木曽御嶽山BCスキー(快晴一転、暴風雪ホワイトアウトで必死の登頂)
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- GPS
- 09:52
- 距離
- 13.3km
- 登り
- 1,520m
- 下り
- 1,509m
コースタイム
-8:40田の原登山口-9:45金剛童子(七合目)・・一旦スキー板をデポ。少し登ってから板を取りに戻る
-10:35八合目-11:00富士見石-11:40九合目-12:10王滝頂上-13:00剣ヶ峰(御嶽山頂上)
-13:30王滝頂上祠(体制整える)-14:05九合目-14:55八合目-15:05金剛童子(七合目)-15:55田の原登山口
-16:20おんたけ2240スキー場トップ-16:45駐車場
天候 | 快晴のち曇りのち暴風雪・・ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
おんたけ2240スキー場の無料駐車場を利用します。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
おんたけ2240スキー場駐車場〜第4ペアリフト上部;雪のない草の緩斜面です。今後は積雪するでしょう。 第4ペアリフト上部〜ゴンドラ山頂(三笠の森駅);雪のゲレンデを登ります。直登できる緩斜面です。 ゴンドラ山頂(三笠の森駅)〜田の原登山口;雪道を少し下ります。 田の原登山口〜森林限界;緩斜面雪道です。大きく切り開かれており迷いようがないです。 森林限界〜8合目;雪の緩斜面です。所々岩が出ています。凍ってますがなんとかスキーで上がれます。 8合目〜王滝頂上;斜度は普通ですが、雪が凍っている部分あるので注意が必要です。本格的なアイゼン要るでしょう。 王滝頂上〜剣ヶ峰(御嶽山頂上);斜度は普通です。風が無くて視界も良ければ余裕でしょう。 |
写真
感想
約一ヶ月ぶりの山行。
巷では雪山山行の記録も目立ち始め、自分としてもウズウズ・・
日帰りで行けそうな雪山となると赤岳と思ったが、交通費的に回避・・
で、いろいろ探してると、御嶽が日帰りにはちょうど良さそう!!
行ったことなかったし、山スキーの記録も多数あるし。。・・でスキーで行って来ました。。
麓のおんたけ2240スキー場に駐車。
雪山登山装備と山スキー装備を背負ってAM7時過ぎにGo!
天気は快晴!!予報では午後から曇り。
「まぁ、それくらいには登頂できるだろう。」と、
ゴンドラ利用するのが普通の手順だけど、、
せっかくなので(1,200円節約のため・・・)駐車場からまだ雪のないゲレンデを登って行きます。
しかしいつものスキーブーツにちょっと違和感・・踵に靴擦れができそうな感じ・・
20分くらい登ると、降雪機による積雪が数cmあり、スキーシール登行。順調に高度を稼ぎます。
それにしても、まだ誰もいないゲレンデの美味しそうなコト・・
滑りたい衝動を抑えながら、1時間ちょっとでゴンドラ終着点(2240m)へ。
ちょうど、朝一番のゴンドラ乗客が滑り始めてるとこでした。
ちょっとトイレ休憩して、田の原へ。トレースもあるので迷うことなく登山口に到着。。
御嶽山の雄大さが紺碧の青空に際立ち圧倒されます。
ここからもしばらくスキーシール登行。
靴擦れの痛みはあるものの、数組の登山者や山スキーの人もいて少し安心。順調に森林限界まで。
しかし少し歯車が狂い出したのはこの辺りから。
森林限界からの稜線が、見た目は雪だけど、ほぼ氷。シールが食い込まず、ツルツル滑る・・
クトーを装着してもどうにも登れない・・
普通の雪山登山スタイルならまぁなんてことない急斜面なんだけど、、
スキー板をつけたままスリップに必死で耐えたり、、
時にはずり落ちたりすることで、コツコツと体力が削られていきます。
やっとこさ7合目(金剛童子)へ。まだこの時点では予定時間通り。
一旦、スキーは諦め、デポしてアイゼンで登り出すと、意外にフカフカ??
「これならまだスキーできるかも。」
スキーを再度取りにいき、ザックにくくりつけて登り返します。←バカ。
ここからが厳しかった・・・
9合目付近からは表面が油膜状に見える通称油雪。アイスリンク状態。
アイゼンやピッケルも刺さりにくくなります。まるで冬富士の8合目付近〜のような状態。
横をみると、登山の女性が腰が引けて怯んでいます。
それもそのはず、気付けば結構な斜度。滑落の危険もありそう。
この頃からガスったり晴れたりを繰り返す天候に。風も少し強くなります。10m/sくらい。
普通の登山の格好ならまだまだ大丈夫だが、
雪山フル装備にスキーまで背負ってるので、強風に振られ体力的にヘロヘロに・・靴擦れの痛みもピーク。
5歩くらい進んでは5秒くらい休んで、また5歩くらい進んで・・の繰り返し。
12時過ぎになんとかようやく王滝頂上まで上がりきります。
雲海の上に南アルプスや富士山が見える良い景色。。
しかし本当の山頂の剣ヶ峰はまだ先。標高でいえばあと100m。。強風はさらに強さを増し、20m/sくらいに。
そして剣ヶ峰も周りの景色もガスにドップリ包まれて見えなくなります。
気温は-10℃くらいなので昨シーズン仙丈ヶ岳稜線で浴びた爆風ほどではないが、、
雪や氷粒が混じってるので体感はかなり寒い。。
他の登山者はもうここで諦めて引き返し下山していきます。
自分も引き返すか・・時間を再計算。
夏なら往復40分くらいのルート。山頂往復1時間みて14時・・さらに下山2時間みて16時・・
行けるギリギリのライン。なんとか行けるだろう。
その時、一瞬最後に晴れ、剣ヶ峰がクッキリ見えます。おいでおいでしてる。。
「行くしかない!!」
一瞬の晴れ間は本当に一瞬で、ついに真っ白。
猛烈な風に、重心を落として歩いてないと体が持って行かれます。
風速30m/s以上はあるんではないだろうか・・バチバチと雪と氷粒に横殴られながら一歩一歩進みます。
もう真っ白なので、頼りになるのはGPSのみ。
ルートを探す余裕もないので、ルートを無視して直登していきます。
明らかに道ではない凍りついた石垣をよじ登って、、
埋まった屋根を迂回して・・障害物は目の前に来てから回避・・
あと100m、50m、10m・・まだ見えない・・この石垣の上か??
ついに山頂の階段横に取り付き、鳥居の横からアプローチ。。
アイゼン蹴り込みとピッケルでクライミングしてゴール。。。
よく経験することだけど、山頂は意外なほど風は弱く、(それでも10m/sくらい?)
少しだけホッと一息。証拠写真?を撮ります。
当然ながら、本番はまだ終わっておらず、ここからどう無事に降りるか。。。
まずは王滝山頂に戻り、風を少しだけでも避けられそうな祠の中で体制を整えます。
暴風雪が横から殴りつけ、まつ毛も氷結。眼が開けにくい・・
グローブを替え、フリースを中に着込み、バラクラバとゴーグルでフル装備に。
腹が減ってるのでおにぎりを一個。
暴風雪に耐えて踏ん張りながらザックの中でおにぎりの包装を開け、口に押し込み、
テルモスのホットティをゴクゴク・・「よっしゃ!生き返った〜。。」
ゴミをキチンとする余裕もないのでザックの中に散らかしっ放しでパッキング。
「さあ、無事に降りるぜ!!」
少しでも視界がありさえすればここからスキー滑降のはずなんだが、
ホワイトアウト&暴風雪が殴りつけるためルートも全く見えず分からず断念。。
板を捨てて降りようかとも思うくらい厳しそうだが、なんとかザックにくくりつけて下ります。
途中、一組の登山グループとすれ違い。けどすぐに引き返して抜いて降りて行った・・・それほど厳しい。。
真っ白なので、頼りになるのはGPSとコンパスのみ。とにかく尾根を外さないよう歩きます。
iPhoneは低温で電源入らず。デジカメも氷結。靴擦れもジンジン痛み続ける・・
強風にスキー板が大きく煽られながらも氷雪にアイゼンを食い込ませて高度を下げ、8合目・・7合目・・
ついに樹林帯へ。
やっと風が少しやさしくなり、狭い登山道を悪戦苦闘しながらスキーで滑り降り、
16時前にようやくようやく登山口に帰着。
あとは、営業終了後の2240のゲレンデを雪の続く限り滑り降り、残りを歩いてコンプリート。
足慣らしのつもりが、本当に厳しい雪山登山となってしまいました。。
・・が、最近緩い登山が続いていたので、山の厳しさを再認識するとともに、
各道具が故障や不具合もなく全て最善の機能を果たせることを確認できた良い機会となりました。。
靴擦れアキレス腱の両側がズル剥けで少々痛いけど・・・
Mahitoさん、おはようございます。
お話は伺ってましたが、ホント、雪山初めから厳しい登山でしたね
素敵な写真や感想を拝見していて、スキーができる方はいいなぁ〜って思いながら読ませていただきました。自分、多少はやりますが、そこまでは
天候の変化が写真でも見てとれるってことは、実際は、相当なものだったんでしょうね。大変さは、実際その場にいないのでわかり兼ねますが、文章を拝見していて、とってもきつい山行だったんだろうなぁ〜って感じました。
足、お大事になさってくださいね。お疲れ様でした。(@^^)/~~~
こんばんわ!
ありがとうございます。。
結局、スキー板担いで登る訓練みたいになってしまいました・・・
シーズン始めで眼を覚まさせてもらいましたね。。。
御嶽山は本来、こんな厳しい山行強いられるとこじゃないですし、
今回も靴擦れやスキー板担いでなくて履き慣れた登山靴だったらここまで苦戦しなかったでしょう。
まぁ、良い経験にはなりました。。
スキーができれば、いろんな雪山を滑って降りれるので、すごく楽しいですよー。
ぜひとも今からでも全く遅くないので始めてみてはいかがでしょう。。
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