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Yamareco

記録ID: 284566
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
東北

会津朝日岳--新雪格闘12h--

2013年04月13日(土) [日帰り]
 - 拍手
体力度
4
1泊以上が適当
GPS
11:24
距離
16.2km
登り
1,490m
下り
1,572m
歩くペース
標準
1.01.1
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

6:10白沢集落除雪終了地点-7:20いわなの里-8:20赤倉沢源流部-11:50叶の高手-12:20避難小屋-13:25会津朝日岳13:40-13:55避難小屋(昼食・休憩)14:40-15:25叶の高手-16:25赤倉沢源流部-17:00いわなの里-18:35白沢集落
※登りの赤倉沢源流部から叶の高手はアイゼンのキックステップの超急登。40歳手前の中年には3歩登って休憩の体力勝負です(登り3.5時間でも下りは1時間)。
天候 快晴
過去天気図(気象庁) 2013年04月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
残雪期に越後駒ケ岳までの縦走で有名な会津朝日岳ですが、除雪は南会津郡只見町黒谷の白沢集落まで。そこから通常登山口の「いわなの里」まで3.5kmは、シーズン中でも道路崩壊で通年通行止めです。よって入山者はゼロに近く、登山は完全に自己責任となります。2013年も復旧工事は続くそうです。詳しくは、只見町のHPで。
http://www.tadami.gr.jp/kankou/yama-top.htm
※往路のGPSの記録開始は「いわなの里」からですが、記録終点の白沢集落がスタートです。
コース状況/
危険箇所等
全路雪道でトレース一切無し、入山者の気配無し。最初の難関は、いわなの里から数百メートル奥にある渡渉ポイント。靴を濡らさない為に往路は石を伝ったが、復路は水位が高くなっていた。渡渉してから赤倉沢沿いに谷筋を進むが、雪崩の後が多数で今後も融雪の崩落に注意。赤倉沢源流部から叶の高手までは急登で、雪崩を避けて途中から尾根筋へ移るタイミングや、稜線手前の超急登でのルートファイディングスが必要です(基本は夏道と一緒なのでGPSを活用)。稜線に出てから叶の高手までは、高度感たっぷりの狭い尾根筋、尾根筋合流点でのセッピ越え、夏道は鎖がついていそうな5mの岩場よじ登りが続きます。特に稜線上に低潅木がある箇所や、稜線付近の雪が溶けてクレバスになっている箇所で踏み抜くと、一気に腰まで落ちます。叶の高手から避難小屋までは、ほっと一息の広い稜線の下りですが、小屋手前の急坂トラバースは要注意。小屋から頂上までの高度差は250mですが、最後の最後で、コケたら止まらなさそうな急登です。三角点手前も稜線と斜面の隙間に踏み抜きポイントが多くあって最後まで緊張させられます。
トレースがあったら、危険度はぐっと下がったでしょうが、アクセス道路崩壊で入山者は期待できず安全な道の選択には冬山の総合力が必要です。また日帰りでのコース攻略は、技術以上に体力も必要です(ゆっくり登ったとはいえ往復で12時間)。
装備ですが、季節外れの寒冷前線が前日まで居座っていたので、新雪が20cmあって、その下は融雪が進む粗目雪。アイゼン+Wストックで、ワカン(途中でデポ)やピッケルは使用せず。
2012年のヤマレコ登録はゼロ、避難小屋ノートの記録も数件だったので、一般ハイカーは道路復旧措置が終わる2014年以降に。
前日夜に到着して仮眠。朝6時に出発です。(登山者用Pは無いので集落の邪魔にならない箇所に駐車しましょう。)
2013年04月13日 06:06撮影 by  PENTAX Optio WG-2 GPS, PENTAX
4/13 6:06
前日夜に到着して仮眠。朝6時に出発です。(登山者用Pは無いので集落の邪魔にならない箇所に駐車しましょう。)
2011年秋の集中豪雨で道路崩壊し、閉鎖中の3.5kmを進みます。歩く分には問題ありません。2013年シーズンも工事通行止めとのこと。(いわなの里のHPによる)
2013年04月13日 06:49撮影 by  PENTAX Optio WG-2 GPS, PENTAX
4/13 6:49
2011年秋の集中豪雨で道路崩壊し、閉鎖中の3.5kmを進みます。歩く分には問題ありません。2013年シーズンも工事通行止めとのこと。(いわなの里のHPによる)
道路への雪崩あと。急斜面の積雪が緩んで落ちてきてます。
2013年04月13日 06:49撮影 by  PENTAX Optio WG-2 GPS, PENTAX
4/13 6:49
道路への雪崩あと。急斜面の積雪が緩んで落ちてきてます。
1時間ちょっとでいわなの里に到着。ここで右折して、写真の奥へ進むと。。。
2013年04月13日 07:16撮影 by  PENTAX Optio WG-2 GPS, PENTAX
4/13 7:16
1時間ちょっとでいわなの里に到着。ここで右折して、写真の奥へ進むと。。。
2011年秋までは、ここにシーズン中のPがあって、登山道開始です。
2013年04月13日 07:20撮影 by  PENTAX Optio WG-2 GPS, PENTAX
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4/13 7:20
2011年秋までは、ここにシーズン中のPがあって、登山道開始です。
途中から赤倉沢が雪下に埋もれ、谷筋を進みます。
2013年04月13日 07:44撮影 by  PENTAX Optio WG-2 GPS, PENTAX
4/13 7:44
途中から赤倉沢が雪下に埋もれ、谷筋を進みます。
両側の急斜面から、あらゆる箇所で雪崩あとが緊張感を高めます。
2013年04月13日 08:06撮影 by  PENTAX Optio WG-2 GPS, PENTAX
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4/13 8:06
両側の急斜面から、あらゆる箇所で雪崩あとが緊張感を高めます。
この写真を大画面で見ると、雪崩あとと、これから雪崩になりそうな箇所が良く分かります。
2013年04月13日 08:14撮影 by  PENTAX Optio WG-2 GPS, PENTAX
4/13 8:14
この写真を大画面で見ると、雪崩あとと、これから雪崩になりそうな箇所が良く分かります。
自然の偶然で、グリズリーが立っているような。。
2013年04月13日 08:16撮影 by  PENTAX Optio WG-2 GPS, PENTAX
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4/13 8:16
自然の偶然で、グリズリーが立っているような。。
3時間半、3歩のぼって休憩の急坂を登りきると、絶景の白銀の世界が!前日の積雪がきれいに被って、パウダースノーです。しかし、この狭い尾根を登り、写真右奥のセッピ2mを乗越えるのが大変でした。
2013年04月13日 11:11撮影 by  PENTAX Optio WG-2 GPS, PENTAX
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4/13 11:11
3時間半、3歩のぼって休憩の急坂を登りきると、絶景の白銀の世界が!前日の積雪がきれいに被って、パウダースノーです。しかし、この狭い尾根を登り、写真右奥のセッピ2mを乗越えるのが大変でした。
間違っても近づいてはなりませんね。
2013年04月13日 11:33撮影 by  PENTAX Optio WG-2 GPS, PENTAX
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4/13 11:33
間違っても近づいてはなりませんね。
叶の高手で、遠くに見える会津朝日岳を見て、引き返す弱気もでたものの、無風かつ穏やかな稜線でピッチが上がり、頂上直下の避難小屋まではあっという間に着きました。安心して横になれる休憩が本当に助かった。
2013年04月13日 12:18撮影 by  PENTAX Optio WG-2 GPS, PENTAX
4/13 12:18
叶の高手で、遠くに見える会津朝日岳を見て、引き返す弱気もでたものの、無風かつ穏やかな稜線でピッチが上がり、頂上直下の避難小屋まではあっという間に着きました。安心して横になれる休憩が本当に助かった。
避難小屋内部。一部雨漏り?が凍結していましたが、雪解け水を沸かしたウドンが激ウマ。小屋のノートによれば、2012年シーズンの記録が5件あり。アクセス道路を歩く手間をおしまなければ、登山道の夏道は荒れ気味なるも何とか登れるそうです。もちろん?2013年シーズンはゼロだったので、記入させてもらいました。
2013年04月13日 14:39撮影 by  PENTAX Optio WG-2 GPS, PENTAX
4/13 14:39
避難小屋内部。一部雨漏り?が凍結していましたが、雪解け水を沸かしたウドンが激ウマ。小屋のノートによれば、2012年シーズンの記録が5件あり。アクセス道路を歩く手間をおしまなければ、登山道の夏道は荒れ気味なるも何とか登れるそうです。もちろん?2013年シーズンはゼロだったので、記入させてもらいました。
避難小屋から30分登ると、ミニ・カールちっくな頂上斜面が広がります。登る前は、何も汚れの無い白銀のシルクな布地。
2013年04月13日 12:51撮影 by  PENTAX Optio WG-2 GPS, PENTAX
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4/13 12:51
避難小屋から30分登ると、ミニ・カールちっくな頂上斜面が広がります。登る前は、何も汚れの無い白銀のシルクな布地。
7時間かけて、登った証拠写真。乾いた空気と激しい運動で喉を痛め、赤い痰が出ましたが、登頂の達成感はこれまでの登山歴でもトップ3に入ります。
2013年04月13日 13:27撮影 by  PENTAX Optio WG-2 GPS, PENTAX
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4/13 13:27
7時間かけて、登った証拠写真。乾いた空気と激しい運動で喉を痛め、赤い痰が出ましたが、登頂の達成感はこれまでの登山歴でもトップ3に入ります。
三角点から南東方面
2013年04月13日 13:27撮影 by  PENTAX Optio WG-2 GPS, PENTAX
4/13 13:27
三角点から南東方面
南側。会津駒ケ岳方面。
2013年04月13日 13:27撮影 by  PENTAX Optio WG-2 GPS, PENTAX
4/13 13:27
南側。会津駒ケ岳方面。
南西、越後駒ケ岳方面。
2013年04月13日 13:27撮影 by  PENTAX Optio WG-2 GPS, PENTAX
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4/13 13:27
南西、越後駒ケ岳方面。
西側。魚沼方面。
2013年04月13日 13:27撮影 by  PENTAX Optio WG-2 GPS, PENTAX
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4/13 13:27
西側。魚沼方面。
北西方面。田子倉ダム方面。
2013年04月13日 13:27撮影 by  PENTAX Optio WG-2 GPS, PENTAX
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4/13 13:27
北西方面。田子倉ダム方面。
長居したいところですが、もう1時半。日の入りまでに戻れるか、ギリギリの時間です。
2013年04月13日 13:36撮影 by  PENTAX Optio WG-2 GPS, PENTAX
4/13 13:36
長居したいところですが、もう1時半。日の入りまでに戻れるか、ギリギリの時間です。
下山時の山頂直下。山の神様に祈ってから、きれいな斜面へトレースをつけさせてもらいました。左のジグザグが登り、右の直滑降が下り。これが残雪期の降雪後に初乗りする者だけに許されたご褒美。
2013年04月13日 13:46撮影 by  PENTAX Optio WG-2 GPS, PENTAX
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4/13 13:46
下山時の山頂直下。山の神様に祈ってから、きれいな斜面へトレースをつけさせてもらいました。左のジグザグが登り、右の直滑降が下り。これが残雪期の降雪後に初乗りする者だけに許されたご褒美。
下山中、自分が通った後にできるのは二筋のトレースのみ。
2013年04月13日 15:32撮影 by  PENTAX Optio WG-2 GPS, PENTAX
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4/13 15:32
下山中、自分が通った後にできるのは二筋のトレースのみ。
叶の高手付近にある銘木。
2013年04月13日 15:17撮影 by  PENTAX Optio WG-2 GPS, PENTAX
4/13 15:17
叶の高手付近にある銘木。
日が傾き自分の影が長く伸び、その先に張り出したセッピ。
2013年04月13日 15:31撮影 by  PENTAX Optio WG-2 GPS, PENTAX
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4/13 15:31
日が傾き自分の影が長く伸び、その先に張り出したセッピ。
狭い尾根筋。登りに付けたトレースに沿って、崩れた雪が斜面に筋をつけてます。
2013年04月13日 15:36撮影 by  PENTAX Optio WG-2 GPS, PENTAX
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4/13 15:36
狭い尾根筋。登りに付けたトレースに沿って、崩れた雪が斜面に筋をつけてます。
登り3時間半の赤倉沢ー叶の高手も下りは1時間で。2011年7月の豪雨以来、閉鎖中のイワナの里。営業中の様子は下記WEBで。
http://www.iwananosato.com/
2013年04月13日 17:01撮影 by  PENTAX Optio WG-2 GPS, PENTAX
4/13 17:01
登り3時間半の赤倉沢ー叶の高手も下りは1時間で。2011年7月の豪雨以来、閉鎖中のイワナの里。営業中の様子は下記WEBで。
http://www.iwananosato.com/
白沢集落に着くと同時に暗闇になりました。登山靴からスニーカーに履き替えて、車で15分の「むら湯」に浸かって生き返りました。
2013年04月13日 18:37撮影 by  PENTAX Optio WG-2 GPS, PENTAX
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4/13 18:37
白沢集落に着くと同時に暗闇になりました。登山靴からスニーカーに履き替えて、車で15分の「むら湯」に浸かって生き返りました。

感想


 2011年7月の集中豪雨でアクセス道路が崩壊して以降、ヤマレコ記録登録の無い会津朝日岳ですが、残雪期の登録がHPで複数あったので、事前の情報収集と、毎日天気予報(GPV気象予報)と睨めっこし、直前の寒冷前線全線での積雪はあったものの、ピンポイントで勝負に出ました。
 事前の覚悟と予想どおり持ち合わせている体力・技術を出し切ったハードな山行でしたが、6時間のノン・トレースに耐えて稜線に出た眺望は、期待以上のパノラマビューと新雪の冠した白銀の世界に酔いしれました。普段の運動不足で腿筋が痙攣し、乾燥した空気で血痰が出て、サングラスでも雪の照り返しで目がチカチカ。クライマックスは山頂手前の斜面。シルクのサテンのような美麗な斜面を登り、三角点に立った時は、感無量。快晴で風ゼロという絶好のコンディションだったので、人気が無い残雪に自分が歩いた後に残るトレースを見ながら、残雪期登山の特権だなぁと実感。
 これからのGWに越後駒ヶ岳への大縦走やB.C.スキーを計画しているエキスパートがいると思いますが、安全第一の自己責任で!ハイカーの方は、2014年以降に道路開通後して、「いわなの里」が復活するのを待ってから楽しんで登って下さい。

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