白峰三山(北岳・間ノ岳・農鳥岳)


- GPS
- 13:43
- 距離
- 25.9km
- 登り
- 2,735m
- 下り
- 3,406m
コースタイム
天候 | 曇り時々雨 稜線は暴風(10〜20m程度はあったのではないかと思います) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
奈良田第2町営駐車場(160台/無料/5時前到着時1割程度) ※第2駐車場には簡易トイレと沢水を汲み上げた水道あり ※奈良田第一発電所前(登山口ゲート)に舗装されていない空地があり、 3台分ほど停められそうな感じでした。 【バス】 奈良田発のバス(1000円+協力金100円)で広河原へ ※奈良田からの始発は5:30→奈良田駐車場5:32 (7/13〜8/18は毎日、7/1〜7/12と8/19〜11/9は土曜休日)となります。 ※第1町営駐車場(40台)もありますが、登山口より歩いて戻る場合は第2に止めた方が近いです。 ※あまり天気が良くなかった日曜日ということでバスは1台のみで奈良田駐車場からでも充分座れました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【登山ポスト】 広河原のアルペンプラザにあり。 【コース状況】 ●広河原〜二俣 アルペンプラザから吊り橋を渡り、広河原山荘の脇からスタート。 15分ほど進むと白根御池コースとの分岐に到着。 分岐から少し歩くと大樺沢が見え、しばらく左岸を進んだ後、 右岸に渡り標高をゆっくり上げていきます。 再び左岸に渡ると二俣はもうすぐ。 1箇所だけ今にも崩れそうな雪渓をわたる必要がありますが、 それ以外は二俣まで完全な夏道でした。 ●二俣〜北岳(大樺沢ルート) 二俣からは雪渓となりますが、下部は夏道もかろうじて出ている状態。 滑りやすい雪質だったので行ける限り夏道を使いましたが、 中盤からは雪渓を登る必要があります。 最初はツボ足でがんばるも、 効率が悪いので途中からから6本爪の軽アイゼンを装着しました。 下ってくる外国人はノーアイゼンのため、 お尻をつけてズリズリしながらゆっくり降りていました。 下りに大樺沢を利用する場合はアイゼン必須かと思います。 視界不良のときは旗竿を頼りに。 ハシゴ地帯〜八本歯のコル〜岩稜帯〜トラバース道分岐〜 吊り尾根分岐〜山頂は夏道となります。 トラバース道分岐付近からお花畑が現われます。 吊り尾根分岐まで出ると稜線は突風が吹いていて、煽られまくりました。 ●北岳〜間ノ岳 北岳山頂から直登ルートを北岳山荘までおよそ300m下ります。 頂上直下は岩稜帯ですが、次第に傾斜は緩やかになり歩きやすくなります。 北岳山荘を過ぎるとしばらくは緩やかな登りとなりますが、 徐々にきつくなって中白根山に到着。 中白根山からは稜線の西側の切り立った登山道を歩きます。 小ピークを巻きながらアップダウンを繰り返し、徐々に高度をあげていき間ノ岳山頂へ。 危険箇所も特にありません。 ●間ノ岳〜農鳥岳 間ノ岳(3189m)からは農鳥小屋(2800m)までおよそ400mをイッキに下ります。 間ノ岳直下に雪渓がありますが、アイゼンは必要ないでしょう。 傾斜が和らぎ始めると三国平への分岐が現れ、ほどなく農鳥小屋に到着です。 農鳥小屋は間ノ岳と西農鳥岳とのコルに立っています。 西農鳥岳までは九十九折の急登を250m登って行きます。 山頂直下は岩場となっていて少し迷いやす箇所もありますが、 辺りを見回すと必ず黄色ペンキマークがありますので慎重に進めば問題ありません。 西農鳥岳から農鳥岳までは、岩稜帯の西側を巻いていきまので比較的登降は少ないです。 ●農鳥岳〜大門沢小屋 農鳥岳から大門沢下降点までは、数カ所雪渓があります。 慎重に進む必要はありますが、アイゼンを付けるほどではありませんでした。 この区間も黄色ペンキマークが頻繁に付いているので、 この日はかなりガスっていましたが道を失うことはありませんでした。 大門沢下降点には黄色い鐘が立っていますので、 下降ポイントを見逃すことはないでしょう。 下降点からはハイマツ帯の急登をジグザクに降りて行きます。 ようやく強風から逃れることができました。 上部には雪渓を2回ほどトラーバスした後、雪渓の末端に登山道が続いており、 急斜面を下る必要があります。 自分はアイゼンの脱着が手間に感じたので付けずに強引に降りましたが、 アイゼンを付けた方が確実かと思います。 ここを過ぎ、本来は沢の脇に付いている急坂のルートを下らねばならぬところを、 沢をしばらく下ってしまうという痛恨のルートロス。 かなりの急傾斜のため、すぐに気づきましたが、登り返さずに藪漕ぎして 何とか正規の登山道に復帰できましたが30分ほどロスしてしまいました。 急坂をひたすら下り続けていると沢の音が聞こえ始め、 ようやく大門沢の河原まで降りてきました。 急坂は木の根が出ていて滑りやすいので注意が必要です。 河原からは右岸の樹林帯の中に入り、引き続き急坂をこなすと大門沢小屋に到着。 下降点から小屋までがとても長く感じます。 ●大門沢小屋〜奈良田ゲート 小屋からは木橋を渡って左岸と右岸を行き来しながら進んで行きます。 確か3つ目か4つ目の右岸に渡る橋が崩壊していて、 足元を濡らしながら徒渉する必要がありました。 ここを過ぎると樹林帯に入り高巻きしながらしばらく進み、 八丁坂を下った後に大コモリ沢、小コモリ沢と支沢を続けて渡ります。 高巻きするルートは崩壊していたり、踏み跡が薄いところなどがあり 一部分かりにくいところがあります。 ブナ林の1つ目の吊り橋が現れ、ほどなく2つ目の吊り橋も渡ります。 一番下流の3つ目の吊り橋は作業道を歩くことができるので渡る必要はありませんでした。 ここを過ぎると舗装された車道歩き奈良田ゲートに到着です。 |
写真
感想
今週は単独。だから単独でないとやれないことをやっておこう
ということで白峰三山を日帰り縦走することに。
風が強そうなのが気になりましたが…。
結果的には最悪のコンディションの中の日帰り縦走となりました。
おかげで予定よりも時間がかかってしまい、
最後の奈良田の林道で15分ほどヘッデンのお世話になってしまいました。
6:30、予定通り広河原を出発。
二俣までは順調に歩を進めることができましたが、
大樺沢の雪渓で時間を費やしてしまいます。
滑りやすい雪質の中、アイゼンを付ける時間がもったいない。
我慢して登るもスピードが上がらず、途中で観念して装着。
天気も本降りの様相を呈してきて、その対処などで北岳山頂には
10:00前には到着する予定が八本歯のコルまで30分以上のロスをしてしまいます。
八本歯のコルを過ぎてからは、眺望がまったくない中唯一の救いがお花だったのですが、
お花音痴の自分にはキタダケソウがどれだか分かりませんでした…(泣)
そして稜線の暴風(と時々雨)。
吊り尾根分岐からの稜線は突風が吹き付けカラダが持っていかれるほど。
「もう今日は山頂はいいかな」とテンションガタ落ちでしたが、
「北岳山頂だけは登って、おとなしく広河原に降りよう」と思い直し、暴風の中山頂に到着。
山頂で栄養補給をしていると半袖のベースレイヤーの上にシェルだけでは
カラダがブルブル震えてきます。ヤバイ兆候なので慌てて中にフリースを着ます。
しかし、後から思うと自分でも不思議ですが、
視界もほとんどない北岳山荘の方に自然と足が向かっていました。
間ノ岳〜農鳥小屋〜西農鳥〜農鳥まではせっかくの3000mの稜線にも関わらず、
視界がほとんどないどころか、暴風にあおられ、立ち止まらされ、
正面から風を受けると息ができない感じです。
さらに、雨が降り始めると雨粒が礫のように吹き付けて顔が痛いです。
ガスっていても強風のためか雷鳥の姿はいっさい見かけません。
写真を撮ろうにも、ガスが濃くてAFのピントが合いません。
もう苦行以外のなにものでもありません。
7月にもかかわらず北岳山頂で着たフリースは稜線上で脱ぐことはありませんでした。
這々の体で大門沢下降点が見えたときはホッとしました。
この稜線でも1時間以上ロスしてしまった感じです。
さらに追い打ちをかけたのがルートミスです。
大門沢下降点を降りると強風も止み気が緩んだせいか、
ガレ場の急な谷をしばらく下ってしまいました。薮漕ぎで何とか正しいルートに復旧するも
ここでも30分ほどのロスです。
大門沢小屋からは時間との闘いでした。
明るいうちに少なくとも林道まで出る必要があります。
大門沢の下部のルートは見失いやすいところがそこかしこにあり、
「暗くなったらヤバいなぁ」という気持ちがどんどん高まります。
途中、崩落して沢に沈んだ橋があるのですが、ゆっくり渡り方を検討している時間もないので、
沢ポチャしながら進みました。
何とか明るいうちに林道までたどり着きました。
自分の感覚ですが、全行程で通常より2時間ほど余計に時間がかかってしまった感じです。
今回は日の長い7月上旬だったから良かったですが、
日帰りするには残雪がまだまだ多い時期だったり、
悪天での撤退の判断をするべきだったことなど
反省すべきことも多い山行でした。
次回は3000mの晴れの稜線漫歩をしたいです。
今シーズンもう一度チャンスがあるかな。
あの暴風雨の中で、よく縦走しましたね
タイトル見た時は間違いかと思いました
よくぞこのコースを日帰りで、
技術と体力が成せる技ですね
私の憧れのコースですね。
大変参考になりまし
お疲れ様でしたね。
また良い山行を!
gryffonさん
こんにちは。
日曜日はヒドい天気でしたね。
「せっかく来たのだから…」
という貧乏性的な発想で縦走路に突っ込んじゃいました。
キタダケソウ、ボクは見つけられなかったので
gryffonさんの記録で堪能させていただきました。
コメントありがとうございます!
kokochokoさん
こんにちは。
コメントありがとうございます!
このコース、自分も大好きです。
でも日帰りだとバスの時間制限を受けてしまい、
間ノ岳付近から雲が上がり始めることが多く、
気持ちいい晴れの天気は体験したことがないのです…。
この日曜日も最悪のコンディションでした。
1〜2泊で3000mの稜線漫歩を堪能したいものですね。
明日から3日間の計画で同じルートを縦走する予定の者です。
danyamaさんの記録、非常に参考になりました。
そして考えてもいなかった不安が渦巻いてきてます。
特に大門沢下降点からの下りが心配になってきました。
厳しい天候条件もあって、ルートミスとかがあったのかと思います。
こここ数日は安定した天気が期待できますが、当地初めての者ですけれど、明るい空のもとであればルート見失いの危険は少ないでしょうか?
また、間違って沢を下ってしまったという所はどのあたりですか?
下り雪渓トラバース後のルートは目印とかあるのでしょうか?
よろしければお教えください。
tacksakaiさん
こんにちは。
ボクが間違っちゃった場所は標高で言うと2820m付近です。
ガレている谷を少し下ってしまいまいました。
あまりに急&激しくガレていたのでおかしいとすぐ気づきました。
登り返さずに強引に藪漕ぎして登山道に復帰したので、
間違った地点に目印があったかどうかは不明ですが…。
でもフツーに歩いていれば大丈夫だと思いますよ。
自分はちょっとやっかいな雪渓も終わり、
ホッとして気が抜けていたのだと思います。
雪渓を過ぎるとルート自体も比較的しっかりしてきて、
目印もあるので大門沢小屋まで迷うことはないと思います。
晴れの稜線を満喫できるとといいですね!
danyamaさん、こんにちは。
先ほどは、こちらのレコへのコメ、ありがとうございました。
日曜日、北岳の山頂で少しお話していたようですね。
それにしても、あのヒドイ天候の中、あの後、縦走に向かわれていたとは思ってもみませんでした。
(左俣を下るのかと思っていました)
私も、昨年二山縦走したのですが、北岳周辺のお花に見とれすぎ、北岳山頂をスルーしてしまいました。
今年、再挑戦しようかと思っています。
それにしても、凄いですね。お疲れさまでした!
こんにちは、tacksakaiです。
お返事いただきましてありがとうございました。
状況教えていただき、だいぶ安心しました。
danyamaさんのように日帰りというわけにはいきませんが、3日を2日に出来るようチャレンジしながら楽しんできたいと思います。
ありがとうございました。
八ツから見ていた北岳は分厚い雲の中でした。
荒れているだろうと思っていましたが、縦走していましたか。
恐れ入りました。
広河原に朝4時頃に着く方法があると帰着時間の心配もいらないですが、林道歩きも長いからなぁ...
お疲れ様でした
cirrusさん
こんにちは。
こちらにもコメントいただきありがとうございます!
間ノ岳側に座ってました。
キタダケソウの話をちょこっとした気がします。
cirrusさんの記録も以前より拝見させていただいていましたので、
cirrusさんだと分かっていればもっとお話したかったです、残念…。
山の嗜好が似ている気がしますので(エラそうでスミマセン…)、
今後とも記録参考にさせていただきます。
白峰三山の記録も楽しみにしています!
※外国人の3人組、心配でしたよね。大丈夫だったのでしょうか。
hottenさん
こんにちは。
八ツからは南ア見えたんですね…(羨)
こちらは常時視界20〜30mほどでした(泣)
hottenさんの八ツトレーニングとは違い久しぶりに修行でした(笑)
上高地は5時過ぎに入れるので、
せめて広河原にもこのくらいの時間に入れるようにして欲しいもんです。
コメントありがとうございます。
びっくりですね。以前からタフだなぁとは思ってましたが、このコース日帰りですか・・・。
ちょっと口が開いたままです。しかも悪天候の中。。。
私は天気予報が悪いとすぐに山行あきらめてしまいますが、そんなことでは体力着きませんね。
とりあえずこれからスクワットでもしておきます。
usatakoさん
こんにちは。
コメントありがとうございます!
「より遠く、より高く、より速く」
歩いてみたい願望が一応あります。
書いてみると何だかカッコいい(笑)感じがしましたが、
実際は単独だとどうしても欲が出てしまい、
悪天と分かっていても突っ込んだり、
せせこましい登山になってしまうのが現実です…。
usatakoさんのように、
途中で花を愛でたり、山頂で数時間過ごしたりと
余裕のある山行ができるようになるのでしょうか?
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