記録ID: 3163333
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無雪期ピークハント/縦走
奥秩父
甲武信ヶ岳/真ノ沢林道から荒川源流を訪ねる
2021年05月08日(土) [日帰り]
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体力度
9
2~3泊以上が適当
- GPS
- 16:00
- 距離
- 38.9km
- 登り
- 3,305m
- 下り
- 3,311m
コースタイム
日帰り
- 山行
- 15:00
- 休憩
- 1:01
- 合計
- 16:01
距離 38.9km
登り 3,305m
下り 3,317m
4:14
15分
スタート地点
20:15
ゴール地点
天候 | 晴れ〜高曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年05月の天気図 |
アクセス | 夕暮れキャンプ場手前1.5km地点車両通行止めのため、200m手前の余地(2台分)に駐車。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
柳小屋〜真の沢林道は林道という名がついていますが、営林目的で、人が通ることができるという意味での林道(廃道)です。 本ルートは利用者減少に加え、台風等、災害に伴い、全体的に不明瞭で部分的に道形が消失し、藪化している箇所が多々ある等、著しく荒廃しており、度々ルートを見失っては地形図とGPSの確認作業での軌道修正の繰り返しを余儀なくされます。 また足場の不安定な急峻な山腹のトラバースが延々と続く箇所も多く、とても一般の方にはお勧めできません。 日中の視野の効く中でもルート取りに難儀するしまつで、陽が落ちてからのヘッ電での通過はこのルートに相当慣れた方でないと到底無理、遭難のリスク大と感じました。 ルートを難しくしている要因は荒廃しているだけでなく、25,000分の1地形図 における真の沢林道は、実際の地形とルートとの位置が間違っていることも挙げられます。 ルートを見失った場合、主に柳小屋から前半、真の沢の南側の行程部分では、下方に、千丈の滝から先は藪中や上方に道形や踏み跡を認める場合が多くありました。 (これは私の場合であり、あくまで参考程度でお願いします。) 当ルートに初めて立ち入られる場合はその点を十分に留意の上、余裕を持った計画策定をお願い致します。地形図、コンパス、GPSは必携です。 また、藪漕ぎもありますので、ダニ対策も必要となります。帰宅後身体チェックにて一匹発見、週明け早々皮膚科受診しております。 ■川入〜柳小屋 国道140号からトラウトオン川入の看板に従い側道におりていき300mほど先の分岐で修復工事のため厳重なゲートにて通行止めとなっていました。やむを得ず200mほど戻った国道140号線高架下付近の余地に駐車し、徒歩にて川入渓谷へ向かいました。トラウトオン川入の駐車場までは現在工事関係車両が多数あり、復興準備中といった様相でした。 夕暮れキャンプ場を過ぎ、入川林道から左に分かれる「登山道 川又十文字峠線」に入ると、その先は崩落、土砂押出、倒木著しい荒れた登山道となり、一部不明瞭で危険な部分もあります。 ■柳小屋〜千丈の滝 柳小屋から吊り橋を渡った先、股の沢林道と真の沢林道の分岐箇所では、いきなり道形が消失します。事前の予備知識では真の沢林道に誤って入らないようロープを張っているとのことでしたが、逆に言えば、真の沢林道への目印にもなるロープがありませんでした。 ここは地形図通り、尾根上へ斜面を躊躇なく取付きます。適当に登り上げたところで間もなく道形に出合います。一部突然不明瞭になりますが、構わず直登すれば自然と道形(踏み跡)に合流します。尾根上はピンクテープが豊富ですが、一部シャクナゲの花の色と同化して見分け難い箇所があります。 その先真の沢を右手に、南側の山腹を延々とトラバースしていきます。 一転してマーキングが乏しくなり、それに加えて登山道とも獣道ともつかない踏み跡が交錯して惑わされそうになりますが、概ね沢筋と並行にひたすらトラバースです。ザレの急斜面のトラバースでは足場も脆く、滑落に要注意です。 この区間、踏み跡を見失った場合は下方にルートを認める場合が多かった印象です。 ■千丈の滝〜甲武信ヶ岳 巻道からはシャクナゲの合間から見事な2段の滝を認めると、直ぐ滝の落口に出合ます。河床に降り立つ補助用にフィックスロープが張ってありました。 ここで対岸に渡渉します。対岸には一見道形は見当たりませんが、左手上方を眺めるとピンクテープを認めますので、これに従い左上、間もなく明瞭な登山道に出合います。 ただし、それも束の間、直ぐに荒廃した不明瞭な道に戻り、急傾斜の砂礫のトラバース、数々の倒木潜りや跨ぎ、藪漕ぎ等、一層険しさを増していき、 これまで以上に軌道修正の繰り返しを余儀なくされる区間となります。 なおも進んでいくとやがて緩やかに降りる形で真の沢に降り立ちます。 ルートはここで渡渉し、対岸の巻き道へ入っていくのですが、かなり大きく迂回する形となるため、凍結した沢上を一段上ったところから、右手の小尾根に取付き、ショートカットを試みました。 基部から立ち気味な斜度ですが、3級程度の登りで快適に登っていきます。 なおも登高していくと小尾根の上部に4級相当と思われる著明な岩稜に行き当たりました。 進もうとしましたが、ここで逡巡。地形図もあてにならないなか、この先で詰んだ場合、持参のお助け紐の長さでは幾分心許なく、やむを得ずここで小尾根の攻略は断念、いずれ再戦を誓い、巻き道へルートを取る選択をしました。 帰路はお助けロープを用い、2ピッチで再び凍結した沢床へ下降。 巻き道からは部分的な積雪あり、コメツガ等の一部藪漕ぎを交えながら、やがて甲武信ヶ岳へ徐々に高度を上げながら付けられたルートを進んでいきます。 この区間は奥秩父の秘境らしい苔生した原生林が続き、道形が苔で完全に覆われているところも多く、利用者もほとんどない様子が窺え、たいへん気持ちよく歩けました。 ■甲武信ヶ岳〜十文字峠 一般道につき詳細は割愛します。 ■十文字峠〜白泰山を経て栃本へ クラシックルートにつき、それまでに比べ利用者は極端に減りますが、 道の明瞭さは真の沢林道と比較にならない位快適です。 ルート上に避難小屋が二ヶ所、水場が一ヶ所あります。 危険個所は特にありません。 白泰山を通過後、完全に日没。ナイトハイクへ。 |
写真
凍結した真の沢に立ちました。甲武信ヶ岳の巻き道はこの直ぐ左手の右岸に渡渉して取り付きますが、地形図を見ると沢の直上あるいは左岸の急な小尾根を上り詰めることができれば大幅なショートカットが出来るのではないか...
沢の少し上流から沢床が急激に立ち上がり垂壁状になっているため、沢床を離れ左岸の小尾根に取り付く。この先画像なし。行けるところまで登ってみるが、上部でスタンスの乏しい顕著な岩稜帯に突き当たる。進んだところで詰んだ場合、手持ちのロープ長では撤退(出来れば20mは欲しい)するにも心許なく、前進を断念。懸垂2ピッチを交え沢床に戻りました。
沢登りであれば荒川源流碑に直接登り詰められるようですが、巻き道なので、そこは割り切り、予定通り山頂を踏んで、十文字峠経由で栃本へ向かうことに。ここからはもう道形明瞭なルート。ナイトハイクでも問題なし。
装備
個人装備 |
スリング
下降器
お助けロープ10m
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感想
馴染みの荒川の源流部が甲武信ヶ岳にある...。
そこへ至る真の沢林道という奥秩父最古の林道と言われる廃道の存在を数年前に知って以来、計画しつつも、後回しになっていました。
そんな中でコロナ禍へ突入。無理をしない山行が求められるなか、陽の長いこの時期もあって、それではと実行することにしました。
柳小屋を過ぎると、そこから山頂までは誰一人の姿も見ない、稜線までブナ〜コメツガなどの高木の植生変化や、苔生した沢等、深山幽谷の静寂を堪能し、まさに秘境の中の古道探訪ができました。
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