西丹沢(犬越路〜檜洞丸〜蛭ヶ岳〜丹沢山〜塔ヶ岳〜大倉)
- GPS
- 13:58
- 距離
- 22.9km
- 登り
- 2,087m
- 下り
- 2,336m
コースタイム
7:15出立-9:30臼ヶ岳-11:00蛭ヶ岳(昼食30分)-13;00丹沢山-14;00塔ノ岳-15:30堀山茶屋-16:40大倉バス停
天候 | 1/17:晴天。犬越路を越える辺りでは日差しの強さに汗ばむほど。寝てない状態で行った為檜洞丸で大事を取って一泊(青ヶ岳山荘)。 1/18:打って変わって曇天。雪は降らなかったが、霧が出て視界は良くない。最後まで晴れず。 |
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過去天気図(気象庁) | 2009年01月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
まず、冬山に挑むのにアイゼンを持たずに行った不心得をここにお詫びしたく思います。青ヶ岳山荘のご主人とおねえさん、本当にすいませんでした。どうしても縦走したかったもので。次から雪山山行では間違いなくアイゼン及びピッケルを持参します。 1/17は晴天だったのでとても気持ちよく歩を進めることができた。最初の犬越路がいきなり急傾斜でツラくてビックリ。しかも、序盤雪の絨毯からはじまるのにここだけむせかえるように熱い。雪もない。日の当たる加減? ちなみに今回ワタクシが選んだコースは冬の丹沢としてはかなりキツめのコースだったようで、超初心者の方にはまったくおすすめできません。 1/18の行程はほとんど弾丸コース。健脚の方ならもう1時間くらい早いタイムで行ける、との事(青ヶ岳山荘のおねえさん情報)。このコースを教わっておいてよかった。おかげで丹沢の主峰を網羅できました。山荘に泊まる事を想定し(つまりシュラフのない荷物で)、アイゼンを持っていけば、それなりに楽しめるコースではあります。ワタクシは無人小屋に泊まる想定で常に荷を組んでいるので、結構ハードでした。 |
写真
感想
1/17
8:45、西丹沢自然公園をスタート。この時点で地図を見間違え、簡単な方のコース
ではなく、犬越路のコースを選んでしまう。上の景色は抜群だったのでいいんですが。
犬越路までの道のりは、なかなかハード。早くも荷の重さを悔やむ。犬越路を登りきる
頃には、汗でグッショリ。ちなみに今回の行程では、フリース一度も着ませんでした。
犬越路の上で、冬山初登山の青年に声をかけられる。この先ってアイゼンいるんですか?
間違いなくいると思うけど、持ってきてません、とかなり意味不明な返事をしてしまったが、
事実だから仕方がない。先を急ぐのでおいとまする。
熊笹ノ峰で昼食。犬越路までの傾斜はむせかえるような暑さで、なぜかそこだけ雪が
一切なかったのだが、そこから先は基本的にずっと雪道。止まると急に体が冷えて寒いので、
とりあえず持ってきたボンベで湯を沸かして携帯用の豚汁を戻してすする。ウマい。
さらに暖まりたかったのでシチューの粉を湯に溶かして飲む。これもウマい。
そこにいた人たちは、皆日帰り。若干この先が不安になる。聞くと、土日なら
この先の檜洞丸の青ヶ岳山荘には人がいるようなので、そこに泊まることにする。
まだ昼だけど、会社で前日夜中まで仕事して、無理矢理切り上げて帰宅、そこから寝ないで
準備して始発で乗り込んできたので、さすがに足がフラついてきた。
とてもじゃないが、この体で蛭ヶ岳に挑んだら滑って落っこちて死んでしまう気がしたので。
縁起でもない。
12:30には檜洞丸到着。青ヶ岳山荘に入ると、荷物があるけど人がいない。
見ると、「人がいない時でも開けておくけどお金は払ってね」と書いてあったので、
ああよかった、泊まっていいんだと思い、お金を箱に入れようとしていたところへ
ここの主人らしき方が戻ってらっしゃった。
素泊まりでいいので止めてくださいと言い(金があまりなかったので)、
4000円を払って、とりあえず辺りの景色を写メなどで撮って後、ボンベで湯を湧かして
飯の用意をしているところへここのおねえさんらしき方が現れる。
ちなみに、おれはここで借りてきた猫のようにほとんど口を聞きませんでしたが(宿泊客が
おれ以外いなかったのもある)、暗いわけではありません。登山初心者なので、何を話題に
すればいいのか分からなかったのと、単純に、ムチャクチャ眠かったんです。
おねえさんに話しかけられながら寝てましたから。どうもすいません。
ここで、明日は蛭まで行ってそこからピストンで戻ってきて同じ道を下山するつもりだと
お2人に説明すると、「それはキツいしおもしろくないから、蛭〜丹沢〜塔ノ岳〜大倉と
抜けた方がいい」といわれ、地図を見返し、おおそうかと納得。しかし、おれの足でいけるかな?
いや、行けるさ。そのために普段時間を割いて鍛えてるんだから、と自分をこっそり鼓舞し、
おねえさんに、すいませんムチャクチャ眠いんです寝てなくて、と説明して、
17時に早々と床につく。シュラフ持ってきてよかった。敷いてもらった毛布の上で、快適に爆睡。
1/18
もっと早く起きて出る筈が、寝すぎて朝7:00起床。「随分寝るのね」とおねえさんにも
突っ込まれる。確かに寝過ぎです。
大急ぎで荷づくりして7:15出立。
前日から「アイゼンは持ってるよな?」と何度も突っ込まれ、その度に「あ、あのー…はい」
とごまかすように答えてしまった。本当にごめんなさい。どうしても先に行きたかったんです。
遭難したら迷惑かけるのは自分なのにねー。「山は自己責任!」と肝に銘じる。
言い訳にもなりませんが、アイゼン持ってはいるんです。ただ、冬の八ヶ岳をやるような12枚刃の
本式のヤツで…。それで持ってくるの躊躇てしまいました。
とにかく急ぐ。アイゼンがないので、下りからしてツラい。ツルツル滑る。それをなんとか足腰の
バランス感覚のみで凌ぐ。が、やっぱりツルっとコケる。
とその時、不意についてしまった左手を見ると…アレ、小指の第二関節から先が
明らかに違う方向に曲がってる。手袋の上からでもはっきり分かる。…折れた?
本能的に指の向きをポキっと元に戻すと、すんなり入る。あーよかった。どうやら脱臼だったようだ。
しかしよくうまいこと入ったな。とはいえズキズキ痛む。時間はまだ9:00台。
マズいな。今日は16:30頃まで歩きっぱなしの予定だ。これ以上ひどくならないよう気をつけないと。
途中何人かの登山者の方に「アイゼンは?」と突っ込まれ、そのたびに「大丈夫です!」と
意味不明に元気よく答える。それ以上突っ込まれたくなかったので。
蛭ヶ岳に近づけば近づくほど傾斜が急になる。最後の方はほとんどガケ。「ピッケルいるんじゃないの?」と上からの登山者の方に心配されるほど。しかし、ここはやるしかない!
クライミングの要領で、岩から岩へ手と足を慎重にかけていきながら、よじ登る。
これが結構長い。荷がズッシリと肩に食い込んでくる。こんな所で負ける訳にいくか!
おれは冬の八ヶ岳に挑むんじゃああ、と意味不明に気合いを入れ直して、どうにか乗り切る。
普段の鍛錬のおかげか。まだまだ足りない事を実感したが。あと、クライミングの教室に行こう。
マジで自分の命を守る為に最低限の技術は身につけねばとこの時実感。
11時、蛭到着。山荘には入らず(というかアイゼンの事突っ込まれるのがイヤで入れず)。
朝からずっと天候不順のため、景色は何も見えず。霧のかかった状態の中、とりあえず飯。
今日は歩け歩け地獄だから、ボンベであったかいものが食べれるのはこのタイミングだけ。
チキンラーメンと、おこげスープの素をかっこむ。カロリーメイトにピーナツバターを
塗り付けた即席スニッカーズをほおばり、出発。
13:00、丹沢山到着。とにかく塔ノ岳までは、上り下りの繰り返しなので、肉体的にも精神的にも
かなり鍛えられる。これが冬山かー。本式に挑めるのは果たしていつの事やら…。
これを歩ききれれば少なくとも自信はつくはずだ、と自分を鼓舞する。
昨日青ヶ岳山荘で買った水(500ml×3本)が切れ始めてきたので、ここでさらに1本購入し、
先を急ぐ。
14;00、塔ノ岳到着。ヨシヨシ、順調順調。見事なまでにコースタイム通り。
あとはひたすら大倉まで下るのみ! ここから、歩き疲れというか、アイゼンがなくて
靴の中で足の裏がこすれていたせいもあって、足の皮がズキズキと痛み始める。
マズいな。いや、大丈夫! あとたった2時間30分歩けばいんだ!
15:30に堀山の家到着。青ヶ岳山荘のおねえさんいわく「前にウチに泊まった健脚の人たちは
14;30には堀山の家に着いていた」との事。…おれはまだまだです。アイ。
中にお邪魔しているヒマはないので、外に出てる100円ジュースをいただく。バケツに100円入れる。
すると、アラ不思議、たかだか缶コーヒー1本飲んだだけで、あれほど重かった足が
スイスイ進む! これにはビックリ。缶コーヒーの中の糖分と乳成分がよっぽど効いたんだろう。
16:40、大倉到着。自分の頑張りにちょっと感動。
この精神力を忘れるなよ、と肝に銘じる。いつか、そう遠くない冬に、八ヶ岳に挑む為に。
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