前穂高岳四峰正面壁 北条=新村ルート
- GPS
- 24:27
- 距離
- 30.2km
- 登り
- 2,543m
- 下り
- 2,745m
コースタイム
- 山行
- 5:18
- 休憩
- 0:36
- 合計
- 5:54
- 山行
- 16:48
- 休憩
- 1:52
- 合計
- 18:40
天候 | 7/17(土) 晴れ 7/18(日) 晴れ→夕方から雨→晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2021年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
・沢渡から上高地へはタクシーを利用(帰りは上高地からのタクシー最終便の時刻に間に合わず沢渡まで徒歩で車回収) |
コース状況/ 危険箇所等 |
▶長野県での登山は「登山計画書」の届出が必要です。登山計画書は提出しましょう。 https://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/smartphone/tozankeikakusho.html ▶ルート状況(ルートグレードは参考にしたトポ図からで、あとは個人的な感想です。奥又白谷の雪渓の状態は2021年7/18現在のものです。) ◆中畠新道分岐〜奥又白池 ・中畠新道分岐から見える松高ルンゼ右の尾根の中畠新道を登っていく。(写真6/95)岩壁を左側から右上する感じで取付く。(写真8/95)右上途中に緑色のレリーフがある。(写真9/95) ・中畠新道の尾根上は繫茂した草木がうるさい感じですが途中まで一本道なので迷わず登れます。途中にスラブっぽいルンゼが出てきてそれを右側から登っていくと道が三つに分かれます。左はスラブっぽいルンゼがそのまま続いてる道で後半は藪漕ぎになります。(OさんとMさんはこの道を選択し登ってました。)真ん中はスラブからの枝沢のような感じで枯れたゴーロの沢です。(Oさんとyama_poundは下山途中にこの道に入り込んで下山しました。(写真90/95))右は普通の登山道で踏み跡もあります。途中に雪渓が残っている岩がゴロゴロしたところに出ますが左上のほうにテープがありそこから上を目指せば明瞭な踏み跡に合流します。(yama_poundとSさんはこの道を使って登りました。) ◆奥又白池〜A沢 ・草付には踏み跡がありますがルンゼ横断するときはルンゼ内の踏み跡は薄いというか微妙なので少し注意が必要です。ガス等で視界不良でなければ迷わずに通過できると思います。 ◆A沢〜C沢 ・C沢の出合付近の雪渓にクラックがありましたが、岩が露出した部分に容易に下りれてC沢の雪渓に容易に上れました。(写真32〜35/95) ◆C沢〜T1 ・C沢から小尾根に乗り草付きを踏み跡を辿り登っていくとT1に着きます。(写真36〜39/95) ◆北条=新村ルート(4級下、 A1) 1P 取付支点から左へ回り込んで草付を登る 掘淵蝓璽鼻Mさん、Oさん) ・トポには「1〜3P 100m T1から左へ回り込み凹状部を登る 掘銑検廚箸覆辰討い泙靴燭、MさんはT1から左へ回り込んだところにある北条=新村ルート取付の支点からすぐの草付混じりの凹状ガリーは登らずもうひとつ左へ回り込んで草付を登りました。(写真43〜44/95)Oさんもそれに続いてリード。(ルートどりは若干違った。) ・出だしピッチだし草付が思った以上に滑りやすく緊張しました。 ・ロープスケル15mぐらい ・中間残置支点は一つあったかな?(終了点は残置支点2つを使用) 2P 垂直のフェイスを登り左の凹状部を登る 出だしがA0又はA1で左の凹状部は慶度(リード:Mさん、yama_pound) ・トポの「1〜3P 100m T1から左へ回り込み凹状部を登る 掘銑検廚箸覆辰討い泙靴燭、このピッチの出だしのフェイスは明らかに掘銑犬離哀譟璽匹任呂覆ったです。 ・最初にSさんがリードしましたがフェイスを直上後に右へラインを伸ばそうと奮闘しましたが残置支点が見つけられず時間もかかったのでリードを断念し少し下りたところの残置終了点3本で終了点を作りMさんをフォローで上げそこからMさんがリードで左へラインを伸ばして登って行きました。(写真46〜47/95) ・出だしの垂直のフェイスは先発フォローのSさんに下からアブミを2本渡し残置して登ってもらい後続フォローOさんが回収しました。 ・このピッチは垂直のフェイスに乗りあがるところ岩や左の凹状部へ移動するところの岩が非常に脆かったです。(落石注意!!) ・ロープスケル25mぐらい ・中間残置支点は豊富に有る(終了点は灌木を使用) 3P 直上して右へトラバース +(リード:Mさん、Oさん) ・2P目終了点から右上に見えていた残置終了点(写真48/95でMさんがビレイしているところ)まで登ることにしてMさんがスタートしましたが、Mさんがビレイした終了点からさらに5mほど右へ行くと他の終了点がありました。(これがトポのルートの2P目終了点かな?) ・ロープスケル25mぐらい ・中間残置支点はそこそこ有る(終了点は残置支点2つを使用) 4P 凹状部を登る +(リード:Mさん、yama_pound) ・ここからトポにある「1〜3P T1から左へ回り込み凹状部を登る 掘銑検廚帽舂したと思います。(トポ3P目かな?) ・岩に挟まったり足を広げたりしながら登れる楽しいピッチでした。 ・凹状部を25mぐらい登ったところにある残置支点でMさんがピッチを切ったのでyama_poundもそこでピッチを切りましたがハイマツテラスにある終了点まであと10m程度なので上まで繋げて登ったほうが良いです。 ・ロープスケル25m ・中間残置支点はそこそこ有る(終了点は残置支点3つを使用) 5P ハイマツテラスまで登る 掘淵蝓璽鼻Mさん、Oさん) ・凹状部の残りをハイマツテラスまで登る。 ・ハイマツテラスに上がったところすぐに残置支点がありますがMさんはさらに右奥へトラバースしてピッチを切ってました。(そこから上へはフリーでは登れそうにないので情報を確認して間違っていること気づきMさんとSさんはOさんが取った終了点へトラバースして戻ってきました。その間にyama_poundが6P目リード開始) ・ロープスケル10m ・中間残置支点はあったかな?(終了点は残置支点2つを使用) 6P ハング帯の切れ目を右に出てバンド A1(リード:yama_pound、Oさん) ・ハイマツテラス上がったところにある終了点からすぐ上に見える岩を簡単な右側から登りコーナーから1つめのハングを超え次のハングはコーナーからハング帯の右の切れ目から上に抜けそこからピナクル手前まで右上する。(写真54/95) ・1つめのハングも2つめもハングも出だしの足場は平らなので一息入れてから登れます。 ・1つめのハングはアブミ1本残置で普通に突破。2つめのハングは出だしから届く位置にある残置支点にアブミ1本掛け左手でアブミを掴んで乗っかり、次の残置支点からぶら下がっていた残置のナイロンスリングを右手で掴んで体を上げたところナイロンスリングが切れて左手で掴んでいたアブミから左手もすっぽ抜けてフォールしました。特にどこかにぶつかることもなくケガはありませんでした。体勢を立て直して一息入れ切れたスリングがあった残置ハーケンにアルパインクイックドローを掛けロープをクリップしそこに120mmのダイニーマスリングを掛けて足場にして今度は上へ抜けました。アブミは残置したので上部抜け口のワンムーブはフリーで頑張りました。 ・ロープスケル25m ・中間残置支点は豊富に有る(終了点は残置支点3つを使用) 7P トラバース〜カンテ〜フェイス 検 淵蝓璽鼻yama_pound、Mさん) ・このトラバース区間は高度感がありました。トラバース中間の残置支点に長い残置スリングが垂れ下がってましたが先ほど切れたスリングより見た目が悪かったので使いませんでした。(私のウェイトで荷重かけたら間違いなく切れる感じ・・)ここはワンステップ下りるところだったので長い残置があったのだと思います。そのままカンテまでトラバースして行きカンテからフェイスを登りました。(写真58/95)カンテ前に右上するような残置支点もありましたが今回はカンテまで回り込んで登りました。多分こっちのほうが簡単に登れると思います。 ・ロープスケル30m ・中間残置支点は豊富に有る(終了点は残置支点2つを使用) 8P フェイス〜凹状部 掘30m(リード:yama_pound、Oさん) ・7P終了点から少し右へ移動し凹状を適当に登る。その後も岩の部分を適当に登っていき最後はハイマツを漕いでルンゼに出て終了。 ・ロープスケル35m ・中間残置支点はほぼ無し(終了点はハイマツを使用) ルート全般 ・トポの「1〜3P 100m T1から左へ回り込み凹状部を登る 掘銑検廚箸覆辰討い覿茣屬呂匹海鯏个辰討盧埜紊魯魯ぅ泪張謄薀垢帽圓韻襪隼廚Δ里嚢イなところを登ればいいと思います(笑)下山後にネットの記録を確認してみましたがトポ通りに3Pで登ると1P目は草付混じりのガリーで岩が脆く支点がほとんど無いみたいです。1P目はこのガリーの右のフェイスを登っている記録もあります。2P目はクラックのある凹角からガリーを登るようです。3P目は今回登った4〜5P目と一緒だと思います。 ・A沢から見える前穂四峰正面壁の右上に岩が剝がれて白くなっているように見えているところの左側を直上するラインが上記6P目で白くなって見えるところの上をトラバースして右へ行くラインが上記7P目(写真31/95) ◆北条=新村ルート終了点〜前穂北尾根縦走路 ・ルンゼ内にある薄い踏み跡を歩いて2つのルンゼを横断すると前穂北尾根の縦走路が見えます。(写真61/ 95が終了点がある1つ目のルンゼを横断し終わったところの写真で62/ 95が2つ目のルンゼを横断し終わったところの写真。) ◆前穂北尾根縦走路を5・6のコルまで下降 ・縦走路はただ単に岩が岩に積み重なっている感じのところなので浮石と落石には細心の注意が必要です!! ・右から行くか?左から行くか?ルートを選択ミスをすると悪いと思います。 ◆5・6のコル〜A沢 ・5・6のコルからガレた沢を落石に気をつけて下降(写真76/95)し途中で右へ横断し小尾根に乗りそこから踏み跡を右へ横断し尾根に上がると写真77/95のところに出ます。ここから踏み跡を辿り夏道を下ってもよし雪渓に乗って雪渓を下ってもよし好きな方をどうぞ。(今回は夏道を下りました。) ・夏道は途中崩落?していて悪いので少し引き返し木を握ってクライムダウンしました。ただ折れている木もあるので注意が必要です。(写真80/95) ・夏道から沢に降りると沢はかなりザレているので落石に気をつけ間隔を取って下降し途中で雪渓の残る沢をアイゼンを装着して横断しました。(写真83/95)その後、草付を横断するともうひとつ雪渓があるので横断しA沢に到着します。(写真85/95) |
写真
装備
個人装備 |
テン泊装備1式
登攀装備1式(アプローチシューズ又は登山靴・クライミングシューズ・ヘルメット・ハーネス・確保器・アルパイン用クイックドロー×4・クイックドロー×4・ハーケン×適宜・ハンマー・安全環付カラビナ×適宜・カラビナ×適宜・スリング×適宜・捨て縄等)
雪渓対応装備(アイゼン・ピッケル)
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共同装備 |
【Oさん】
ガスヘッド
ガス
コッヘル
食材
7.1mm50mダブルロープ×2
アブミ×2
リンクカム小×適宜
ナッツ小×適宜
テントマット
【Mさん】
【Sさん】
ビール×4
【yama_pound】
4〜5人用テント
アブミ×1
ガス×1
【上記荷物を沢渡駐車場で振り分けて歩荷した】
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感想
今回はOさんから誘われ前穂四峰正面壁へアルパインへ行くことになりました。Oさんは宴会山行だからと余裕な感じでMさんもどうですか?と言ってもらえましたが、Mさんは足が遅く付いていけないのでパスということで、剱尾根敗退の時に一緒だったMさんと初顔合わせのOさん所属山岳会の後輩のSさんの4人で北条=新村ルートへ行くことになりました。Climbing
ヾ響
・初日は奥又白池まで登って少し偵察みたいな感じだったので時間も余裕があり楽しくお酒を飲めました。
・2日目はOさんが計画した時間通りには事が運ばず上高地から出るタクシー最終便までに上高地へ下りることができずに釜トン入口まで全員が徒歩になりました。(疲れてペースの上がらないMさんとSさんには自分のペースで下ってもらい車を回収するためにOさんと私が先に釜トン入口まで下山しました。22:50に釜トン入口へ下山してそこから沢渡駐車場への車の回収はトレランシューズのOさんから空身で行ってもらうことになりましたが00:15にOさんからエマージェンシーキーではドアが開いてもエンジンがかからないとの電話が来て結局私も私の車を取りに沢渡へ向かうはめになりました。。(登山靴でのランはきついし喉乾くしハンガーノック気味だしたまに走ってほとんど歩きで沢渡駐車場まで行きました。着いたのは01:55。)MさんとSさんは03:00ぐらいに釜トン入口へ下山してきたようです。(Oさんの車で釜トン入口に待機。私は24時間風呂に入って駐車場で仮眠してました。)
・奥又の岩場は遠いですが雰囲気の良い岩場でした。また機会があれば行ってみたいです。
反省
・6P目リード中にフォールしました。残置ハーケンにタイオフで付いていたスリングが邪魔でアルパインクイックドローをハーケンに掛けられないのでスリングをナイフで切断するより大丈夫そうな残置スリングを使って登ってしまえと登りましたがダメでした。残置スリングは見た目で判断しない方が良いです。頭では理解しているつもりですが使えそうなのがあると使ってしまう癖は直した方が今後のためかな。
・7P目の残置スリングも6P目と同様に残置スリングが邪魔でアルパインクイックドローを残置ハーケンに掛けられない感じだったのでナイフで切断しようかと考えましたが体勢が悪く余裕がなかったので引っかかる程度に残置ハーケンの穴にノーズを押し込み残置スリングはそのままにしました。あの残置は荷重すると切れる可能性大なので切断して綺麗にしてくれば良かったかなー。
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