北アルプス縦走 親不知海岸〜栂海新道〜朝日岳〜白馬岳〜唐松岳〜五竜岳〜鹿島槍ヶ岳〜扇沢
- GPS
- 168:18
- 距離
- 67.2km
- 登り
- 7,515m
- 下り
- 6,175m
コースタイム
8/6(火)
14:20栂海新道登山口‐16:08入道山‐17:25尻高山17:34‐18:12坂田峠18:21‐19:41シキ割(幕営)
8/7(水)
6:05シキ割‐7:30白鳥小屋7:40‐8:50下駒岳8:55‐9:35菊石岳‐9:50黄蓮ノ水場10:18‐11:07黄蓮山‐12:51栂海山荘15:03‐15:14犬ヶ岳‐15:50北俣ノ水場(幕営)
8/8(木)
5:11北俣ノ水場‐5:57サワガニ山6:06‐7:35黒岩山7:47‐8:37黒岩平9:17‐11:05アヤメ平11:12‐12:04長栂山12:12‐12:57吹上のコル13:18‐14:07朝日岳14:16‐15:07朝日小屋(幕営)
8/9(金)
4:30朝日小屋‐5:26朝日岳5:32‐6:23水平道分岐6:31‐7:04燕岩7:14‐9:39雪倉岳9:59‐10:27雪倉岳避難小屋10:34‐12:27三国境12:37‐13:17白馬岳13:26‐13:36白馬山荘(小屋素泊り)
8/10(土)
10:16白馬山荘‐11:00旭岳11:12‐11:50白馬山荘‐休養‐15:44白馬岳頂上宿舎(幕営)
8/11(日)
6:06白馬岳頂上宿舎‐7:06杓子岳7:15‐8:04白馬鑓ヶ岳8:10‐8:54天狗山荘9:10‐9:31天狗ノ頭‐10:00天狗ノ大下り10:15‐11:36不帰一峰11:46‐12:39不帰二峰12:59‐13:40不帰三峰‐14:00唐松岳‐14:22唐松岳頂上山荘(幕営)
8/12(月)
5:14唐松岳頂上宿舎‐7:23五竜山荘8:02‐9:01五竜岳9:24‐11:20北尾根ノ頭11:27‐11:41口ノ沢のコル11:56‐13:02キレット小屋(小屋泊まり)
8/13(火)
4:41キレット小屋‐6:14北峰‐6:51南峰7:19‐7:53布引山‐8:42冷池山荘8:55‐9:08冷乗越‐10:15爺ヶ岳中峰‐10:33爺ヶ岳南峰10:41‐11:10種池山荘12:00‐14:17扇沢出合‐14:38扇沢駅
天候 | 8/6(火):晴れ 8/7(水):晴れ 8/8(木):晴れ 8/9(金):曇り時々晴れ 8/10(土):ガス 8/11(日):晴れ 8/12(月):晴れ 8/13(火):晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
【登山届】 親不知登山口のポストへ 【水場情報(営業小屋は宿泊者以外の場合)】 [シキ割=○][白鳥小屋=不明][黄蓮ノ水場=○][北俣ノ水場=○][黒岩平=○][朝日岳東斜面=○][朝日小屋=○][白馬山荘=○][白馬頂上宿舎=有料][天狗山荘=有料][唐松頂上宿舎=有料。テン場下の雪渓水=○][五竜山荘=有料][キレット小屋=有料][冷池山荘=有料][種池山荘=有料] 【コース状況】 親不知〜吹上のコル間の栂海新道は、良く整備されていて踏跡もはっきりしているので安心して歩ける。残雪期に雪渓でコースが隠れている場合はコース外れに要注意。 吹上のコル以降はメジャーなルートなので基本的には問題ないはず。ガスなどで視界不良時は要注意。 天狗の大下り〜鹿島槍ヶ岳北峰間の岩稜帯は急登・急下降が連続するが、三点確保が出来ていれば問題ない。要所要所に鎖、梯子が設置されているので安心できる。当然だが、岩場が濡れていると危険度が増すので初心者は避けた方が無難でしょう。狭い場所のすれ違い時はお互いに譲り合いましょう。 |
写真
感想
以前、朝日平に泊まった時から気になっていた栂海新道。下る人は多いけど登りは極端に少ないらしい。
それに不帰ノ嶮、八峰キレットを歩いたことないし、百高山の旭岳も登りたいしと、いろいろ欲が出て、この夏に親不知から扇沢まで歩いてみることにした。
天気予報では予定の期間中はすべて晴れマーク。さあ、行くぞ〜
8/6(火)
前夜、小倉から夜行バスに乗って京都へ。京都からはJRサンダーバードで高岡へ。4年前、剱岳で知り合った山友が出迎えてくれて親不知まで車で送ってくれた。海岸でお弁当を食べて出陣式。
14時20分、見送られてホテル横の登山口から出発。入れ替わりに団体さんが下山してきた。ザックは大量の差し入れで重くなり、22kgは越えているような(><)
いきなりの急登で汗が吹き出て息が切れ、30分おきに休憩を取る。まだ体が登山モードになっていない。ぬかった登山道に足を取られ、滑りやすい。足が痙攣気味なので早速、芍薬天草湯を飲む。
坂田峠まではコースタイムより早かったが、そこからの急登が凄まじかった。足取りは重く、ヘロヘロで遅々として進まない。
19時41分、ようやくシキ割水場に到着。水がおいしくて生き返った。すぐ手前のスペースで幕営。ストレッチをして寝る。
8/7(水)
シキ割から早速の急登。今日も体がきつく、30分おきに休憩を取ったのでなかなか前に進まない。急登のピークにある白鳥小屋は小奇麗な小屋で、屋上からの展望が良かった。日本海もまだ見えていた。
その後はガスがかかって昨日歩いてきた山は見えない。先の山はかすかに見えるが、今日の目的地、犬ヶ岳は相当遠くに見えて気持ちが萎え、行く着けるのか不安を覚える。黄蓮の水場で生き返り、やっとの思いで栂海山荘に到着した。
普通はここで泊まって朝日岳小屋を目指すようだが、コースタイムが10時間45分と長く、自分の足では何時間かかるか分からないので、もう少し先に進むことにしてここで大休憩を取る。
休んでいると朝日小屋から下りてきたグループ、単独さんが続々と到着。みんなここで泊まるらしい。
2時間以上休んで腰を上げ、犬ヶ岳の先の北俣ノ水場まで歩き、コース上に幕営。結果的には大正解だった。
8/8(木)
今日の行程は長いが、見どころも多くて楽しみである。
黒岩山を過ぎて最後の楽園と言われているという黒岩平、アヤメ平、照葉の池など、花と池塘が一杯の場所を歩くと疲れも忘れる。後で朝日小屋で話したオバサンなどは、栂海新道を歩く力はないので朝日小屋に定着して黒岩平までピストンしたらしい。成程、そういう楽しみ方もあったんだ。
吹上のコルに着くと有名な日本海の赤ペイントが待っていた。休んでいたら、五輪尾根の方からギターを抱えたオッサンが上がってきた。話を聞くと、山が好きでアルプスの山小屋の歌を作って、いろんな小屋に行って歌っているらしい。今日は朝日小屋の歌を作ったので披露したいとのことだった。一緒に朝日岳まで上がったもののガスガスで展望ゼロ。残念。
朝日小屋は人気の小屋。今日も満員で名物オカミサンも超多忙。オッサンは歌の話を切り出せずに、代わりにテント場で即席ライブ開始。すると山ガールたちが寄って来て、その中の一人が「オーレン小屋でギターを弾いて歌ってるH本さんじゃないですか!」。なかなかの有名人でした。おかげで楽しいひと時が過ごせました。
夕食に棒ラーメンを食べるつもりだったが、よくよく見たらツケ麺だった。幸い、水が使い放題だったから作れたものの、山の中だったらゴミになっていた。相変わらず間抜けなことやってます。
8/9(金)
昨日まで登って来た山々を振り返ろうと朝日岳に登り返したが、ガスガスで見えなかった。雪倉岳辺りからガスが消え、後立山連峰が見えて剱岳も見え始めた。この後、種池山荘まで剱岳を中心に時計回りで歩くことになるが、見る角度で剱岳の山容が変化するのが印象的だった。
13時過ぎに着いた白馬岳山頂は大勢の人で賑わっていた。さすが、人気の山である。
白馬山荘には三日前、親不知で見送ってくれた山友たちが大雪渓を上がって来ていた。山荘の自炊室で再会と栂海新道踏破を祝って大宴会。風が強く頂上宿舎のテン場でテントを張るのも難しそうだったので、山荘に素泊まりすることにした。やはり布団で寝るとグッスリ眠れて疲れも取れる。
8/10(土)
朝からガスが濃くて風も強い。山荘常駐の気象予報士に聞くと、今日は一日こんな天気らしい。今回の山行の目的の一つに百高山の旭岳に登ることもあったので、今日はゆっくり旭岳に登って、後半に備えて骨休めすることにした。
早朝、白馬鑓温泉に下る山友一行を見送ったあと、なかなかガスが晴れないので10時過ぎから旭岳に挑戦。地図には登山道が載っていないが、意外と踏み跡がはっきりしていて迷うことなく山頂に立てた。
3時頃になって頂上宿舎のテン場に移動。相変わらず風が強くてテント設営に苦労した。風は一晩中うなり、なかなか眠れなかった。
8/11(日)
相変わらずのガスガスの中、杓子岳、白馬鑓ヶ岳を経由して天狗山荘へ。白馬鑓温泉分岐からはパタッと人の数が減った。
天狗の大下りから本格的な急降下、急登が始まった。慎重に慎重に下り、ゆっくり一歩ずつ登る。不帰ノ嶮の一峰、二峰、三峰も急勾配だが、鎖は多いし、それほど難しくはない。ただ、ザックが重いので疲れるのには参った。
大下りの辺りからガスが切れ、剱岳、立山連峰が見えるようになって嬉しかった。
唐松岳山荘のテン場は既に下の方しか空いていなかった。トイレの行き来には困ったが、近くの雪渓の美味しくて冷たい水が手に入るのは助かる。
夕焼けの中にシルエットのように浮かぶ剱岳を拝んで寝る。
8/12(月)
今日は朝から晴れて展望バッチリ。常に剱岳を見ながら歩けるのは嬉しい。五竜岳を目指して歩いているとその先に鹿島槍ヶ岳も見え始めた。
五竜岳山頂では360°の展望を楽しんだ。五竜岳からの下りもかなりのものだ。登り返しながら眺める鹿島槍ヶ岳の形も少しずつ変わって面白い。
喘ぎ喘ぎ登っていると突如、キレット小屋が現れた。よくもこんな場所に建てたものだと感心する。
時間的に冷池山荘まで行けないことはないが、岩稜帯歩きで疲れた老脚に八峰キレットは酷だろうと思い、小屋泊まりすることにした。
テラスでビールを飲み、昼飯を食べながら相席の男性と雑談した。話してみると装備や食材の軽量化にずいぶん詳しい。いろいろ教えてもらって大変勉強になった。
その後自炊室で話した単独男性は親不知からキレット小屋まで4日で歩いてきていた。7日かかった自分とは大違いである。ザック重量は15kgだって。やはりザックは軽いに限る。
8/13(火)
いよいよ最終日。小屋の脇から噂の八峰キレットの登りが始まる。途中で日の出を楽しみ、ハシゴの多い登り、下りを過ぎると鹿島槍ヶ岳への登りが始まった。案外、八峰キレットは簡単に終わった印象がある。
鹿島槍ヶ岳北峰は初めての登頂。長居せずに南峰を目指す。今日も晴天で剱岳や立山はもちろん、槍ヶ岳、奥穂高岳、遠くには南アルプス、富士山までかすかに見えた。
冷池山荘の手前で、上高地から親不知を目指して歩いていた若者と会った。彼もザックは15kgだという。やはり、長期縦走はザックの軽量化がポイントですね。
爺ヶ岳への最後の登りが済んだら、後は下るのみ。種池山荘でゆっくりした後、最後の柏原新道をひたすら下った。
14時17分、扇沢出合に到着。8日間の長い旅は終わった。
終わってみれば長かったような短かったような。いろんな人、風景、花に出会えたし、歩き通せた達成感も大きい。なにより持病の膝痛を出すこともなく、重いザックに耐えて歩いてくれた二本の足に感謝しなければ。
さあ、次はどこを歩こうかな(^^)
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