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Yamareco

記録ID: 2525290
全員に公開
ハイキング
道東・知床

雌阿寒岳(阿寒湖畔コース) 〜一條君の成長〜

2020年08月23日(日) [日帰り]
 - 拍手
kenyo その他1人
体力度
3
日帰りが可能
GPS
08:14
距離
13.8km
登り
834m
下り
840m
歩くペース
標準
1.11.2
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
6:57
休憩
1:15
合計
8:12
8:36
73
12:08
12:08
7
12:15
12:35
6
12:41
12:41
55
13:36
14:31
59
15:30
15:30
75
16:45
16:45
3
16:48
ゴール地点
昨年、野中温泉コースから登頂を果たしたものの、12時間を要して真っ暗な中下山した雌阿寒岳に、「今度は阿寒湖畔側から挑戦します!」と決意を見せる一條君を引率してきました。
天候 晴れ時々曇り
過去天気図(気象庁) 2020年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
一條君がマイカーを用意してくれました♪
マイナールートのため、いつもはせいぜい3台ほどしか停まっていないのですが、今日は日曜日のためか、このルートの人気が出たためか、先客が8台停まっていました。残念なことに、張られたロープに沿って停めれば10台停めることが出来るスペースがあるのに、停め方が悪くて8台でスペースに空きがなくなっており、私たちは端の狭いスペースに無理やり停めました。ロープに沿って停めましょう!
コース状況/
危険箇所等
標高差は約800mですが、最後のザレ場(9合目まで)の登り以外は緩やかで負担の少ないコースです。以前は登山口の標識が折れていてそこを直進してしまうケースが見られましたが、今は整備されて道迷いの心配はありません。
また序盤にやや笹かぶりの部分もありましたが、ルートが不明瞭になるほどではありませんでした。
その他周辺情報 阿寒湖畔温泉街は日帰り入浴客に冷たい(入浴料金・入浴時間帯)ので、野中温泉別館がおススメです。
今日は一條君が運転手役を買って出てくれます
さすがプロドライバーです♪
2020年08月23日 07:32撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
10
8/23 7:32
今日は一條君が運転手役を買って出てくれます
さすがプロドライバーです♪
今日はずっと一條君に先頭を歩いてくれるよう、お願いしました
2020年08月23日 08:35撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
7
8/23 8:35
今日はずっと一條君に先頭を歩いてくれるよう、お願いしました
駐車スペースから登山口まで800mほど歩きます。
2020年08月23日 08:42撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
1
8/23 8:42
駐車スペースから登山口まで800mほど歩きます。
登山口標識
以前はこの標識が折れて古い杭だけが残っており、間違えて直進してしまう人がいました。はい、私がその人です。
2020年08月23日 08:47撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
5
8/23 8:47
登山口標識
以前はこの標識が折れて古い杭だけが残っており、間違えて直進してしまう人がいました。はい、私がその人です。
雌阿寒岳阿寒湖畔コースは、駐車スペースから登山口まで約800m、登山口から山頂までは5.5劼函∩環3.3劼量鄰羃浩凜魁璽垢2倍近い距離となりますが、一條君のように急傾斜が苦手な人にはむしろ短時間で登ることが出来るコースとなっています。
2020年08月23日 09:01撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
4
8/23 9:01
雌阿寒岳阿寒湖畔コースは、駐車スペースから登山口まで約800m、登山口から山頂までは5.5劼函∩環3.3劼量鄰羃浩凜魁璽垢2倍近い距離となりますが、一條君のように急傾斜が苦手な人にはむしろ短時間で登ることが出来るコースとなっています。
2合目
3合目まではほぼ平坦なハイキングコースが続きます。
2020年08月23日 09:11撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
3
8/23 9:11
2合目
3合目まではほぼ平坦なハイキングコースが続きます。
3合目を超えると、少しだけ急な斜面を登ることになりますが、距離はそれほど長くありません。
2020年08月23日 09:23撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
3
8/23 9:23
3合目を超えると、少しだけ急な斜面を登ることになりますが、距離はそれほど長くありません。
一條君はハイマツのトンネルなどで、リュックに挿したストックが引っ掛かって何度もバランスを崩します。
私は「ストック使ったら?」とアドバイスしますが、ガン無視されました。
2020年08月23日 09:32撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
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8/23 9:32
一條君はハイマツのトンネルなどで、リュックに挿したストックが引っ掛かって何度もバランスを崩します。
私は「ストック使ったら?」とアドバイスしますが、ガン無視されました。
4合目
この辺から、ハイマツのトンネルを抜けるたびに景色がガラッと変わります。
2020年08月23日 09:41撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
3
8/23 9:41
4合目
この辺から、ハイマツのトンネルを抜けるたびに景色がガラッと変わります。
剣ヶ峰の切り立った山頂が見えてきます
2020年08月23日 09:53撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
8
8/23 9:53
剣ヶ峰の切り立った山頂が見えてきます
一條君に「剣ヶ峰には先に登る?」と聞くと、「いえ、後で。とりあえず雌阿寒岳の山頂を踏んでから、帰りに登ります!」と返答。
2020年08月23日 10:00撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
4
8/23 10:00
一條君に「剣ヶ峰には先に登る?」と聞くと、「いえ、後で。とりあえず雌阿寒岳の山頂を踏んでから、帰りに登ります!」と返答。
5合目標識
2020年08月23日 10:01撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
8/23 10:01
5合目標識
6合目標識
ハイマツのトンネルが低くなりますが、その分、登山道も掘れていて軽く屈むだけで通過できます。
ところが、一條君はリュックに挿したストックが引っ掛かりまくります。いい加減、使ったらどう?
2020年08月23日 10:19撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
5
8/23 10:19
6合目標識
ハイマツのトンネルが低くなりますが、その分、登山道も掘れていて軽く屈むだけで通過できます。
ところが、一條君はリュックに挿したストックが引っ掛かりまくります。いい加減、使ったらどう?
ハイマツのトンネルを抜けて振り返ると雄阿寒岳と阿寒湖がキレイに見えます。
2020年08月23日 10:29撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
5
8/23 10:29
ハイマツのトンネルを抜けて振り返ると雄阿寒岳と阿寒湖がキレイに見えます。
この辺りから、一條君の休みが徐々に多くなります。
2020年08月23日 10:34撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
14
8/23 10:34
この辺りから、一條君の休みが徐々に多くなります。
ハイキングコースから、少し傾斜がキツくなったためか、息が荒くなります。
2020年08月23日 10:34撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
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8/23 10:34
ハイキングコースから、少し傾斜がキツくなったためか、息が荒くなります。
7合目標識に爪痕を残そうとしているクマ
2020年08月23日 10:46撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
12
8/23 10:46
7合目標識に爪痕を残そうとしているクマ
大休止の準備を始めます(笑
2020年08月23日 10:46撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
4
8/23 10:46
大休止の準備を始めます(笑
一條君が大休止の準備をしていて、ヒマなので自撮りしてみる。(笑
2020年08月23日 10:48撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
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8/23 10:48
一條君が大休止の準備をしていて、ヒマなので自撮りしてみる。(笑
8合目
剣ヶ峰分岐
ココからしばらく火山灰の稜線歩きになります。
2020年08月23日 11:06撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
4
8/23 11:06
8合目
剣ヶ峰分岐
ココからしばらく火山灰の稜線歩きになります。
ケルンに憧れを持ったみたい
2020年08月23日 11:07撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
6
8/23 11:07
ケルンに憧れを持ったみたい
ちゃんと置きましたよ〜!
2020年08月23日 11:07撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
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8/23 11:07
ちゃんと置きましたよ〜!
安山岩が多いのかな?
火山礫の稜線
2020年08月23日 11:15撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
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8/23 11:15
安山岩が多いのかな?
火山礫の稜線
緩やかで、危険性は低いけれど、非日常的な感じがします
2020年08月23日 11:15撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
3
8/23 11:15
緩やかで、危険性は低いけれど、非日常的な感じがします
火山灰の稜線
ザレていてアップダウンが多いので、特に下りに注意
2020年08月23日 11:17撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
1
8/23 11:17
火山灰の稜線
ザレていてアップダウンが多いので、特に下りに注意
右手に雌阿寒岳山頂が見えています
2020年08月23日 11:21撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
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8/23 11:21
右手に雌阿寒岳山頂が見えています
稜線のピークから剣ヶ峰を振り返る
2020年08月23日 11:25撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
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8/23 11:25
稜線のピークから剣ヶ峰を振り返る
そして行く手を見る
ココからが正念場
ザレた斜面の登りが待っています
2020年08月23日 11:26撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
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8/23 11:26
そして行く手を見る
ココからが正念場
ザレた斜面の登りが待っています
山頂は混雑していそうです
2020年08月23日 11:27撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
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8/23 11:27
山頂は混雑していそうです
一條君が正念場に挑みます
2020年08月23日 11:30撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
4
8/23 11:30
一條君が正念場に挑みます
まだストックはリュックに挿したまま
存在を忘れているのかな?
2020年08月23日 11:31撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
1
8/23 11:31
まだストックはリュックに挿したまま
存在を忘れているのかな?
剣ヶ峰を振り返る
絶好のお天気です
今日登って良かった!
2020年08月23日 11:31撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
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8/23 11:31
剣ヶ峰を振り返る
絶好のお天気です
今日登って良かった!
一條君はこれからケルンを見るたび石を積むそうです
2020年08月23日 11:32撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
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8/23 11:32
一條君はこれからケルンを見るたび石を積むそうです
もう少し進んだところで「ストック使ったら?」と私が言うと「あぁ、そうかぁ!」と気付きます。どうやら聞こえていなかったようです。
2020年08月23日 11:38撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
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8/23 11:38
もう少し進んだところで「ストック使ったら?」と私が言うと「あぁ、そうかぁ!」と気付きます。どうやら聞こえていなかったようです。
メアカンフスマがまだ頑張っています
2020年08月23日 11:48撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
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8/23 11:48
メアカンフスマがまだ頑張っています
一條君も頑張っています
2020年08月23日 11:50撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
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8/23 11:50
一條君も頑張っています
剣ヶ峰は見る角度によって全く違った山容になります
2020年08月23日 11:54撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
1
8/23 11:54
剣ヶ峰は見る角度によって全く違った山容になります
よくこんなところに根を下ろすものです
2020年08月23日 11:56撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
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8/23 11:56
よくこんなところに根を下ろすものです
出た!
得意の「大変だ!」アピール顔!
2020年08月23日 11:58撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
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8/23 11:58
出た!
得意の「大変だ!」アピール顔!
「もう大丈夫だろう」
私は山頂で待ち構えることにします
2020年08月23日 12:08撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
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8/23 12:08
「もう大丈夫だろう」
私は山頂で待ち構えることにします
山頂!
2020年08月23日 12:12撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
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8/23 12:12
山頂!
雌阿寒岳山頂から阿寒湖と雄阿寒岳
2020年08月23日 12:13撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
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8/23 12:13
雌阿寒岳山頂から阿寒湖と雄阿寒岳
一條君、感動の登頂!
野中温泉から登った昨年よりも、2時間ほど速い登頂に本人が驚いています。
2020年08月23日 12:16撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
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8/23 12:16
一條君、感動の登頂!
野中温泉から登った昨年よりも、2時間ほど速い登頂に本人が驚いています。
暑過ぎず、寒くもなく、流れる風と雲が心地よい!
2020年08月23日 12:16撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
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8/23 12:16
暑過ぎず、寒くもなく、流れる風と雲が心地よい!
阿寒富士
登頂前、「時間次第では阿寒富士にも登りたいですね」と一條君。
「一條君、阿寒富士に登ろうか」
「いえ、今度にします」
選択肢が自由な場合、楽な方に流される性根はなかなか変わらないようです。(笑
2020年08月23日 12:39撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
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8/23 12:39
阿寒富士
登頂前、「時間次第では阿寒富士にも登りたいですね」と一條君。
「一條君、阿寒富士に登ろうか」
「いえ、今度にします」
選択肢が自由な場合、楽な方に流される性根はなかなか変わらないようです。(笑
知床の三ツ峰を思い出す景色
2020年08月23日 13:04撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
4
8/23 13:04
知床の三ツ峰を思い出す景色
剣ヶ峰岩峰から阿寒湖と雄阿寒岳
2020年08月23日 13:40撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
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8/23 13:40
剣ヶ峰岩峰から阿寒湖と雄阿寒岳
「帰りに剣ヶ峰に寄ります」と言っていた一條君、いざ分岐まで来ると、「今日は安全のためにこのまま帰りましょう」
「何言ってんの?それじゃ、ニセカウと同じじゃん。反省したんでしょ?さあ!行くよ!」
渋々剣ヶ峰に登る一條君。
2020年08月23日 14:16撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
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8/23 14:16
「帰りに剣ヶ峰に寄ります」と言っていた一條君、いざ分岐まで来ると、「今日は安全のためにこのまま帰りましょう」
「何言ってんの?それじゃ、ニセカウと同じじゃん。反省したんでしょ?さあ!行くよ!」
渋々剣ヶ峰に登る一條君。
これから歩く下山路が見えます
2020年08月23日 14:23撮影 by  PENTAX Q10 , PENTAX
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8/23 14:23
これから歩く下山路が見えます

装備

個人装備
長袖シャツ ソフトシェル ズボン 靴下 グローブ 雨具 日よけ帽子 ザック 昼ご飯 行動食 非常食 飲料 地図(地形図) コンパス ヘッドランプ 予備電池 GPS ファーストエイドキット 常備薬 保険証 携帯 時計 サングラス ストック カメラ

感想

昨年、野中温泉コースから登頂を果たしたものの、12時間を要し真っ暗な中下山した、文字通り黒歴史を払拭するため、(私の勧めもあって)一條君が「今度は阿寒湖畔側から登ってみます!」と、雌阿寒岳に再挑戦します。
もちろん、私も引率役として同行しました。
一條君は「ニセイカウシュッペ山での失敗を反省して、ヘタレ根性を出さずに前向きに登ろうと思います!」と意欲を見せます。

しかしそのワリに、「今日は昨年の実績を考えて、所要時間12時間を見ています」と言い出します。
「いやいや、また私に雌阿寒岳で12時間付き合わせるつもりなの?(笑」

私は「このコースなら、多めに見積もって往復8時間だろう」と踏んでいました。そもそも、また12時間を要するとしたら、また真っ暗な中での下山となることは必至です。
「一條君、数字は多めに見積もればいいってもんじゃないよ。」

さて、同じ山でも登るコースが違えば全く違う表情を見せるものです。
雌阿寒岳には「野中温泉コース」「オンネトーコース」「阿寒湖畔コース」の3つのコースがあり、最もポピュラーなのは野中温泉コースです。距離も片道約3.3劼蛤任眞擦、しかしながらその分、平均勾配はキツめになっています。私が雌阿寒岳に初めて登った時(登山キャリア3度目でした)も、この野中温泉コースでしたが1合目に着くまでに10回以上も休憩し、3合目に至った時には「登頂できるのかなぁ?」と不安に思ったものです。しかし次第に「息を入れながら登る」ことを覚え、登頂出来たことが大きな自信となりました。
一條君にもそんな経験をしてもらいたいものです。

「阿寒湖畔コース」は雌阿寒岳登山コースの中で最も距離が長いコースで、駐車場から登山口まで約800m、登山口から山頂まで約5.5辧合計片道約6.3劼離魁璽垢砲覆蠅泙后しかしながら、3合目まではほとんど起伏のないハイキングコースで、4合目に向かうところになって初めて登山らしい勾配になります。ただし4合目を過ぎると再び緩斜面に入り、8合目まではニセイカウシュッペ山と同じ程度に優しいルートです。
私も、ニセイカウシュッペ山での失敗を反省して一條君を先に歩かせることにしました。私のペースに一條君がついてくるのではなく、一條君のペースで歩かせ、一條君の息が荒くなったらペースをコントロールする役割を担うためです。そして「大休止の連発」を監視するためでもあります。(笑

一條君は思っていた以上にサクサクと歩を進めていました。4合目手前の急登部分も思っていた以上に楽勝でクリア。しかし5合目を過ぎた辺りから一條君の歩みが鈍ります。それほどの勾配ではありませんが、ニセカウ序盤のような緩い勾配が延々と続く感じです。しかし、これは一條君の経験値が上がると共に解消されていくのではないかと、私は楽観しています。そもそも大した勾配ではないのです。

そして8合目。剣ヶ峰分岐です。
「一條君、剣ヶ峰に登ってから雌阿寒に向かおうか」
「いえ、先にまず雌阿寒岳を優先したいです。剣ヶ峰は帰りに登ろうと思います」
「スリーピークコンプする?」
「なんですか?それ??」
「雌阿寒岳と阿寒富士と剣ヶ峰だよ!3つのピークのこと」
「時間に余裕があったら行きたいですね!」
一條君、思っていた以上に前向きです。

8合目からは火山礫と火山灰のザレた稜線になります。右側には火山灰に覆われた火口が広がり、まるで月面のクレーターのようです。身近に「非日常」を味わうことの出来るルートで、このコースが初めての一條君の口から歓声が漏れます。
意外とアップダウンのある稜線に、「一條君はちょっと苦戦するかな?」と思っていましたが、思ったよりシッカリとした足取りで歩いて行きます。

そしてラスト、9合目までのザレた急登部分に突入します。このルート一番の難関部分です。一條君は何度も小休止を繰り返しますが、私の目もあってか(笑)、すぐに再び歩き始めます。9合目を過ぎ、勾配もやや緩やかになったところで「先に行って、一條君の登頂場面を動画撮影するから!」と言って一足先に山頂に向かいます。
山頂は大混雑でした。

私の監視の目が緩んだためか(笑)、一條君はなかなか登ってきませんでしたが、フラフラしながらもなんとか山頂に到着します。
「やった〜!雌阿寒岳登頂〜!」
周囲から拍手と歓声が上がります。(笑
さすが一條君、エンターテイナーです。
山頂にいた女性たちに声を掛けられ、嬉しそうな一條君。
「いやぁ!いろいろ感動しました!」
よかったね。(笑

山頂で昼食を摂り、周囲の人達と少し会話して盛り上がったところで一條君に聞きます。「時間に少し余裕があるけど、阿寒富士に登ろうか?」
「いえ、今日はここで満足です。と言うか、身体に余裕がありません!」
「じゃ、剣ヶ峰だけにしておくか」

下山を開始します。
ザレた下り斜面は、登りよりも気を使います。一條君も転びます。それでも「下りの一條」本領発揮で、ほとんど休むことなく歩き続けます。
8合目剣ヶ峰分岐に差し掛かった辺りで、登ってきた男性と会話します。「剣ヶ峰に行くの?今日はいいお天気だからね!行った方がいいよ!」
すると一條君、「今日のところは安全を優先して・・・」
「おいおい!一條君!ニセイカウシュッペ山での後ろ向きな自分を反省したばかりじゃなかったの?先に行ってるぞ!」

私は一條君の返事を待たず、剣ヶ峰に向かいました。
分岐から剣ヶ峰岩峰までは約13分で到着しました。しかし、一條君はなかなか登ってきません。ニセカウ山頂の場面がフラッシュバック。まさか一條君・・・・・と思っていると、約30分後に一條君が姿を現します。
「キツイ!」を満面に表現しながら、歯を食いしばって登ってきます。
「やれば出来るじゃん!」

「お疲れ!頑張ったね!」
剣ヶ峰で遠い目をする一條君。一條君の気持ちを反映してか、いつの間にか剣ヶ峰はガスで覆われてしまいました。「一條君、さすがニセカウの時とは一味違うね!」
とりあえず、今日の一條君は褒めてあげたいと思います。
気を良くした一條君、「9月13日、今度は小林君(仮名)も一緒に、またこのルートで雌阿寒登頂を目指そうと思います。」
「またこのルート」って、剣ヶ峰も入っているのかな?(笑


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コメント

引率お疲れ様でした(^^)
こんばんはkenyoさん!引率お疲れ様でした(^^)
一條さん、凄く頑張りましたね!!!!!
「やった〜!雌阿寒岳登頂〜!」の姿が目に浮かびちょっとウルッときてしまいました(^^)
kenyoさんの計画とサポートが絶妙でナイスです!!
雌阿寒岳の晴れた時の素晴らしい景色、いつかtomoにも見せたいです!!
2020/8/26 23:56
Re: 引率お疲れ様でした(^^)
tomo-masaさん、コメントありがとうございます!
一條君が徐々に進歩していて私も嬉しく思っています。
しかしちょっと目を離すと後ろ向きなバイアスに流されてしまうので、一條君からは目が離せません。(笑
そちらから雌阿寒岳は遠くてなかなか足が向かないと思いますが、道東にもいい山は沢山ありますので、どうぞtomo君と一緒にいらして下さい!
2020/8/27 5:51
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

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