【岩手山・八幡平・早池峰】百名山3つをチャリ登山で24時間以内に周回チャレンジ
- GPS
- 38:30
- 距離
- 255km
- 登り
- 6,017m
- 下り
- 6,025m
コースタイム
- 山行
- 2:00
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 2:00
- 山行
- 19:29
- 休憩
- 1:06
- 合計
- 20:35
人力のみで、24時間以内にすべての山頂を踏むのは可能。
天候 | 【岩手山】小雨・ガス・暴風 【八幡平】晴 【早池峰】ガス・風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自転車
登山口までの約3kmは未舗装林道。普通車でも腹を擦らず通れる。砂利や石が多くロードバイクは走行困難。MTB、グラベルOK駐車スペースは随所にあり、計30台以上駐車可能。 【八幡平】 山頂付近に広大な有料駐車場あり。展望はアスピーテラインが良い。 【早池峰山】 小田越は駐車禁止ロープが延々と張られている。横着せずに河原坊に駐車しよう。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【岩手山】 山頂付近は視界不良時、強風時は火口に落ちないよう注意。 【八幡平】 安全。山頂までコンクリ敷石が続き、クロックスサンダルでも登頂可能。 【早池峰山】 稜線直下に長いハシゴ2箇所。全体的に岩が滑りやすい。植物保護のためのロープがずっと張られており、夜間・視界不良時でもコースアウトの心配はない。限界上が長く、岩場があるため、ナイトハイクは経験者向け。 |
写真
感想
【概要】
東北の百名山3つの山頂をチャリ登山で24時間以内に巡るという意欲的な企画。
用事があって、盛岡へ。せっかくなので、完全燃焼しよう。
天気をチェックすると、台風10号の影響で未明は強風・降雨が予想された。
翌日は大学で用事があるので、昼までに上野に帰る必要があった。
リミットを切りながら前進あるのみ。
【アプローチ】
19時過ぎに盛岡駅をロードバイクで出発。途中、大型スーパーの休憩スペースでありったけのものを腹に詰め込む。就寝は道の駅にしね。比較的新しい建物で、コンセントは使えないようにすべてロックされていた。夜間は雨予報なので庇の下で就寝。
【岩手山】
4:45登頂。
雨が降り頻る。入山直前の降雨ほど萎えるものはない。
予定通り、2時過ぎから登山開始。駐車場には軽トラ1台のみとまっていた。チャリは登山口を入った先に置いた。ブナとクマイザサから構成される樹林帯を進む。3時頃に下山者1名とすれ違う。「早いですね」と声をかけると、「これから会社があるべ」と返ってきた。猛者である。とんでもない朝活である。風貌からして、マタギさんかもしれない。
頭上には月が垣間見えるが、雨はポツポツと降り続く。ガスってはないため、雲底は高そうだ。登山道は溶岩由来の赤黒っぽい石と砂利が堆積している。百名山というだけあって、迷うポイントもなく、歩きやすい道が続く。ナイトハイクにぴったりだ。
1500m地点で2〜3mのナナカマド・ダケカンバから構成される灌木帯に入った。ここで風が一気に強くなり、ゴアを着込む。ゴアの下は持ってきておらず、タイツとサイクル短パンという格好だが、これで問題はない。
1690m地点でハイマツ帯に突入。ハイマツと言えども、それなりに風を防いでくれており、嬉しい限り。ガスが予想以上に濃いことに気づく。
立派な避難小屋があった。使わないけれど、濃霧強風時の人工物ほど安心感を与えてくれるものはない。
4:42にお鉢の縁に到着。砂利が吹っ飛び、身体がよろめくほどの爆風。ガスガスで3歩先も良く見えない。おまけに日の出前で真っ暗だ。山頂まで200m。進むしかない。
4:45。山頂到着。風が強過ぎて、スマホとGoProが飛ばされそう。こういう時、冬山をやっておいて良かったなと感じた。もし、冬山をやっていなければ、途中で撤退しただろうし、山頂を目指したとしても行動不能になっていたに違いない。
山頂では長居せず、山頂標と三角点を確認してさっさと帰路につく。手からは血の気が引き真っ白になっている。道を踏み外さないように気をつけながら、全身を大袈裟に動かして、体温を下げないようにした。
そのまま樹林帯まで休みなく降りて、岩陰で行動食で復活する。甘いものを食べると元気が出る。下山途中に日の出を見られた。すぐ目前に分厚い雲が目まぐるしく動いており、風の強さ・台風の大きさを実感した。
登山口に到着後、未舗装林道を爆走して次の目的地、八幡平へ。ここで、岩手山が山頂をあらわにしており、ガッカリする。もう2時間遅く出発していたら、大展望を楽しめたのだろう。山ってこんなもんです。
【八幡平】
10:20登頂。
八幡平に行くには2通りのルートがある。樹海ラインとアスピーテラインだ。同じ道をピストンは面白くないので、樹海ラインを上ってアスピーテラインを下ることにした。けれどもこれは最善の選択か怪しい。視界が全く効かない上に、アップダウンが多い。ヒルクライムにおいて小さなアップダウンが続くのは、厳しい。結構足にくる。クルマやバイクだと上ったり下りたり楽しんだろうけれどね。結局、このヒルクライムに3時間を要した。途中に水場やちょっとした展望スポットがあった。
肝心の八幡平山頂はなんの面白味もない。展望デッキが設置されていたが、上ったところで、岩手山の山頂が樹林越しになんとなく確認できる程度だった。ただ、周辺には池塘が多く点在しており、趣があった。
すべては、車道が上まで通ってしまったことが原因である。これさえなければ、非常に魅力的な山として映っていたことだろう(だから、今回自転車で上った)。関係ないが、春は山スキーが楽しそうである。
【早池峰山】
20:20登頂。
早池峰山は遠かった。
もう一度、繰り返そう。早池峰山は遠かった。
台風10号による強烈な向かい風(南風)と北上盆地の猛暑にやられた。また、未明の岩手山と八幡平ヒルクライムでカロリーを大量に消費してしまい、その回収(補充)に時間がかかった。盛岡から早池峰までは最短ルートではなく、標高の上下が少ないルートで臨んだ。ルート全体の8割程度は緩やかな斜度だが、最後の最後で脚にくる。特に河原坊付近からこれでもかというくらい斜度がキツくなる。1日の最後の最後で、これは結構キツイ!
肝心の早池峰山は登山道がしっかり整備されていた。最初は木道を歩き、1400m地点でいきなり限界上に出る。恐るべき、森林限界の低さ。これが早池峰の魅力なのか。日中に登るべきである。
大きな岩がゴロゴロしていて乾いていても滑りやすい。上部は風が運んできた過冷却水滴(ガス)がびっしり付着して濡れ濡れ状態。気を抜くとツルッと滑るので、神経を使いながら高度を上げた(と言っても、滑ったところで危険はないのだけれど)。稜線直下に長いハシゴが2箇所あり、風とガスに煽られながら真っ暗闇の中、いつ終わるのかと思いながら上った。
山頂はあまりはっきりしたピークではなく、ガスが濃いせいもあって展望が効くかどうかすら不明だった。周辺を探索しようかと思ったが、ガスと暗闇の中、迷いそうな気もして断念。山頂標と三角点を確認して、さっさと下山。
ガスの暗闇を、濡れた岩場を、ひたすら降りるのは大変だった。強烈な南風が向かい風となって大量の小さな水滴とともに打ち付けてくる。メガネは即座に視界を失い、おまけにライトも3歩先をかろうじて照らすほどガスが濃かった。高山植物保護のロープを確認しながら足を交互に動かす単調な作業が1時間続いた。コースアウトしたら、一発で遭難である。こんな滑落要素が周りにゴロゴロ転がっている中、気を抜くことはできない。ここまで下山に神経を使ったのは久しぶりだった。
無事に下山完了し、ご褒美にのど飴を口に放り込む。ここから盛岡まで60km。まだまだ旅は終わらない。
【まとめ】
早池峰山は岩場があり、ナイトハイク不向き。岩手山は稜線で迷いやすいため、視界不良時は登らない方がいい。経験として割り切るのならいいが、楽しい思い出にはなりにくい。
【感想】
少し計画をミスったなと感じた。最初に最遠の早池峰山を登っておき、その後、八幡平と岩手山で調整するのがベストだと感じた(ナイトライドの割合を増やす)。実際、午前中は早池峰周辺の方が天気が落ち着いていた。そして、岩手山が暴風に巻き込まれたのも午前中だけだった。この辺りは、風の吹き方や雲の発生具合をしっかり見極めた方がよかった。
山は楽しんで登らなければ意味がない。
トレーニングするなら、わざわざ山まで来る必要もない。
今回は、自分の限界を知りたくて、突拍子もない計画を立てたが、もっと面白みのある計画を立てていこう。
さて、次はどこへ行こうか。
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