北アルプス/常念岳〜蝶ヶ岳
- GPS
- 32:00
- 距離
- 16.5km
- 登り
- 2,263m
- 下り
- 2,246m
コースタイム
7:25 三股駐車場 出発
7:45 三股 登山計画書提出
8:30 標高1650m付近 5分休憩
9:20 標高1950m付近 5分休憩
10:14 標高2200m付近の樹林帯の稜線
10:24 標高2200m付近の泥地帯 5分休憩
10:35 標準点櫓跡 通過
11:20 2355m 20分位休憩 昼食
13:20 前常念岳石室前 10分休憩
15:00 常念岳・前常念岳分岐
16:10 常念小屋キャンプ指定地 到着
行動時間 8:30位
休憩時間 多分トータル2時間位
<2日目>
5:40 常念小屋キャンプ指定地 出発
7:10 常念岳 30分休憩
9:15 常念岳を下って最初のピーク手前 10分休憩
10:05 2592mピーク 5分休憩
11:10 蝶槍 45分休憩
12:30 蝶ヶ岳ヒュッテ 30分休憩
15:20 まめうち平 10分休憩
16:55 三股
17:15 三股駐車場
行動時間 8:30位
休憩時間 トータル3時間位
過去天気図(気象庁) | 2011年07月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
予約できる山小屋 |
蝶ヶ岳ヒュッテ
|
写真
感想
北アルプス常念岳〜蝶ヶ岳周回
<登山計画と実際のコースタイム編(自宅→三股)>
7月14日〜7月15日は連休を頂いたので、今期初のテント泊山行に出掛けてきました。
目的地は北アルプスの常念岳から蝶ヶ岳までの縦走を含む周回コースです。
今回は私のもうひとつの趣味である熱帯魚のお友達で同じ地方に住むK氏とM氏の3人で行ってきました。お二人とはかれこれ10年近く仲良くして頂いていると思います。
熱帯魚関連のweb界からしばらく遠ざかっていたのですが、同じように熱帯魚を飼育されているある方から頂いた年賀状に「山始めました」と書いてあり、私とほぼ同時期だったことに驚いたことを話題に出したら、K氏が「実は私も学生時代にワンゲル部で・・・」となり、今回のメンバーが結成された訳です。
世の中どこでどう繋がっていくかわからないものですね(笑)
登山計画書 実際のコースタイム
<1日目>
7:00 三股駐車場 出発
7:25 三股駐車場 出発
7:15 三股 通過
7:45 三股 登山計画書提出
8:30 標高1650m付近 5分休憩
9:20 標高1950m付近 5分休憩
10:14 標高2200m付近の樹林帯の稜線
10:24 標高2200m付近の泥地帯 5分休憩
10:35 標準点櫓跡 10:35 標準点櫓跡 通過
11:20 2355m 20分位休憩 昼食
12:35 前常念岳
13:20 前常念岳石室前 10分休憩
13:25 常念岳
14:25 常念小屋キャンプ指定地
15:00 常念岳・前常念岳分岐
16:10 常念小屋キャンプ指定地 到着
行動時間 7:25 行動時間 8:30位
休憩時間 0:00 休憩時間 多分トータル2時間位
登山計画書 実際のコースタイム
<2日目>
5:00 常念小屋キャンプ指定地 出発
5:40 常念小屋キャンプ指定地 出発
6:20 常念岳
7:10 常念岳 30分休憩
9:15 常念岳を下って最初のピーク手前 10分休憩
9:50 蝶ヶ岳三角点
10:05 2592mピーク 5分休憩
10:20 蝶ヶ岳ヒュッテ
11:10 蝶槍 45分休憩
12:10 まめうち平
12:30 蝶ヶ岳ヒュッテ 30分休憩
13:30 三股
13:45 三股駐車場
15:20 まめうち平 10分休憩
16:55 三股
17:15 三股駐車場
行動時間 8:45 行動時間 8:30位
休憩時間 0:00 休憩時間 トータル3時間位
※行動時間は休憩を含まない歩行時間です。
※計画書の区間タイムは山と渓谷社が出版する複数の書籍に記載された標準タイムを反映しています。
※2日間共午後はバテ過ぎてメモする気力も無かったので、上に記載していませんが他にも何度か細かい休憩をしています。
標準コースタイムうんぬんではなく、実際の行動時間が7時間を越えると体力がなくなり、気力もなくなることが分かりました。尚、今回はポカリスウェットの顆粒以外のサプリメント類は一切使用していません。
<常念寺の荒行編 (三股→前常念岳)>
今期初のテント山行ですし、奥様以外の方と行く初めてのテント山行ですし、長年仲良くして頂いているご近所のお友達との山行ですし、出発前からかなりワクワクしていました。
対奥様用に購入した2人用テントと鍋セット&ストーブの実戦デビューでしたので、
「どうせなら対奥様用の全装備を背負って行こう!」
そう調子付いたのが全ての間違いの始まりかもしれません・・・今となっては。
7月13日
定時に仕事を終え、急いで家路につきました。明朝3時には出発しますので、帰宅後簡単な食事を済ませて、風呂に入り、クーラー嫌いの奥様に配慮して自宅の駐車場で自家用車のエンジンをかけてクーラーをガンガンにかけて仮眠しました。とにかく短い時間で爆睡したかったのです。
7月14日
3:00
K氏とM氏が我が家に迎えに来てくれました。全線高速道路で移動し、途中で中央道犇陬嘘戰僉璽ング瓩妊肇ぅ豕抃討板食を摂りました。朝食はK氏がおにぎりなどを差し入れてくださいましたので、有難く頂きました。
7時過ぎにほぼ予定通りに三股の駐車場に到着しました。ちなみに豊科インターから30分程度のしっかりした舗装路が敷かれており、途中に爐曚蠅如爾罅嫉裕┐龍伸瓩箸いΣ浩施設もありました。
今回の山行の最初の関門は犹宛圓肪鷦屬任るかどうか?瓩任靴拭E着するまでドキドキでしたが、意外にも25台ほどしか泊まっていなかったので楽勝でした。事前に地元のタクシー会社さんに電話で質問してみましたところ「多分一杯で停められないと思う」との事だったので心配していたのです。余談ですがこの駐車場は我々が到着した時も帰る時もドコモの電波はビンビンでした。
7:25
三股駐車場を出発しました。トイレもありますし、すぐ脇にも水場がありますが飲めるかどうかわかりませんし、飲み水は三股の登山相談所手前に湧き水がありますのでそちらの方が良さそうでした。
7:45
三股の登山相談所のポストに登山計画書を投函しました。管理人さんは不在でした。
相談所を過ぎるとすぐに小さな橋を渡り、渡るとすぐに分岐点があります。立派な道標が立っています。左が蝶ヶ岳で右が常念岳です。右の常念岳方面に進路を取りました。常念岳方面は即登り道です。
今期初のテント泊装備はバックパックを含めた総重量で25キロ以上あったと思います。※重さは量りませんでした。この時点で怠慢の始まりです。65ℓのバックパックに二人用のテント・二人用の鍋・重いほうのマット・重いほうの寝袋・・・とにかく自分が所有しているもので、選択肢があるものは全て重い方、または大きなものを持っていきました。非常食も2人分・・・対奥様用の歩荷訓練のつもりでした。さすがに重かったです。
8:30
標高1650m付近で5分休憩しました。荷物は重かったですが、まだまだ体力・気力とも充分でした。
9:20
標高1950m付近でさらに5分休憩しました。30分毎に給水の立ち休憩をして、1時間毎に腰を下ろして小休止しました。ギンリョウソウがあちこちに咲いていました。
10:14
標高2200m付近の樹林帯の稜線に到着しました。朽ちかけた道標とちょっとした広場がありましたので、ここが標準点櫓跡かと思いましたが、地面が水溜りを含んだ泥地帯だったので、ここでは休憩しませんでした。しかし、しばらく高度が上がらず水平移動する間、ずっと泥地帯だったので、
10:24
結局、泥地帯で5分休憩しました。歩き出してもしばらく泥の水平移動を余儀なくされました。この間ずっと爐Αこ瓩両紊鯤發い討い覽なでした。「ぐちゅっ!」という音もグロくて精神的に辛いひと時でした。
10:35
泥地帯を抜けると、すぐに本当の標準点櫓跡っぽい地点を通過しました。場違いなコンクリートの土台らしきものがあったのでそうだと思いました。
11:20
高度2355mにちょっとした広場がありましたので20分位休憩し、昼食を摂りました。2万5千分の1地図にも2355mと記してありますし、腕時計の高度計も珍しくビンゴでしたし、この先は急登ですので丁度良いと思ったのです。
私の昼食は甘いミニクロワッサン6ヶとインスタントのシジミの味噌汁です。
小バエや小さな蜂類が集まってきたので、自家製ハッカ油スプレーで弾幕を張っておきました(笑)
20分ほど休憩した後、ガスに包まれた前常念岳への岩の急登に取り付きました。
この急登は標高差で300m位です。大きな岩盤で形成された斜面ではなく、人間が膝を抱えて丸くなった位の大きさの岩や、大きな牛の胴体程の大きさの岩が積み重なっている感じでした。登り始めは背の低い樹木と岩と砂の道ですが、段々ハイマツと岩になり地面の露出が少なくなってきて、後半はゴロゴロした岩の上を渡り歩くような急な斜面になります。斜度がキツい所が数箇所ありましたが、梯子や鎖やフィックスロープ等は設置されていませんでした。しかし、危険と感じた場所はありません。時々ガスが晴れて、真っ青な空と前常念岳のピーク近くが見え隠れすると、テンションが上がりますが結構カラダは辛いです。如何にもアルプスっぽい岩だらけの道と左右には大きな岩を散りばめた美しい緑色のハイマツ帯の斜面が広がり、
「このコースと常念岳を選んで良かったなぁ〜・・・」
と感慨に耽ることがしばしば・・・
でも、岩場が苦手なM氏は
「手強いなぁ〜!常念岳ぇ〜!!ナメとったぁぁ〜!!」
とボヤいていました(笑)
結局この日だけで10回はこのセリフを聞きました(笑)
M氏が言うには山歩きは
「荒行」
とのことです。元々山歩きに興味はなかったと思うのですが、仲良しのK氏の影響で去年からやり始めて、今回が初の山のお泊り。ご本人は精神修行として山歩きに取り組んでおられるとの事。故にここは
「常念寺」
という訳です。
常念岳周辺全体に言える事ですが、○や×などの目印が無粋でない程度に親切に印してありますので迷うことはありませんでした。
13:20
前常念岳石室前に到着しました。
<絶望!彼方の常念岳山頂編(前常念岳→常念小屋キャンプ指定地)>
13:20
前常念岳石室前に到着し10分休憩しました。この時点ではまだガスに包まれており展望はありませんでしたが、時々パッとガスが途切れて綺麗な青空が見えたので清々しい気分になることができました。
石室の中を覗いてみました。建物は岩に埋もれるような造りになっており、内部の壁は正面以外は岩が露出しているだけです。急な雷や雨は凌げると思うので、ピンチの時にはかなり助かると思います。
この時点で結構疲れていましたので、水場さえあればここで一晩明かしたい気分でした。
しかし、そういう訳には行きませんので気力を振り絞って先に進みました。
前常念岳と言っても、常念岳の肩のような場所ですので明確なピークはありませんでした。
しばらくは巨岩が折り重なった水平な稜線でした。これが結構歩き難い!言うなれば岩の平行登攀みたいな感じです。印が打ってあるので迷うことはありませんが、全身を使って移動しなければなりません。これが荷物が軽ければまだ楽勝かもしれませんが、25Kg越えのバックパックを背負って歩くにはバランスを取っているだけで体力を消耗しますし、止むを得ず四つん這いにならなければならない時は辛いです。
ただでさえ疲れ始めている時間帯に思った以上の負担を強いられて、段々大きな岩に座り込む事が多くなりました。
K氏だけがそれでも元気に歩いていました。M氏は元々岩が苦手なので慎重な歩き、私は情け無い事に単純にバテバテ・・・。カラダは何処も痛くありませんでしたが、とにかく元気というかパワーが出ませんでした。こういう体験は初めてでした。結局翌日も同じようにバテバテで他のお二人にご迷惑をお掛けすることになりました(時間的に)。
前常念岳から常念岳に連なる岩石の稜線からはなかなか常念岳のピークが見えませんでした。ガスに包まれていた事もそうですが、稜線上にいくつかの小さなピークがあるのでそれらをひとつひとつ越えていかないと先が見えないのです。
「あそこまでガンバろう・・・」
と気力を振り絞り、次のピークを越えた先のガスの切れ間に次のピークがあると、
「今度こそ常念か・・・?」
という、願望を持たないと心が折れそうでした・・・というより折れていました。
そんな中、先行していたK氏が小声で私に知らせてくれました
「雷鳥がいますよぉ〜」と。
私は実物の雷鳥を見たことがありませんでしたので、逃げる前に早く見に行きたかったのですが、足が思うように上がらず気持ちばかりが焦っていました。
何とか雷鳥さんが逃げてしまう前に出会うことができました。しかも至近距離で。
後から追いついてこられたM氏も無事に雷鳥に出会うことができました。私たちはラッキーでした。
雷鳥を見ることができたので、皆かなりテンションアップしたのですが、直後に絶望を味わいました。
相変わらず体力的に先行していたK氏の足が止まりました。
私は前方を見上げました。そこにはまさかの光景が・・・。
雷鳥を見た後で歩き出した先に見えていた小高いピークが常念岳の山頂だと思っていました。前常念岳から常念岳手前の分岐までの標準コースタイムは55分です。正直楽勝だと思っていました。かれこれ55分以上経過していたと思いましたし、ここまでいくつかの偽ピークに騙されてきていましたので、今度こそ間違いないと思っていました。しかし・・・。
ガスが過ぎ去り、真っ青な青空と共に姿を現した常念岳のピークは・・・。
「あれっ?もしかしてあっちが常念ですかね?」
K氏が言いました。
私も信じたくはありませんでしたが、ここからまだ1時間くらい掛かりそうな距離・・・明らかなオーラを纏った岩峰・・・我々の目前のピークより100mは高いであろう高峰・・・
「あれですね・・・ガクッ・・・」
私はその場に座り込んでしまいました。
多分この時点で、登山計画書通りなら常念小屋に到着しているハズでした。日暮れまでには到着できるとは思いましたが、疲れ切っていて廻らない頭で考えても常念岳の手前の分岐まで1時間・・・そこから小屋まで下るのに1時間・・・単純に2時間・・・。時間もそうですが、体力的に非常に心配になりました。
座り込んで休みながらいろんなことを考えました。登山計画書を作ったのは私です。複数の山岳ガイド本や付録の地図とにらめっこして作った完璧なハズの計画書・・・。
「コースタイムを見間違えたか・・・?」
「累積時間の計算を間違えたか・・・?」
「今日は何でこんなにしんどいのか・・・」
「自分の体力はこんだけのものか・・・?」
いろいろ考えました。でも、ここまで来たら行くしかありません。小屋ではキンキンに冷えた生ビールも待っています。
そこからは無心で歩きました。無我の境地に辿り着く寸前の心持で。雑念も煩悩も無い、常念岳の山頂と青空と岩・・・そして同郷の仲間・・・。正直この辺りの記憶があまり無いものですから細かく書けません。
「槍が見えますよぉ〜」
というK氏の叫びで我に返った気がします。
15:00
遂に常念岳と前常念岳の分岐に到着しました。梓川系の谷を挟んだ向かいの稜線には北アルプスのランドマークである槍ヶ岳がハッキリ見えました。私的には見るだけでテンションが上がる点では富士山と同等の存在感です。
分岐から常念岳の山頂までは数分で行けそうでしたが、どっちみち翌日越えなければなりませんので、すぐに常念小屋まで降下しました。
この下りも結構辛かったです。眼下に見えてはいるのですが、急な斜面ですから道がつづら折になっていて、直線的に近付くことは出来ないのです。下っている間も、槍ヶ岳がずっと見えていることがせめてもの救いでした。そして、
16:10
当初の計画より1時間半遅れて常念小屋に到着しました。
テント代と水2ℓ。そしてついに待望の
「びぃーるがぁ〜!キタッー!!!!!!」
玄関先で立ったまま生ビールを10秒程度で飲み干し、更に受付前の自動販売機で350mlの缶ビールも購入。意気揚々とテント場へ。
小屋のすぐ隣に区切られたスペースがあり、こちらはトイレが近い区画。我々はトイレから遠い方の区画を選択。
早速テントを設営しました。私も対奥様用の二人用テントの初実戦配備でしたし、K氏も下ろし立ての新品のエアライズ2の初幕営でした。
ハイマツの上にそれまで着ていた濡れ濡れの服や帽子や手拭いを広げて乾かしながら、3人それぞれリラックスウェアに着替えました。私は缶ビールを飲みながら、真正面に見えている槍ヶ岳や大キレットを眺めていました。
テント場の区画はどちらもガラガラでしたが、どちらかというと小屋やトイレから遠い方が静かに寝れるかなと思ったから選んだのですが、これがミス?というか新たな経験を積んだ・・・というか・・・。
我々の幕営した区画の最下段がヘリの荷物の積み下ろし地点となっており、しかも我々がテントを張ってから計5回もヘリが着ました。初めて着た時は新鮮だったのと好奇心が勝っていたのですが、後の4回の内2回はかなり接近していたので、テントが飛ばされそうでしたし、テントポールがあり得ない曲線を描いていました(笑)
でも、常念小屋のスタッフの方たちはとても気さくで親切でしたので、手が空いている人は我々のテントが飛ばされないように一緒に押さえてくださいました。皆さん笑顔が素敵でとても好印象でした。午後7時頃、ヘリの作業が終わったので
19:10
夕食を作って食べました。私の晩御飯は煮詰めるだけのパスタ爛愁襦Ε譽ーネ エスプレッソパスタ・レジネッレ・アラビアータ瓩肇侫薀鵐好僖鵑任后フランスパンは空腹の調整と鍋についたソースを拭き取る役目もあります。
それぞれご飯を食べた後は、反省会を開く間もなく即眠りました(笑)
20:00
就寝。泥の様に眠りました。覚えて無いくらい久しぶりに夢も見ずに・・・。
<絶景!常念岳からのご褒美編 (常念小屋キャンプ指定地→蝶槍)>
寝ている間、夢も見ずに爆睡していましたが、何度かは目が覚めました。やけにテントの天井が明るいのが気になりましたが、眠さの方が勝っていたのでそのまますぐに目を閉じると眠れました。
午前3時に起床してテントから出ると、とてつもなく明るい満月で夜明け前にも関わらず、テント場全体や周りの山々がハッキリ見えました。お陰で星はあまり見えませんでした。雲ひとつ無い快晴には違いありませんでしたが、月の光が強かったのです。夜中ずっとテントの天井が明るかったのがコレです。
寝ぼけながら煙草を吸っていると、K氏がコーヒーを作ってご馳走してくれました。美味しかったです。
私は朝食のチキンラーメンを作って食べました。フランスパンの残りも少しかじって満足しました。そして、トイレに朝のお勤めに参りました。
常念小屋の外トイレはなかなか綺麗でした。独立した樹脂製?のトイレ(山や工事現場によくあるタイプ)が3棟か4棟ありました(曖昧ですいません)。紙も備え付けてありますし、頻繁に床や内壁を掃除してある印象を受けました。所謂爐椶辰箸鵐織ぅ廰瓩濃罎魯乾瀏△房里討襯襦璽襪任后1躬柿颪離謄鵐半譴離肇ぅ譴鉾罎戮燭蘚傾颪任靴拭
午前4時半頃、日の出を見る人たちで小屋の東側の丘にほとんどの人が集まっていました。
見渡す限りの雲海でした。先々週登った八ヶ岳が孤島の様に浮かんでいました。風景から察すると2300m〜2400m以上が雲の上に出ていると思いました。ご来光を眺めた後、テントを撤収して、パッキングし、小屋で水を買いました。小屋の主人がいらっしゃったので、麓の温泉の割引券を頂きました。
5:40
常念小屋を出発しました。予定より40分遅れていましたが大した問題ではありませんでした。相変わらず曇ひとつない槍ヶ岳を眺めながらスタートしました。
この時間は涼しかったので、ゆっくりもっちり歩けば全然汗が出てこなかったので、比較的楽に登ることが出来ました。
7:10
常念岳に到着して30分休憩しました。疲れて休憩したと言うよりも、想像以上の穂高の絶景にその場に釘付けにされた感じです。東に富士山・・・その右に南アルプス・・・北に横通岳・・・その奥に燕岳・・・大天井岳・・・西は右から槍ヶ岳・大キレット・穂高連峰・・・その中に高校生の時に登った奥穂高岳・・・南にはこれから歩く蝶ヶ岳への縦走路・・・。
ここを大展望と言わずして何処を大展望と呼ぶのでしょうか?というような絶景。感動しました。
山頂付近は20人ほどなら余裕で滞在できる広さがあり、先に到着していた方々は三脚を使って本格的に写真を撮っている方や、穂高方面をスケッチしている方もいらっしゃり、それぞれこの気持ちの良いピークで時間を過ごしていました。我々も何枚もここで写真を撮って、蝶ヶ岳への縦走路に向かいました。
山頂から見ると下り始めがとてつもなく急峻に見えましたが、行ってみると道がしっかり出来ているので不安はありませんでしたし、危険と思える箇所はありません。相変わらずしっかり○や爛縫奪灰螢沺璽瓩打ってあるので迷うことはありません。下り全域が岩から岩を股いで歩く道です。岩の表面がザラザラしていて岩と岩が良く噛んでいましたので、落石などに気を使うことは少なく済みました。
9:15
常念岳を下って最初のピーク手前で10分休憩しました。この頃はまだまだ元気でした。しかし、段々太陽が昇り始めると暑くなってきて、次第に口数も減ってきて、次第に日光を浴びるのが嫌になってきました。蝶ヶ岳への稜線歩きは半分くらいは樹林帯の中ですが、それでも天気が良すぎて容赦なく紫外線が攻撃してきます。前回の八ヶ岳の反省を生かして今回は日焼け止めを厚塗りしてきたので日焼けはしませんでしたが、とにかく日光が嫌でした。
段々東側の雲海の雲が稜線上まで湧き上がってきたので、
「早く来いっ!もっと来いっ!」
と心の中で叫んでいました。贅沢な願いです。本当は晴れている方が気分いいのに・・・。
10:05
高度2592mのピークに樹林帯の日陰が出来た広場があったので5分休憩しました。
ここからは蝶槍がハッキリ見えました。本当に槍のように見えます。まだちょっと距離がありそうなのが憎らしかったです。
また、歩き出すと綺麗なお花畑の小道がありましたが、日光が嫌なのと疲れ始めていたので素直に感動できませんでした(笑)
花畑の小道を登るとその先に蝶槍が見えました。しかしっ!その前に下りがぁ〜!!
何と無慈悲な事でしょう。目指す蝶槍の手前は高度が随分下がっています。地図を見ていたので薄々気付いてはいましたが、目の当たりにすると疲れ始めた心と体が「ポキっ!」と音を立てて折れました(笑)。
ここからとにかく無心で歩き始めました。途中に赤茶けたインドネシアの川の様な色をした小さな池がありましたが、カメラを取り出すのも億劫でした。
蝶槍への登りはとにかく辛かったですが、敢えて立ち止まらずに一気に登りました。実際来てみると大した坂道ではありませんでしたが、累積した疲労と紫外線でグロッキーでした。
11:10
K氏は先に到着していた。タフなお方です。私も何とか蝶槍に到着し、ちょっと遅れていたM氏を待ちながら45分休憩休憩しました。
<嫌な予感編(蝶槍→蝶ヶ岳ヒュッテ)>
11:10
蝶槍に到着し、昼食を摂りながら45分休憩しました。相変わらず穂高連峰が真正面の雲ひとつ無い空間の中に広がっています。
常念岳から抜きつ抜かれつを繰り返していた10名ほどの団体さんも到着し、しばらく賑やかな時間が過ぎました。遅れていたM氏も到着しましたが、今日は
「蝶ヶ岳をナメとった!手強いな蝶ヶ岳!」
とボヤいていました・・・何度も(笑)
私はボロボロに崩れたカロリーメイト1袋とソイジョイ2本と水で溶かしたハイCレモンドリンクを流し込みました。こういった疲れた時にはストレートにビタミンを摂ると元気が出ます。
しっかり休んだので歩き始めました。
12:30
蝶ヶ岳ヒュッテに到着しました。
<HP1から4時間の下り編(蝶ヶ岳ヒュッテ→三股)>
12:30
蝶ヶ岳ヒュッテに到着し、玄関前の日陰にバックパックを下ろしました。先ずは飲料水の補給です。私は常念小屋で小銭を使い果たしていましたので、両替するつもりで小屋の中に設置された自販機で飲み物を買いました。ほとんど缶ビール・・・(汗)
・・・ビール飲みたいけど帰りの運転頼まれてるし・・・
・・・今から3時間汗かいて、風呂入ってから運転代われば大丈夫かな・・・
・・・でも・・・体力的に限界だから飲んだら歩きたくなくなるかも・・・
・・・悩むこと10秒・・・
・・・「ポチッ」・・・「ガラン!」・・・
ぺプシネクス400円也!・・・しかもちっちゃいヤツ…
山の稜線上だから仕方がないです。そして、自動販売機の奥にある飲料水の販売コーナーへ。
「飲料水・・・1ℓ150円・・・」
「ひゃくごぉじゅぅ〜えん〜〜??」
50円って・・・。
折角両替したのに50円って・・・・。自動販売機に50円単位の飲み物売ってなかったし・・・。
「1ℓ200円でいいじゃん!」(200円投入しても良かったのですが・・・)と、ツッ込みたくなりましたが、良く考えたら貴重品袋に緊急用の小銭フルセットが入ってた・・・。
常念小屋もそうでしたが、料金箱に自己申告で代金を投入して、自分で蛇口をひねって代金分だけ水を補給するシステムです。今からの下り道の途中に水場があることは知っていましたが、枯れていたらアウトなので念のため1ℓ補給しました。
ついでに外のトイレも借りました。多分キャンプ指定地と兼用なのでしょう。建物は立派で、中は広いのですがハエが軍隊で待機していました。ムシ嫌いの私には辛いことです。
結局30分休憩して、小屋を回り込むように三股への下り道に向かって歩き始めました。
小屋の裏(南)がキャンプ指定地になっており、その東側に三股への道がありましたが、更に南に1分〜2分丘を登るとそこが蝶ヶ岳の山頂のようです。Mountain-birdさんとM氏は山頂に行きましたが、私は分岐点で待つことにしました。ハッキリしたピークでは無かったですし、高校生の時に登りましたし、何より穂高の山並みと2日間ずっと我々に姿を見せてくれていた槍ヶ岳との別れの時間を大切にしたかったからです。
ひとり分岐点でバックパックを下ろして座り込み、見飽きかけていた風景をもう一度良く見ました。今後、こんな好天に恵まれるチャンスが何度もあるとは思えません。眼球の奥に焼き付けるくらいの勢いで鎗の穂先を見つめました。
5分も経たずにお二人が帰ってきたので、遂に稜線に別れを告げて下り始めました。
蝶ヶ岳から三股への下り始めると、すぐに森林限界は終わり樹林帯になります。展望も無いですし、ガスに包まれていましたし、あとは駐車場に帰るだけですし、いつものことですが最後の下りは面倒です。でも、この時は未だ形になっていなかった底知れぬ不安の方が強かったです。
・・・荷物が重いから慎重に下らないと膝を痛めるかも・・・
・・・去年の晩夏以降膝は完治したけど、疲れきったこの時間帯から3時間も下ったら再発するかも・・・
・・・そうなると、遅くなって二人に迷惑かけるな・・・
どんどん不安になってきたので、とにかくゆっくり下りました。
途中で一緒になった初老の単独の男性に「若いから先に行ってください」と言われたのに30分もせずに「どうぞ先に行ってください」となる始末・・・。更にあきらかにK氏とM氏よりも遅くなりそうだったので、先行してもらい、私は最後尾からゆっくりもっちり下りました。
ひとりになってからすぐに両足の小指の先が痛くなったので、ハッとしました。靴紐が緩みっぱなしだったのです。今日はそれほど急な登りや下りがないと思って気を抜いていました。完璧に皮が捲れてしまう前に処置しないと歩行に支障をきたすので、バックパックを下ろせるスペースを見つけて、靴と靴下を脱ぎ、小指を絆創膏で保護しました。左足の薬指の先は既に皮が捲れていましたのでキズパワーパッドというハイテク絆創膏で処置しました。そして、しっかり靴紐を締めて歩き出したら、幾分か楽に歩くことが出来ました。
程なく水場がありました。先行のお二人は既に水の補給も終わって、休みつつ待っていてくれました。この時点から随分時間的にご迷惑を掛けていたと思います
更に先行して貰い、私は最後尾で歩き出しました。不思議なのは、何処も痛くないですし、調子が悪い訳ではないですし、下りなのに足が進まないのです。下り始めは意識的にゆっくり歩いていましたが、この時点では逆に敢えて急ごうとしても早く歩けなくなっていたのです。
15:20
まめうち平という樹林帯の中の広場に到着しました。動きが悪くなったのは空腹のせいかも?と思ったので、カロリーメイト1袋とソイジョイ1本を食べました。更に水筒の水にポカリスウェットの顆粒を濃い目に溶かして飲みました。10分休憩しましたが、状況は変わりませんでした。
ここからが更に長く感じました。体中のどこも痛くないのに足取りは重い・・・。帰りの時間が遅くなって同行のお二人に迷惑を掛ける・・・気は焦るが体はなかなか前に進まない・・・。
何人の人に追い抜かれたか分かりません。正直、単独で来ていたらガス欠でビバークしていたかも知れません。何度も何度も座り込んではまた歩き出し、高度計を見ては絶望し、「三股まであと○○km」という看板を見ても更に絶望し・・・。
そんな中猯録絖瓩箸い水場に着きました。水場から下は登山道が川のようになっています。増水している訳ではなく、いつもこういう状態だと思いました。楽しげな場所なのですが、テンションは上がらず、水を汲む気にもなりませんでした。
そのまま沢沿いの道となり、渓谷に掛けられた鉄の橋を渡りました。床は網目になっているのでちょっとだけスリリングです。一人で渡りましたが意外に揺れました。こういう場所も元気があればテンション上がるのですが、この時は思い出したようにカメラを取り出したのが精一杯でした。
16:55
遂に三股の登山相談所の詰め所まで辿り着きました。ポケットから自作の登山計画書を取り出して、標題の「登山計画書」に横棒を入れ、「下山届け」に丸をつけてポストに投函しました。
そこからの林道の長く感じたこと・・・。3回くらい三股駐車場のトイレの建屋の幻を見ました。精々15分ほどの林道の途中で2回は崩れ落ちるように座り込んでしまいました。本当に情けないことです。でも、これ以上遅れる訳にもいきませんので無心で歩きました。
17:15
三股駐車場に着いた頃には、日は傾き始めていました。今晩から仕事があるmountain-birdさんには時間的なご迷惑をかけたばかりか、帰りも運転して頂いて、感謝しても感謝し切れえません。
豊科インターチェンジに向かう途中にある爐曚蠅如爾罅嫉裕┐龍伸瓩卜ち寄り、豊科インター近くのお蕎麦屋さんで夕食を頂いて帰りました。
おわり(全部読んで頂けたのなら嬉しいです)
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