槍ヶ岳(北鎌尾根・小槍登攀)
- GPS
- 75:22
- 距離
- 41.2km
- 登り
- 2,592m
- 下り
- 2,581m
コースタイム
12:05上高地-12:40明神12:45-13:27徳沢-14:20横尾14:32-15:11一ノ俣-15:42槍沢ロッジ(泊)
8/11(日)晴れ
7:00槍沢ロッジ-8:03大曲8:14-9:25水俣乗越9:50-12:28北鎌沢出合(テント泊)
8/12(月)晴れ
4:10北鎌沢出合-7:23北鎌沢コル7:42-8:35天狗の腰掛8:50-9:54独標トラバース取り付き-11:01トラバース終了(稜線)11:16-14:07北鎌平先の平坦地14:20-15:15「穂先は近い」レリーフ-15:40最後のチムニー-16:03槍ヶ岳16:33-16:49槍ヶ岳山荘(泊)
8/13(火)晴れ時々曇り
5:50槍ヶ岳山荘-6:33小槍取付き6:48-6:51小槍肩-7:30小槍頂上9:10-9:13小槍取り付き-9:55槍ヶ岳山荘10:07-10:23殺生分岐-11:30大曲-12:05槍沢ロッジ12:25-13:19横尾13:29-14:09徳沢-14:45明神-15:27上高地
天候 | 8/10(土)晴れ時々曇り 8/11(日)晴れ 8/12(月)晴れ 8/13(火)晴れ時々曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
・沢渡〜上高地シャトルバス(往復割引\2000今シーズン中有効) |
コース状況/ 危険箇所等 |
<コース状況> ・大曲〜水俣乗越:急登ですが整備されています。 ・水俣乗越〜北鎌沢出合:出だしのザレ場は木の枝などを掴みながら慎重に降りてください。この時期、時間の雪渓はザラメなのでアイゼン不要(心配なら4本爪で大丈夫)雪渓終了後は出合まで河原歩きです。出合のテントスペースは確認の範囲で5箇所位です。 ・北鎌沢出合〜北鎌沢コル〜北鎌尾根:迂闊な事は書けませんので失礼。 ・小槍取り付きまで:西鎌尾根側にトラバースルートあり。 <温泉> ・さわんど温泉梓湖畔の湯:源泉かけ流し、露天あり、シャンプー、ボディーソープあり。\700 |
写真
感想
今年は、北鎌尾根に挑戦してきました!このようなルートだと、単独では自信が持てないので、昨年の槍ヶ岳〜西穂高岳縦走でお世話になった「パワーゾーン」さんの「北鎌尾根登攀&小槍クライミング」ツアーに申し込み、挑戦となりました!
8月10日(土)晴れ時々曇り
集合は上高地ビジターセンターに12時でしたが、お盆初日の渋滞を避けるために自宅を4時に出発しました。しかし、全く渋滞に合わず、上高地に9時には到着…暇なので河童橋周辺を散策していました。天気は晴れていますが、穂高の稜線は雲の中です。とりあえず、ビジターセンターに荷物を置きに行くと、そこには今回のパートナーである、Hさんが居ました!昨年、西穂まで一緒に歩いて以来ですから、約1年振りの再会となりました。
ところが、Hさん、朝に軽いギックリ腰をしたらしく、体を正面から見ると、微妙に歪んでます…そこで、自分が普段、お守り代わりに使っているスポーツ用の腰のサポーターを装着してもらうと、少し楽になったようです…
そして、ビジターセンターから、10時にパワーゾーンの「槍ヶ岳〜穂高岳山荘」のツアーが出発して行きました。ただし、同じ槍沢ロッジに宿泊なので、また会いますが…
その後、早めの昼食を食べて、待っていると今回のガイドさんであるTさんが登場です。Tさんは昨年、穂高岳山荘から西穂山荘までガイドしてくれたガイドさんなです。さらに、今回のサポートガイドさんのMさんもいました。ところが、今回のお客は5人なのですが、後の3人が上高地着のバスが渋滞にはまっていて、遅れるとのことです。12時になっても到着しなければ、Mさんと3人で槍沢ロッジに先発することになりました。
12時になり、3人は到着しないことから、Mさんの先導で3人で出発!Tさんは3人の到着を待って追いかけるそうです。上高地から、わりと早いペースで淡々と歩いていると、Mさんに、お1人到着したから追いかけるとの連絡が入りました。そんなことでしたが、我々も約3時間30分で槍沢ロッジに到着…う〜ん、過去最短時間だ…Mさんが受付を済ませてくれて、部屋に行こうとすると、後続の女性Mさんが到着。この方は20分遅れ出たそうですが、自分たちの20分後に着いているので、同じペースで来たのですね〜
荷物の整理をして、お風呂に入って外に出てガイドのMさんと話していたら、17時40分頃にTさんを先頭に、Kさん、Oさんが到着しました。お風呂が18時までなので、3人は早々にお風呂に向かいました。部屋は先発の槍〜穂高岳山荘ツアーと同じ部屋で、全員パワーゾーンのツアー部屋でした!
ロッジは混んでいて、夕食は19時からでした。ここで初めて全員が揃いました。その後、細々と荷物の整理などをして就寝です。
8月11日(日)晴れ
本日は行程が短いので、7時出発です。のんびり朝食を食べて、パッキングをして北鎌沢のコルへ向かいます。ここからは、全7名での行動となりました。天気は申し分無く、明日もこのままでいて欲しいね〜と話しながら大曲へ。ちなみにHさんの腰ですが、昨晩のストレッチと自分が常備しているロキソニンを飲んでもらったことで、姿勢は改善していて痛みは緩和してきているようで何よりです。
大曲からは水俣乗越に向かって急登です。2日目にして初めての本格的な登りです。グイグイ高度を稼ぎ、水俣乗越に到着です。眼下には天上沢が見えていて、その左側には北鎌尾根も見えます。振り返れば、北穂小屋がちょこんと見えています。しばらく休憩をしていましたが、別パーティーも北鎌のようです。このパーティーは今日中に北鎌沢コルまで登るそうで、先に天上沢に降りて行きました。
続いて、自分たちも天上沢へ下降開始ですが…いきなりのザレザレです。とっつきからこれかと思うほどで、木の枝などを掴み、足はそっと置いて、「折れるな」「崩れるな」と、そろりそろり降ります。傾斜が緩むと、今度は雪渓です。時間的にも日が当っているので、雪面は柔らかく、アイゼンなしで大丈夫でした。雪渓の末端からは、河原歩きが始まりました。左手には明日歩く北鎌尾根がバッチリ見えます。しかし、思いのほか長い河原歩きの末に本日の目的地の北鎌沢出合に到着です!先行したパーティーも水補給をしながら休憩しています。自分たちは、前回の北鎌チームがデポしてくれていたテントをTさんが探し出してくれて、夜露で濡れていたので日に当てて乾かしてからキャンプ設営です。テントは3張りで、ガイドさん2名で1張り、自分とHさんで1張り、女性3名で1張りです。しかも、時間はまだ、12時過ぎ…日は高くテント中は入れた状態ではないので、皆さん思い思いの行動に入ります。川で洗濯、昼寝、付近を徘徊などなど、そんな時に、突然ヘリの轟音が!しかも北鎌沢右俣を舐めるように上昇し、途中で、先行パーティーが登っているであろう付近でホバリングしています。「事故?」などと話しましたが、その後、上昇を始め、北鎌尾根上空、東鎌上空、とどめに貧乏沢まで舐めるように飛んでいるので「これは撮影だな〜、うちらも映ってるかな?」ということで結論。
暑いですが、心地よくのんびりしていました、Tさんがお湯を沸かしてくれて、皆でお茶を飲み、まったりとした頃に、ようやく夕食。皆、思い思いの食料を食べますが、Oさんが激辛カップ焼きそばを持ってきていて、一口貰いましたが、本当に辛く、皆の手が止まりました…そして明日は、3時起床4時過ぎに出発です。
8月12日(月)晴れ
2時過ぎに目が覚めると、Hさんも起きていて、「星見れますかね〜」と2人でテントから顔を出すと、満天の星空です!明りが一切ない場所ですので、天の川も綺麗に見えます。しかも、タイミング良くペルセウス座流星群の時期で、東の空に約30分で4、5個の流れ星まで見えました。
3時になり、朝食を済ましてテントを撤収して、4時10分に出発です。Tさん曰く、今日の核心部?北鎌沢の登りです。噂に違わぬ急登です!その分、グイグイ標高を稼ぐので、気持は良いですね〜しかし、単に登っているとルートを間違えてしまいますね。ガイドのTさんがいるから、迷わず行けますが、1人では厳しいです…
すると、Hさんが「血出てる?」と振り向くと。右目の下が切れていて流血してます!木の枝が当ったとのことです。少し行って休憩中にガイドのMさんが応急処置をしてくれました。
コルまで僅かな位置でもルートはわかり難く、Tさんが何度かルート確認をして約3時間でコルに到着です。ここで、休憩しつつ、ハーネス、ヘルメット装着となり、いよいよ北鎌尾根に突入です。相変わらず、天気も良く涼しい風が吹いています。
まず、目の前に高くそびえる天狗の腰掛けへ向かいます。道はしっかりしていて、ほぼ通常の登山道ですですから、まだ、アンザイレンはしていません。天狗の腰掛けに着き休憩を入れます。目の前には巨大な独標があり、後ろは高瀬ダムが見え、硫黄尾根、燕岳なども見えますが、槍は見えません。
歩き始めて少しすると、いよいよ独標トラバース道入口です。噂通り、足元は崩れ落ちていて、緑ロープが無ければ、恐ろしいです…アンザイレンして、緑ロープに自分のスリングを掛け替えて無事に通過!さらに、歩いていると、またまた噂の逆コの字岩場です…ほぼ這いずった状態でもザックが当り、大変…基本的に落ちたらアウトという区間ですね〜加えて、短い距離ですが、狭いバンドを降りながらのトラバース…とどめが、お助けロープ付きのチムニー状の岩です。これを乗り越えて稜線に向かって登って行くと、独標の先に飛び出ました!振り返ると、独標のピークがあり、目の前には大槍、小槍がドンと聳え立っています!けれども、遠い…行く手には何個もピークが見えます…
ここからは、細かいピークを巻いたり、直登したり、さらに、ザレと浮石との戦いです。そして、本当に天気が良く雲が湧きません。日射しはきついですが、稜線の風は涼しくて気持ちいいです。ただし、水の消費量は増えていて、念のために3L担ぎ上げて良かったです。
何個もピークを越えて、どれがPいくつなのかもわかりませんが、北鎌平の先の平坦地に到着して、休憩です。ここで、「頂上じゃあ、大槍写らないからね〜」と皆で記念撮影をしてから、出発です。徐々に、足元の岩が大きくなり、ザレザレ地獄からは解放されました。眼下にヒュッテ大槍が見えていて、カニのハサミも通過です。「穂先は近い…」のレリーフに励まされて、最後のチムニーに取り付きます。距離も短く、思ったよりも手がかり足がかりもあり、少し右に巻き突破。岩を回り込むと、頭上にたくさんの人がいます!頂上の人達に「お疲れ様〜」と声をかけていただき、無事に槍ヶ岳山頂に到着!!時間は16時過ぎでしたので、約12時間の苦闘の末の登頂でした。ちなみに穂先は登頂渋滞が発生していて、写真撮影に並び、すぐに槍ヶ岳山荘に下山ですが…こちらも渋滞…それでも、無事に降りて、皆で握手です。ここで、明日の小槍に参加しないMさんがヒュッテ大槍に向けて下山して行きました。全員で祝杯をあげたかったので残念です。
予想通り山荘は混んでいましたが、自分達のパーティーで1部屋取ることができました。そして、外のベンチで祝杯をあげて、明日の小槍登攀のためのサポートをしてくれる2名方々も合流です。本日も朝から晩まで晴れていて、最高の北鎌尾根となりました。
8月13日(火)晴れ時々曇り
今日も星空が綺麗で、天気が良さそうです。朝食は5時から食べて、6時には出発です。さすがに、寒く上着を着てハーネス、ヘルメット装着で山荘前に集合です。小槍の取り付きまでは、大槍へ登る途中から、ザレた谷に下降して行きましたが、とんでもない難所でした。朝から「ラク!ラク!」何度叫んだことか…取り付きまででグッタリです。ある意味北鎌より怖かったです。
取り付きは安定していて、見上げると小槍が…これを登るのか〜ガイドのTさん、Mさん、サポートのお2人がルートなどを確認しています。先発は、Mさん、Hさん、自分の組です。肩まではノーザイルで簡単に登れます。肩でセルフビレイして、Mさんがリードして登ってゆきます。ルート、核心部のトラバースの位置を確認します。トラバース後のチムニーを抜けたところで、1ピッチ終了のようです。Mさんから「登っていいよ」との合図をもらい、最初に自分が登ります。トラバースは足の使い方を何通りか試しましたが、足をクロスさせてクリアー!チムニーは割と楽に通過して、ビレイ点へ。その後、Hさんも登ってきて、2ピッチ目に入りました。2ピッチ目はそれ程の苦労もなく「えっ…ここですか?」と思うほど、あっさり小槍頂上です!小槍の頂上からは穂先の人や、穂先へ向かう人、西鎌を歩いている人達から「あんな所にいる〜」や「写真撮るよー」と大きな声で声をかけてくる人がいました。さらに穂先からはアルプス一万尺が聞こえてきたので、踊れってことかな〜などと思いつつ、後続組を待ちました。なお、頂上では常にセルビレイした状態です。
その後、後続の女性チームも登頂し、全員で小槍に登頂完了!狭い頂上に8人がひしめきあう状態でしたが、サポートの方が「ここに来たらこれやんなきゃ!」と大声でアルプス一万尺を歌い始め、皆も参加!穂先の人達がこちらを見ているので、手を振りながら、大声で1番を歌いきり、穂先の方々から拍手をいただきました〜なお、アルペン踊りは、セルフビレイしているので、無理です…上半身のみの踊りとなりました!
さて、続いては下降です。懸垂下降1ピッチです。高さは約40mとのことですが、最初にMさんが下降し、2番手は自分です。何度やっても懸垂下降の出だしは怖いですね〜しかし、降り始めれば、けっこう楽しいのが懸垂下降!無事に取り付き点に着地。皆さん続々と降りてきます。無事に全員降りて、再び槍ヶ岳山荘に戻ります。けれども、また、あのザレザレ斜面を登るのか?と不安でしたが、帰りはバンドを斜上して西鎌尾根方向へ向かいます。すると…歩きやすいじゃないですか〜気楽にあっさり槍ヶ岳山荘に到着です。
ここで、今回のツアーは解散となります…時間は10時です。上高地へ下山する方々は時間との戦いになりそうです…ガイドのTさん、Hさん、自分は先発して上高地に下山開始です。さすがにTさん相当量の荷物を背負っていても、爆走レベルです…自分とHさんもついて行き、グングン高度を下げて、槍が小さくなってゆきます。途中の水場で補給して、約2時間で槍沢ロッジ着。メチャ速いペースです。これで、バスの時間も大丈夫だな〜となり、Tさんは「ここからは、のんびり行くので先にどうぞ」とのことで、休憩後にHさんと2人で上高地へ向かいます。しかし、自分たちは手を緩めずに、明神まで爆走を継続してからペースダウン。結局、5時間10分程で槍ヶ岳山荘から下山完了となりました…
上高地では、想像以上のバス待ち行列です…係員が「1時間位待ちます」と言っていて愕然です。Hさんと上高地まで来られていたHさんの奥様は、平湯方面のバス列に並びに行きました。しかし、流れは良く、どんどん前に流れ、30分程度の待ち時間でした。最後に、Hさんにソフトクリームを差し入れてもらい、食べながらバス待ちです。
沢渡で、車にザックを入れて、温泉セットを持って「梓湖畔の湯」へ!小さい温泉ですが、源泉かけ流し、露天ありでなかなか良い施設でした。今度から、ここ使おうと思います。その後、渋滞にもはまらず、5時間で自宅に到着。暑い暑い日常に戻ることとなりました…
皆さん、本当にありがとうございました〜!!
10日上高地
11日北鎌
12日下山
でしたが11日は東邦航空のヘリがうるさかった
ですね。自分の頭の上でホバーリングしていた
ので、撮影ならばっちり写ったかな?
ツアーで小槍までとは贅沢な山行。羨ましいで
すがクライミングのスキルがないので、小槍は
無理です。読ませていただき臨場感たっぷり!
お疲れ様でした!
Ten-Tenさん、こんにちは。
11日午後のヘリが飛んでいた頃に、北鎌にいたのですね。出合から、見上げていましたが、捜索にしては不自然な動きでした。
槍ヶ岳山荘のHPにTVのことが書いてあったので、もしかしたら映っているかもしれませんよー
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