【歩む心に迷いなし】和名倉山【和名倉偵察】【乙50.1】
- GPS
- 06:45
- 距離
- 19.5km
- 登り
- 1,882m
- 下り
- 1,873m
コースタイム
- 山行
- 6:23
- 休憩
- 0:23
- 合計
- 6:46
天候 | 晴れ 後半白む。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
※終点が三峯神社のため混む。 復路:秩父湖バス停17:05発〜西武急行バス〜西武秩父駅 ※ほぼ定刻どおり。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
道の状況: 特にわかりにくいとか、歩きにくいといったことはない。 反射板跡まで長い登り。 登山ポスト:見ず。 下山後の温泉:自家用車の場合は大滝温泉、バスの場合は秩父中心市街周辺。 |
写真
感想
【今回の時期・今回のルート】
緑が好きな人
静かな山が好きな人
軌道跡等、朽ちた人工物が好きな人
展望が全てでない人
鹿が見たい人
にお薦め。
【契機】
「最近は長距離の山行が続いたから、たまには軽いのでもやるか。」
「今年は和名倉山を歩きたいが、道が不詳など言われて不安なので道を確認しに行こう。」
というわけで、今後和名倉山を歩ききるために、和名倉山に行く。
【登山道不詳?】
前々から行こう行こうと思いつつ放置してきた和名倉山。今年こそは歩こうと地図を広げるが、奥秩父の奥に鎮座する山だけになかなか工程を組むのが難しい。
ネックとなるのはバスの時間だ。例えば、秩父湖バス停で最終バスを逃すと三峰口駅まで十数km歩かないといけない。以前、三峯で終バスを逃した際は、大輪から暗い道を歩いて惨めな思いをしたが、秩父湖からだとそれ以上に大変だ。
手元の登山ガイドを開く。「登山道不詳で困難」「密藪の山稜にかすかな踏跡」等と特に北側は容易ではないようで、あまりきっちり予定を組んで、薄暮の道迷いともなればおしまいだ。よし!今後の山行の参考に見に行こう。
※注意事項
道の状態についての記載は、平成25年5月18日(晴)の昼間の状況であり、草木繁茂・落葉・積雪期、或いは黎明・薄暮・夜間、悪天候時の状況までカヴァーするものではない。また、普段どんな山を歩いているかによっても印象は大きく異なる。至る所に案内標識がある山ばかり歩いている人からすれば難易度は増すだろう。当然のことだが念のため。
以上の注意事項を踏まえて道についての感想を述べたいと思うが、その前に山行中感じたこと等を記す。
【山行過程】
秩父では朝早いバスが無いので、歩ける時間は限られる。その時間制限を打破したい場合は、自分で別途乗り物を調達すること。秩父湖バス停のすぐ隣に駐車場がある。今回は和名倉だけなのでバス利用で問題無い。バスは西武秩父駅を9:10に出る。金曜ロードショーで『カイジ 人生逆転ゲーム』を観たので、出発が遅いのはありがたい。
朝、目が覚めて疲れが抜けていないのを感じる。最近仕事が大変だからしょうがない。今回はピンとは言え2000m峰。大丈夫だろうかと思いつつ、ノソノソと寝床から出る。
乗った電車は快速急行だったが、横瀬でトイレのある車両に行って用を足している間に車両が西武秩父行きと御花畑経由長瀞行きに切り離され、西武秩父行きが発車してしまった。秩父のコンビニで糧秣を調達する予定だったので、御花畑駅で下車後、小走りでコンビニへ向かう。西武秩父駅前でバス停に並ぶ大行列があり、「何だありゃ?」と思いながら通り過ぎたのだが、食糧調達を終えて駅前に戻ってくると、それが乗る予定のバス待ちの列だとわかった。ロータリーにはみ出すほど並んでいて、全員乗れるのか?と不安だったが全員吸収。凄いぞ西武バス。
乗客の殆どは終点の三峯神社まで行くらしく、途中の三峰口駅、大輪、大滝温泉で降りたのは若干名。行きで座りたかったら、一つ前の電車で来ることだ。
さて、和名倉山に行くには秩父湖にかかる吊橋を渡らねばならず、その吊橋に行くにはダムの上を通って湖沿いの道を行かねばならない。その前にトンネルの試練がある。
秩父湖バス停を降り湖の方を向くと、一番右が三峯神社に向かう車道、左側が駐車場で駐車場の奥が工事中。この工事箇所の右側が歩行者用通路となっており、最初これがダムに至る道だと思い、そこを進む。その先が画像にある歩行者用トンネルである。しかし、その道の先もダム側は工事中で降りられない。正解は「車が入っていくトンネルに入る」だ。
道の誤りに気がつき、車が入っていくトンネルの反対側の出入口と思しき所からトンネルに入る。外から見ても中は真っ暗だったが、中に入ってみるとボンヤリした明かりが数十mおきにあるだけで、やはり真っ暗である。トンネル内にT字状の分岐があり、右側(秩父湖バス停側の入口から入ると左側)に曲がるとダムに出る。両方の出入口を使ってみたが、秩父湖バス停側の方が比較的距離が短く明るめだ。
交通量が多く(独立した歩道は無い)、真っ暗なトンネルをどうしても避けたい場合は、三峯神社行きのバスが秩父湖バス停以降自由乗降区間となるので、トンネルを抜けた後にバスを降りればよい。
三峯神社に至る道を歩いて行くと、途中、こじんまりした埼玉大学山寮があり、その左脇を下っていく。和名倉山に行く場合はこの山寮前でバスを降りると楽だ。
長い吊橋を渡ると山の入口だ。入口ではあるが、「和名倉山登山口」等の案内は無い。たまには標識に頼らず、自分で道を確かめ確かめ歩くのもまた良し。
細かい道の状況については画像に掲げたとおりだが、まずは樹林帯の急登をジグザグに、続いて針葉樹林帯と紅葉樹林帯の境をほぼ真っ直ぐに登っていく。ただひたすら上りの一手で汗ぐっしょり。もう着る物を一枚減らしてもいいな。
チェーンソーと木が倒れる音を耳に、木屑の香ばしい匂いを鼻にしながら深緑の中を歩く。所々に林業従事者のものと思われるリュックやヘルメットが置かれているが、林業従事者の姿は見えず、時々木が倒れるのが見えるのみ。急傾斜の中、範囲が広い作業の大変さが偲ばれる。
登尾沢ノ頭までの登りに耐え抜くことができれば、残り標高差700mあるが、あとは大して苦にならない。特に暫くは平坦な道が続くので息も落ち着けることができる。スズタケが道沿いに現れて、道に石が増えてくると、間もなく営林小屋跡及び水場。水場の水量は豊富で、今後別の形で山行をやる際にも利用できそうだ。
水分補給後、平坦な道から再度上り道へ。苔むした石が転がる斜面を上っていく。その後、道は石の道からスズタケの道となり、これが遭難の元かと注意しながら歩くも、踏跡ははっきりしており難無く通過。
スズタケの道の後半から傾斜は再度緩やかになり、稜線北端の小ピーク以降は歩きやすくなる。北側から山頂にアプローチする場合、真っ直ぐ行ける道は無く、南側の二瀬分岐へ迂回した後に山頂に向かうこととなる。二瀬分岐へ向かう途中、進行方向左側に伸びる道めいたものがいくつか見られるが、せいぜい獣道なので、「もしかしたら山頂までショートカットできるかも」などと山気を出して入っていかないこと。山頂はまだまだ先。道迷いの元だ。
二瀬分岐直前で苔むして幻想的な樹林帯から葉の無い樹林帯に出て一気に視界が広がる。「ぉ〜!」と嘆声をあげながら二瀬分岐に到達。「山頂まで25分」とあるが、もう標高差も数十mしかないのでサクサクと進む。開けた所から山頂付近の樹林帯に入る辺りが迷いポイントとされているようだが、私の場合は鹿が導いてくれたというか、「あ、鹿だ」と歩いていったら道があった。というのは若干盛った話で、標高が高い所を目指して歩いていけば道はある。それにしても、ここの鹿は人を警戒する。駆除対象だから当然といえば当然だが。
そして木々に囲まれた静かな山頂へ。展望の好い山頂には展望の好い山頂の、木々に囲まれた山頂には木々に囲まれた山頂の良さがある。和名倉山の山頂は非常に落ち着いた感じで大変良い。
帰りは山頂から北方へショートカットしてみることにした。しかし、道があるわけではないので位置を確認しながら慎重に歩を進めねばならず、二瀬分岐経由で戻った方が早かったのではないかと思うほど時間がかかった。それと、淡い緑の苔むした野を踏んで歩くのは気持ちの良いものではないので、そういった意味でもショートカットはお薦めしない。大人しく来た道を戻るのが自分にとっても山にとっても無難だ。
下山道は登山道と同じだが、上る時と下る時では道の感じも異なる。それを確認するのも今回の目的の一つである。結果は画像で示したとおり、上る時には難無く通った所も下りで「ん?」となる箇所が若干あった。落ち着いている時は大丈夫だろうが、夕方に焦りながら降りているような場合に出くわしていたらどうなるかわからない。ただ、道を外れてもすぐおかしいとわかると思われる。
下りで注意すべきは警告もあったスズタケだろう。スズタケが繁茂する時期、上りなら根元部分が見えるが、下りの時は下の部分がどうなっているかわかりにくくなる。今回はそんなことは無かったが、道の左右にオープンになっている箇所がいくつもあり、場合によっては分岐と見紛うことがあり得るかもしれない。と言っても、本線と見比べれば正規の道でないことは一目瞭然なので、心配には及ばないだろう。
水場まで降りたら、後は道に迷うことは無いのではないか。平坦な道を登尾沢ノ頭まで行って、そこからの急降下は樹林帯の境目を降りて…と。画像で示したように分岐めいたものがあったりするが、迷う余地はほぼ無い。
【本当に登山道不詳?】
人と状況により感じ方は違うが、今回歩いた道の状況についての感想は以下の通り。
他の山と同様、わかりにくいと思われる箇所が何箇所かあるが、突出してわかりにくいということはない。道も不明瞭ではなく、ましてや「綿密な読図力と動物的勘を要求される高度な世界」(登山ガイドより)ではもはやない。
私が目を皿のようにして注意しながら歩いたこともあるが、昔に比べ山に入る人が増えたということが大きいのだろう。
とは言っても、述べたとおり何箇所かの要注意ポイントがあるので漫然と歩いていたら迷うだろうし、今回はうまくいったが、変に山気を出して道でない所に立ち入ればやはり迷うだろう。また、昔に比べて入山者が増えたのだろうと言いつつ、今回擦れ違ったのは男性1名のみ。何かあっても助けは期待できない。
和名倉に限らず、道が明瞭だろうと不明瞭だろうと、人が多かろうが少なかろうが、「まず自分の一歩一歩をしっかりと歩くことが大事。」という無難な結論で締めることとする。
今回の結語:背筋を伸ばして前を見ろ
〜おしまい〜
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