記録ID: 334335
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無雪期ピークハント/縦走
道東・知床
二度とやりたくない知床連山縦走 〜木下小屋・羅臼岳・三ツ峰岳・オッカバケ岳・知円別岳・硫黄山・カムイワッカ〜
2013年08月14日(水) ~
2013年08月15日(木)
体力度
7
1~2泊以上が適当
- GPS
- 33:08
- 距離
- 27.9km
- 登り
- 2,561m
- 下り
- 2,546m
コースタイム
<1日目:8月14日>
木下小屋(5:00)→オホーツク眺望(5:35)→弥三吉水(6:30)→銀冷水(7:30)→羅臼平(8:35)→羅臼岳(9:30←休憩→9:50)→羅臼平(10:40←昼食・情報収集→11:30)→三ツ峰岳(11:50)→三ツ峰キャンプ指定地(12:10)
<2日目:8月15日>
三ツ峰キャンプ指定地(5:40)→サシルイ岳(6:20)→オッカバケ岳(7:10)→ニツ池(7:30)→第一火口旧道分岐(7:40)→南岳(8:20)→知円別岳(9:10)→硫黄山(10:20←休憩→10:35)→新噴火口(12:50)→硫黄鉱山跡(13:20)→カムイワッカ登山口(13:45)→カムイワッカ湯の滝バス亭(14:00)
木下小屋(5:00)→オホーツク眺望(5:35)→弥三吉水(6:30)→銀冷水(7:30)→羅臼平(8:35)→羅臼岳(9:30←休憩→9:50)→羅臼平(10:40←昼食・情報収集→11:30)→三ツ峰岳(11:50)→三ツ峰キャンプ指定地(12:10)
<2日目:8月15日>
三ツ峰キャンプ指定地(5:40)→サシルイ岳(6:20)→オッカバケ岳(7:10)→ニツ池(7:30)→第一火口旧道分岐(7:40)→南岳(8:20)→知円別岳(9:10)→硫黄山(10:20←休憩→10:35)→新噴火口(12:50)→硫黄鉱山跡(13:20)→カムイワッカ登山口(13:45)→カムイワッカ湯の滝バス亭(14:00)
天候 | 8月14日: 晴れ時々曇り。一時ガス掛かるも視界良好 8月15日: 深夜2:00〜3:30まで雨、その後、晴れ時々曇り。視界良好 |
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過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー 自家用車
・岩尾別温泉の木下小屋までは自家用車を利用して前泊。 ホテル地の涯の建物右側から続く狭い道を進むと木下小屋です。 ここの駐車場は沢沿いの狭いスペースで6台程度しか停められません。 満車の場合は展開することも困難です。 8月15日 ・カムイワッカ湯の滝から硫黄山登山口までの道道93号線は、 歩行利用においても「道路特例使用承認申請書」が必要です。 以下のホームページから事前申請することをお勧めします。 http://www.okhotsk.pref.hokkaido.lg.jp/kk/akk/shiretoko_riyou.htm ・カムイワッカ湯の滝から知床自然センターまでバスを利用 バスは乗車券制でカムイワッカでは乗車券を販売していないので、 自動的に知床自然センターまで連れて行かれます。運賃は650円。 詳しくは斜里バスホームページ参照 http://www.sharibus.co.jp/ ・知床自然センターから岩尾別温泉までタクシーを利用 知床自然センターのカウンターでタクシーの電話番号を聞こうとしたら、 親切にもタクシーの手配までして頂きました。 タクシーはウトロ観光ハイヤーで運賃は3,430円でした。 ウトロ観光ハイヤー:0152-24-2121 |
コース状況/ 危険箇所等 |
今回、山と渓谷社の分県登山ガイド(初版)を参考に登山計画を立てましたが、ハッキリ言って記述されているコースタイの内、前半の木下小屋−南岳の区間は参考にもなりませんでした。今回、縦走装備を背負いつつ日帰り登山者とほぼ同ペースで歩いていますが、コースタイムの数割〜5割増しで歩くのがやっとです。南岳以降はコースタイムとほぼ同等で歩けましたが、それでもハイペースで歩いて、やっとコースタイムに追い付くと言った感じです。この本が編集されてから後、相当、登山道の状態が変っているものと推測します。 <木下小屋> ログハウス調の小屋は立派な作りで屋外にはテーブルと椅子も用意されています。入口から小屋の廊下を奥に進むとすぐ裏側に露天風呂があります。浴槽は3つですが一つはお湯が張っておらず、湯の張ってある浴槽は一つは檜(?)風呂、もう一つは岩風呂です。塩分の濃い温泉で髪を洗ったらガサガサになりますので注意です。風呂の入口にカーテンが張ってある時は「女性入浴中のため立ち入り禁止」というルールがあるようです。夜は終夜ランプが着いてて眩しく、電源が不安定なのか断続的にチカチカするので、アイマスクか何かあるといいかもです。水は沢水を引いた水道(要煮沸)が利用できます。 利用料2,000円、TEL:0152-24-2824(混雑するため予約したほうが良いです) <木下小屋〜羅臼岳> 極楽平あたりが木々が密集して、山泊ザックが引っ掛って鬱陶しいですが、全体的に良く整備もされた登山道です。銀冷水付近は登山道整備工事の基地になっており、ヘリの荷下ろし等で一時的に通行が制限されることがあります。大沢の上部に雪渓が残っていて、春の花から夏の花まで楽しめます(エゾノツガザクラ(変種)、エゾツツジ、イワウメ、チングルマ、アオノツガザグラ、イワヒゲ、エゾコザクラ、ジムカデ、チシマクモマグサ、イワギキョウ、タカネトウウチソウ、イワブクロ、ミヤマアキノキリンソウ。メアカンフスマ等々)。 弥三吉水:十分に水が取れます(要煮沸)。 銀冷水:十分に水が取れます(要煮沸)。 岩清水:チョロチョロですが時間を掛ければ水量は十分に取れます。 岩盤から染み出していてフィルター効果があると思われる上、 コップが置いてあるため飲む人も多いのですが、生水は避けたほうが... <羅臼岳〜南岳> 羅臼平からは三ツ峰キャンプ指定地までは、それまでと別次元の草被り状態ですが、足下さえ注意していればさほど危険な状態ではありません。三ツ峰岳の3つのピークの内、2つにはピークに通じる踏み跡がありました。三ツ峰キャンプ指定地を越えるとハイマツや低木の薮漕ぎを強いられ、時折、低木のトンネルの中を進みます。足下にはゴツゴツした岩が転がり非常に滑りやすく要注意です。ニツ池からのハイマツ林は伐採されていて随分歩きやすく感じる上、南岳に近づくに連れに足下の岩が少なくなり歩き安くなります。花はエゾツツジ、ハイオトギリ、アオノツガザクラ、チングルマ、チシマノキンバイソウ、エゾカンゾウ、エゾノツガザクラ(変種)、ハクサンチドリ、メアカンフスマ、チシマアザミ、コバノイチヤクソウ等々。 三ツ峰キャンプ指定地:チョロチョロ水(要煮沸) ニツ池キャンプ指定地:池には豊富に水がありますが... <南岳〜知円別岳> 多少登山道が迂回しているため、見た目よりも距離感があります。草が被っているものの、登山道は非常に歩きやすい状態です。花は少ないですがチシマアザミ、ハイオトギリ(大群落)、エゾオヤマリンドウなど。この区間で水場らしい水場はありません。 <知円別岳〜硫黄山> ザレ場のトラバース、パラパラと崩れる痩せ尾根の上を通過したり、岩塔を潜り抜けたり、岩場を三点確保で登ったり、愛別岳とオプタテシケ山を足して2で割ったような難所です。痩せ尾根部分は無風であれば対して問題ありませんが、今回は風の通り道になっていて時折強い風が押し寄せイヤな感じを受けました。花は殆どありませんが、痩せ尾根を渡りきったあたりの雪渓近くでウコンウツギやアオノツガザグラの大群落、エゾノツガザグラ(変種)、チングルマなどが見られました。この区間で水場らしい水場はありません。 <硫黄山〜新噴火口> 硫黄山からは10mおきぐらいに設置されたポールを頼りに進み、痩せ尾根手前の涸沢に入ります。途中、標高1140mあたりの断崖で雪渓が途切れていて巻ける道を探したものの見つからず、4〜5mほどの断崖を一旦下り、雪渓と岩の隙間を利用して雪渓のルート上によじ登るというアクロバティックな展開になりました。その後の沢下りも一枚岩の巨岩に苔が生えて滑りやすい状態で要注意です。沢の幅が狭くなってきて標高950m点まで下った場所に大きな矢印とロープが張ってあるので、左に折れると登山道に合流します。その後も新噴火口までは木の根が這い回る足下の悪い道が続きます。 <新噴火口〜カムイワッカ登山口> 新噴火口からは一気に視界が開けザレ場に変わります。ペンキやピンクテープ、ケルンなどでルート表示がされているのですが、ペンキは消え、ピンクテープは下山方向からは死角になる位置に置かれ、ケルンは小さな物が殆どで、何度も立ち止まってルート確認に追われました。硫黄鉱山跡を過ぎ、標高500mあたりからは樹林帯に入りますが、この樹林帯のルート上にあるアリの巣を求めて熊が頻繁に出てくるそうです。セミがうるさく鈴の音が完全に消されてしまうため、数10mおきぐらいに笛を吹いて下山しました。カムイワッカ湯の滝バス停の手前に道道の監視小屋があるので、そこで入林届の記入と道路特例使用承認申請書を渡して終了です。 |
写真
撮影機器:
感想
今回の山行は、まるで物語のように序盤は楽しいことがあり、中盤にきな臭いことが起って、後半に「なんじゃこりゃぁ」っていう展開になりました。かすり傷程度ですんだ上に生きて帰れて本当に良かったです。
木下小屋は駐車場の確保が難しい以外はとても良い小屋でした。終夜ランプが着いてて眩しい上に、遅れて小屋に入って来る人のヘッドランプの直撃を受けたりして、すっかり眠れなくなってしまい、ようやくウトウトしだした頃に何やら地震のような揺れを伴うものすごいいびきに悩まされて結局車中泊になってしまいました。
羅臼岳への登りでは好天や良い出会いに恵まれて、とても楽しい思いをしたのですが、深夜、テント場で雨に降られたり、雨に濡れた薮漕ぎが南岳までずっと続いたり、硫黄岳付近は強風の痩せ尾根だし、硫黄岳からの下りで道がなくなるは、巻いた沢で滑落して落ちかけるは、焦燥感に襲われっぱなしの山行でした。景色はとても良かったのですが、それを十分に楽しめるほどの精神力がなかったです。そんなわけで、「もう一度行くか?」と聞かれたら「絶対行かない」と即答でしょう。羅臼岳や三ツ峰岳までの日帰りや羅臼平で一泊するピストンなら、また是非行ってみたいですが...
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お天気が不安定だったと思いますが、いくらか展望もあったようで良かったです。
コースタイム本当に駈け足のようですね。
この時期の縦走大変参考になりました。
ありがとうございました!!
硫黄山以降が壮絶ですね。
今年硫黄山へ行く為に同じルートをやろうと思っていたのですが、
羅臼平一泊ピストンのが楽しめそうなのですね。
参考にさせていただきます。
結果的に羅臼岳と硫黄山のメインの2つのピーク以外は眺望も良くて、
難しい天気の中、当りクジを引いたような感じで十分に楽しめました(^^)。
初めて通るルートは先の状況がわからないので精神的に落ち着かなくて、
どうしても可能な限りのハイペースになってしまいました。
とりあえず写真だけはいっぱい撮ってきましたが、
この記録が参考になるかどうか...(^^;
硫黄山以降は普通に涸沢を下りるだけと思っていたので、大変な思いをしました。
ただ、硫黄山下山路の断崖と雪渓で分断されていた難所部分は、
今になって冷静に考えると、絶対どこかに巻いていく道があると思うんです。
現に羅臼平で私と逆ルートを歩いて来たパーティに話を聞いた時も、
雪渓が途切れて難儀したなんて話しはしていませんでしたし、
帰ってから確認したら、ガイドブックにも滝を巻いて行くと書いてありました。
単に私が動揺して道を見落としただけかもです。
ただ全体的な印象として、下山方向はルートが非常にわかりにくいのに、
登り方向を振り向くと不思議なことに結構ルートは明瞭なんですよね。
もし同じルートを歩かれるなら私と逆周りのほうがいいのかもしれません。
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