ニセイカウシュッペ山 〜一條君と歩く北大雪〜
- GPS
- 08:58
- 距離
- 11.9km
- 登り
- 829m
- 下り
- 819m
コースタイム
- 山行
- 8:19
- 休憩
- 0:35
- 合計
- 8:54
やはり一條君は計算が難しい
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
広くて傾斜も緩やかな、歩きやすい登山道です |
その他周辺情報 | 下山時刻が遅かったので、層雲峡まで行って黒岳の湯に入りました |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
雨具
ゲイター
着替え
靴
予備靴紐
ザック
ザックカバー
昼ごはん
非常食
飲料
ガスカートリッジ
ハイドレーション
コンロ
地図
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
携帯
ポール
ナイフ
タオル
カメラ
|
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感想
一條君と一緒に、ニセイカウシュッペ山に登ってきました。
ニセイカウシュッペ山は、標高のワリに緩やかな勾配を延々と歩くハイキングコースで、天気が良ければ表大雪や軍艦山を間近に望むことの出来る山で、高山植物も実に豊富です。体力不足からイマイチ、登山初心者の域を脱却できない一條君にはまさにうってつけの山・・・のハズだったのですが、一條君自身は「初めての大雪山系に緊張していた」そうです。
いやいや、白雲山だって大雪山系なんだけど。(笑
どうやら、一條君にとって「大雪山」はハードルが高いイメージだったようです。今回の山行は、それを見抜けなかった私のミスでした。
さて6時半、私の仕事が終わってから厚岸を出発します。ニセカウ登山口駐車場は満車状態でした。10時半、登山開始。ニセイカウシュッペ山は緩い勾配が片道5.5km続くコースで、急登と呼べるところのないビギナーコースです。「一條君が一緒でも所要時間7時間見れば十分だろうな」と考えていました。
序盤の3劼曚匹呂曚箸鵑廟鞍の行き届いた林間コースで、ハイキングコースと言っていいルートです。緩斜面なので休憩なしで一気に歩ける部分でもあり、私はこのコースが初めての一條君を引率する形で先を歩きました。これがそもそもの間違いでした。後ろを歩く一條君がやたらと遅れるのです。「こんなところで」と言えば失礼ですが、休憩を要する部分とも思えないところで5度の大休止。しかも、4回目と5回目の大休止は10mほどしか進んでいませんでした。
私が引き返すと、一條君が呟いているのが聞こえました。
「やっぱりまだ俺には大雪山系は早かったんだ」「今日はここで撤退かな」
「おいおい!何言ってるの?このコースは今までのどのコースと比較してもキツイなんてことないでしょ?緩い勾配が延々と続いていて、休憩が必要ないくらい。」
「いえ、緩い勾配でも、その積み重ねが足に来るんです」
「積み重ねって、まだ3劼世茵西別岳だって山頂までは3.2劼世發痢△海海茲蠅まん坂の方がずっと急傾斜でしょ?ドコに諦める要素があるって言うの?まだあきらめるのは早いよ!」
どうやら一條君は、「大雪山系」と言うだけでハードルが高いイメージを持ってしまい、気持ちが後ろ向きに偏向し、「登頂断念」する気満々になって大休憩を繰り返していたようでした。
彼がバテる原因はハッキリしていました。「ちょっとオーバーペース」なのです。毎回、平地と同じように歩いて息が続かなくなるのです。私は安全策として下山も考えましたが、「ここでこのまま下山してしまったら、一條君はまた何事にも後ろ向きになってしまうかもしれない。ちょっと強引でも、行ける所まで歩かせた方が彼のためにもなるだろう。」と判断します。
「一條君、俺の前を歩け。俺は後ろからついて行くから。」
「えぇっ?そう来ますか・・・」
既に下山する気満々だった一條君に不満の色が見えます。
「いいから、息を入れながら歩くことを教えるから。今日は万が一暗くなったとしても、俺がリードするから大丈夫!絶対登頂するよ!」
私はお構いなしに、一條君の直後につけます。
一條君の息が荒くなってきたら、「ペースを落とそう。ちょっと早いよ。」と指示。
一條君の足が止まったら、「ゆっくりでいいから歩き続けて!足を止めないように!歩きながら休むんだよ。」
こんな感じで歩いている内に、ノンストップで軍艦山への縦走路分岐点まで到着します。
「ここまで来たら大丈夫だろう。あと100mだからね!」
私は一條君初の1800m級の山の登頂動画を撮影しようと先に山頂に行って待ち構えることにしました。
ところが・・・いつまで待っても一條君は登ってきません。
ニセイカウシュッペ山最高点から回り込んで覗き込むと、一條君はさっきの場所にドッカと腰を下ろして動く気配もありません。(笑
私は再び引き返し、「一條君!ここに荷物を置いて山頂に行こう!ほら!あと100mだよ!」「えっ?そうなんですか?」いやいや、何を聞いていたの?(笑
何とか一條君をニセイカウシュッペ山山頂に立たせることに成功します。一條君は呆然とした様子のままでした。きっと感動もなければこの景色を覚えてもいないかもしれませんが、そのために動画と写真を記録しているのです。後で見返した時に、「あぁ、俺、1800m級の山に登ったんだな」と自信を持ってくれたらいいな。
「さあ!下山するよ!出来るだけ明るいうちに下りよう!」
途端に一條君の顔がほころびます。
一條君の意識が戻ってきました。(笑
多少フラフラしていたものの、一條君の下山スピードはそれほど遅くはありません。さすが下りの一條君です。
日没10分後、まだ空が明るいうちに下山を完了します。駐車場に残っていた車は当然、私の車だけ。林道を下るうちに真っ暗になります。その真っ暗な林道を縦横に走るすばしこい動物がいました。
野ウサギです。それも2羽。その動きの俊敏さに感心しつつ、温泉を探します。「今から行って営業時間に間に合う温泉は・・・」
「黒岳の湯」が最有力候補だったので、私は5日前に続いて層雲峡に向かったのでした。
コメント
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こんばんはkenyoさん!
引率&登頂成功お疲れ様でした(^^)
私もお初の山や未知の山域はハードルが高いと思ってしまいます(^^;
kenyoさんのおっしゃる通り息子と一緒の時は「急いで大休止連発より、ゆっくりでいいからなるべく止まらず歩き続けよう!」って言ってますが、それって自分自身にも言い聞かせているんですよね。
「どすどす下りたら疲れるしケガの元だから、重心落としてなるべく音を出さないように下りよう!」など、自分自身の歩き方の再確認にもなってます。
引率登山はほんと勉強になります(^^)
こんばんは!tomo-masaさん、コメントありがとうございます。
私自身、大したスキルを持ち合わせてもいないのに、指導なんておこがましい話なのですが、一條君はニセカウの雄大な山容と大槍が見えてきた辺りからその迫力に圧倒され、「自分には登れない」と思い込んでいたようです。メンタルの弱さが行動にも出た感じで、こうしたケースは強引に引っ張ってやる方がいいと経験上思いました。
「自分自身にも言い聞かせる」その通りですね。一條君が見せる弱さは、私も実はかつて通った道でもあります。一條君は自分の弱さに向き合わせてくれる、先生でもあります。
楽しく読ませていただきました。一條君の今後の活躍?成長?を楽しみにしています。一條君にお伝えください(笑)☺
花が綺麗ですね。久しぶりに行きたくなりました♪
コメントありがとうございます!
一條君のキャラクターはとても貴重です。そして本人から「今後の反省として記録を見たいので、是非アップして下さい!」と頼まれています。エンターテイメントを目指す私と利害が一致しているのです。
彼には登山ばかりではなく、公私共に色々面倒を見る立場なのですが、彼の存在が私の生活の潤いの一つとなっています。(笑
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