国師岳 笛吹川東沢/金山沢遡行〜西沢林道下降
- GPS
- 34:30
- 距離
- 24.1km
- 登り
- 1,622m
- 下り
- 1,617m
コースタイム
8:30駐車場-9:10ホラの貝入り口-11:00乙女滝-12:00金山沢と釜の沢の二股-13:00金山沢左右股の二股-14:30C1天場
二日目
6:30天場発-7:20林道-8:20林道の登山道入り口-10:50~11:30国師岳山頂-12:50林道に戻る-14:20西沢旧森林軌道橋脚後を徒渉-15:30西沢渓谷遊歩道終点-17:00駐車場
天候 | 一日目曇り 夜半雨 二日目晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
●金山沢は前半素敵な滑床連続、後半は堰堤が合計14本 ●国師岳南東尾根(天狗尾根)は素敵な巨岩の修験道ルートだが、道が一部不明瞭。巨岩で不明瞭なところなど道を外すとシャクナゲジャングルで要注意 ●林道はおおむね快適だが、西沢渓谷へ繋がる下部はノリ面の崩壊で落石デブリ多し。通過は要注意 ●徒渉点〜遊歩道間の軌道跡は崩壊ボロボロなので要注意。一般登山道ではありません。事故があっても行政を責めてはいけません。 |
写真
装備
個人装備 |
ノコギリ 1
登攀具個人 1
沢個人とまり装備
|
---|---|
共同装備 |
ツエルトかタープ 1
予備ストーブ 1
鍋 1
ロープ20m 1
|
感想
国師岳にズバッと登る良い渓谷ルートは無いものか。南面の西沢源流は伐採の林道が古くから入っていて全滅なのだが、東沢の金山沢からコルを乗り越えれば、中流域は楽しめるかも、と思って計画した。
セーノ先輩とその仲間が沼田から雁坂トンネルくぐって来た。こちらは自宅からオートバイで合流した。先輩は4年ぶり、ゴーちゃんは谷川一ノ倉尾根以来で15年ぶりくらい?
東沢に入ってすぐ河原に降りて、巻き道を行かず、ドンドコ進む。最初の函で胸まで浸かって結局泳ぎ初め。気持ちいい。ゴーちゃんは左岸をへつろうとするが結局ここは難しかった。次の函滝は、水流段差1.5mほどだけど泳いでも抜け口手がかりに望み無し。ゴーちゃんが左岸をじりじりへつって抜けてしまったが、あとの三人は左岸を高巻く。高巻いたけど降りるのがエラいのでそのままさらに上がって高巻き夏道に上がってしまった。この道は20年前までは一般登山道だったのだ。そのあとゴーちゃんも上がって来てあとは道を行く。ホラの貝ゴルジュを巻いたあとは、河原を金山沢二股まで。ここは釜の沢のほうが支流に見える。
金山沢は信州沢を分けるとすぐナメナメ天国になった。延々続く。今回メンバーの半分はアクアステルスというイボイボラバーの靴底で来ていた。フェルトより張り付きが良く、フェルト組が滑り落ちる場面多数。金山のナメは、釜の沢のナメより長いんじゃないかと思うくらい続く。思わぬ拾い物に喜ぶ。けれどもそれはやがって終わってしまった。堰堤が唐突に現れ、沢はガレガレに。堰堤を三つ超えたら四つ目との間に二股。左股を行き、コルまできている林道を目指す。堰堤を通算七つ超えたところで、左岸に気持ちいいカラマツ林。下草は丈20センチほどの柔らかい笹原で、ここに幕営する。周りには索道の廃墟や一升瓶などもある。ずいぶん古い時代の皆伐あとだ。カラマツの育ちぶりからみて1970年以前だと思う。直径1mを超すシラビソと思わるる切り株多数あり。超えて来た堰堤は一番下のが平成11年、上に上がるに連れ古く昭和60年前後になった。上の林道から作り下って来たのか結局通算で14基あった。支流にもドカドカ。久しぶりの焚き火でバーボン飲む。みんな料理はテキトーなチームである。夜半雨が降る。
朝、火をおこしてラーメン食べて出発。堰堤クライミングで、左岸か右岸かのルートファインディングを養う。朝6時半、県警のヘリが上空を飛んできて何かアナウンスしている。聞き取れない。遭難捜索かもしれない。コルに上がると、林道があった。この道は西沢渓谷ではなく、南の山をこえて、牧丘村の方から延々のびて来ている。この道に乗って、20分ほど行き、アザミ沢源流に良い国師岳直登沢は無いかと物色しながら行くが、どれもこれも堰堤フォール連発にコンクリ固めされていて落胆し、スゴスゴと登山道を登る。ここでフェルト地下足袋をスパイク地下足袋に履き替える。この道もあんまり歩かれていない御様子だ。何故か結構な規模のアカマツ林がある。それを超えるとシャクナゲのジャングルになり、やがて巨岩ゴロゴロの傾斜のある尾根登りになる。ここは修験道者にはよいルートだったのではないかな。コンタ2460にあるピナクルには何か霊力もありそうだよ。頂に剣が奉納してある。その近くには長居するのによさそうな岩屋根がある。ここは昔、絶対みんなで集っていただろうなあ。曇りの予報だったのに凄く晴れて、富士山も南アも見えている。涼しい風が吹いている。山頂は大弛峠から30分ほどで来る人がたくさん来ていた。隣の北奥千丈岳は最高峰だけど、ひと山行に二つも山頂は要らないと思うので今回は国師岳を最高点とする。黒金山経由の縦走が当初の計画だったけど、何かと時間を食ってしまったので元来た尾根を下る。登りは結構迷いながらだったのだが、二度目となると早かった。そのまま京の沢からアザミ沢への林道を下る。
通行止めして久しい林道は、緑に包まれて清々しい。以前は、林道とは工事現場の荒れた景観で殺伐としていたことが多く、何時間も歩くのは嫌なものだった。こんな道なら上高地の槍沢へ行くのと気分は変わらないのだなあと最近思う。バブル林道工事快進撃時代は終わったのだ。もう土煙トラックが通ることもない。この林道も標高1600あたりまで下ると崩落が激しい。山を崩して作った林道なんだから崩落もするだろう。治す事もないだろう。コンタ1520で徒渉。廃棄された森林鉄道の橋脚があるところ。石を積んでコンクリで固めた手作り風の橋脚。ここから軌道の壊れた道を延々辿る。結構な岩壁を穿って作った狭いテラスやトンネルを抜けて行く。この下流の西沢渓谷遊歩道と違い、廃墟ルートのままになっている。1981年ころまではこんなに荒れていなかったとのこと。82年、87年、89年に大きく崩れ、以後治すのをやめたらしいい。
コンタ1340m以下の西沢渓谷の遊歩道は安全管理された観光客むけの整備がなされている。温井さんが手入れしているのだろうな、手書きの看板標識もあって絶景の名前がわかる。七ツ釜五段滝は壮観。ヌピナイ沢や、長良川の大釜や、あちこちの釜滝も凄かったけれどこれはなかなか。でもいくら絶景でも、手すりがあって飛び込めない釜滝は、テレビ見ているみたいだな。ヌク沢で足洗って、僕は脚の筋肉のアイシングして、クールダウンには最適な散策路を駐車場まで戻る。帰り道はここで分かれる正反対なのでここでお別れ。また行きましょう。
モーターサイクルで一時間ちょっとで帰宅する。バイクで山から帰るのは高校生以来だ。甲府盆地へむけて標高下がって行くと、突然風の温度が変わるところがあった。びしょぬれの体もすっかり風で乾いた。風呂もラーメンも寄らず、まっすぐ帰宅すると小3娘が玄関先でキュウしてくれたのがうれしかった。ウチの晩ご飯にまにあった。今夜の寝る前の創作おはなし劇場は、黒猫森林鉄道の話。山奥の木こりや、途中の水晶採りの鉱山の親方に人数分の弁当を届けたり、紫水晶のくずを受け取ったりして渓谷を走る軽便鉄道があって、クロネコの運転手は・・・スヤスヤ。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
こちら、毎日夕立、雷雨、梅雨再来かと思うくらいでした。
暑くて湿気の中、ガーデニングしてました。
ナメナメ天国!腹ばいで滑りたいです。
連日38℃というような猛暑の甲府から見ると天国ですね。
水が実に涼しげです。
実は西沢渓谷の最上部の「アザミ沢」とか「京の沢」には鉱物産地があり、以前西側の大弛林道の方から入ったことがありました。これがけっこう遠い。
西沢渓谷側から行けるのであれば、そのうちぜひ歩いて見たいと思います。ありがとうございました。
まろくみさん
腹這いフリクションでひとやすみです。気分は赤腹イモリです。
パソコムさん
やはりこの辺鉱石天国でしたか。素人にはさっぱりわかりませんでした。一応地質学教室だったんですけど・・。
ここの林道はすごい遠くから伸びてきていますよね。恩賜林丸刈りの歴史なんでしょうか。
昔の山友達、先輩後輩との山行は良いですね、風情があって。
僕と違って素直な文体は読んでて涼やかです。
東沢西沢をぐるりと周回、しかも森林軌道跡の探検は興味がそそられます。僕は森林軌道フェチなのだ。男子はいくつになってもこういう物が好きなんだな。
gankoyaさん達が好天の中沢歩きを楽しんでいた時こちらは大烏帽子〜朝日の笹薮の稜線で雨に吹かれてました。(*Θ_Θ*)/
今回は縁があって、イグルー第一人者のyoneyama氏と行を共にできました。
yoneyamaプランに、3人が金魚のふんでついていった次第…。
ルートの選定理由は氏のこだわりのようで、今回のルートも「篤志家向き」になりました。
堰堤登攀(?)が夢にまで出そうですが、妙に楽しい2日間でした。
私の地元の上越は天候不順のようで残念でした。
またおいでください。
修験の籠り堂があるんです。一回りしていただけたら見つかったんですが。森林軌道跡、まだ歩けたんですねー
さわどんさま
森林軌道の跡というのはむかしの人からの凄く強い伝言です。子供にするお話や、夢の中にたびたび現れます。青森の下北半島、津軽半島でもたくさん見ました。
がんこやさん
国師岳はすごく大きな山でしたね。くたびれるまで歩き倒して、ようやく自分の中にその山が位置を占めてくれる気がします。
ジンさま
籠り堂!やはりあるのですか。あの、天狗岩の逆サイドあたりなのかな。狭いチムニーはありましたね。そういう目で見て探すべきだったな。中世の人たちかな。
森林軌道あとは、登山道としては管理していると言えないでしょうが、沢登り的には滝の高巻きレベルと変わらない難易度という感じです。管理者に文句をいう筋合いの道ではないです。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する