ユルユル登山のつもりでしたが・・・稲村ヶ岳、山上ヶ岳
- GPS
- 15:20
- 距離
- 29.2km
- 登り
- 1,788m
- 下り
- 1,764m
コースタイム
3月17日 小笹宿6:05 - 7:21山上ヶ岳 - 9:10洞辻茶屋 - 10:35清浄大橋 (昼食)11:00 - 12:17洞川温泉センター - 12:59観音峯登山口
天候 | 2日間快晴でした。 |
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過去天気図(気象庁) | 2013年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
観音峯登山口もそこにあり、登山ポストもあります。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
観音峯までは全くの春山。ポカポカ陽気のハイキングでしたが、法力峠を過ぎると徐々に雪山の顔を見せ始めます。 稲村ヶ岳、大日山周辺のルートからはアイゼン必須です。 3装着してははずしてを繰り返しましたが、不規則に凍った坂道が現れます。 2日目の下りではアイゼンをつけていないときに4度滑ってひっくり返りました。 法力峠から巻いて北東斜面のトラバースは木も生えていないガチガチの急斜面で足が一度滑ると谷底まで落ちます。 無事ではすみそうにありません。 この日の状況ならピッケルが必要です。 |
写真
感想
さて! 気にしないふりをしながらもこのところ毎回のストレスが溜まりに溜まった半日登山からやっと抜け出せる連休です♪♪♪
先週の南比良、雪の稜線歩きから明けて平日の初夏のような陽気に気分は無理やり春モードです。
暖かい山でテントかついでのんびりゆる〜い山歩きなんてイメージを持ちながら、南を目指したのが大峰でした。
好日山荘の店員Kさんに話を聞くと、雪は融けかけてぬかるみ状態でもアイゼンが効くことが多いとのこと。
いつも情報をいただいてありがとうございます!
去年のGWに嵐の夜を耐え抜いた(大げさですが)野営地でまた夜を過ごすことにしました。
なんて物好きなことですが、なんとなく今回はいい夜を提供してもらえそうな気がします。
夜明け前にスタート地点の虻トンネル脇のパーキングに到着し、明るくなるのを待ちながら準備をしていました。
登山ポストを見つけられずに用意していた計画書は持ったままのスタートです。
(翌日ここに戻ると目の前にポストがありました! なんで見えなかったんだろう・・・)
観音峯(1347m)までの登山道はパーキングからの遊歩道になっているので歩きやすさ優先のセッティングになっています。
そこそこの勾配はありながら、何のストレスもなく歩けるいい道です。
山頂手前の小ピークからの展望は素晴らしく、初めて山を登る人を案内するのに最適なルートだと感じました。
さらにその先、法力峠で洞川からの登山道と出合います。
稲村ヶ岳への登山ではこのルートを歩く人が多いようですね。
ここまで山は花こそ見えないものの春山の雰囲気で、ザックのアイゼンを出す場面はなさそうだと思っていました。
稜線から外れていくつかの谷を横切るようにトラバースが続きます。
時々雪渓が現れるようになったと思ったら、その雪の表面はカチカチの氷のようでうっかり踏むと足が谷に向かって投げ出されるように滑ります!
温度計を見ると暖かいつもりでしたが0度を指しています。
一組の男女ペアを追い抜きましたが、二人ともアイゼンをつけてました。
まだアイゼンは付けずに歩きましたが、危険センサーを働かせながら歩くのもテンションが上がってアドレナリンが出ますね!
稲村ヶ岳への分岐、山上辻には一人の男性ハイカーが休憩されていました。
稲村ヶ岳に向かったけど簡易アイゼンでは無理だと引き返したとのこと!
雪の量はかなり多く見えますが、引き返すほどの状況とは?
案内図を見ても所要時間はあまりかからないようで、気合を入れなおして歩き出します。(もちろんここでアイゼンはつけました!)
斜面をトラバースするのは変わらないのですが、勾配がさっきとまったく違うことと、木々の間隔が広くてストックしか支えるものがないこと、道が雪で埋まっていて傾斜の変化もないところを無理やり進んでいること・・・
笑ってしまうような状況です。
10本爪のアイゼンでよかった・・・
しっかり爪のかかる雪の固さとアドレナリンの助けで無事に斜面を横切り、山頂にたどり着きました。
・・・ピッケルが必要でした。
建物の屋上のような木のテラスが山頂だったことには驚きましたが、隣のアメリカンドッグのような大日山もよじ登って想定外の冒険を済ませました。
この日の冒険はこれで終わったような気で山上辻に戻り、おむすびを腹に入れて再度スタートしましたが、本当の難所はこの先でした。
同じように斜面のトラバースがあっていやな予感がしましたが、足を踏み入れたのはさっきのルートに輪をかけた傾斜とほぼ氷に近い雪・・・
前爪の出ていないアイゼンで無理やりつま先で体重を支え、山側に体を向けたままかに歩きで移動するしかできませんでした。
このあたりのテクニックを持てていないことを痛感しましたよ・・・
山上ヶ岳山頂では大峯寺やなんやかんやに気を引かれながらも先を急ぎ、宿営地の小笹の宿に着いたのは16時前でした。
後半でかなり時間を取られた結果、山と高原地図の所要時間通りの行程でした。
あまり褒められたことじゃないですが、ここの避難小屋、前回は人が一杯で近くにツェルトを張ったのですが、誰も居ない小屋を見たらテントを張るのをやめてしまいました(汗)
あまり人が歩かないのか雪もきれいで静かなこの一帯。
暗くなるまで辺りを散歩しながらこの日の冒険の余韻にも浸ったりしていました。
目を覚ますと最初に取り出したのは地図です。
計画では昨日のルートを法力峠まで引き返す予定でした。
・・・あのトラバースをもう一度繰り返すのは避けたいところです。
私の技術で無事だったのは運が良かっただけ。
どこかで一歩間違うと谷底です。
大峯寺から参拝道を下り、清浄大橋で県道に出るとかなり大回りですが周回ルートとなります。
西の覗岩などの行場や宿坊の並ぶ山頂で2時間近くウロウロしていました。
人によって評価は異なるでしょうが、何もない自然の山も当たり前に好きですが、人間によって手を加えられた様子も私にとっては「いいもの」です。
信仰や観光など理由は山によって様々ですが、存在意義のあるものを見るのは好きです。
この下山路に点在する「茶屋」の様子は他ではなかなか見られない珍しいもので、あれこれセンサーを働かせているうちに山を下りてしまいました。
下山の道のりをこんなに短く感じたのは珍しいことです!
ここからパーキングまでは結局2時間ほど歩きましたが、川に沿った遊歩道あり、鍾乳洞(!)あり、温泉町の風景ありで素敵なアトラクション満載のルートです!
いつもの時間の制約で鍾乳洞も見ていないし、温泉にも浸かっていません。
この県道沿いで一日過ごすのもありですよ!
テント張って後はのんびりウダウダと過ごすくらいのイメージでしたが、想定外のあれこれが次々現れて素晴らしい山行になりました!
やっぱり縦走したいですね・・・
こんにちは
実は今回の記録とても楽しみにしていました
自分にはこの時期にとても歩けないのでmonsieurさんの記録を拝見して
大好きな稲村ヶ岳を歩いた気分にさせていただこうと思っていました
稲村山荘から雪が多かったのですね!
稲村ヶ岳の展望台は私のとても大好きな場所のひとつです
お写真を拝見して早くまた行きたいなと思いました。
それに小笹ノ宿!
ずっとここでテント泊することに憧れています。
いつになるか分からないですがいつか実現できればよいなと思っています
最後は清浄大橋から虻トンネルの駐車場まで歩かれたのですね
本当にお疲れさまでした。
そして素敵な記録を拝見させていただきました。
ありがとうございました。
いい天気に恵まれましたね!
この季節は残り冬、始め春と一粒で二度おいしいですね!
「5分の恩返し」はmonsieurさんらしい。
昼飯の落ちもmonsieurさんらしいですが
山上の辻では何人かのハイカーに会いましたが、みなさん稲村ヶ岳が目的だったようです。
久々にがっつり歩くルートでなかなかの満足度でした
本来冒険よりもリスクの回避が優先されるべきで、あのトラバースは2重3重の冷や汗モノでしたよ
cocoeさんも大峰をぜひ歩いてみてくださいな
滋賀近辺とはまた違う世界に浸れますよ
頭の中ではsenrakuyaさんの顔が3つくらい踊っていました・・・怖すぎる〜
天気の良さはなんと言っても大きな「いいもの」ですよね
遠景を見ようと足元を見落としてしまいます。
次に天気が悪ければ半径5mで「いいもの探し」ができます
どうしたって何度も行きたい所です
残雪期の山上、稲村…
やはり手強そうですね
大日のトラバースもまだまだ油断なら無い様な雰囲気だし、トラバースの多い登山道は神経使いそう…
でもそれを補って余りあるほどの大峰の山容…
87枚目の写真なんて、まさに大峰!!って感じで素敵であります
雪融けが進んで、少しずつ向かえるエリアも増えてきて…
何処登ろうか悩みが尽きません
山上辻で稲村ヶ岳途中のトラバースで引き返し、休憩していた男性の同行者です。あの後、山上ヶ岳へ向かっていたところ、途中のレンゲ辻の手前で前を行っていた男性の方が座り込んでいました。顔には擦り傷が!!まっすぐ行こうとするとその方が「そのルートは止めた方が良いですよ。先ほどアイゼンつけて行ったにもかかわらず10m程滑落しメガネ飛ばしてしまった」との助言を頂き尾根コースで無事山上ヶ岳へ行けました。山上辻で小笹へ行くと聞いていたので無事行けるか心配していましたけどよかったです。山小屋泊まり未経験なので・・・
星空綺麗でしょうね!!!
お疲れ様でした。洞辻茶屋からの下りでお会いしましたね。ガッツリ2日間大峰の雰囲気に浸れた感がレコから伝わってきます。
静かな山頂や緊張する凍った斜面の通過など変化もあって充実の山行でしたね。下りはやっぱりコケちゃいまいたか・・ボクは登りで滑るのが怖かったです
大日トラバースを無事通過出来てほっとしてます。
行ったことないんですが、難関と聞いています
魅力的でどこから手をつけてよいのやら・・・
monsieurさんのレコでますます悩みます
utaotoさん、充実してましたよ
「大日のトラバース」と呼ばれるのですね
確かに難所でしたが、アイゼンとアドレナリンのおかげでなんとかなりました
厳冬期の全ルート雪道ももちろん大好きですが、残雪期の変化に富んだ山も嵌まりますね
今度ははutaotoさんのソロ山行ですね
山と向き合う静かなutaotoさん・・・
私の想像力を超えています
レコが楽しみです
ho323さん、こんにちは!
同行の男性から情報をいただいて、気持ちを引き締めて進みましたが、10本爪で助かった と何度思ったことか・・・
レンゲ辻までのトラバースでさらに難度が上がったような気がします。
レンゲ辻に着いたときには正直「運が良かった」と思ったことでした。
小笹の宿までは危険度は低く、地形を読んで行けば問題ないかと思います。
季節が変われば表情も変わりますね。
この先何度も歩く道です
P.S. 尾根コース? 知りませんでした
また調べてみなきゃ・・・
やはりお会いしていたんですね
お疲れ様でした。
この山域のスケールの大きさも魅力ですし、歩くたびに表情を変える山々が楽しくて、飽きることがなさそうです
ただ日帰りでいつでもとはいかない場所ですので、今回のように密度の高い山行ができればと考えています
まだどこかでお会いできればと思っています。
その時はよろしくです
churaさん、ありがとうございます!
あのトラバースを復路に通りたくない一心で、無理やり大回りの周回ルートにしてしまいました
結果はあの県道歩きも含めて大正解の2日間コースになりました
行ったところはどこもお気に入りになるのでランキングはつけないのですが、この大峯奥賭道をやっぱり縦走してみたいです
あと一日早ければどこかでお会いできてたかもしれませんね^^
綺麗な写真の数々に、自分も同行しているような気分になります。
山稜のレイヤーはどちらにレンズを向けても、ズームしても溜息しか出ませんよね
当日は残雪次第でレンゲ辻から清浄大橋まで周回して帰ろうと考えていたのもあり、
写真と&レポして下さったおかげで行かなくてよかったなと思いました(笑)
小笹の宿も綺麗にして下さってありがとうございます。
山で御一緒したいと思う方の鑑ですよ
富士山の公認ガイドの方だったとは・・・お、お見それしました〜
なんか生意気言ってるのが恥ずかしくなりましたよ
5分のことに目を止めていただいて恐縮です
山と自分が出会うことで私ばかりが喜んでいるのは対等ではないと思っています。
山にも喜んでもらう代わりに神様扱いもしない、そんな自分なりのルールを勝手に決めてはいるんです
心の中の山との会話はどちらもタメ口です
monsieurさん
初めまして。17日に母公堂から山上ヶ岳経由で稲村ヶ岳を目指してみたものの、レンゲ辻から山上辻のトラバースで断念しました。
monsieurさんのレコを拝見して非常に参考になりました。また大峰には行きたいと思っていますのでお会いした際にはよろしくお願いします。
コメントありがとうございます
山上の辻へのルート沿いのトラバース(私は逆に進みましたが)、おっしゃる通り危険度は一番高かった印象です
あの斜面で滑り出すと、ピッケルを持っていても滑落を止めることは難しいんじゃないでしょうか・・・
コース変更や撤退の回数では負けませんよ
その判断も含めてお互いに無事に下山できたことを良しとして、また張り切って歩きましょう
どの山にいつ行っても、必ずいいものがたくさん見つかりますから
どこかでお会いできるのを楽しみに
こんにちは〜、遅コメ失礼します
女人禁制なんですか〜?!ひど〜い
色々と宗教がらみがあるんですね〜
本当に絵のような桃源郷のような世界ですね〜 素晴らしいです
避難小屋泊も楽しそうですね
大峰山系は全然いけてないので、今年度の課題です 素晴らしいお写真を見てますます行きたくなりました
こんばんは
女人結界のゲートには、さすがに世界遺産だけあってずいぶん丁寧な説明書きがありますが、女性を異質と捉えていた頃の戒律を、「古くから守られてきたものだから・・・」と問答無用で固執しているように思えます。
八経ヶ岳や弥山、行者還岳など素晴らしいところがいくらでもあります
深山の佇まいは比良や湖北も及ばない別世界です
真新しい避難小屋もありますし、テン泊適地もいくつもありますよ
私も次にいつ行こうかともう考えています
のんびりテント泊!
っと、思ったら、結構修行も〜
しっかり冬の道もあったのですね。
山上ヶ岳の山頂、素敵な景色ですね。
行ってみたい〜、けど、行けない場所ですので、
monsieurさんのレコとお写真で満喫させていただきました
アルファ米はあきらめて、味噌汁と抹茶ラテの組み合わせのお食事、、、。
私も同じことするタイプなので心境わかります〜
もっとのんびりするはずだったのに・・・
なんてちょこっと思いながら、でも不思議とテンション上がりまくりで2日間があっと言うまでしたよ
帰って数日経過しても楽しかったことしか思い出さないのは、結局私はこんなのが好きなんですね
slowlifeさんは霊山で福寿草ですか
私も頭を春モードに切り替えて動き出しましょうか
誰ですか? 「おまえは年中春モード 」なんて言ってるのは
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