白滝から北大雪の長い稜線を堪能 〜平山−比麻奈山−比麻良山−文三岳〜
- GPS
- 07:40
- 距離
- 13.4km
- 登り
- 1,016m
- 下り
- 1,018m
コースタイム
復路 文三岳(12:00)→比麻良山(12:30)→比麻奈山(12:50)→平山分岐(13:20)→白滝コース登山口(14:40)
天候 | 晴れやや薄曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
駐車場は広くはないが10台ぐらい停められそうに印象。 |
感想
比麻良山に行ってきました。ヒマラ山です!えっ、ヒマラヤ? 初めての北大雪行きにこんな珍妙な山を選んでしまったのも、先々週の縦走時に通りすがりの人が「ヒマラヤマなんていう山があるんですよ」って話してたのを耳にしたから...前から行きたいと思っていたニセイカウシュッペ(以降ニセ)の地図を調べてたら、東側に何やら良さそうな稜線を発見、ピークに比麻良山と書いてあります。何て読むのかなと思った矢先「ん?ヒマラヤマ??これじゃん!」みたいな感じで...よくよく調べるとこの稜線の山々、層雲峡側からヒラヤマ、ヒマナヤマ、ヒマラヤマですって!何という適当な名前。もう行くしかないだろうということで。
朝4時に札幌を出発し6時過ぎに白滝着。高速がつながったので驚くほど速い。白滝から上支湧別を過ぎると、10km近いダート道である。登山口はすでに4台ぐらい車が停まっている。人気の山のようだ。ここは既に標高1000m。稜線までは藻岩山+αぐらいかと高をくくっていたら、浮石が多くて足場が安定せず思いのほか苦戦。反面、稜線は安定して歩き安い。まずは平山山頂へ快適に到着...入山届では先発隊がいるはずなのに誰もいない。周囲を見渡すと山頂碑の向こう側に続く道を発見。進むと人がいた。気の良さそうなじいちゃんだ。
というか、その前に景色が半端ないんすけど。左側には東大雪の石狩岳から沼の原、正面には五色の稜線から黒岳、御鉢平、北鎮岳の表大雪まで全部一望できる。じいちゃん曰くココは大雪の展望台でニセなんかよりこっちの方がいいと。いや、確かに。自分が今まで数年掛けて登った山々が一望できるとは素晴らしい。手前の渓谷からは白い小さな点が移動していくのが見える。黒岳ロープウェーだ。先々週の下山時に乗ったときは、あれ程文明を感じたロープウェー駅が四角い点にしか見えなくて、あとは緑一色、リフトなんて形すら見えない。大雪の地図を広げつつじいちゃんとあそこのピークは何だと話しながら自然の大きさを感じた瞬間であった。
平山のじいちゃんと別れ、いざ比麻良山に...別れ際「ヒマラヤに行って参ります!」と言ったら苦笑された。ここが長い稜線歩きの起点。ここの地形的特徴は標高差100mちょっとの稜線が4km近く続くこと。稜線歩きが好きな人にはたまらない条件。というか大雪でこんな地形は他にないと思う(高根ヶ原は平坦だが高原歩きの印象だし)。
歩き始めると両側の視界を遮る樹木がない地図でイメージした通りの稜線らしい稜線。岩場からはナキウサギの声が聞こえる。途中、道の不明瞭な箇所で念のためケルンを積んだりしつつ40分弱で比麻奈山へ。山頂標識はないが、この稜線の最高峰でケルンも積んであるので山頂だと理解できる。ここで急峻なアンギラスの背からニセに向かう踏跡が左に分岐する。右は比麻良山から文三岳に続くなだらかな稜線だ。何と対照的な絵だろう。
比麻奈山からは左手に見えるニセの変化を楽しみつつ20分ほどで比麻良山に到着。数年前はあったらしい山頂標識が見当たらないが、三角点が山頂であることを主張している。ここで記念撮影。管理人は滅多に自分を撮ることはないが、何となく今日はそういう気分。夏の終わりを感じさせるトンボの群れも一緒に写真におさまった。奥にはニセイカウシュッペが顔を出している。夏休みの縦走で出会った増毛組が来週アタックするらしい。天気が良ければ同じ日に行ってみようと思う。
ヒマラヤと言うには何とものどかな山頂で、2平米ぐらいの平らな巨岩に腰を下ろすとお腹が鳴る。先の文三岳まで行ってから昼食と思っていたが、雰囲気に負けてお店を広げる。食事をしながらホゲ〜としていると、文三岳なんてどうでも良くなってくる。ここで引き返そうかと思い始めた矢先に文三岳に向かう男性が通り過ぎる。地図を広げると片道1km高度差80m。腹ごなしには丁度良さそうだ。
比麻良山から先は急に道が悪くなる。道というよりは踏跡という形容が似合う。行く人が少ないのだろう。ブヨブヨしたハイマツの根の道を進むとクマの糞を見つけ気を引き締める。先の踏跡にはコマクサなど高山植物も多い。気を付けてたがうっかり踏んでしまう。あと5年もすると地図から消えてしまいそうな道を進むに連れ、今通っておいて良かったと思い始める。ふと前を見るとキタキツネがいる。私の食料を狙っているのかと警戒しつつ進むと猛スピードで逃げていく。本当の意味で野生だ。里のキツネと違って全く媚を売らない。
この区間は足下と周囲に気を配っていたので景色の印象が残っていない。山頂に着いてアンギラスの背とニセが並んできれいに見えるので驚いたほどだ。平山が大雪の展望台なら、文三岳はニセの展望台だなと思う。ここも山頂標識はなくケルンのみ。なだらかな稜線は北大雪スキー場の方に傾斜がついて下っていく。
ここからは来た道を折り返す。比麻奈山でティーブレイクをした後下山。途中で多くの人とすれ違い人気の山なんだと再認識。下り道では見事に浮石を踏んで転ぶも無傷。2時間40分で文三岳から白滝コース登山口に帰ってきた。案の定、駐車場は満車。帰りは愛別の協和温泉で汗を流して帰宅した。
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