【過去レコ】仙丈ヶ岳・甲斐駒ヶ岳 南アルプスデビュー戦
- GPS
- 32:00
- 距離
- 16.6km
- 登り
- 2,290m
- 下り
- 2,272m
コースタイム
- 山行
- 7:25
- 休憩
- 1:30
- 合計
- 8:55
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2005年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
北沢峠まではバスを利用 |
その他周辺情報 | 長衛小屋に宿泊 https://minami-alpskankou.jp/?page_id=5698 仙流荘で入浴 https://www.ina-city-kankou.co.jp/senryuso/ |
予約できる山小屋 |
|
写真
感想
【1日目】いよいよ待望の夏休み,仙丈・甲斐駒の2座を目指す日がやってきた.前日の9時に岐阜を出発.中央道を伊那ICで降り,あとはナビに従って仙流荘へと向かう.0時半に仙流荘横の無料駐車場に到着,さすがに平日とあってまだ随分と余裕がある.早速,レガシィのシートを倒して車中泊とする.足も伸ばせ,大人2人が十分横になることができる.
翌朝は5時半に起床.天気は晴れ.身支度を整えた後,北沢峠へのバスチケットを購入(片道1100円+荷物代200円),バスを待つ人の列に並ぶ.この日はマイクロバスが3台出たが,休日となればいったい何台のバスが出るのだろう?バスは約1時間かけて標高2000mの北沢峠を目指す.道中,バスの運転手さんによる山・展望・花の解説があり,退屈しない.
予定通り,7時半に北沢峠へと到着.バス停のすぐ横が仙丈ヶ岳への登山口である.最初は,鬱蒼とした樹林歩きだが,風が涼しくて心地よい.人気の山といっても,先ほどのバスで来た人の一部のみが歩いているのであるから,静かなものである.なかなかの急登が続くが,2合目・3合目で小休止をはさみ,5合目大滝ノ頭に至る.ここは藪沢小屋への分岐になっており,そちらのルートへ進むグループもいた.
5合目の先で森林限界を超えると展望がようやく広がる.振り返れば甲斐駒ヶ岳,前には小仙丈ヶ岳の丸いピークがある.暑さにあえぎながらハイマツ帯を登り,クルマユリ,ハクサンフウロなどの花が現れると,小仙丈ヶ岳に着く.ここからは,展望の小仙丈尾根を行く.正面にたおやかな仙丈ヶ岳を見据え,後ろには甲斐駒ヶ岳・鋸岳を従え,さらに左手には北岳・間ノ岳を引き連れての悠々闊歩.1箇所急峻な露岩帯を下り,仙丈小屋への分岐を右に見送ると尾根上部に達する.この辺りからガスが強まり展望はなくなってしまったが,ようやく山頂へとたどり着いた.
意外と狭い山頂だが,登山者も少ないのでゆっくり腰を下ろすことができる.小学生の孫を2人連れたおばあさんから,きゅうりの浅漬けを2本いただく.お湯を沸かして卵スープと温かいお茶を飲んだ.
記念写真を撮った後,山頂を辞す.まずは,藪沢カールの底にある仙丈小屋へと下る.小屋の前に風力発電機を備えた比較的新しい小屋だ.ここでトイレを拝借.ガスで展望が得られないので黙々と下るのみだ.ゆっくりと下り,モータの音が聞こえてくると馬ノ背ヒュッテ.ヒュッテのすぐ下で藪沢に出合うと,ここからは藪沢の左岸を下っていくことになる.河原のように浮石・転石が多い登山道は,下りが苦手な私と,膝が痛い相方には非常につらい.花が多いのと,時折,対岸に滝が見られるのが唯一の救いだ.やはり,藪沢新道を登りに,小仙丈尾根を下りに取った方が良かったのかもしれない(小仙丈ヶ岳からの展望は午後となり犠牲になる可能性があるが).
丸太橋で沢を渡ってしばらくで樹林帯へと入る.もうこの辺りでは彼女の足は限界で,遅々として進まない.歩く姿は跛行に近く,痛々しい.北沢峠バス停の前を通り,ゆっくりゆっくり這々の体で北沢長衛小屋に着いた.もう16時半でずいぶん遅くなってしまった(反省).この日の歩行時間445分は過去最高記録であった.
小屋では2階のスペースをあてがわれ,布団は一人1枚(まだ布団は余っていた).さすが平日!17時からの夕食は,メインが鶏の照り焼き,ご飯・味噌汁はお変わり自由でボリューム十分であった.あとは「仙丈岳」「甲斐駒ヶ岳」のバッジを購入し,翌日の準備をする.小屋の前には水場があり,豊富に水が流れている.翌朝は朝食を食べてからだと,出発が遅くなるので弁当をもらって早立ちすることにした.すぐに床についたが,18時半頃だったと思う.
【2日目】夜はバケツをひっくり返したような雨が降ったり,人の動きなどが多かったりで決してゆっくり眠れたとはいえない.それでも3時半には目が覚め,身支度に取り掛かる.外に出てみると満天の星空,もう出発していくグループもある.小屋の食堂に準備されていたお茶をペットボトルに詰め,水場で顔を洗って準備完了.彼女も「足は大丈夫」と言う.まだ夜明け前なのでヘッドランプを付けての出発となる.登山道はまず北沢に沿って上流へと登っていく.昨晩の雨のためか,または沢に近いためか地面が濡れていてスリップには要注意.途中丸太橋で沢を2回渡らねばならず,朝からヒヤヒヤである.
次第に空が明るくなってきた頃,仙水小屋に着く.小屋の前にはベンチとテーブルがあるが,手前にロープが張られ,「立入り禁止」と書かれている.立ったまま休憩.おにぎりを食べ,日焼け止めを塗った.
樹林帯を抜け,独特の岩塊の斜面をゆっくりと登り仙水峠へ.道の脇にはシャクナゲの木が多く,花期にはシャクナゲの回廊になりそうな雰囲気である.仙水峠に着くと,摩利支天の大岩壁と甲斐駒の山頂部が大迫力で迫る.ここで50年前に表登山道である黒戸尾根から登ったという70歳くらいの男性に出会う.今回は峠まで写真を撮りに来たそうだ.
一息ついたら,左の樹林帯に入り駒津峰を目指す.樹間の急登で息が上がる.また,岩や木の根も多く歩きづらい.しか〜し,仙丈,北岳,間ノ岳,鳳凰三山,早川尾根さらには富士山にまで背中を押されているので元気百倍.疲れたら振り返って展望を楽しむといった具合だ.
森林限界を超えると駒津峰へと至る.甲斐駒のダイナミックな姿が目前に迫る休憩地で,大勢の人が休んでいる.バームクーヘンでエネルギーを充電した後,いよいよ山頂へと向かう.しばらくは岩場の登降を繰り返し,神経を使う場所だ.巨大な六方石で右に折れ,砂礫コースに入る.大きな花崗岩が点在する中,滑りやすい砂礫の斜面が連続する.ガスが強まり視界が利かないため,山頂がどこかも分からず,疲労感が強まる.しかし,黒戸尾根からの道が合流すると,山頂は近く,ひと踏ん張りで到達する.
山頂には大勢の人がいるが,かなり広く,自分のスペースは十分だ.写真を撮ってもらった後,小屋の弁当(牛肉しぐれ,焼き鮭,卵焼き,漬物)を食べ,お茶をコンロで温めて飲んだ.帰りのバス時間を考えるとゆっくりともしていられないので,早々に山頂を辞すことにする.
山頂にいる間にガスが取れたので,道が良く見え,登りのときほどの恐怖感はない.駒津峰手前の岩場の登り返しが意外に長く感じられ,しんどかった.駒津峰からはハイマツ帯を下って樹林帯に入り,ゆっくりと登り返して双児山へと着く.ここから北沢峠までは鬱蒼とした樹林の中を600mも一気に下る.13時のバスに乗るには相当がんばらなくてはいけない.心配なのは彼女の膝だが,昨日よりも調子が良いようで,こちらがついていけないほどのスピードだ.高度計・時計とにらめっこしながら,10m/1分のペースでぐんぐん下る.がんばった甲斐があって,バスの出発時間前に北沢峠に戻ることができた(次のバスが16時だから,乗れなかったら3時間も持て余すことになった).
駐車場に戻り,荷物の整理をしたら仙流荘の風呂へ.温泉ではない風呂だが,新しく,人も少なくてゆっくりできた.帰りの高速も順調で20時には岐阜へ.2人とも意外に元気で荷物も全部片付けてしまった.
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する