ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 322811
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
甲斐駒・北岳

北岳 

2013年07月13日(土) ~ 2013年07月14日(日)
 - 拍手
GPS
32:00
距離
10.6km
登り
1,657m
下り
1,646m

コースタイム

13日 6:55広河原山荘 ⇒ 9:40大樺沢二俣 ⇒ 12時30小太郎尾根分岐 ⇒ 13:00北岳肩の小屋(幕営)
14日 5:30北岳肩の小屋 ⇒ 6:30北岳山頂 ⇒ 7:20北岳肩の小屋(テント撤収) ⇒ 8:25小太郎尾根分岐 ⇒ 10:20大樺沢二俣 ⇒ 13:20広河原山荘
天候 曇り 雨
過去天気図(気象庁) 2013年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
コース状況/
危険箇所等
上記ルートにおいて危険個所はありません。

小太郎尾根から上、稜線上は風が強いです。
奈良田 第2駐車場 バス待ち
奈良田 第2駐車場 バス待ち
バスは立乗りですが、特等席
バスは立乗りですが、特等席
落石があり、排除
落石があり、排除
広河原山荘 出発
1
広河原山荘 出発
登山道は渋滞気味
1
登山道は渋滞気味
今回のザック、26
息子より大きく、息子より重い。
今回のザック、26
息子より大きく、息子より重い。
間もなく二俣
大樺沢二俣

真正面の雪渓上が八本歯のコル
大樺沢二俣

真正面の雪渓上が八本歯のコル
黄色い花が咲いている
黄色い花が咲いている
雨が降ってきた…
雨が降ってきた…
もうすぐ肩の小屋
もうすぐ肩の小屋
北岳は雲の中
ちょっとガスが切れてきました。
ちょっとガスが切れてきました。
オベリスク!
富士山!
ちょっと山頂へ行こうとしますが…
ちょっと山頂へ行こうとしますが…
土砂降り敗退。

テント内でラーメン
土砂降り敗退。

テント内でラーメン
朝。

雨は止みました。
朝。

雨は止みました。
オベリスク
御来光!
北岳をバックに
富士山をバックに
富士山をバックに
仙丈ヶ岳をバック
仙丈ヶ岳をバック
小屋周辺を見下ろす
1
小屋周辺を見下ろす
三角点!
何かの花。

詳しくないのでスミマセン。
1
何かの花。

詳しくないのでスミマセン。
テント撤収後、下山開始。
1
テント撤収後、下山開始。
雲の下を歩く
稜線から下がってカッパを脱ぎました。
1
稜線から下がってカッパを脱ぎました。
右俣コースを下ります。
1
右俣コースを下ります。
途中で休憩
息子、ぽんぽんトラブルで大樺沢二俣のトイレまで鬼ダッシュ。

私、ダッシュについて行き膝負傷。
1
息子、ぽんぽんトラブルで大樺沢二俣のトイレまで鬼ダッシュ。

私、ダッシュについて行き膝負傷。
トラブル解消の息子。
登山中一番のさわやかな笑顔
トラブル解消の息子。
登山中一番のさわやかな笑顔
アリの格闘を眺めてみたり
1
アリの格闘を眺めてみたり
橋を渡ったり
広河原山荘でお昼御飯
広河原山荘でお昼御飯
吊り橋渡って…
北岳は雲の中
バス停到着
疲れ様〜
2
バス停到着
疲れ様〜
奈良田に帰って来ました。
奈良田に帰って来ました。

感想

7月13〜14日 
北岳へ登山してきました。

当初の予定は13〜15日で涸沢、涸沢岳、奥穂、前穂の縦走を予定していましたが…
連休の天気予報がよろしく無く、少しでも天候の良さそうな南アルプス、白根三山へ行く事にしました。
ちなみに、計画は両方とも進めてきましたので、無計画ではありません。
結果的に天候やらトラブルやらで、北岳のみで敗退してきました。

それでは長文、お付き合い願います。



12日夜に息子を乗せて奈良田へ移動しました。
現地着が1時過ぎ。第2駐車場に止めましたが、その後続々と車が入って来ました。

13日朝4時起床。
うっすら明るくなってきたので、ボチボチと準備します。
着替えて自分の準備を進めてから、息子を起こします。
5時頃になると既にバス停に人が並び始めたので、私達も並びました。



5時なのに長蛇の列
その後、バスが来ました。ハイシーズンのおかげで、第2駐車場始発のバスが来ました。3台も。
私たち親子は中途半端に早く並んだので、1台目のバスに乗車。
私たちが乗り込んだ所で、後ろの人達は次のバスへ。
なんと、立乗り!

次のバスにしてくれれば良いのに〜と思ったものの…


特等席に座れました(笑

ステップの所に座って、先頭席で前が見えます(笑
親子でステップに座って景色を見ながら移動です。
なかなか豪快で適当な運ちゃんで、左のミラーをトンネルの壁にぶつけながら走ります

そんなおり、道の真ん中に落石が!
バスが通れませんが、サイズはそれほど大きくありません。
運ちゃんが下りて動かす事にしたので、ステップに居る私達も降りて見てみます。


人一人では動きませんが、運ちゃんと私の2人でギリギリ動きました。
道の端に寄せてOK。
再びステップに座って出発です。


定刻通りに広河原に到着し、 トイレを済ませて出発です


北岳 山頂は雲の中です。


7:00
広河原山荘で登山届を提出し、出発です。


流石三連休、登山道も渋滞気味です。
所々立ち止まったりしたり、ペースが上がったり。
なかなか個人のペースで歩けません。
ですが、所々で立ち止まるのでそうそう疲れる感じでもありません。
そこそこのペースで高度を上げます。

途中、お腹が空いたので朝ごはん兼昼ごはんのおにぎりを食べたりしました。


今回からの山行の為に新調した、オスプレーのジーニス88
息子より大きいです。
重さも26圈帖
息子より重いです…!

農鳥岳から奈良田への下りで、まだ雪渓のトラバースがあると聞いていたので、
ピッケル持ったりアイゼン持ったり、装備がとても重いのです。
初めてのテン泊で、水の加減が分からずに5リッターも入ってますし。。。
息子用のヘルメットも入ってます。
もちろん、ハーネス、ロープも。

重い…

トレーニングトレーニング(笑

一度登山道から外れると、なかなか隊列に戻れなかったりします。
渋滞時はいつもこんなんですね。



もう少しで大樺沢二俣と言う所で小雨が降り初めましたが、さほど強くないのでこのまま高度を上げます。


そして大樺沢二俣で大休止。
ここまで広河原から高度差で700m上げまして、CT(コースタイム)は2時間40分。
今日は休憩込みで2時間50分で上がってきました。
どうした、息子。速いじゃないか!

と言うか、今回私の荷物が重すぎて、自分のペースが上がりません。
もともと山屋でもなんでもない私にとって、26圓硫拱はかなり過酷です。

おかげさまで、今回は私よりも息子の方が快調に歩きます。


さて、ココから右俣コースを詰めます。
さらに斜度がきつくなります。
足が重くてなかなか上がりません。

それに比べて息子の足の快調な事。
もう、息子を背負うから代わりにザックが歩いてくれ、
とかよくわからない事を考え始めたり(笑




しかし、南アルプスは初めて来ましたが、花が豊富にありとても綺麗ですね。
北岳にはキタダケソウなんて花があるらしいですが、詳しく無い私はどれがそれかも分からず…
でも、心は癒されます。

しかし、とうとう雨が降り始めました。
雨が降リ始めると写真を撮る数が激減します。


まもなく小太郎尾根分岐ですが、ここまでも結構いいペース。


そうそう、ここに来るまでに、小学校5年生の父子の方と抜きつ抜かれつしながら来ました。
途中で色々お話したり。
お父さんがとても優しい感じの方で好印象。
息子さんも端正な顔立ちで、優しそうな子です。
初めて息子さんに大きなザックを背負わせて、同じく奈良田まで縦走するそうです。
3日間同じ道を歩くことになりますね!



そんなこんなで小太郎尾根分岐に来ました。
しかし、稜線に出た瞬間に強烈な風!
雨と風に心が折れそうになります。
しかし、右又コースのCTが2時間30分の所を2時間40分(休憩込)で上がるとは、ホントに今日の息子は絶好調です。
おかげで私の体力は持って行かれてますが…

さて、後は小屋まで30分

息子との約束では、北岳肩ノ小屋まで13時に到着すれば、そのまま北岳を越えて北岳山荘まで行く。
13時を過ぎれば、肩ノ小屋で幕営でした。
時間は丁度13時に到着です。

小屋に行く前にテン場を通過しようとすると、
先ほどの父子が幕営中でした。

天気が良くないので、今日北岳山荘まで行くのを諦めたらしいです。
翌日の天候次第では明日下山するとの事。

さて、うちらもどうするか…

息子と話をすると、調子が良いのでこのまま北岳山荘まで行けると言ってます。

風は強いですが、丁度雨も止んだので行けるかな?

ザックを下ろして休憩します。
私はトイレに行ったのですが…
戻ってみると息子が私のザックに突っ伏して寝ていました。

あらー。。。
やっぱりちょっと無理してたんですね。
無理は禁物。
これはココで幕営しましょう。
距離は歩いていないものの、高度差は1500mほど上げているので、やっぱり疲れていますね。

と言うわけで、テントの申し込みをして、缶ビール買って幕営です。
しかし、テン場をウロウロしましたが…

場所が無い!

大混雑で、良い場所は既にパンパンに埋まっていて、
もうちょっとテントを寄せろとか喧嘩している人も居ます。

稜線から仙丈ヶ岳側は空きが多数あるものの、
とんでもない風でテントが持って行かれそうです。

かといって、もう沢側は…
なんとかずっと下の方に空き場所を見つけました。
ちょうどハイマツの間にテント一張り分の隙間がありました。
ただ、傾斜がひどい!

でももうほかに場所も無いのでここに幕営です。





しかし、幕営後は雨もやみましたし、初めてのテントに息子のテンションMAX!
ハイマツが風よけになって、傾斜がある以外は場所的に完璧です。

さて、早くテントも張ったので時間に余裕があります。
ビール飲んで景色を見たり、その辺を散策したり。

3時を回ると、急に今まで真っ白だった雲が切れてきました。


なんと!

向かいの山にオベリスクが見えるし、富士山が真正面じゃないですか!

北岳の山頂も雲が切れ始めました。


さて、どうするか。
天気予報を見ると明日の天気も悪そうです。
しかも「雷雨」とか出始めてます。
これは明日の稜線歩きは無理かな?


と思ったのがいけなかったのですが、
これから、今までの私の山行の中で、
最大のミスを犯すことになります。


息子に

「明日、雨だったら下山しよう。もう辞めて帰る。
 でも朝から雨が降ってたらここまで来てるのに
 北岳の山頂にもいかない事になるから、
 今ちょっと空荷で行ってみない?」

往復1時間と聞いて最初は渋っていた息子も、
ココまで来て山頂を一つも踏まずに帰るのは嫌だと思ったらしく、
行ってみる事に。



15:45 肩の小屋スタートです。
思えば、この時に既に山頂が雲に隠れている事に気づけば良かったです…

風は相変わらず強いので、息子にハーネスとロープ装着。
しかし、風しか想定していなかったので、ジャケットはダウンのみ。
私も同じくでした。
これから地獄の1時間を過ごすことになります。


ゆっくりと30分弱を登った所で急に雨が降り始めました。
2人ともカッパを着ていないのでずぶ濡れです。
山頂は多分目前ですけど、引き返してテントに戻る事に。
雨はどんどん酷くなり、今日一番の降りになってきました。
マズい、これはマズい!
体温がグングン下がるのが解ります。
でも急ぐと岩が滑るので危険です。
ロープを引っ張りながら息子が滑って転ばないように早足で下ります。

もう、雨の日の野良犬のような状態でテントの中に転がり込みました。

息子の服を全部脱がせ、着替えさせます。
私のザックが重たい理由の一つ。
子供はいつどこで服を汚すか分からないので、着替えは存分に持って行きます。
パンツ、Tシャツ、ズボン、長袖、靴下、全部をフル着替えです。

寒い寒いと言っていた息子も、着替えてテントの中に居ると少し温まってきたようです。
そして困ったことに…

私の着替えが無い。

パッキングをした時に荷物が重すぎたので、私の着替えを全部カットしたんです。
現状、着替えは半袖一枚のみ。

とりあえず服を脱いでTシャツ一枚になり、後はそのままカッパを着込んで過ごすことに。


ミスを犯した!
油断せずにカッパを来て山頂に向かえば良かった…


何より、息子に危険な思いをさせてしまった事、
嫌がる息子を説得してまで山頂に行ったのに
散々な思いをさせてしまった事に後悔。

そんな息子も、初めてのテントが嬉しすぎるようで、
私のそんな気持ちを跳ね除けるようにテンションMAXです。
それが唯一の救いでした。


お腹が空いたと騒ぐ息子。
テント内でコンロに火をつけてお湯を沸かします。
マルタイの某ラーメンを食べますが、山の上で食べるラーメンは最高!


良かった、こんな状況でも息子は楽しんでくれている…

コンロのおかげでテント内の温度は上がるのですが、湿度は飽和状態です。
脱いだ私のズボンや長袖は渇きません。
テントの上のベンチレーションを開き、テントの入口を少し開くのですが、寒くなるのですぐ閉めなければならなくなります。

参った…


夕飯も終わり、まだ外は明るいですけど雨は降り続けます。


どっと疲れが出てしまい、18時30分ごろ、私は眠りについてしまいました。
息子は一人で遊んでいたようですが、多分7時頃に寝たと思います。



申し訳ない…


息子の初めてのテン泊がこんな形になってしまうとは…




夜中12時頃目が覚めました。雨は止んでいるようです。
トイレの為に外に出ましたが、風が強すぎて寒い!
でもこれはチャンスです。

濡れたズボンと長袖を絞りに絞って、左右の手にもって振り回します。
なんとか乾燥してくれないかと。

夜中にヘッデンつけてテン場の真ん中で、両手で服を振り回す男。
想像してください。


かなりおかしい人です(汗


しかし必死なんです。

振り回し続ける事10分ぐらい。
服はほんのり湿っている程度まで復帰しました。

テント内の荷物の上にタオルを敷き、その上にズボン、また上にタオルを敷いて、長袖、そしてタオルかぶせる。
少しでも水分を吸収します。

ベンチレーションを開いて空気は換気。
気温が下がればコンロを焚いて温度を上げる。

火を使う時はグローブもついでに乾燥させます。
まずは息子の手袋からですが…

それから2時ぐらいまでは、それを繰り返してました。

なんとかズボンと長袖はしっとりしている程度まで回復。
気温は恐らく5度前後。
後はもう着込んで自分の体温で乾かそう。
カッパを脱いで、しっとりしている服を着込みます。
そしてその上から保温の為にカッパ。

もうですね、気持ち悪さ130%な訳ですよ。

しかし、この長袖が無いと明日は死ねる。
ずぶ濡れのダウンは、雨さえ止んでいればカッパの上から着れます。


そんな事をグルグル考えつつ、ガタガタ震えながら再び寝落ち。
いつもは暑苦しい息子の体温が、こんなにありがたく感じた事はありません。
ぎゅーってして湯たんぽのように寝ると最強に暖かいです。



4時頃再び目が覚めました。
3時ごろからテントを撤収する音が周りから聞こえていたのでウトウト程度ですけど昨夜は7時前から寝ていたのでOKです。

外に出てみると、気温も低いし風は強いし雲もあるものの、見通しが良いです。
ちょっとやる気が復活です。

カッパを脱いでズボンと長袖が乾燥していることを確認。
再びカッパを着込んでから上にずぶ濡れダウンを着ます。
息子の濡れたジャケットも隣の岩に乗せて風に晒します。


それにしても景色が綺麗。真正面にはオベリスク!
いつか行ってみたい!

その右には富士山!
世界遺産に登録されちゃって…
もう行けないな〜

なかなかテンション上がります。
お湯をわかしてコーヒー入れて…


御来光を拝みます

幸せ…

さて、今日の予定を考えます。
天気は良い。風は強い。
しかしここから農鳥方面は1日中稜線歩きです。
自分単独なら良いものの、息子は体力と気力が持つのでしょうか?

小屋へ行ってみて、今日の天候を聞いてみると…
「午前中は少し持つと思うけど、基本的に昨日と同じだねェ…
 午後には雨が来るし、風はずっと強いよ。」
との事。


縦走するかどうか息子に相談した所、
「僕は行けるよ、お父さん、行こう!」
と言いました。

コレを聞いて決めました。
よし、北岳だけ登って今日はそのまま下山をしよう!

昨日の事もありますし、無理をしてはいけません。
今日の予定ルートはエスケープルートも無く、
雷が来たら逃げ場も無い。
山は逃げない、またいつかやっつけに来ればいい。

無理して楽しく無い思いをするぐらいなら、
楽しいまま下山する方が良い。

今、息子は楽しんでくれている。

帰ろう!

小屋番さんにもうしばらくテントを張っておく事だけ伝えて、
空荷で山頂に行きます。

行くぜ!北岳!
昨日のリベンジ!

さて、小屋から出発です。
息子にはカッパを着せて、目出帽+帽子の完全防備。
さらに河童の上から昨日濡れたジャケット着せておきます。
カッパの上に来ているので大丈夫。
さらに風に当たれば渇きます。


稜線から、この間行こうとして同じく天候の為に辞めた仙丈ヶ岳が見えます。
またいつかやっつけてやる!
今の息子の足なら、日帰りできる!


山頂までの途中、昨日の父子とすれ違い。
同じく縦走を諦めて今日このまま下山するそうです。
やはり子連れでは同じ選択をしますね!

さて、山頂までの道は一度歩いているのでサクサク登って行きます。
ちなみに、昨日引き返した場所は山頂の手前50m位の位置でした。


そして山頂到着ですが…
北岳、日本で2番目に高い山なのに…
三等三角点ですか!
もうちょっとグレードの高い三角点にしてあげても良いのでは・・・?

山頂には人がいっぱいいるので、写真撮ってもらったり、撮ってあげたり…


ここで不思議な出会いが。

若いお兄さんがこちらを向いて
「おぉ〜!」
とか手を振ってます。
知らない人なので誰に手を振っているんだろう…
と思ったらこちらに向かって

「去年、北穂登ってましたよね?
 山頂で見たんですよ〜。
 そのハーネスとロープの姿が印象的で、よく覚えてます!」

だそうです。

なんとも奇遇な…
でも、なんか嬉しいですね!
息子もお兄さんとハイタッチしてご機嫌です。


せっかく登った山頂ですが、すでにガスが出てきて展望無し。

さて、帰りましょう!

テン場まで戻ってテント撤収です。
小太郎尾根分岐までは稜線歩きなので、カッパは着たままです。

分岐から少し下がった所でカッパを脱ぎます。
稜線から下がった瞬間に、風は無くなりますね。

風が無いし雨も降っていないので、
「今日は行けたんじゃないか?」
と錯覚しますが、そんな事はありません。

高度の高い所は全て雲の中。
稜線沿いは強風。


さて、右俣コースを下ります。
結構斜度がありますよね。

コースタイム通りの時間で歩けているとは思うのですが、
私の足の方が息子より遅いです。
1泊しかしていないので、荷物が減っていないのです。
もともと二日目はアップダウンの稜線歩きで、
こんなに足に負担がかかる事は想定していなかったですし…
水が減ったぐらいで、食材は減ってないですもんね。


右俣の半分ほど降りた所で休憩。
大好物のQooのぷるぷるゼリーを食します。
10分ほど休んだのちに再び降りますが…

ここでトラブル発生!

「お父さん、トイレ行きたい」

なぬ?

次のトイレは二俣まで下がらないといけないけど…
まだ高度計は300mほどあります。

「申し訳ないけど、登山道からちょっと外れた所でしてきなさい。」

と言ったら、

「お父さん、だめなんだ…」


なぬ??

大か!


ここから急に超ペース。
大の為に超ペースになるなんて、最初に富士山に登った時のようです。
でも今回は違う、下りです。
息子が走るように登山道を駆け下りて、それについて行くために必死な私ですが…

なんせ荷物の重さと私の重さを合わせたらほぼ980Nでしょう。

膝にかかる負担が大きすぎてとうとう…



ガキ!



と音がしてから私が歩けなくなりました。


あー、逝った。
確実に逝ったね。
ひざ。


あとトイレまで80mの高度差。
息子にトイレに走るように指示します。

カミが無かったら、そのままトイレでお父さんが来るまで待機するように。

息子、鬼ダッシュで先行。

そこから私は、一歩一歩膝を引きずりながら下山することに。
段差を1つ降りるたびに膝に激痛が…

ようやく二俣に到着し、ザックの奥にしまった神様を取り出し、
トイレに行くと…

この二日間で一番さわやかな顔をした息子がトイレから出てきました。


「お父さん、紙あったよ〜。」

よかったね〜


お父さん、ひざ逝ったよ〜


息子はこの二日間で一番の爽やかな顔でした。

さーてここで大休止。
ここで今10時20分
バスの時間を調べたら11時、14時、16時40分。

11時はもう無理。
14時まであと3時間半。
16時40分は相当待ちそう…
CTは下り1時間50分なので14時には余裕なんですが、この膝では。。。

ここから先は、ホントに鬼スローペース。
息子からストックを返してもらい、2本のストックに全体重をかけて膝に負担をかけないようにしますが、
それでも一歩段差を降りるたびに激痛が走ります。

まずいな〜、コレはまずいな〜…
バンバン抜かれながら、ゆっくりゆっくり下ります。

途中、突然アリの格闘を眺め始めた息子。
ここで5分の損失。
でも膝が休めるからOKです。

最後の橋も渡り、広河原の山荘についた時には既に13時20分
たっぷり登りと同じく3時間ほどかけて降りてきました。
息子がお腹が空いたと騒ぐので、時間は無いですけど山荘で御飯です。

山菜冷やしうどんとベジカレー。
両方とも絶品でした!

ここで北岳のバッジを買って、13時50分
ダッシュでバス停に向かいます。
ダッシュと言っても、私は膝を引きずってますが…


吊り橋をわたり、バス停に到着です。13時55分。
セーフです。

バスに飛び乗りましたが、またもや最後尾。
立乗りです。
しかし、最後に乗ったので再び特等席ゲットです。
バスの運ちゃんが優しい人で、色々息子に話しかけてくれました。

おかげで飽きることなく1時間。
奈良田へ帰ってきました。

この時バスの写真を撮ってて気づいたのですが、
2台いたもう一台のバスにあの父子が乗ってまして、
向こうもこっちも大きく手を振ってお別れしました。

またどこかの山で!


さて、車までくればもう歩くことも無いですね。
車を走らせて、高山まで帰りました。


反省点の多い山行で縦走の予定から敗退してきましたが、
初めてのテント泊で勉強になりました。
今後の山行に役立てて行きます。
子供と山に登る以上、リスクを減らすためにはもっと思慮深く、準備をしないと。

さーて、次はどこの山へ登ろうかな?


長文、お付き合いありがとうございました。


お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:915人

コメント

まだコメントはありません
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

無雪期ピークハント/縦走 甲斐駒・北岳 [2日]
北岳
利用交通機関: 電車・バス
技術レベル
2/5
体力レベル
4/5
ハイキング 甲信越 [2日]
北岳
利用交通機関:
技術レベル
1/5
体力レベル
2/5

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら