【日本百名山 No.29】鹿島槍ヶ岳 後立山のツンデレ女王 柏原新道をピストン


- GPS
- 32:22
- 距離
- 23.4km
- 登り
- 2,584m
- 下り
- 2,585m
コースタイム
- 山行
- 5:31
- 休憩
- 1:06
- 合計
- 6:37
- 山行
- 7:22
- 休憩
- 2:46
- 合計
- 10:08
天候 | 一日目 曇り時々晴れ 二日目 小雨のち晴れのち曇り時々晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2020年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
整備は行き届いており,安心して歩けました。柏原新道の雪渓は上部に回ります。 |
その他周辺情報 | 薬師の湯。小屋で割引券もらえます。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
雨具
ゲイター
日よけ帽子
靴
予備靴ひも
サンダル
ザック
ザックカバー
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
ハイドレーション
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
ライター
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
常備薬
保険証
携帯
時計
タオル
ストック
ナイフ
カメラ
テント
テントマット
シェラフ
携帯トイレ
|
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感想
今シーズンのテン泊は6月末に甲武信ヶ岳で始める予定が雨でパーとなり,7月四連休に剱岳も荒天でパー,今回三度目の正直でようやく実施できた。とはいえ,シーズン最初にこのルートはかなり無謀だったかも。
夕刻関西を出て扇沢に23時頃着。梅雨明けの声も聞こえて一杯かと思ったが,柏原新道の駐車場にもまだゆとりがあった。そのまま車中泊。夜半雨の音で何度か目を覚ます。6時頃起床し,整えて7時前出発。雲は低いが雨は降っていなかった。登山口で登山者カードの記入を促される。コンパス届け出済みであると申告し,名前と電話だけ記載した届けを残す。
歩きやすいと噂の柏原新道は噂通りに歩きやすい。無理な歩幅での上り下りが皆無なのが素晴らしい。とはいえ,1年ぶりのテン泊装備に身体が馴染まず1100メートルの高低差に身体が悲鳴を上げる。見上げる稜線は雲に覆われていたが,徐々に薄くなる気配も感じられた。途中,テン泊装備の男性と抜きつ抜かれつしつつ10時半,種池山荘到着。すっきりしない天気だが雨でないだけマシか。
一息ついて爺ヶ岳に向け出発。偽ピークにメンタルを削られつつ,南峰を経由して歩き続ける。ここが最高峰で帰りは巻道でいいやと思っていたら中峰が最高峰だったとテン場で気が付くのは少し先の話。この辺りからガスは少し薄くなり,時折遠くが見通せるようになる。布引山までは見ることができた。が,ラスボスは終始お出ましにならず。
爺ヶ岳からガーっと下り,冷池山荘に向けてまたもガーっと下ってガーっと登らされて13時過ぎ,到着。受付で「鹿島槍ヶ岳は今日行かれます?明日?」と聞かれ,明日と即答。気力ないっす。テン場に上がって設営し,あとはぼーっと過ごす。ガスはときどき晴れて南の方や立山の方は見えるが鹿島槍ヶ岳は最後まで姿を見せず。まあ,明日は天気予報いいし見えるさと自分を励ましていたら心を打ち砕くように雨が降り出したりする。18時夕食。19時就寝。風強く,深い眠りは得られず。星も望めず。
翌朝4時起床。雲は分厚い。フリースを着込んで5時出発。風強く,ハイマツに付いた夜露が飛んでくる。そうこれは夜露,雨じゃないから!と自分に言い聞かせて進むが,布引山の手前でこれはどう見ても霧雨だろうという雰囲気になってきてカメラをしまいカッパを着込む。山頂から戻ってくる人たちは皆死んだ魚の眼をしていた。ワタクシもそうだったと思う。
そのうち雨はやんだが,風は引き続き強く,撤退も真面目に考える。山頂がどこなのかさっぱりわからないので,どのくらい頑張ればいいのかがわからないのである。折れそうな心を引きずって登り続け,でもさすがにもうやめようかと思ってGPSを確認したら,山頂まで標高差10メートルと表示される。見上げたら山頂標識が目に入った。6時半過ぎ,無事登頂。
ガスに覆われた山頂には,ご夫婦一組とソロ男性が二人。ガスの中標識の撮影をして菓子パンを食い,長居は無用,降りようかと思った時,ご夫婦の男性がおお,と声を上げる。西の空にうっすら立山連峰が見え始めた。そこからあっという間にガスが切れ,南北に後立山連峰が姿を現す。彼方に槍も見える。しばらく待ったら南ア,八ヶ岳も見え始め,そしてうっすら富士山まで見えた。ここまでの苦行がすべて報われた瞬間。アホみたいに写真を撮りまくる。ここに挙げたのは撮影した分のごく一部ですあしからず。改めてみると山頂に40分位いたんだな。ヤマノボリ活動続けててよかったと,心の底から思った。
その後は下山。風で倒れてるんじゃないかと心配してたテントも無事で胸を撫でおろす。撤収し,爺ヶ岳への登り返しに挑むが,これが想像以上に厳しく答えた。宿題の中峰は,巻道との分岐にザックをデポしてそそくさとピークハントだけ済ませる。もっともこの道結構ガレてたので,テント装備背負ってだと厳しかったかもしれない。
そのあとも30分ごとにザックを下ろして息を整え,後ろから来た人々にガンガン抜かれつつて下山を続ける。ヘロヘロになりながら15時無事下山。肩がパンパンにはれ上がり,こんな目に遭うのはもう嫌だと思いつつ,今日になったら次はどこに行こうかと考え始めているワタクシは,何かが壊れているのかもしれない。壊したのは間違いなく後立山のツンデレ野郎,鹿島槍ヶ岳である。辛いけどいい山ですよ,ミナサマ是非どうぞ。
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