栗駒山(須川コース〜天馬尾根コース)
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- GPS
- 08:40
- 距離
- 13.6km
- 登り
- 806m
- 下り
- 813m
コースタイム
8:05須川高原登山口
8:55名残ヶ原(木道散策、休憩)9:25
10:00昭和湖(休憩)10:10
10:50天狗平
11:10山頂(昼食)11:40
12:30天狗平
12:50展望岩頭
14:10しろがね草原
14:45秣岳
15:50道路
16:10須川湖駐車場
※ ルートは、歩きたかった場所です。実際は、秣岳からはもうちょっと東寄りを通ったようです。
天候 | 曇りのち雨(ガス) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
須川コースの雪渓は大きく2箇所。ツボ足でも登れる状態。 竿が立ててあるので迷うことはなさそう。 天馬尾根コースは、しろがね草原の手前あたりから雪渓が残る。 秣岳まではすぐ夏道に出られるが、秣岳を過ぎてからの雪渓は、急で広い範囲に残っている。 ここを歩くにはそれなりの装備が必要。(はい、反省しています) 栗駒山荘の大浴場が改修工事のため、ちょっと狭い。 |
写真
これに気付かない私がバカでした。
このぐらい晴れていたら、雪を転がり落ちる私が見えたことでしょう。
感想
土曜日は、ちょっとお天気が崩れる予報でしたが、日曜も仕事の私は、意地でも花見登山を決行しようと思っていました。
先週、栗駒山のイワカガミ平まで行ったのに、ガスと風であっさり引き返してきたのですが、この日は気合いが違いました。
まぁ、それがアダになったともいうのですが…。
今回はとっても反省すべき山歩きになりました。
やっぱり、山を甘く見ているつもりじゃなかったんだけど、どこか油断している自分への、反省レコです。
早朝、須川高原に到着。
この日の目的は、名残ヶ原のお花たち、展望岩頭付近のお花たち、しろがね草原のお花たちです。
須川コースは、雪渓歩きがあるものの、ツボ足でも問題ないという情報があったので、アイゼンを持っていない私でも大丈夫だなと思っていました。
無くちゃいけないようなところは歩かないと思っていたので。
天馬尾根コースは情報があまりなく、たぶん多少は雪があるかもしれないけれど、標高は栗駒山より低いから、雪は溶けたんじゃないかという、勝手な思い込みをしていました。
どちらのコースも、複数回歩いたことがあるので、多少雪があっても道は分かるだろう、と、思い込んでいました。
須川〜秣岳への周回としては歩いたことがなく、少しでも下山後の負担を減らすために、須川湖の駐車場に車を置きました。
そこから30分ほどかけて須川コースの登山口へ。
お花たちの誘惑に引っかかりながら、のんびり歩き、名残ヶ原を散策しました。
名残ヶ原の上から、2つの雪渓を渡り、雪に埋もれる地獄谷を横目に、昭和湖に到着。
そこから上の雪渓エリアが広くて、登っても登っても、まだ着かない…と、何度か立ち止まりました。
ただ、竿が立っているので視界が悪くても大丈夫でした。
雪渓の上でも、結構虫がいたのが驚きでした。
この日もミンティアと虫除けスプレーで対策(効いているのかは分からない)。
天狗平を過ぎると、少し風が強くなりましたが、昨年の秋よりはずっとマシです。
特に用事も無いのに、山頂に行ってしまいました。
山頂で、エネルギー補給して、ここからが本番。
ガスガスの展望岩頭エリアに突入です。
昨年チェックしておいた、コメバツガザクラやミネズオウ、イワウメのつぼみがたくさんありました。
そして、ガンコウランの花探し。
雄花は終わったっぽくてありません。
雌花も、終わりかけのように黒くなっていました。
ちょっと残念ではありますが、見たかったものに少し近づけた感じです。
風があるので、撮影にやたら時間が掛かります。
視界が全く無いので、本当なら、ここで引き返すべきだったんですよね。
でも、知っているコースだから何とかなるだろうという思いと、せっかく須川湖駐車場に車を置いてきたんだからという思いとがありまして、先に進むことにしました。
展望岩頭を過ぎた辺りから、雨が降ってきて、ちょうどレインウェアやザックカバーで対策をしたばかりだったので、タイミングいいなぁと浮かれる私。
カメラもしまい、黙々と下っていきます。
下りきったところで、雪渓が現れました。
目印となる旗もないし、人も居ない。
これは、最悪引き返しかな…。
携帯を見ると、電池が残り少なくなっています。
圏外だからでしょう。
万が一に備え、電源を切りました。
それまでは、GPSログを取っていたのです。
少し登ると、夏道に合流したので、なんとかなりそうだという気持ちが大きくなってきました。
その先の雪渓も、視界が悪いので不安ですが、なんとか越えていきました。
気付くとしろがね草原。
ヒナザクラが風に揺れていました。
もう少しすれば、湿原は賑やかになりそうです。
そしてようやく、秣岳へ。
これで、あとは下るだけ。
1時間もあれば登山口に着けるだろうと、これまでの経験から考えていました。
ところが、最大の危険箇所はこの後だったのです。
夏道でも、滑りやすい岩場のトラバース道。
結構急な斜面ですが、そこと思われる場所に、たっぷり雪があったのです。
壁のような雪の斜面。
スキー板を履いていれば、難なく通過できると思われる場所ですが、登山靴では、どうしようもありません。
しかし、ここまできて、引き返すという頭はありませんでした。
ストックぐらい持ってくれば良かったな…。
そんなことを考えながら、慎重に斜面を横切っていきます。
わずかにトレースも見え、そこを辿るように進みます。
しかし、途中で足を滑らせ、そのまましばらく滑落してしまいました。
ああ、こういうときにピッケルって使うんだ…と、滑りながら思いました。
なんとか、笹藪で止まりましたが、視界が無いので、どのくらい滑り落ちたのかも分かりません。
幸い、怪我などはありませんでした。
ただ、膝はガクガクしていました。
そこから、登り返して行くしかないと思いますが、なにぶん急登。
ピッケル代わりに(代わりにもなりませんが)折りたたみ傘を持って、雪壁を斜めに登り始めました。
少し登ったところで、トレースを発見。
夏道とは違うと思われるところに付いていましたが、冬季ルートとして雪渓を登ってきた人のようです。
登ってきたということは、降りられるということ…。
そう考え、藁にもすがる思いで、その沢筋を降りていきました。
頭の中では、遭難という言葉がちらついていました。
だいぶ下った頃、雪渓が沢に変わってしまいました。
トレースの主が、どこから来たのかが分かりません。
座り込んで、何ができるか考えましたが、携帯頼みのGPSは使えない、カメラでも位置情報は分かるけど、精度は良くない。
それに地図がない(テーブルの上に忘れてきた)。
SOS信号かとも思ったけれど、ホイッスルのように大きな音の出るものもない。
結局、何とかして下りる以外にない状況です。
頭に入っている地図を思い出すと、この辺は、とにかく下りれば車道にぶつかるはずです。
しばらく周囲を探し回り、藪の向こうに、踏み跡を見つけました。
その先には、雪があるので、そちらから登ってきたのでしょう。
そこを少し下ると、車道が見えてきました。
思わず、ほーっと息を吐きました。
秣岳登山口から、200m程須川湖側のところに出ました。
後から確認したところ、秣岳登山口からも、すでに雪が見えており、最初にそれをチェックしていれば、ここを利用することもなかっただろうと、反省しました。
降り立った場所から須川湖まで、意外に長く歩きました。
途中、何台かの車が通過していきましたが、疲れ切って濡れ鼠になった私を、哀れみながら通って行かれたことでしょう。
ある取扱説明書に書かれていた言葉を思い出しました。
「危険であることを忘れなければ、安全である。」
お山もその通りですね。
忘れていたというより、甘かったです。
しかし、今後の戒めとなる意味では、良い経験になりました。
springさん今晩は。
滑落したときに怪我が無くて何よりでしたね、残雪期はルートを見失ったりして、私もいつもウロウロしてますよ、でもこの先に行ったら危険かなと思った時はさっさと逃げ戻るようにしてます、そこを何とかクリアした先がもっと危険な場所だったら、進退窮まっちゃいますからね、無事に戻るのが一番です
4番目の写真ミヤマヤナギと言うんですか、秋田駒で写真を撮ったんですが名前が解らず、ちょっと地味だったんでお蔵入りにしたのと似ています
「車道にでるから」
ここはその判断でよかったと思います。藪を漕いで枝をつかんでも戻る。崖は避ける、ということでしょう。冷静になるのが一番だね。雪があるときはストックを。いつも笛と地図を。といろいろ勉強になりましたね。
展望岩頭のイワウメ、今度どこにあるかこっそり教えてくださいね
自分も山での失敗はいくつかありますが自分でしっかり振り返って反省することって大事ですよね。自分もここの感想を利用して書き留めて反省するようにしてます。
今回の経験で沢山のことを学んだってことがspringさんの感想からもしっかり伝わってますよ!これからは花が綺麗な時期なのでお互い楽しい山ライフを送りましょう!
あとスマホのGPSアプリですが、自分は雪山でもフル活用してます!バッテリーの消耗は悩みどころですよね。自分の場合iphoneなんですがコンビニでも2000円くらいで売ってるコンセントのあるところで充電を貯めておいて持ち歩けるタイプのものを常に持ち歩いてます。maxまで充電しておくと2,3回くらいはスマホも満タンまで充電できるので意外に使えますよ!今度機会があれば試してみてください!
僕も1週間前に同じルートを登りました。冬も宮城県側から栗駒山に登ってますが。秣岳の雪渓のトラバースはそれよりもハードかも。視界が悪いと恐怖も倍増ですね。女性一人でよく乗り切れました。この経験でかなりステップアップできると思います。
そのうち冬の栗駒山でお会いできるかも知れませんね。
springさんのように何度か同じコースを辿っていてもこんなことがあるんですね。
これを良い糧にして益々逞しくなりそうですね。
これからのヤマレコポ楽しみです
こんばんは☆
温かいコメントありがとうございました
この日はつい、引き返したときの距離と時間を、安全との天秤に掛けてしまいました
基本歩くの嫌い人間の本音が出てしまいました。
今までこういう時期に歩いていなかったので、無知だったのもあります。
たぶんミヤマヤナギだと思いますよ
しばらくすると、白いふわふわの綿毛ができます。
コメントありがとうございました。
夏道や地図が頭に入っていた幸運もありましたが、そのための油断が大きかったですね。
それと、なまじ斜度のある雪面に興奮する性格も災いしたかな…と
スキー板の素晴らしさを実感しました。
ただ、意外に冷静でいられたのは、良かったと思います。
これまでヤマレコで得た知識を総動員して、どうしようか考えられました。
そして、今回は、足跡を残してくださった方に、ものすごく感謝しています!!
こっそりと言われましたが、イワウメは展望岩頭付近に行けば、探さなくてもすぐ見つけられますよ!!
危険な場所ではないので
ぜひ見に行ってください!!
温かいコメントありがとうございます!!
叱られたくないから書くのやめようかなぁとか思いましたが(ガキんちょと同じ)、花レコは書きたいし、ウソつけない性格なので
まだまだ甘いところはあると思いますが…
今後は、装備をしっかり整えてから雪渓に挑みたいと思います!
GPSのこと、いろいろありがとうございました!
私はガラケーなのでiPhoneのGPSのように優秀ではないと思いますが、バッテリーはその気になれば充電池を持ち歩く等の工夫はできますね。
記録を取ることだけを考えたGPSなので、現在地の位置情報が分かっても、地図上のどこなのかは分かりません。
あらかじめ、地点登録をしておくことができますが、だいぶ実際とかけ離れたところを歩いているように表示されます。
ログを取れないところも多いですし。
なので、その気になれば、GPSを買った方が良さそうですね
コメントありがとうございます!!
あのトラバースは、夏道でもなかなかですものね。
私が初めて登山らしい登山をしたのが、あのコースでもあるのですが…
ほんと、視界の悪いときに無茶してしまいました。
怖いという感じはあまりしなく(それがまずかったか…)、どうすればいいのかひたすら悩んでいました。
そして、今後どうなるかを考えていました。
明日の仕事行けないって連絡もできないよなぁ…とか。
そこか!と突っ込みたくなることばかり浮かぶものですね、こういうとき
冬の栗駒山ですか
いやいやいや!
冬は下り専門ですので、どうでしょうねぇ
そうなんですよね〜!
とは言っても、秣岳往復は2回、須川コースも3回程度の経験なんですが。
しかも季節は皆、無雪期ですし。
まずは、こういうコースを歩くなら、きちんと装備を調え、装備が無い上に視界が悪いなら避けるということを徹底したいと思います。
とか言いながら、またアホなことやらかすかもしれませんが…
今後とも見守ってください
無事に戻ってこられて何よりでした。
怪我がなくて本当に良かったです。
私もガラケーのGPSで地図のどこにいるかわからないので
スマホに変えようと思いつつ何ヶ月も経ちました
そしてストックは何かの時に使えますからやっぱり必需品だと思います。
いろいろと何が必要なのかわかってきたのでは?
私も道迷いで大変な思いをしたので少しずつ地図読み勉強など始めています。今更ながら。
しかし栗駒って雪がたっぷり残ってるんですね〜
職場の先輩が以前、残雪期の秣岳で大変な目に遭った〜と話しているのを思い出しました。
残雪期ってホント怖いですね〜
ご心配ありがとうございました〜
スマホは、そんなに必要性を感じないんですよね〜。
ストックは、カメラを持つのに邪魔だから…と、積雪期以外は持っていませんでしたが、今回つくづく、非常時にカメラは何の役にも立たないことが分かりました(あたりまえですが…)。
ま、必要だから持っているものではありませんけどね
ま、今後も基本は、迷うところには行かない、分不相応なところにも行かないというスタンスだとは思いますが。
今回のことで、危険予知の幅を広げられればと思っています。
残雪もですが、視界不良も、ですねぇ…。
Springさま
初めまして。yonejiyと申します。
ヤマレポ時々拝見し、良い写真撮られるなあ、と感心していました。
私は6月2日に須川コースから展望岩頭まで行って、天馬尾根を眺めておりました。その日はとてもいい天気で、視界も良くきき、秣岳までは行けるだろうがその後、下山ルートが大変そうだなと感じていました。
私はまだこのコース歩いていませんので、雪が消えるころ、少なくとも6月半ば過ぎかと思っておりました。
とにかく御無事で何よりでした。
私も結構行ってしまうほうなので、改めて山への恐れを忘れないようにしたいと思いました。
そのうち山でお会いできることを楽しみにしております。
コメントありがとうございます!!
その記録、行く前の貴重な情報として拝見しておりました。
それも踏まえて、様子を見ながら…と思っていたのですが、視界不良で様子も分からないまま進んでしまったのでした
誰も歩いた記録を書いていないから、では私が…!という気持ちもあったのは確かです。装備もないのに…
君子危うきに近寄らずですね
山で、いつまでもしゃがみこんで撮影しているのがいたら、声を掛けてみてください
残雪期は冬山より恐い場面がありまして、雪渓に入ってから夏道に復帰するのが難しい事が多いです。
秣の秋田側の北東斜面はかなりの急斜面ですよね。あそこのトラバース、よくぞ乗り切りましたね
薮漕いでたら、Springさんとバッタリ
なんて事もこれからはあるのでしょうか
この経験がきっと糧になりますよ
先日の船形山を思い出しました(苦笑)
体が無事でなによりでした!
綺麗な写真に見とれて拝見していたので
まさかの展開にドキドキしてしまいました
こんばんは☆
そうですね、気持ちの面でも、冬山は気を引き締めて挑むでしょうからね。
私の場合は、避けますし
>秣の秋田側の北東斜面はかなりの急斜面ですよね。あそこのトラバース、よくぞ乗り切りましたね
乗り切れず、尻滑りしてしまったのですよ〜
>薮漕いでたら、Springさんとバッタリ
なんて事もこれからはあるのでしょうか
ありませんて!!
こんばんは☆
雪渓、視界不良、それに私は装備不足がありました。
安全に帰るために、気を付けなければなりませんね。
体はほんとに何ともなくて、傷一つ付きませんでしたよ。
ほんと、展望岩頭で花を楽しんでいたまでは良かったんですけど、まさか、でしたねぇ
5/31に須川温泉〜頂上まで登ったときには、雪渓はあったもののそう危険では無い様に思いました。
天狗平から秣岳もそう危険は無いだろうと思ってましたが、むしろそっちの方が危険なんですね。秣岳からの下りが危険だったんですね。気づきませんでした。
雪渓は滑落が怖いことを感じました。6/9に鳥海山へトライしましたが、やはり頂上付近は視界不良。簡易アイゼン、スノーポンを持って行ったのが良かった。滑落すると何処へ行くか分かりません。怪我などしたら、単独の自分は死ぬ覚悟をしないと行けません。
残念ですが、頂上まで後距離で100m(七高山)で引き返しました。
そうなんです!
須川コースは雪渓が広く長いところもありますが、お子さんも結構登っていますし、目印もあるので、ガスっていても大丈夫だったんです。
天狗平から秣岳も、なんとかなるレベルです。
でも、秣岳を降りてから、だったんです。
だから、戻るに戻れない気持ちもありまして、強行してしまいました。
雪渓の滑落は、ほんと、止まれないことが分かりました
まぁ、普段スキー場でも、転がったら止まるのを待つだけなんですが…。
やはり、視界不良時は避けるべきですね。
これだけで済んだので、今後につながる経験にできますが。
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