もう行かない! 甲斐駒ヶ岳〜鋸岳の日帰り+帰りのサイクリング
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- GPS
- 11:57
- 距離
- 30.3km
- 登り
- 3,609m
- 下り
- 3,454m
コースタイム
天候 | 晴れ時々霧。朝から、結構蒸し暑い。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
釜無川ゲートに予め自転車をデポし、これに乗って尾白川渓谷駐車場まで戻る。 釜無川の林道は、ゲートの手前 3Km ぐらいダートですが、路面は荒れていません。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
甲斐駒ヶ岳までは、特に問題なし。 三ツ頭手前の巻き道は、はっきりしません。行きやすい方に行くと烏帽子岳の方に引き込まれます。仮に行き込まれても、気が付けば、左稜線に戻れると思います。 鋸岳が危険と言えば危険ですが、それほどでもありません。体力はいるコースなので、疲れによる岩場での転落に注意するぐらいです。Wポールを邪魔に感じたのは、小ギャップの下りだけだったので、困難な岩場ではありません。 ガレ部分で上部に登山者がいると落石が気になります(上部に登山者がいなければ問題なし)。逆コースだと、足場の悪いガレ場を下ることが多くなります。 ペンキ印、テープ類は多いので、道はわかりやすいです。 釜無川林道は、ひたすら左岸の道を行きます。長くてめげるところです。 携帯(Au) は、鋸岳〜釜無ゲートまで圏外でした。 R20 道の駅蔦木宿に日帰り温泉(21:30 まで利用可能) |
予約できる山小屋 |
七丈小屋
|
ファイル |
自転車のログデータ
(更新時刻:2013/08/10 08:20) |
写真
感想
登山:
GPS 距離 31.7km
GPS 標高差 +3233M/-3058M
標準コースタイム 20:45
自転車:
GPS 距離 20km
GPS 標高差 +238m/-383m
30年も前から行こうと思いながらもテントを持って行く気にはなれなくて、見送っていたのですが、qwg さんのレコをみて日帰りできそうなので、行ってみることにしました。
今回は、途中から体調が非常に悪くなり、「遭難」+「疲労凍死」という文字が頭に浮かんでいました。当初の予定時間は 10.5H とみていましたが、12H となりました。時間はそれほど遅れず無事に戻れたものの、途中でビバークも考えたほどなので、内容的には遭難したというべき状態でした。その分、良い経験にはなりましたが、一歩間違えれば、あの世行きだったと思います。
甲斐駒は、大勢の登山者で賑わっていましたが、鋸岳方面に向かってからは、誰にも会いませんでした。
竹宇駒ヶ岳神社〜甲斐駒ヶ岳:
この間は、他の人がレコしているので、特にありません。
先が長いので、いつもより抑え気味のペースで行きます。
下部でアブにやたらと追い回されました。1発刺されて、痛い思いもさせて頂きました。黄色のTシャツ着ていたせいもあるようです。
刃渡りの先で、太平洋まで行くという若者(すごい!!)に追いつき、一緒に頂上まで行きました。
七丈小屋で水の補給を 1L しました。量に制限はなく100 円です。
制限がないため、多めにその場で飲みました。これが、この後、大変なことになったのです。
冷たい水で胃を冷やしてしまい、消化力が極端に落ちて、力が入らなくなったのです。七丈小屋から徐々にペースが落ちてきて、頂上に着いた頃には、なんか非常に嫌な予感のする体調となっていました。いつも来ているところならこのまま引き返すところですが、ようやくこれたところなので、不安を感じながらも鋸岳に向かいました。
甲斐駒ヶ岳〜六合小屋:
岩場+ザレの下りです。鎖場がありますが簡単です。
下りなのに、元気がでません。いつもより、心拍が高めなのが気になります。
六合小屋〜中ノ川乗越:
この間が非常に長く感じます。細かいアップダウンが多い上に、道もあまり良くないので、なかなか着かないのです。
三ッ頭の巻き道が特に要注意です。qwg01230 さんの GPS データを入れておいたので助かりました。普通に歩いていると烏帽子岳の方に引き込まれます。
よそ見をしていると、木の枝にぶつかったり足を引っかけたりしそうな道です。
体調いよいよ悪く、登りも下りも遅くなってきました。
中ノ川乗越〜第二高点:
さぁ、ここからが鋸岳です。第二高点への登りは、一見、ガレがひどくて大変そうな感じですが、丁寧に歩けば、崩さないで行けます。むしろ、上部のザレの方が、崩れて歩きにくい感じでした。上部を左に行けば、しばらくの登りで第二高点です。ここは、上部に登山者がいると落石の危険が高まります。
中ノ川乗越に着いた頃には、来なければ良かったと後悔していました。小休止した後、立ち上がると立ちくらみします。かなり、「やばい」と同時に、不安感が襲ってきました。完全にエネルギー欠乏状態です。少しでも力を使うと、その後、一気に疲労感が出ます。血糖値がかなり下がっているようです。そのせいか、休憩しても心拍が下がりません。血圧も低そうです。食べても(食べる気もしませんが)元気がでません。仕方ないので、生み出せる力ぎりぎりのペースに落として、少しでも力を使わないようにしました。腹筋に力を入れる行為をすると、特にその後、力がなくなります。下りでも、岩場のような踏ん張りを必要とするところだと、心拍が上がります。
第二高点〜大ギャップ下:
第二高点頂上で左の稜線を下ります。左に巻きながら結構下ると、写真のように大ギャップが見えてきます。大ギャップからのルンゼを横切り、あと 10M ぐらい下ると、バンドがありますので、これを登ります。
大ギャップ下〜鹿窓:
大ギャップ下バンドを辿り、岩尾根を右にまわり込むと、上に鹿窓が見えてきます。ここも上部に登山者がいると落石が怖いところです。クールワール内を登るのではなく、左の草付きを登ります。鹿窓の下にくると、鎖があるので、これを手繰り穴をくぐります。鎖場、ガレともに困難ではありません。
鹿窓に着いたころには、かなりフラフラでした。そのまま眠ったら少しは楽になるかなとも思いましたが、まさにこれが、「疲労凍死」のパターンだと思いました。これで、風雨にされされたら、かなりの確率で「あの世」に行けたと思います。相変わらず、座って休むと立ちがる時、「立ちくらみ」しています。だんだん、休むのも怖くなってきました。心拍も高いままです。体を冷やすことも筋肉にエネルギーを供給することもできなくなっています。胃が重くて、血糖値を上げることができない状態が続きます。
鹿窓〜第一高点:
鹿窓をくぐり左に抜けて、岩稜を越えると、すぐに小ギャップです。手前、下りの鎖は無かったら降りることができない場所です。昔の太いものがついていて、握りにくいです。向こう側、登りには、新しい細めの鎖がついていますが、無くても登れそうです。鎖無しで降りるのは、ちょっと辛いかなぐらいです。ここを通過すれば、第一高点まで登るのみです。中ノ川乗越からここまで標準タイム 2:40 となっていますが、いくらなんでもかかりすぎで、1.5H ぐらいだと思います。
大した登りではないのに、なかなか進めません。もう、時間などどうでも良くなって、如何にして体力を使わないで動くか、ただただ、それだけでした。第一高点までくれば、「あと2回登れば、もう登りはない」と自分に言い聞かせながら、やっとのことで頂上に着きました。頂上で休憩している間でも「遭難」の文字が頭の中をよぎります。座って休憩すると、立ち上がる時の「立ちくらみ」に恐怖を感じます。今思うと、高山病の気配もあったのかもしれません。
第一高点〜三角点ピーク:
岩稜とハイ松の入り交じった道です。足下が見えにくい所もあるので、速くは歩けません。岩稜部での転落もゆるされません。
三角点ピークまでくれば、もう、大きな登りはないので、何となく気持ちも楽になってきました。あとは、ひたすら釜無川まで下るだけです。
力が入らないので、転落に最新の注意を払いました。こんなとき、Wポールは大変役にたちます。
三角点ピーク〜横岳峠:
頂上部で左に行き、下るとすぐに森林帯になります。木の根段差、倒木またぎ、倒木くぐりが多いですが、岩の段差ではないので、案外歩きやすい道でした。平坦になれば、もうひと頑張り、その後一気に下って峠に着きます。印も多く踏跡もしっかりしています。傾斜があり長く感じるところですが、今までのことを思うホッとする道です。
標高が下がって空気が濃くなってきたせいか、何となく腹に力が入ってきました。消化作用が上がり血糖値も上がってきたようです。それと共に心拍が下がるようになってきました。今までのひどい状態だと、いつになったら降りられることかと半ば諦めていましたが、どうやら、ペースがあげられそうです。
横岳峠〜富士川源流:
傾斜はあるものの道もしっかりしていて、印もあります。
右の方から水音が聞こえてくると、もう少しで、水にありつけます。
フラフラしているので、とにかく水を飲みたい一心でした。
水場に着いた頃には、体調もだいぶ復活してきました。
富士川源流〜林道終点:
岩のごろごろした嫌な部分もありますが、傾斜がないのでだいぶ楽です。
左の方に赤い屋根の小屋が見えたら、そちらに向かって進みます。小屋の横を通り、堰堤を横切ると林道終点に到着です。
林道終点〜釜無ゲート:
途中工事中のところがあって、車は右の橋を渡るようになっていますが、歩くには問題ないので、そのまま左岸の林道を行きます。林道終点からゲートまで約 9Km。疲れた足には辛い林道歩きですが、基本的に緩い下りが続くので、楽と言えば楽です。黄色いゲートが見えると、晴れやかな気分になれました。
釜無ゲート〜竹宇駒ヶ岳神社:
ここから、自転車で竹宇駒ヶ岳の駐車場まで戻らねばなりません。距離、約 20Km。累積標高差 +240m/-380m です。最初 3km ぐらいはダートです。ダンプの通る道なので、埃がたまったものではありません。
白州までは、大きな登りもなく下り続けるので楽ですが、ここから駐車場までは、登りが続き、「もう、登りたくな〜い!」と心のなかで叫びながら頑張っていました。折りたたみ自転車なものですから、何かと辛いのであります。
無事に終わったものの、人もいない小屋もないところで、動けなくなる寸前まで行ったしまったと思うと、「遭難」したようなものです。突然といってもよいスピードで体調が悪化してしまうこともあることが経験となりました。準備してもしなくても、人間、逝くときは逝くものなのだなぁと実感しました。
体調不良があまりにもひどかったこともあり、もう、行きたいとは思いません。最後に面白くもない林道歩きを長々とさせられるのもよろしくありません。鋸岳の部分も、甲州側はほとんど樹林帯で、両側ともスッキリした部分はないので、岩稜歩きの爽快さは、あまり感じません。体力試しに日帰りするのには良いかと思います。
その他:
今回は、持病の膝痛も起きず、通常の膝の痛みもほとんど起きずにすみました。これは、最近行っている「操体」というものの効果だと思います。体の歪みを補正する方法です。下りでポールに体重をかけすぎて肘が痛くなってきた時も、操体を行うことで、痛みを軽減できました。この「操体」という方法は、即刻効果を感じることが多々ありますので、覚えておいても損はないと思います。
後でわかったことですが、この絶不調は、膝痛の薬(漢方薬)によるものだったようです。薬により胃が弱っていたため、冷水と気圧により胃がダウンしました。パワーを維持するには、胃のケアが大事なようです。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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私も寸前の状態経験しました。症状は力が入らないとか、misuzuさんと逆で苦しいのに心拍数が上がらないなど。
立ちくらみとかもなかったので、misuzuさんほどひどくなかったのかもしれません。
冷水のがぶ飲み私も気にしたことがなかったので注意したいと思います。
長時間の行動時は、エネルギーをいかに摂り続けられるかが鍵ですね。まだまだ手探りの状態です。
qwg01230 さんのレコを拝見しますと、長距離がとても多く、感服致します。
高山帯で汗をかいて衣服が濡れると、気温は低いので気がつかないうちに胃が冷えてしまいパワーダウンしています。現時点でもまだ、胃の調子が悪く、相当に不調だったようです。エネルギーの摂取と摂取したものを如何にしてパワーにするかが難しいところですね。
日帰りロング、頑張りましょう
またまたスゴイ!
いろいろ大変だったんですね
到底まね出来ないようなスゴイコースですね
misuzuさんの超人ぶりには、いつも驚かされます
私も水分を多めに、とりながら歩いているので水分の摂取方法も注意が必要なんですね!
まだまだ山の知識が少なく知っておかなきゃならない事が色々ありそうですね
とにかく無事下山本当になによりです
今回の不調は、今まで経験した記憶のないものでした。
高山病とも違うし、休んでも食べても全然復活しないしで、鋸岳の真ん中では、不安と恐怖と後悔でした。
一昨年 まったく同じルートを1泊で歩いたDIYと言います。
これを日帰りとは、驚きです!
私は20号線から神社までの自転車を押しての登りが一番きつかったです。(力尽きました 笑)
日帰りか〜、、、私だと確実に逝ってしまいます。
スゴイの一言です。
私も白州からの登りは、堪えました。DIY さんと同じタイプの折りたたみ自転車でしたが、駐車場の手前は、ジグザグ登りで必死でした。
日帰りできたのは、単に荷物がないからです。ザックも含めて 3.5Kg ぐらいしかないので、この歳でも何とかなったという感じです。
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