カムイエクウチカウシ山〜1823峰〜コイカクシュサツナイ岳
![情報量の目安: S](https://yamareco.org/themes/bootstrap3/img/detail_level_S2.png)
![都道府県](/modules/yamainfo/images/icon_japan_white.png)
- GPS
- 56:00
- 距離
- 30.9km
- 登り
- 2,629m
- 下り
- 2,629m
コースタイム
- 山行
- 8:58
- 休憩
- 1:08
- 合計
- 10:06
- 山行
- 8:49
- 休憩
- 0:33
- 合計
- 9:22
- 山行
- 9:07
- 休憩
- 0:38
- 合計
- 9:45
天候 | 6/22 晴れ 6/23 晴れ時々曇り 6/24 曇り時々雨 時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
カムエクまでは昨年の記録も参照。 2020年6月23日〜25日 カムイエクウチカウシ山(八ノ沢カールまで) https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2414538.html 2020年7月18日 カムイエクウチカウシ山・ピラミッド峰(日帰り) https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2444683.html 【稜線上のテン泊できそうな所】 カムエク頂上直下 2〜3張 カムエク〜ピラミッド峰の中間あたり 1張 ・1602コル 2〜3張 ・1573コルの岩の横 1張 ・1737 1張 1823峰 1張 ・1643 1張 七ノ沢カール源頭のコル 1張 コイカク夏尾根頭の西肩 1張 コイカク夏尾根頭 3張 コイカク頂上 1張 【水について】 水場は八ノ沢カール・上二股のみ。 今回は八ノ沢カールで8Lを担ぎ、下山時に2Lも余った。カムエク頂上直下・1823峰の100mくらい下・コイカク周辺に残雪もあり、ちょっと担ぎすぎたかもしれない。ただ、担ぐ量を減らして水不足で苦しむのも辛そう。見極めが難しい。 【熊について】 登山中に熊との遭遇は無し。 ・1602〜コイカクの間に熊糞が計10個ほど落ちていた。 帰りの札内川ヒュッテ〜ピョウタンの滝の道路上にも熊糞が計10個ほど落ちていた。 |
その他周辺情報 | 新嵐山荘 日帰り入浴270円 |
写真
感想
昨年夏に初めてカムエクに登り、この山の虜になってしまった。
日高の稜線繋ぎを進めるべく、今年はそこからさらにコイカクまでの縦走に挑戦してみた。
カムエク〜コイカクは日高の稜線としては無雪期に縦走する人は多い(?)区間なようで、ルートの状況やテン場などの記録も豊富にあり、昨年の神威岳〜トヨニ岳縦走に比べれば不安要素は少なかった。
早い時期にカムエクに登る場合、札内川の水量と八ノ沢の雪渓の状態が肝になる。
札内川ダムの全流入量を6月に入ってから毎日チェックしていると、6/18頃には概ね5㎥/s台に落ち着いた。八ノ沢の雪渓については、昨年同時期に登ってなんとなく攻略方法が分かったので行けるだろうと判断。
【1日目 6/22】
幌尻ゲートで車中泊して早朝にスタート。水は1.5Lだけ背負った。今回は周回ルートなので自転車は使えず、七ノ沢出合までの道は普通に歩く。去年よりも整備が進み、橋が完成していたり倒木が処理されていたりして快適になっていた。札内川本流の流れも昨年と大きく変わっていないようで、渡渉点や巻き道の位置も同じだった。ここを歩くのも3回目、慣れもあり八ノ沢出合まで順調に進む。
八ノ沢に入ってしばらく進むと所々に雪渓が現れ、やがて沢全面が雪渓に覆われた。ただ昨年の同時期に来た時よりも若干薄いような気がした。999三股から上はピンテも増えていて、周囲をよく見れば迷うところは無さそう。1300mあたりから再び雪渓が出てきたが、幸いなことに厚みが残っていて、藪をつかみながら安定して登って行けた。
八ノ沢カール手前の源頭で取水。8L分のペットボトルを満タンにし、ザックの重量は25kgくらいになった。重すぎて肩と腰が砕けそうだ・・・。
沢靴から登山靴に換装し、カールから主稜線へ向かう。服部文祥の真似をして木の枝をピッケル代わりに持ちながら斜面をトラバースした。藪をつかんで最後の急登を這い上がり、主稜線へ。カムエク頂上までは快適な道なのだが、ザックが重すぎて全然進まない。日帰りした時の倍近い時間がかかってしまった。
カムエク頂上直下にテントを張り、日が暮れるまで360°の大展望を楽しんだ。写真を撮ったり、頂上直下の残雪でカキ氷を作ったり、ひたすらぼーっとしたり・・・。自分がこの場所にいるのが信じられず、なんだか夢のような時間だった。
【2日目 6/23】
3時ごろ起床。朝の気温は肌勘で5℃くらいだろうか。夕日も良かったが、朝日もまた感動的だった。
水の残量7Lで出発。まずはピラミッド峰を越えて未踏の稜線へ進む。踏み跡は薄っすらあるものの、一気にハイマツが濃くなった。・1807手前には両側がすっぱりと切れ落ちたナイフリッジもあり、南日高の靴幅山を思い出した。
・1807から岩場を慎重に降りて・1602コルへ。・1602〜・1573の先までは今回のルートで最も藪がきつい区間だった。背丈を超える樹木や巨大化したハイマツが稜線を埋め尽くしている。乾燥した枝先は尖っていて、容赦なく体を突き刺してくる。そんな藪をかき分け、踏みつぶしながら強引に進んだ。晴天で景色は良いのだが、風がなくて暑いのも相まってかなり消耗してしまった。
・1737あたりまで来ると藪の背は低くなり、この日の最低限の目標としていた1823峰も近づいてきた。調子良ければコイカクまで1日で行って、翌日ついでに1839峰も登っていくか?なんて考えていたけど、そこまでの余裕はない。完全に日高をナメていたようだ・・・。
14時過ぎに1823峰に到着。ここは1839峰と違ってあまり注目されない山だけど、「いっぱにいさん」という響きが渋くて、存在感もあって以前から登ってみたかった山のひとつだった。今回登頂できて嬉しかった。
まだ時間は早かったが、座って休憩していたら一気に眠くなってきた。翌日の行程を考えるとこれ以上進む必要も無いかなと思い、1823峰でテントを張る。カムエク南西稜に沈む夕日がきれいだった。
【3日目 6/24】
3時ごろ起床。この日は曇りで涼しい。水の残量3.6Lで出発。
1823峰から・1643までは低めのハイマツの中に踏み跡がある部分が多く、順調に進む。・1643を過ぎてもやはり歩きやすい部分が多かったが、・1444コル付近など背丈くらいの藪が濃い所もいくつかあった。それでも昨日より悪くないペースで歩けたのは、涼しいことと、水と食料が減って荷物が軽くなったからだと思う。
コイカクへの岩場の登りは高度感たっぷりだった。藪を掴んで直登したり、岩の横を巻くように登ったり。よく観察すれば登りやすい部分が必ずあるので、安全そうなルートを探しながら三点確保で慎重に登った。これが下りだったり、風雨が強かったりしたら相当怖いんじゃないだろうか・・・。
コイカクの頂上を踏んだあと、雨も降りだしてしまったのですぐに夏尾根を下る。ここは2年前に1839峰を登った時に通っているが、なかなか急な尾根だ。濡れた岩場は滑りやすくなっていて、登山道だからと言って油断できない。
上二股まで降りると雨は止んだがすでに靴は浸水していた。沢の水量は少なく、沢靴に履き替えるのも面倒だったので登山靴のまま沢を歩いた。函が出てくるあたりまではすべて飛び石で渡渉できたが、後半数回の渡渉で再び靴は浸水。でも行程の最後だったので気にせず進んだ。
水の残量2Lで終了。
【まとめ】
今回は天候に恵まれ、カムエク頂上テン泊、1823峰登頂、未踏の稜線繋ぎなどを達成することができ、充実した良い縦走だったと思う。日高らしいキツさが適度にありつつも、テン場でのんびり過ごす時間が取れたのも良かった。次回はコイカク〜ペテガリ、あるいはエサオマン〜カムエクあたりに挑戦したい。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
厳しい重装備トレッキングの完遂、おめでとうございます。
一昨年コイカクに初登頂しカムエクや1823峰を眺めて從走したいものだ、などと簡単に考え高齢の身をして不可能な夢を抱いたものでした。
今回の se11482 さんの軌跡や当時の状況が手に取るように詳細な Photo 投稿を読み、藪や高低差、水の重装備など どれをとっても困難なコースであることが改めて理解できました。大変貴重な記録だと思います。
素晴らしい山行の完遂に絶大な拍手を送ります。
tannayさん、コメントありがとうございます。
コイカクまで登れればその先の縦走も何とかなるのではないでしょうか…?とはいえ、日高の稜線では水を得るのが難しいので、無雪期に縦走するとなると装備が重くなるのが大変な所ですね。
返信ありがとうございます。この7.8月は水が重荷で躊躇します。
時間もありますし天気を見ながら稜線上に3泊するつもりでゆっくり無理せず年相応に1839峰をアタックしようと思います。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する