伊藤新道からの竹村新道
- GPS
- 32:58
- 距離
- 49.8km
- 登り
- 3,506m
- 下り
- 3,755m
コースタイム
- 山行
- 3:50
- 休憩
- 0:54
- 合計
- 4:44
- 山行
- 10:25
- 休憩
- 0:09
- 合計
- 10:34
- 山行
- 16:08
- 休憩
- 1:27
- 合計
- 17:35
天候 | 晴れ・曇り・雪・晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
初日は朝は湯俣渡渉不可・タクシー動かず 竹村新道はアップダウンありでなかなか高度下がらず。 18時過ぎると高瀬ダムからは歩いて出るしかない |
予約できる山小屋 |
七倉山荘
|
写真
感想
当初の計画は上越の沢の予定であったが、全日晴れマーク出ないと難しい。
と言うことで、転進を踏まえて予備案として取ってあった伊藤新道。
私は、3年越し。仲間は4年越しとお互い温めてきた山行であった。
出発前夜には、大雨が北アルプス周辺で降り、晴嵐荘前の渡渉は不可。
七倉から高瀬ダムまでのタクシーも運行されないという状況で、出発を数時間遅らせて
万が一の再転進も踏まえての出発となった。
◆計画
9/26
七倉 - タクシ− - 高瀬ダム - 晴嵐荘(幕)
9/27
晴嵐荘 - 赤沢出合 - 硫黄沢出合 - 周辺で釣り - 適地で幕
9/28
幕場 - 硫黄沢出合 - 赤沢出合 - 晴嵐荘 - 高瀬ダム -タクシー - 七倉
七倉に着く前には空は晴れ渡りこれは…と期待が出来る状況になった。
当初計画では、1日目に赤沢出合までいき、2日目に三俣山荘まで詰め 3日目に烏帽子岳のブナ立尾根もしくは、新村新道を下る
計画であったが、初日の入山が遅れたため、どうなることやら…の計画となった。
七倉には意外と早く着き9:30頃には出発の準備が出来ていたが、タクシーがなかなか来ず30分位待っての乗車となった。
初めて見る七倉は、予想通りの雰囲気の場所であった。また、高瀬ダムの大きさにびっくりした。大きな岩で作られていて今まで、この山域のダムは黒四と黒三しか見たことがなかったが、初めて見るダムの造形美に驚いた。
タクシーで行けるところまで行って貰ってトンネル入り口で降車。ここからは歩きである。
初日は晴嵐荘までの歩きなので気が楽と思いきやこれが意外と長い。
また、メンバーみな初日は晴嵐荘泊りだからという腹もあってかのんびりとしたペースでキノコを探したり支沢でイワナを探してみたりと大騒ぎ。
晴嵐荘手前の林道では、足元の橋の橋脚が、崩壊。あわやという場面もあったりしてのんびりとしたペースで晴嵐荘に着いた。 また、晴嵐荘に事前に連絡していたこともあり、渡渉地点辺りに着いたら小屋から小屋の方の暖かい出迎えなどもあった。 また、小屋では越冬ビールが売られなんと100円!とお得感満載であった。
自分は2日分で4本を購入した。テン場に到着して幕営準備後は、各々好きに過ごした。
千天出合方面に釣りをしに行くメンバ。湯俣の噴湯丘を見に行く人と…
釣りはボウズであったが、帰ってきた後は、温泉に浸かりに行ったり、宴会をしたりして、のんびりとした時間を過ごした。
2日目
朝、3:30起床 5時出発 とした。
北アの沢は8月の赤木沢以来であるが、赤木沢はとても冷たく、しびれを感じる程
であったが、温泉が混入している?湯俣川は緩く冷たさを感じない。
下手をするとやけどをしそうな個所もあり、足を突っ込む際には気をつけねばならなかった。
色も黒い鉄分の多い温泉や硫黄色の薄緑の温泉など特別な環境であった。
噴湯丘をへて、湯俣川を遡行する。難しいへつりや登下降などは無く、また、水流はやや強く感じるものの、
水量もそれほど多くなく苦労無く渡渉を行うことが出来た。
30分ほど歩くと顕著な烏帽子岩を見ることが出来た。この辺が最初の難関ポイントなんだろうか。
我々は特に労せず突破することが出来た。ここから先は、岩と水だけの世界になり、
地球ではないような、まるでスターウォーズの世界に迷い込んだような景色が広がる。
それほど焦らず写真を撮りながらのんびりとした雰囲気で進むが、意外と順調に進むことが出来た。
ワリモ沢の出合で1本立てるが、そこでは見事な虹を見ることが出来た。出合を過ぎると伊藤新道の尾根も望むことが出来た。先頭を行くリーダーがテントがある!と行く手を指す。 赤沢出合に1張のテントが。
先行者?下山者?と話しながら近づく。昨日は入山者はいないはずなので、下山者のものだろうか。
テントには人気は無く挨拶をして中をのぞくと荷物がデポしてあった。どうやら歩荷隊のテントのようだ。
(後から聞いた話だと我々の下山日に入山してきたNHKの撮影隊のもののようだった)
ここで、幕営して釣りに行くか協議をするが、まだ時間は早く10時であった。釣りをするにしても早すぎる。
また、3日目は天気も期待ということで、稜線を歩きたいというメンバの希望もあって、
計画を変更して、湯俣川の本流を遡行し、弥助沢の適地でビバーク。三俣山荘から裏銀座→竹村新道→高瀬ダム
という形に変更をすることにした。
赤沢出合を過ぎると硫黄沢出合はすぐ出合ったが、この辺の辺境な環境にメンバーの足はとてもゆっくりであった。
硫黄沢を過ぎ、本流(モミ沢)に入ると水の色が一変。
今までは、クリーム色のようなやや白に緑がかった感じの色であったが、明らかに無色透明な色となっていた。ここから先は、テン場探しの遡行をとなった。
今までは多少異なり、足元は少し滑りも入り大岩も増えてきて沢登っぽくなってきた。弥助沢出合手前で候補地を見つけるが、まだ少し時間が早いのと
もう少し高度を稼ぎたいので、遡行を続ける。地形図を確認しながら頃合いの場所で探すが、地形的には良いのだが、藪がうるさく張れるような適地が見当たらない。 だんだんと日も陰り焦りを感じ始める。
ふと見上げると、何とかギリギリ2張張れそうで焚火も出来そうな台地を発見。 時間も迫ってきたので、本日の遡行はそこまでとした。 ようやく荷物を下ろし、幕営準備を開始して、薪を拾う。各々が役割分担をしながら準備を進めていく。この日は昼間はかなり暖かく岩の上で昼寝もしたいくらいであったが、これから寒気が入るということで、前線の通過に伴い曇り空となり、雨がぱらつく。そしてだんだんと冷えてくる。これは溜まらんとさっそく薪に火をつけ焚火を開始する。
焚火が安定したころには、なんと空からは白いものが… 雪である。初雪であった。焚火の威力は素晴らしく、濡れた服を乾かしてくれ、心に安らぎを与えてくれた。
丁度雪も止み、夜のとばりが焚火も安定し、良いオキができ、焚火を囲みながら、楽しい夜を過ごした。
3日目
4:00起床 5:30出発
本来では、3:30起床。5:00出発予定であったが、みんなで寝坊。この日の行動時間は長大になる為、18時までに高瀬ダムに着くには、少しでも早く行動をする必要があったが、焚火を楽しみ過ぎて幸せな気分になったのか、それともここまでの疲れが出たのか、4名とも寝坊をした。早々に準備をして出発。まずは稜線まで300m程度の遡行となる。沢の歩きは意外と快適で滑りもそこまで無くぐんぐんと高度を稼げた。源頭部で一本立て、源頭の水を頂き、朝日や対面の槍ヶ岳を堪能し、藪漕ぎなしで稜線に飛び出すことが出来た。この日の天気は快晴予報であったが、こちらは万年ガス女がいるため、目指す鷲羽岳だけ、ガスがかかっている(笑)
登山道に出てからは、500m近く高度を上げる。途中黒部源頭方面には2日連続で虹を見ることが出来た。
ようやく今回の最高地点鷲羽岳に到着する。意外と順調だ。もしかしたらタクシーは間に合うのかな。と希望が見えてくる。
が、1名スピードが上がらない。前の週に痛めた足が痛いとのこと。ここで悪化をさせて歩けなくなるのは困る為、ゆっくりとメンバのペースに合わせて進む事に。鷲羽岳を過ぎ、ワリモ岳を経て、黒部との分岐を経る。時間がありそうだったので自分だけそこから先に行かせて頂き、先に水晶小屋に行き、水晶岳のピークを踏んで、合流することに。
昨年、裏銀座を歩いた時に踏めなかったピークである。小屋からピークまでは25分ほどで到着。その後15分ほどで小屋に戻り合流を目指し、野口五郎を目指す。丁度、竹村新道の分岐で追いついた。
真砂岳の少し下で、テントやタープなどを乾かし南真砂岳のピークを踏む。このころにはもうタクシーは諦めていた。
とりあえずメンバが歩き切れる様にペースを調整して進む。湯俣直下の登り返しは意外ときつく体に堪えた。
このころになると自分もシャリバテの様相が出てきて疲れを隠せない。湯俣岳を超えればあとはひたすら下るだけ。
何とか日があるうちに湯俣に付けそうであった。展望台でヘッデンを出し、17:30頃に湯俣の晴嵐荘に到着。
晴嵐荘には、伊藤新道往復と伝えてきたので、彼らが心配しないように下山の挨拶を行う。
あとは、七倉までの歩きであった。名無し小屋・駐車場を経て、長い林道を高瀬ダムに向かう。
集中力を切らすと疲れで足が出なくなるので、体力を振り絞り歩く。長いトンネルを超えると、高瀬ダムに到着した。
既に21:00位になっていた。まだここから七倉まで歩くと思うと一人ではとても歩けないので、ほかのメンバの到着を待って七倉を目指す。
そして… テン場から15時間。湯俣から4時間半 22:30頃に七倉のゲートに到着した。
こんな長時間の山行は初なんじゃないかというくらいの長時間・長距離であった。
他のメンバの到着を待って、速攻で撤収。 はじめは温泉とか食事とか話をしていたがもう時間は23:00に近い。
しかも… 自分は翌日はテレワークだったので良かったが、メンバの1名は5時に出社をしないといけないという!
ホントに急いで帰宅をする。
結局、自宅に着いたのは3時過ぎであった…
今回は、総距離55キロの超ロングコースであった。
とても楽しく充実した3日間であって。
改めて、同行頂いたメンバの皆様にはこの場を借りてお礼を申し上げたい。
そして、また来年遊びましょう!と。
こちらこそ。いろいろ楽しい3日間でしたね。
また。来年色々よろしくお願いします。
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