正月登山 不動岳東尾根ピストン
- GPS
- 30:30
- 距離
- 32.1km
- 登り
- 2,774m
- 下り
- 2,763m
コースタイム
- 山行
- 5:57
- 休憩
- 0:38
- 合計
- 6:35
- 山行
- 6:27
- 休憩
- 0:57
- 合計
- 7:24
天候 | 両日とも晴れ (強風) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
千頭ダム堰堤〜天地第一吊り橋: 所々崩れているが徒歩での通行に問題はない。1箇所トンネルがあるので、要ヘッデン。 天地第一吊橋〜天地: 取り付きの尾根までのトラバースに踏み跡あり (数カ所ザレ場のトラバースがあり注意が必要)。尾根に乗れば後は天地に上がるだけ。 天地〜上西河内 (尾根下部が今回の山行の核心): 下降の尾根の最上部は支尾根の方が明瞭なのでそこを降りないよう注意(地図上には出ないが上西河内に向かって左に見える尾根が正解)。かなりの急坂のため滑落しないよう注意。下部はほとんどが崖となっており場所間違えるとロープで懸垂しないと河床まで降りられない(実際30m分懸垂しました)。上西河内に向かって左寄りの尾根末端ならなんとかロープなしで下降可。 上西河内の渡渉に関しては、現在、渇水期のため最狭部が2m以下となっており余裕のジャンプで通行可能。(この時期以外は靴脱いで渡るようですが…) 上西河内〜1188mP: 尾根への取り付きは問題ない。急坂だが人の入っている様子もある。途中に荒廃した造林小屋あり、そのまま上がれば1188mピークとなる。下降時はピーク直下の尾根が明瞭でないので、コンパス使ってしっかり方角を確認する必要がある。 ちなみに造林小屋下に段々の地形があるが、江戸時代の集落跡とのこと! 1188mP〜1551mP: 明瞭な踏み跡が各所に見られる。今は鹿道としてしか使われていないようだが、明らかに多くの人が通ってできた道と思われる。尾根としては比較的明瞭なので下降時の読図も難しくない。1200mを超えると積雪が見られる。 1551mP〜1881mP: 笹の急登だが危険箇所なし。積雪は10冂で笹もそれほど濃くないため大きな問題とはならない。地形図では尾根がぼやけているが、地図には出ない尾根があり、意外に下降時の読図は難しくない。 1881mP〜不動岳: 上部の積雪は最大30冂度。危険箇所もないのでノーアイゼンでOK。下降時は地形的に1920m付近の痩せ尾根までが難しそうだが、ここも地形には出ない尾根がありそれほど読図は難しくない。 |
その他周辺情報 | 下山後は寸又峡の日帰り温泉(タオルなしで500円)と食堂で疲れを癒せる。 |
写真
装備
個人装備 |
ヘッドランプ 1
予備電池 1
1/25,000地形図 1
コンパス 1
ロールペーパー 1
ファーストエイドキット 1
筆記具 1
保険証 1
携帯電話 1
計画書 1
ザック 1
ザックカバー 1
タオル 1
防寒着 1
雨具 1
スパッツ 1
帽子 1
登山靴 1
水筒 1
時計 1
非常食 1
カメラ 1
日焼け止め 1
サングラス 1
ストック 1 ダブルストック
軽アイゼン 1
テルモス 1
アウターシェル 1
目出し帽 1
手袋(インナー,ミドル,オーバー,替え) 1
ツエルト 1
シュラフ 1
シュラフカバー 1
エアマット 1
沢シューズ 1 渡渉用
歯ブラシ
携帯バッテリー
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共同装備 |
テント 1 Satoshi
ガスヘッド 1 Satoshi
ガス 2 Satoshi
コッヘル 1 Satoshi
8mmx20mロープ 1 Satoshi
|
感想
2021年一発目の正月登山。前回の深南縦走で残していた不動岳に行ってきた。
水窪の戸中山林道から入り鹿ノ平で幕営というのが一般的だが、ルート的につまらないので寸又峡から東尾根を詰めるルートとした。完全バリエーションや雪山なのはいいが、真冬の渡渉があり、おそらく誰もいないので若干不安を抱えつつのスタートとなった。
初日。
持ってきた嫁のミニベロを準備して寸又峡駐車場を出発!最初の林道は夢の吊橋の観光のため非常に良く整備されており、快適に進むことができる。トロッコ奥のゲートを過ぎると、落石が増え、道は悪くなるものの自転車での通行に問題はない。最近も車が通った跡があると思っていたら、なんと後ろから車両が!どうやら中部電力の方で千頭ダムの確認に来た模様。何か言われるかと思ったが、不動岳に行くというと「お気をつけて」とのこと。この方々のおかげでこの道が自転車で通れることに感謝です。
千頭ダム堰堤に着くとそこからは廃林道で自転車通行不可なので自転車をデポした。すでに一台自転車があり、さらに林道奥にも2台あり幕営している方が!正月にわざわざ千頭ダムまで来る人はいないと思ったが、いた。やっぱり自分含め物好きはいるんですね。幕営の二人はお立ち台経由で大無間山に向かうとのこと。
さて、ダムからの林道は崩れつつあったが、昨年黒法師で会った青年達の話通り問題なく通れ、天地第一吊橋も通行可能だった。ただ、この吊橋の敷板はかなり劣化しており、あと何年持つかといった具合である。
吊橋後は道は消えているという話ではあったが、行ってみると意外にもトラバースの痕跡は残っており、難なく天地まで上がることができた。
問題はここからである。上西河内までの下降の尾根を慎重に確認し、下降を始めたが、のっけからかなりの急坂で下が脆くこのまま200mも下降し河床降りられるのか?という状況となった。ただ、よく見ると上西河内に向かって左手にも尾根があり、どうやら地形図には出ない支尾根に乗ってしまっていたようだ。なんとかトラバースして、左の尾根に乗るとだいぶ下降しやすくなった。ただ、最後の30m程がどうにも急で、デカザックを背負ったままでは降りることができない。結局、20mロープを出し、3ピッチの懸垂で河床までたどり着いた。
ストックを持ってきていたが、下降中に固定用カラビナ共々外れ、消えていた。毎回山に来るとストックに何か起こる。(昨年正月は2本とも折れた)
河床に降り帰りの取り付きを探すと、左に曲がった尾根先端に行けば緩い場所があり、そこからならなんとかロープなしでいけそうだった。
上西河内の水量は少なく、なんとジャンプして渡れる場所があるではないか!わざわざ沢シューズ持ってきたものの何という幸運!デカザック背負ってえいや!でジャンプし難なく渡ることができた。
対岸の取り付き尾根は急だが、鹿やたまに人が通っているようで、歩きやすかった。ただ、上西河内で汲んだ3Lの水が重く、上西河内での下降でかなり体力を消耗しており、急坂をひいひい言いながら登った。途中荒廃した造林小屋を通り、1186mのピークにやっとのことで着いた。この時点で不動岳まではもう間に合わないし、かなり消耗していたので、とりあえず1551mのピークで幕営とすることにした(わざわざ重い荷物を上まで上げる意味もないしね)。
1186mP下のコルからは目を疑うようなしっかりとした道があった。今は鹿によって保たれているようだが、明らかに過去多くの人が通っていた形跡を感じる。マニアックな道だと思っていたのに意外だった(かつての作業道?)。
そこからは鹿が導く道をひたすら登るだけで、幕営予定地の1551mピークに辿り着くことができた。まだ13時半だが、今日は終了。さっさと幕営し、14時過ぎだったが夕飯の力ラーメン食べ、早速正月の酒盛りをはじめて今日の疲れを癒した。
2日目。
テント内の水は少し凍っていたが、それほど寒くない。爆風や鹿の鳴き声で何度か起きたけど、よく眠れた(子供がいない分、家よりも?)。今日はさっさと不動行って下山したかったので、サブザックに必要なもの入れて日の出前に出発。
最初は藪もなく快適な尾根を行く。しばらく進むと笹の急登となり、雪と相まって結構滑るが、アイゼンはいらないくらい。キックステップで一歩一歩登った。空荷なので楽だ。
順調に歩みをすすめ、1881mピークの大岩を越える。笹丈が高くなるが、濃くはないので苦労はない。雪も乾いていて軽く、多くても30センチ程なのでラッセルという感じではない。しばらく行くと、開けた場所に出た。丸盆、鎌崩の頭、そして鹿ノ平がよく見えた。いい眺め。
しばらく行くと1時間半程で不動岳到着。意外にあっさり着いた。山頂からはこれまで通した光、加加森、池口、中ノ尾根、黒沢、六呂場、鎌崩ノ頭、丸盆、黒法師、麻布の主稜線のパノラマがよく見え、素晴らしい景色だった。
鹿ノ平から誰かきてるかと思ったが、踏み跡はなくおそらく今年一番乗り?のようだった。山頂を越えると西からの爆風でサングラス、帽子が飛ばされた。流石に−10℃で強風に吹かれると寒い。長居は無用ということで適当に写真撮りさっさと下山することにした。
積雪があると自分のトレースが残るから、ルーファンがかなり楽だ。下山はあっという間で1時間程で幕営地に戻ることができた。テントを撤収し、デカザックを担ぐ。幕営地から下はほとんど雪がなかったが、予想よりも読図は楽で、あっという間に上西河内河床まで降りることができた。
河床で一休みし、いよいよ天地までの尾根に取り付く。無事尾根状に戻れるか心配していたが、慎重に行けば問題なく、無事核心部を通過し尾根に上がることができた。行きで無くしたストック探しながら急登を登った。結局、ストックは見つからず深南の遺物になってしまった。天地を越えれば、後は吊橋までサクッと下山し、千頭ダムまで戻ることができた。
寸又峡までの帰りの途中で、先にデポしてあったチャリの主と会った。かなりマニアな方で寸又峡林道やこの辺りの情報を色々と教えていただいた。諸沢山、合地山を狙っていたので、とても参考になりました。帰って調べたがどうやらYAMAPで有名な方のよう。
下山後は、冷えた身体を寸又峡温泉で温めた。
今年一発目としては、なかなか充実した山行だった。やはり深南は奥深い。オールスターはとりあえず全部登頂したが、まだまだ行くべきところが多そうだ。
コメント
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帰り道に出会った年寄「とりあたま」でございます
あんまりな寒さに高所へ上がる気力が湧かないところへ、不動岳から帰還してきた強者に出会って感嘆致しました
改めてお疲れ様でございます。
未だ寒気が居座って土砂の押し出し部が凍結しているので、通過には十分ご注意ください。
滑りだした時の恐怖を身をもって体験したばかりの身ゆえ、老婆心ながらご忠告申し上げておきますね…
とりあたまさま。
返信が大変遅れてしまい申し訳ありません。(最近ヤマレコチェックしておりませんでした。。。)
こちらこそ、正月に深南等マイナーなところに誰もいないと思っていたところ、危険極まりない日向林道の探索に行かれた方がいたことに驚いておりました。まだまだ深南初心者の身ですのでいろいろと興味深いお話が聞けて、お会いできたことほんとうによかったです。
また‘YAMAP'の方も検索し、大変興味深く拝見させていただきました。これから開拓していく上で大変参考になります。
正月以来山に行けていないですが、そろそろ深南不足気味になってきたので、ご忠告を肝に銘じてまた計画立てていきたいと思います。
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