天候 | 雨が降ったり止んだり。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2007年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
それなりに注意を要する場所もあります。 |
写真
感想
平成19年11月11日、鈴鹿の竜ヶ岳に登る予定を立てた。天気予報は雨のち曇り、小雨降る中、岐阜羽島ICから名神にのり、養老ICでおり、R365を南下し、登山口の宇賀渓に向かう。雨が降ったり止んだりであるが、宇賀渓に着いた時は晴れ間も出て来た。駐車場の管理人が、「宇賀渓登山道位置確認No.」という案内パンフレットを呉れ、「頂上へ行けば富士山も見える」と云うが、それは余程条件に恵まれた時の話しだろう。竜ヶ岳への登山道は三本あり、「表道」、「中道」、「裏道」と名付けられており、わたしは裏道から登り、中道を下る予定である。9時、車止めのある石橋を渡って北河内林道に入る。ここら辺りはまだ紅葉には早く、行き交う人もいない。案内パンフレットには所要時間25分と記されていて、もう25分は経っただろうと思っていると右手に細い道が分かれ、「裏道登山道入り口」と標識がある。ボッとしていると見過ごしてしまいそうな入り口である。ここに入ると登山道らしくなり、勾配も徐々に増して来る。ホタガ谷に注ぐ流れの上には、丸太を三本並べた橋が掛けられているが、これが古くて半分腐ったしろもので、おまけに雨に濡れて滑りやすそうである。手摺りがわりにトラ紐ロープが掛けられているが、足を滑らせでもしようものなら、こんなロープは何の使い物にもなりはしまい。ロープを掴んで一歩一歩慎重にゆっくりと足を運んで渡る。こんな丸太橋がつぎつぎと現われ、竜ヶ岳はなかなか手強い。1時間半ほど登ったところで○30の札が現われ、倒木に坐ってひと休み。ぬかるんだ道のせいでズボンの裾は泥だらけになっている。案内パンフレットを見ると、○30から先○20まで数字が混みあって並んでいる。○20は「分かれ滝上部水場」、「休憩に良い」と書かれている。次は○20で休もうと決め、暗い杉林の急勾配をジグザグに登る。杉林の道は雑木林の沢沿いの道となり、濡れた根っ子や石に乗らないよう、ひと足ひと足慎重に登る。木の葉を叩く雨音がし、やがて大粒の本格的な雨となりウインドブレーカーを着込む。ひと跨ぎでは登れないような石が行く手を遮る。石の壁に僅かな凹みを見つけ、そこに右足を乗せぐっと持ち上げた途端つるつると滑り落ち、これはやばいと思うが掴まる所も物もなく滑り落ちる。先日の硫黄岳で転んで滑り落ちそうになったときは、笹が茂っていて掴むものが一杯あったので余裕はあったが、今度はそうはいかない。でも怪我も捻挫もせず、お尻がびちょびちょになっただけで済んだ。それにしても竜ヶ岳、手強し。雨が降ったり止んだりする中、登り一辺倒の道をいっそう慎重に登る。随分時間が経ったように思われ、大分疲れて○20に到着し、腰をおろしてひと休み。色ずんた雑木林の中で、どっぷりと秋の気配に身をゆだねる。雑木林の中の沢を登ると、林から出て目の前に明るい笹原が広がる。森林限界でも無いのに突然の笹原の出現、振り向けば紅葉した林が広がり、何とも不思議な気分になる。木々は笹に駆逐されてしまい、この様な光景が生み出されたものと思われるが、はたして喜んでいいのか悲しまなければいけないのか。道の両側は身の丈以上の笹に阻まれ、笹原の行く手に見えていた稜線も見えなくなり、緩やかに見えても結構急な登りである。遠足尾根の分岐に登りつくと道は勾配を緩め、左手に目指す竜ヶ岳が現れる。狭い道端に20名程の人が座り込んでおり、聞くと、「頂上は荒れていたので、ここで食事を摂っている」と云う。「どこから登って来たのですか?」と聞くと、「中道を登って来たのだが、最後は急だった」と云う。しばらく進むと右手に分かれる道があり、「←治田峠、銚子岳、静ヶ岳」と標識が立てられている。「←竜ヶ岳」の方向には、こんもりと盛り上がった竜ヶ岳の頂上に向かって、笹原の中、一直線の道が続いているのが見える。その頂上をガスがすごい速さで流され、時折り雲間から陽がさす。晴れていればさぞかし綺麗だろうと思われる山をおおう紅葉だが、この天気では薄茶けて見えるだけである。三重県と滋賀県の県境の尾根道、遮るものが無く波打つ笹の中、濡れたガレ道を風に煽られながら登る。広い台地の頂上には樹木が一本も無く、風が吹きまくり、成る程先程の人が云ったように荒れている。360度の大展望は乳白色の世界で、羅針盤に刻まれた山の名前からその景色を想像する事も出来ない。長いは無用。わたし以外誰もいない頂上で、記念写真を撮って下山することにする。先程の人は中道の最後は急だったと云っていたが、予定通り中道を下ることにする。すぐに風は遮られるが、泥状の急坂を下りるのは気を使う。ぬるぬる滑り、木の枝を掴みながらの急降下、竜ヶ岳手強し。ちらっと陽が刺し、紅葉の山肌を照らすが、それも一瞬、相変わらず勢い良くガスが流れ一面真っ白になる。紅葉の雑木林の中、落ち葉の上に坐って昼食とする。途端に振り出した大粒の雨、林の中を通る風、震える程の寒さの中、魔法瓶の熱いお茶、沸かしたお湯で作ったスープ、食後のコーヒーも身体を温めることは出来ない。動くにかぎると再び下山を始める。手のみならずお尻も使って急坂をずり落ち、虎紐ロープに身を委ね岩壁を下りる。ヨコ谷に入ると堰堤がいくつも並び、その左側を巻いて下る。時にはひと登り、高巻いて堰堤を越す。垂直に近い長い鉄バシゴを下るのは少々スリルがある。再び現れた鉄バシゴはひん曲がっており、足の置き場が不安定で一層スリルがある。誰がどのようにしてこんなに曲げてしまったのか、考えても答えは出ない。○58で砂山方面への道と別れると登りとなり、汗が出始める。炭焼き釜跡の石囲いに遭遇するようになると、間もなく○60で砂山分岐からの道と合流する。五段滝を跨ぎ、ハイキングコースにしては少々厳しい崖っぷちの道を登ったり下ったり、途中河原で一服し、ホタガ谷入り口の東屋でも一服し、駐車場に帰り着いた時は四時を回っていた。登り3時間半、下りも3時間半の行程であった。途中、阿下喜温泉で汗を流し帰路に着いた。
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