美ヶ原 茶臼山から王ヶ頭・王ヶ鼻 山上台地を端から端まで歩く

2020年08月21日(金) [日帰り]

• GPS: 08:08
• 距離: 14.1km
• 登り: 846m
• 下り: 833m

コースタイム

日帰り

• 山行: 7:09
• 休憩: 0:59
• 合計: 8:08

距離 14.1km 登り 847m 下り 844m

5:16 スタート地点
6:00 6:02 広小場
7:22 7:23 茶臼山
8:39 8:52 塩くれ場分岐
9:35 9:52 烏帽子岩
10:30 10:42 美ヶ原
10:47 10:57 王ヶ頭ホテル
11:00 11:01 美ヶ原
11:24 11:25 王ヶ鼻
12:47 12:48 八丁ダルミ・木舟コース分岐点
12:55 12:56 石切場
13:20 ダテ河原登山口
13:24 ゴール地点

天候

快晴

アクセス

利用交通機関：

自家用車

山都・松本から東に目を向ければすぐに指呼出来る美ヶ原。ヴィーナスラインを扉峠方面へ。途中、山辺ワイナリーを過ぎてしばらくしてアザレアライン（県道283号線・よもぎこば林道）に入り、三城（さんじろ）牧場を目指す。標高1420メートルの登山口から美ヶ原山上台地までは600メートルを登る。

コース状況／危険箇所等

●三城から茶臼山を目指す道は沢沿いがひどく荒れている。テープやケルンに従って行くが、古い踏み跡をうっかりそのまま行くとガラ場に出てしまう箇所もある。浮石も多く、雨の後は注意が必要。山腹をあがるようになれば問題なし。
●山上台地は気軽なハイキング道で、今回のルートではほとんど観光客にも遭わず静かな山歩きが楽しめる。
ハクサンフウロ、アキノキリンソウは見飽きる程至るところに咲いています。
●王ヶ鼻から下山にとった石切場への道は歩く人が少ないが尾根と山腹の道で何の問題もなし。

その他周辺情報

●下山後の汗を流したのは扉温泉「桧の湯」。三城牧場から車で20分ほど。「西の白骨、東の扉」の名前は看板倒れにあらず。雰囲気、値段、泉質とも言うことなし。
●山辺ワイナリーは松本平産ぶどう100%にこだわる。個人的にはアイスワインの復活を切に願います。併設の農産物直売所も安くて美味いものがたくさん。

写真

8/21 5:36

三城牧場からスタート。

8/21 5:48

旧県民の森キャンプ場。

8/21 5:53

ここ数年、台風や大雨が多かった影響でしょうか。

8/21 6:28

ここまで荒れているのは驚きです。

8/21 7:00

沢を離れ山腹に取り付けば、道はしっかりしています。

8/21 7:06

樹間に見えた美ヶ原の大きな山頂台地。

8/21 7:19

美ヶ原山頂台地の南端にたどり着く。30年前にはこの先にハイランドロッジという山小屋があったというけど…信じられない。

8/21 7:23

茶臼山山頂。美ヶ原山頂台地の南端にたどり着く。展望抜群なのですが朝雲のためご覧の通り。

8/21 7:27

目的の一つは晩夏の花たち。ハクサンフウロ。

8/21 7:31

朝、安曇野盆地にかかる雲が切れるまでは展望は我慢、我慢…先へ行こう。

8/21 7:36

マルバダケブキ。

8/21 7:45

ノアザミ。

8/21 8:16

牧場の柵沿いの道。ガスが切れてきた。

8/21 8:40

見えているのは詩人の尾崎喜八が登った三城牧場からの百曲りの道。「登りついて不意にひらけた眼前の風景に　しばらくは世界の天井が抜けたかと思う」… 自分の足で登って喜八と同じ事を感じたかった。

8/21 8:43

百曲り分岐の広場から、歩いてきた茶臼山。ここまでゆっくり1時間ほど。

8/21 8:47

食欲の秋はもうすぐ。

8/21 8:47

イブキジャコウソウ。

8/21 8:52

エゾカワラナデシコ。

8/21 8:55

お食事中、失礼します。ギンボシヒョウモンはマツムシソウがお好き。

8/21 8:56

交代〜　マツムシソウは一番人気。

8/21 8:59

二番人気はアザミかな？

8/21 9:02

空に続く道。

8/21 9:09

確かに「世界の天井が抜けたかと思う」風景です。

8/21 9:13

ヤマハハコ。

8/21 9:23

雲は完全に消えて、王ヶ頭のホテルとアンテナ群もはっきり見えるように。

8/21 9:19

槍・穂高。ホントは今日あの稜線を歩いていたはず… ジャンダルムは遠かった〜。

8/21 9:28

ほんの少しにぎわいから離れているだけで静かな高原を満喫出来る。

8/21 9:29

イワオトギリ。

8/21 9:33

眺めが良さそうな烏帽子岩。

8/21 9:35

ウツボグサ。

8/21 9:36

ミネウスユキソウ。

8/21 9:36

烏帽子岩の分岐。立ち寄ってみよう。「キケン」＝お楽しみ？

8/21 9:37

岩の上は…おぉ、期待通りの大展望です。

8/21 9:41

正面に鉢伏山、眼下に三城牧場。

8/21 9:47

振り返る茶臼山からの歩いてきた道。数えるほどの人としかすれ違わなかった。

8/21 9:53

ワンダフル！美ヶ原の山上台地。王ヶ頭、左奥に王ヶ鼻。

ココ、美ヶ原でイチオシの場所になりました。

王ヶ鼻の向こうに槍・穂高がうっすらと。

8/21 9:51

自分の後に来た親子をパノラマで撮影してあげたら随分喜ばれました。お返しに全く同じやり方で撮っていただいた写真。

8/21 9:56

王ヶ頭とキオンの花。

8/21 9:52

ヤマハハコ。

8/21 9:56

ツリガネニンジン。

8/21 9:57

高原らしいお花畑の道が続く。

8/21 9:58

ヤマホタルブクロは、萼と萼の間に付属片がない事で見分け。

8/21 9:58

振り返る烏帽子岩と鉢伏山のシルエット。

8/21 10:00

風になびく草の向かうに王ヶ塔と大文字岩。

8/21 10:01

ウメバチソウ。

8/21 10:02

トモエシオガマ。

8/21 10:16

某エアコンの宣伝のように涼やかな風が気持ち良かった。

8/21 10:19

ホテル直下。

8/21 10:20

ミヤマセンキュウ…かな？（小総苞片があるので）

8/21 10:21

いやぁ、気持ちいい道だ。美ヶ原、見直したっ。

8/21 10:22

う゛…誰か教えて下さい。正直花の名前どれなのか…迷って書けませんでした。

8/21 10:23

どこまでも続く草原の道。

8/21 10:27

王ヶ塔直下。

8/21 10:28

ここから頭上の王ヶ塔へ道があります。このまま鉄塔の見えている王ヶ鼻まで行けますが、やはり山頂も踏んでこよう。

8/21 10:28

ミヤマアキノキリンソウ。

8/21 10:28

その下を通るこの道には王ヶ塔の喧騒は全く聞こえてこない。

8/21 10:31

ミヤマゼンコ…かな？　セリ科はいつも悩ましいよ…

8/21 10:33

この道は、花が多い。

8/21 10:34

タカネニガナ…ではなくてミヤマコウゾリナ。

8/21 10:34

タカネニガナは花弁がせいぜい10枚。よく見るともっとあるからミヤマコウゾリナでしょう。

8/21 10:37

標高2034メートル、王ヶ塔は美ヶ原最高所。

8/21 10:37

王ヶ塔到着。観光客の姿はなし、家族のハイカーの方だけでした。

写真を撮っていただきました。

8/21 10:38

これから向かう山上台地西端の王ヶ鼻。

8/21 10:39

下に見えているパノラマ道が歩いて来た道。左奥の茶臼山から右奥の王ヶ鼻までが美ヶ原山上台地。

8/21 10:41

三角点は…あった。

8/21 10:44

なんだか残念な光景。天狗や仏様の威光も無くなりそう…

8/21 10:46

高原ホテル。中をチラ見だけ。

8/21 10:50

ここから王ヶ鼻までは残念ながら未舗装の道路歩き。

8/21 10:52

北側、天狗の露地方面。自然保護センターの建物も見えています。左奥はレンゲツツジ群落で知られる武石峰。

8/21 10:53

マルバダケブキとクジャクチョウ。

8/21 10:55

高原ムードは満点。「美ヶ原」とはよく名付けたものです。

8/21 11:03

ウメバチソウのコンビ、かわいい。

8/21 11:10

いきなりの車のクラクションにびっくり！　高原ホテルの送迎バスでした。

8/21 11:15

マルバダケブキの群生地。

8/21 11:22

すごい密度。

8/21 11:19

マルバダケブキに混じって咲いていたのは秋の花・ハナイカリ。

8/21 11:25

電波塔への分岐をすぎれば気持ちの良い笹と疎林の道を抜けて展望のまつ王ヶ鼻へ。

8/21 11:30

王ヶ鼻到着。谷川岳と同じ標高1928メートルの鉢伏山が正面に。アルプスの展望は…残念、もう雲の中に。

8/21 11:30

西の御嶽山に向かって立つたくさんの石仏。修験者の行場だった王ヶ鼻。

数人の方しかいなかったが、写真を撮っていただく。

8/21 11:39

今日歩いて来た茶臼山から王ヶ塔への山頂台地。端から端まで歩き通しました。

8/21 11:38

王ヶ鼻は鉄平石の柱状節理があって面白い。

8/21 11:42

誰もいなくなった王ヶ鼻。

8/21 11:44

後は下るだけ、武石峰を見ながらしばしお昼寝。

8/21 11:57

王ヶ鼻からは石切場へと八丁坂を降りました。

8/21 11:57

咲いていたコウリンカの花。個性的で絶対名前を間違えない花。

8/21 12:19

誰とも会わなかった静かな石切場への下山道。

8/21 12:47

石切場まであと少し。ここから王ヶ塔への道（木舟コース）とある。

8/21 12:50

最後の最後に見た花はフシグロセンノウ。

8/21 12:54

午後1時、桜清水ロッジとキャンプ場のある石切場のバス停前に下山。遠くで雷が鳴り出した…

8/21 13:15

ここから20分、舗装路を三城牧場へと歩いて戻りました。暑かった…

8/21 14:16

寄り道して、麓の山辺ワイナリーへ。山トモへ土産のワインを仕入れるついでにぶどうソフトの誘惑に勝てず。直後雷が鳴り出し、小雨も降ってきて慌てました。

8/21 13:57

ほ、本当は試飲したかったな…

8/21 14:50

雨の上がるのを待ってから、登山の汗を流すため扉温泉へ。

8/21 15:00

日帰り入浴は「桧の湯」。入浴料はなんとたったの300円！

8/21 15:26

誰も入っていませんでしたので写真を撮らせていただきました。

8/21 15:58

扉温泉から松本へ下る途中。夕立も上がり槍や常念が。

松本市内から見る美ヶ原。観光地だと思いきや、自分の足で歩いたら見直した…いい山だ。

雨上がり、素敵な1日の終わり。そして…

山トモと再開を祝し乾杯。岳都の夜は更けていく…

撮影機器：

iPhone XS Apple

装備

個人装備

長袖シャツ Tシャツ ソフトシェル ズボン 靴下 雨具 靴 サブザック 昼ご飯 行動食 飲料 地図（地形図） ヘッドランプ GPS ガイド地図（ブック） ファーストエイドキット 日焼け止め 保険証 携帯 時計 サングラス タオル ストック カメラ

感想

kenny

予定していた西穂高から奥穂高への縦走は週末悪天予想で中止に。そのメンバーの1人は松本に単身赴任の山トモ。縦走の代わりに顔を見に行くのを兼ねて、天気がもちそうな金曜日に向かったのは美ヶ原。
穂高ジャンダルムが美ヶ原に変更？　
いえいえ、以前からずっと美ヶ原は自分の足で端から端まで歩いて見たかった。しかもちゃんと麓から登って。
道路が通りあっけなく着いてしまう高原、山と呼ぶには悲しすぎるぐらいの観光地、「美ヶ原」。そこにわざわざ自分の足で麓から登る…？

「登りついて不意にひらけた風景に　
しばらくは世界の天井が抜けたかと思う」
こんなロマン溢れる詩を書いたのは尾崎喜八。
美ヶ原を登った時のこの名文がずっと頭に残っていたのが、その理由。

実際に歩いてみると、捨てたものじゃない。
いや、正直とても楽しい山だった。
王ヶ塔以外はほとんど人に会わず、高原の涼やかな風と展望を独り占め。足元の花々もムードを高める申し分のない舞台装置。
青空の下、喜八と同じく快哉を叫ぶ自分がいました。
穂高の山は遠くに消えていったけども、美ヶ原の1日はぽっかり空いた山への気持ちを十分に満たしてくれたのでした。